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ウクライナ情勢-ロシア軍ハリコフ州再侵攻,ハリコフ市から北東50kmの距離にあるボウチャンスク市が戦場

2024-05-12 07:01:23 | 国際・政治
■防衛情報:ウクライナ戦争
 日本の防衛は海を渡られれば終わりだという年頭で戦車など重装備を削減していますが遮二無二海を渡られた場合に亡国となるよりは重装備を揃えておく政治の責任を感じます。

 ハリコフ州へのロシア軍攻撃の概況について、突破は現地時間10日早朝の時間帯で攻撃を受けたのはハリコフ市から北東50kmの距離にあるボウチャンスク市、ロシア軍は砲撃と航空攻撃の後に突破を仕掛けたとの事。ウクライナ参謀本部発表ではロシア軍攻撃は撃退されたとしていますが、この防衛先頭にウクライナ軍は予備隊を投入した、と。

 ISWアメリカ戦争研究所は5月9日の戦況分析においてロシア軍は西側の軍事援助到着前に戦果を拡張するべくこの一カ月間攻撃を激化させていると報告しています。そしてISWはイギリス国防省の発表を引用するかたちで、2024年3月と4月との間では攻撃が17%増大しており、チャシブヤールとアウディイフカ、マリンカに攻撃が集中したとしています。

 ロシア軍の損害も大きく、ISWはオランダのオープンソース情報分析団体であるORYXの発表を引用し、ロシア軍は2022年の開戦以来、戦車3000両、装甲車1321両、装甲戦闘車4000両、装甲輸送車431両、耐爆車両56両、ヘリコプター137機、艦艇24隻を喪失し車両と兵器システムの喪失数はじつに15724台に達すると発表しています。
■防衛情報:ウクライナ戦争
 ハリコフ州は新編の第44軍団が主力ということで人員や装備では自衛隊で喩えれば東部方面隊と東北方面隊を合わせた規模になります。

 ロシア軍のハリコフ再侵攻の徴候についてISWは5月5日付戦況分析として、レニングラード軍管区に新設された第44軍団がハリコフ州との国境地域に配備されていると分析しています。この第44軍団は第76空挺師団を中心に5万名規模の部隊となっており、レニングラード軍管区派遣部隊を“北方部隊群”として精鋭部隊との位置づけであるという。

 ハリコフ州国境付近以外ではロシア軍はチャシブヤール周辺において2万から2万5000名規模の部隊を集結させていると、ウクライナ軍ホルティツイア方面報道官の発言をISWは紹介しており、ザポリージャ州ロボティネでの前進やクピャンスク南東部のコトリャリョフカをロシア軍が新たに占領するなど、攻撃は着実に前進につながっているとしています。

 アメリカの対応について、ISWはフィナンシャルタイムズでのサリバン大統領補佐官の声明を引用し、ロシア軍は今後も継続的な前進を続ける等予想していて、アメリカの軍事援助はウクライナの状況を即座に好転させるものではないと認めつつ、戦線を維持できる程度のものではあると想定、2025年以降にウクライナ軍が反転攻勢できると発言しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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