不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il Mare di Livorno e Terrazza Mascagni

2010-08-12 20:13:52 | 日記・エッセイ・コラム

リヴォルノにリニューアルオープンした水族館。
その1
その2
を読んでもらうと、
私のがっかり度がわかっていただけると思いますが、
はるばるリヴォルノまで来たからには
がっかりして帰るわけには行かない!!

水族館を出た後は
そのまま脇の公園を突き抜けて
リヴォルノの海へ。
Livorno_01
誰もいない公園。
かと思いきや、
木陰で水着になって甲羅干ししている人が
あちこちにいました。

この水族館の脇は有名な
Terrazza Mascagni(マスカーニのテラス)。
リヴォルノに来たらここには是非行っておきたい、
という個人的にお勧めの場所です。
もしフィレンツェにこのテラスがあったら
朝晩散歩に行くよっていうくらい好きです。
実に水族館滞在時間より
テラス滞在時間のほうが長かったような・・・。

かつて(1800年代半ばまで)はリヴォルノの街を護る
要塞の一部としても使われていたエリアですが、
今は整備されて見晴らしのよい公園になっています。
エンジニアEnrico SalvaisとLuigi Pastoreの手により
今のような形に整備されたのは1925年頃。
1935年にはGhino Venturiの設計によるあずまやが完成。
しかし第二次世界大戦で焼失。

戦後、爆撃の跡に残された残骸を再利用して
広場の拡張工事が続けられ
このときにリヴォルノ出身の音楽家
Pietro Mascagniの名がつけられました。

その後も海水の浸食や行政放置により傷みがひどくなり
1990年代に全面修復されています。
この大掛かりな修復のときに
戦時下に焼失したあずまやも完璧に復元。
上の写真のきのこみたいな建物がそれ。

Livorno_02
目がくらくらしそうな市松模様。
この市松模様のペイブメント、8700平方メートルだって。
34800枚のパネルでできているそうです。

テラスと海の境には
4100本の小柱に支えられた石造りの欄干。

Livorno_03
その欄干からははるか水平線までよく見渡せます。
個人的に網張って漁をしている人もいます。
きっと禁漁区なんだけど、気にしないのねぇ。

Livorno_04
ちょうど満ち潮の時間。
満ちてくると岩場もほとんど海水の下。
従って島のように浮いている大きな岩の上に
寝転がる人が点在しているみたいな風景に。

Livorno_05
広場の端っこから。
ちゃんと海水浴場もあります。
お揃いのパラソル立っているところは有料海水浴場。

Livorno_06
あずまやと市松模様のペイブメント。
何も考えずに作ったわりにはよい調和。

Livorno_07
南国の雰囲気の海岸通り。
フィレンツェにはない開放感があります。

Livorno_08
青空もくっきりきれい!

Livorno_10
Terrazza Mascagniよりも北上したところに
かつてメディチ家が築いた港。
要塞臭さがまさにメディチ家の時代を彷彿とさせます。
16世紀の終わりFrancesco I (フランチェスコ1世)の命で
建設が始まったリヴォルノの港。
建築&設計はメディチ家のお抱え建築家
Bernardo Buontalenti(ベルナルド・ブオンタレンティ)。
本格的に力をいれたのは
1587年にトスカーナ大公の座を継いだ
Ferdinando I (フェルディナンド1世)。

Livorno_11
トスカーナ大公Ferdinando I(フェルディナンド1世)と
4人のムーア人のモニュメント。
港を見渡す位置に建てられています。
Giovanni Bandini(ジョヴァンニ・バンディーニ)作。
Livorno_09
港から市街地に入ると
道の両脇にCacciuccoの噴水。
オリジナルはフィレンツェの
SS.Annunziara教会広場にあります。
Cacciuccoはリヴォルノの名物である
魚介スープの名前にもなってますね。
その昔そのスープを食べるためだけに
リヴォルノに行ったこともあったなぁ。
今回はスープ抜きでしたが
久々の海岸散歩は気持ちよかった!!