不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il freddo e' arrivato

2010-12-15 23:50:25 | 日記・エッセイ・コラム

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この冬一番の冷え込みだそうです。
路上駐車の車のフロントガラスが凍てついていて、
頬に当たる空気がすきっと冷たかった。

夜の空気もすきっとして
透明感のある黒い空が広がってました。

そんな空気の中だとイルミネーションも映える感じ。

この冷え込みを前に我が家の暖房機は未だ故障中。
それでも暖の残りやすい我が家は
さほど寒さを感じずに過ごせています。

とはいっても、レイラは寒いみたいで、
湯たんぽかチッチーノにくっついて離れない。
チッチーノは時々踏み潰されて迷惑そうだけれど、
それはそれで幸せみたい。

去年の今頃私は風邪を引いていた。
そしてビリーはどんどん元気がなくなってた。
そろそろ1年が経つんだね。


Il Ritratto di Musico

2010-12-14 18:34:45 | アート・文化

イタリア統一150年であちこちでイベントが企画されていますが、
ローマのカピトリーニ美術館でも
2011年10月に関連イベント展覧会が予定されています。
「統一イタリア前のイタリア人たち(仮)」というタイトルで
ミケランジェロとレオナルドの作品を
それぞれ50点ほど集めるというもの。

この展覧会の前哨戦として
先日まではCASA BUONAROTTI(ブオナロッティの家)から
ミケランジェロの「Due Lottatori(2人の闘士)」が貸し出され
その後を次いで12月11日から
レオナルドの「Il Musico(音楽家の肖像)」が展示されています。
アルクス・アウレリウス帝の像を
絶賛していたレオナルドの作品が
その脇に展示されるというのは実に夢の競演ではあります。

1485年の製作といわれるこの「音楽家の肖像」は
数少ないレオナルドの肖像画作品の中でも
唯一男性を題材にした貴重な作品です。
ミラノにあるPinacoteca Ambrosiana
(アンブロジアーナ絵画館)に
1671年から所蔵される門外不出の作品で、
実際遠征貸し出しは今回が初めて。

誰の肖像画なのかという点については諸説色々あります。
19世紀にはLudovico il Moro
(ルドヴィコ・イル・モーロ)だといわれていましたが
その後の修復で上塗り部分が剥がされて
楽譜が描かれていることがわかると
音楽家であろうという説に流れていきます。
レオナルドと同時代のミラノで活躍した
音楽家の名前が挙がっていますが、
中でも親交の深かったとされる
Atalante Migliorotti(アタランテ・ミリオロッティ)
という説は今も根強く残っています。

この作品でも眼や視線が特徴的で
非常に細かいところまで描きこまれています。
遠くを見つめるような、というか視点の定まらないというか
そんな視線なのですが
レオナルドが、精神の動きを絵画で表現するために
外観を与えようと初めて試みた作品であるとも言われています。
つまり歌い終わったところで物思いにふける音楽家の
頭や心の中にある思いを
視線や表情に投影し表現しようとしているということです。

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この機会にローマでアウレリウスのどでかい像の脇で
小さな作品を見てみるのも面白いかもしれません。

Il Musico
会場:Musei Capitolini(カピトリーニ美術館)
    Esedra di Marco Aurelio
会期:2010年12月11日から2011年2月27日まで
開館時間:9:00-20:00、
       12月24日&31日は9:00-14:00
休館日:毎週月曜日、12月25日、1月1日
*12月27日、1月3日は特別開館予定。
入場料:11,00ユーロ


Panettone Il Fichissimo

2010-12-12 14:43:43 | Squisito!

Panettone Il Fichissimo
クリスマスの定番お菓子なので、
毎年この時期一回はどこかでご馳走になったり
自分で購入したり。

先日友人宅へ招かれて出かけた時の
手土産に買ったパネットーネが
予想外に美味しくて大反響。

レイラの散歩道にある
近所のパスティッチェリアのもの。
今まで買ったことがなかったのだけど、
いっぱい並んでいたので
試しに買ってみたら大当たりだったというだけなんですけど。

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友人宅へ持って行ったのは 「洋ナシと松の実」でしたが、
自分のために買ったのは イチジクの「Il Fichissimo」。
名前がいかしてます。

これもなかなか美味しく
朝ごはんにふたきれも食べちゃって
お腹いっぱい。
Panettone Il Fichissimo

しっとり感は 洋ナシの方があるかも。
いずれにしても今年のクリスマスのオススメです。


Dove ho voluto visitare

2010-12-11 12:22:33 | 日記・エッセイ・コラム

今回の滞在で絶対に行きたいと
父に懇願して連れて行ってもらったところ。
(自分じゃ道がわからなかった・・・)

沼津の御用邸。

いつぞやのブクブク交換会でゲットした
立原正秋の「花のいのち」に
沼津御用邸周辺の描写があり
そういえば、行ったことないなぁと思って
今回訪れてみる場所のリストに入れておりました。

地元っていつでも行けるからと思って
訪れたことがない場所が山ほどあるんですよね。

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御用邸入り口。
父と母に今更見てもつまらんとか言われながら
説得して入場(爆)。

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入り口前の立派な松とか見て
「これで十分だろう」とか言われましたけどね。
これもすばらしいけど、やはり中に入ってみてみないと。

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海辺にあるので松の木が海風で傾斜している。
そこに木造の建物群が点在。

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牛臥山(うしぶせやま)。
名前は聞いたことあったけど、これかぁ。

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あいにく雲が張り出してきちゃったので
拝めなかったけど、
ここからは富士山も眺められるので、
海岸線沿いに富士山展望台とかもあります。

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母が気に入ったプロムナード。
色のコントラストがとてもきれい。
サルビアの花もこうして植えると映えるよね。

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御用邸内ではちょうど菊花展を開催中で
きれいな菊の花が飾られていました。
情熱燃やして創っている方がたくさんいるのですね。

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菊の御紋のベースになったという
16枚の花びらの菊っていうのも見ました。
日本について日本の文化について
知らないことが多すぎて我ながら恥ずかしい限り。

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プロムナード反対側から。
向こう側が海。駿河湾。

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そんな囲い撮ってどうするのって
母に言われましたけどね、
これだってすごい芸術作品だと思うわけですよ、
海外で暮らしていてたまに帰ると。
だって全部手作業で竹編んで作っているのよ。
すばらしいよねぇ。

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ここは天皇家の方々が使った湯屋。
脇に釜焚き場がありました。
昔は釜場で温めたお湯を
湯屋まで人が運んでいたんだろうねぇ。

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そして正門。
なんとゾーリンゲン。
天皇家のお抱え医師として勤めたドイツ人医師の紹介で
当時のゾーリンゲン社が製作したとか。
上下に何気なく菊の文様っぽいの入ってたよ。

いやぁ、行ってよかったです。
こんな素敵な機会のきっかけを与えてくれたブクブクにも感謝。
自分じゃ絶対買って読んだりしない立原正秋にも感謝。


Il luogo dove sono cresciuta

2010-12-10 20:02:25 | 日記・エッセイ・コラム

仕事が忙しいとはいっても
一年に一度日本に帰れることは大変ありがたいこと。

11月に10日ほどの一時帰国。
帰ってきてようやく写真の整理をしたのですが
食べ物と富士山しか写ってない(笑)。
人物を撮らないのは普段からなので
驚かないけど、それにしても富士山ばっかり(笑)。
よっぽど好きなのねって我ながら。

そんな写真の中から
まずは我が実家周辺。

早朝羽田に到着した日は
東京で遊んでいたので翌日。
まずお墓参り。
父方の祖先が眠る墓地からの我が街。

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奥の山が城山&葛城山、手前の茂みは広瀬神社。
何にもない田舎ですけどね、ここが大好きなんだよね。

10日間実家にいるあいだに富士山が見たいがために
何度も足を運んだ狩野川堤防。
紅葉が少しずつ始まってました。

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こうした山際の紅葉が
実は我が家の窓からも見えるんだけど、
横着な(?)父は
「家の洗濯物のあいだから見える紅葉で十分」とか嘯いてました。

今回は本当に天気の悪かった2日間を除いては
毎日富士山を拝めた、幸せな滞在でした。
富士山はまとめてまたアップするけれど、
堤防からの眺めをいくつか。
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到着したばっかりの頃は
雪もうっすらだったので
目を凝らすと登山道が見えます。

狩野川と富士山。
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富士山を見るなら冬の朝がやっぱりいいかな。
朝のうちは姿が見えていても
あっという間に雲隠れしちゃうしね。
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この時期の我が家には
大量の干し柿が・・・。
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自宅で食べないくせに
毎年作って近所や親戚に配り歩いている母。
まぁ、楽しいんでしょうね。
私も干し柿嫌いなので、食べませんけど(笑)。

そんな父と母は細々二人でこんな店を営んでます。
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ジャングルかと思うような店の前ですけどね、
実家はカクテルバーです。
私がイタリアに行ってからここに越してきているので
私は別にここで育ったわけじゃないけど。
私は酒も飲まないので、店のことはよくわからないけど
父の作るカクテルはおいしいらしいですよ。

今回実家にいるあいだに
本当はもっとあちこち顔を出す予定だったのですが、
出不精で温泉ばっかりいってて
結局あんまりどこにも行かなかった。

Twitterで知り合ったわさびジェラートやさんも
イタリアに戻る直前に伺ったり。
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知っている人はよく知っている「浄蓮の滝」。
そこにある飯倉さんのジェラート屋。
「ぴりっとくるねぇ」っておじさんたちが美味しそうに
わさびジェラート食べてました。

ごみ拾いボランティア活動もしている飯倉さんを
母に紹介したかったので両親とともに訪れ
帰りになんとお土産に
こんな立派なゆずをいただいてきました。
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遅くなりましたが、飯倉さんありがとう!!

ということで、続く。