超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

中村苑子句集より

2024-02-04 16:04:12 | 無題
「中村苑子句集」より
(みなフロイト的にヤバい)
舌を灼く氷不運な出合いかな
口下手の真っ赤な舌や氷水
蛇過ぎて草起き上がるなまめかし
睡蓮や聞き覚えある水の私語

夏蝶はおほむね白し汚れやすし
身のなかの一隅昏らし曼珠沙華
火の色の石あれば来て男坐す
身を容れて夕ぐれながき合歓の歓

消えやすき少年少女影踏み合ふ
現つなの少女ただ居て怖ろしき
屋根裏に昨日のわれと密会す
あはれ幼き花の下なる物狂い

衣擦れのあと寂として春の雪
桃の宿ひとり遊びの影踊り
うしろ手に閉めし障子の内と外
星ばかり見ないで蓮が開くから
わが影に来て影添ふや岩清水
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歳時記俳句・春炬燵

2024-02-04 00:03:24 | 自作俳句
春立ちて友に好い品買いにけり
早春に時が癒すと独り言
行く人は皆襟立てて春浅し

春めきて野鳥さえずる午後の二時
陽光にメープルトースト暖かや
長閑なる午後に路上で口喧嘩

銀翼で飛んで行きたし風光る
祝い事春光のなか一升パン
春めきて山水で鳴る弾き語り

山覚める麓の町の片笑窪
春休み髪型を変え歩も軽く
休日に今暫くは春炬燵
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