北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十五年度三月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2014.03.02)

2014-02-28 23:23:55 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 五輪終え外見渡せば大嵐、ウクライナが凄いことになり、中央アフリカも非常事態、尖閣諸島への軍事圧力も収まらぬ中、皆様如何お過ごしでしょうか。

Gimg_8591 今週末の自衛隊関連行事ですが、徳島駐屯地祭が行われます。徳島駐屯地、第14施設隊の駐屯する駐屯地で、このほか、第14飛行隊が駐屯する北徳島分屯地を管理しています。この第14施設隊は高知駐屯地より新設された徳島駐屯地へ移駐した第14施設中隊を拡大改編し創設された部隊です。

Img_9576 北徳島分屯地は、徳島県初の陸上自衛隊部隊として海上自衛隊徳島航空基地に隣接し新編された飛行隊で、これにより四国に初めての陸上自衛隊航空部隊が展開したところです。施設隊と航空部隊とどういった展示となるのか想像できませんが、足を運ばれてみてはどうでしょうか。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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榛名防衛備忘録:四輪駆動機動装甲車,基幹二個大隊化での基盤的防衛力のコア編成化

2014-02-27 22:47:14 | 防衛・安全保障

◆機動防衛力と基盤防衛力

 本日の記事は前回、昨日記載した記事の継続として。基盤的防衛力は更に基盤として根付かせるという視点と共に掲載します。

Nimg_2043  本部管理中隊・第一普通科大隊・第二普通科大隊(予備)・重迫撃砲中隊。前回の編成では現役自衛官編制の四輪駆動装甲車・軽装甲機動車化された一個大隊と予備自衛官と教育部隊主体の高機動車主体の一個大隊に重迫撃砲中隊を置く編成を提示してみました。即ちこれはコア化部隊に他なりません。この編成案背景について先ず提示してみましょう。

Mimg_2070  五個方面隊に、方面空中機動混成団と方面装甲混成団を新設する、という提案を行いましたが、これには各方面隊に二個普通科連隊分の人員を抽出する必要があります。そこで実員を増勢出来ないという現状を見ますと、残念ながら師団普通科連隊から人員を抽出するほか方法はありません。

Gimg_2711  しかしながら、現状の普通科連隊の定員でも実質一個大隊基幹程度の人員しかなく、辛うじて重迫撃砲と充実した中隊本部機能に本部管理中隊の能力により連隊規模を維持しているという実情がありますので、これ以上人員を抽出する事は出来ない、という難題があり、解決策を探さねばなりません。

Img_1716a  それならば部隊は動員を前提とした編成に転換し、いわば基盤的部営力をコア化部隊と受微部隊に区分得ることで規模を維持する方策、即ち即応予備自衛官と予備自衛官だけでもその編成に無理やり組み込み、平時の普通科連隊の定員を確保する事は出来ないか、としたもの。

Img_4119  四輪駆動機動装甲車を装備する普通科中隊二個と軽装甲機動車中隊一個を第一大隊の装備とする提案、これは現状の普通科連隊よりも人員面ではかなり削られることとなってしまいましたが、完全に装甲車を充足した場合かなりの打撃力を発揮することが出来ます。

Jimg_1665  更に連隊が運用される際、機動運用を念頭としていますので有事の際には近傍の管区連隊より第一大隊を編入し、二個大隊編制に増強し任務に当たる事も出来、こうした場合に備え、各大隊は平時から基幹連隊番号に応じた、部隊番号を付与し運用する必要が出てくるでしょう。

Img_7542  部隊を具体的に提示しますと首都の第1普通科連隊であれば常備大隊を第011大隊とし予備大隊を第012大隊、大阪の第37普通科連隊であれば常備大隊を第371大隊として予備大隊を第372大隊とするなど、編入に備えナンバー大隊化する方策もあり得るかもしれません。

Oimg_3884  ただ、予備自衛官の訓練水準を高め、予備自衛官の能力を高める施策を講じる事が大きな前提となります。第一線や知己警備の支援に用いる制度になりますので、応召率を高め練度を高める、この案では予備自衛官の訓練期間として定められた年間五日間の訓練では十分な能力を維持できません。

Dimg_9923  予備役と組み合わせることで、部隊の地域との関係はより深化することとなりますが、どの程度の訓練が必要となるのか。即応予備自衛官の年間30日間の訓練期間は無理としても、もと自衛官の経験者としても毎月一回程度、週末の一泊二日程度と連休期の練成訓練を含め年間、最低でも15日間の訓練が無ければ、部隊水準を維持できなくなるでしょう。

Simg_6368  ただ実質、予備自衛官に年間15日間の訓練召集を行うことは現実的なのか、という疑問符もあり、即応予備自衛官制度の拡大や予備自衛官定数を削減したうえで訓練日数を高めるコンパクト化を行うのか、即応予備自衛官補という仮称で呼び自衛案よりも訓練日数の大きな自衛官予備運用方式を構築するか、いずれにせよ何らかの措置を採らなくてはならなくなるでしょう。

Pimg_0122  この案において方面混成団は、陸曹教育隊を除き司令部機能のみを維持し、防衛出動に際してのみ、第二大隊を各連隊から切り離し予備自衛官部隊を留守部隊として運用と補給と統括し、予備師団司令部という位置づけの下集中運用を行う司令部とするもの。

Img_5383  即ち、有事の際に管区連隊が所属する師団とともに全部隊が転地し機動運用、第一線の統合運用司令部に配置された場合、管区連隊の運用から第二大隊のみが切り離され、駐屯地に残ることとなります。そうしますと、第二大隊は駐屯地業務隊と基地通信分遣隊と共に方面混成団の隷下に自動編入されるというもの。

Img_6298  ここで方面混成団は多数の予備自衛官大隊を指揮統制し、補給と整備支援なども担い、留守部隊の司令部機能を担う、という運用に移行します。留守部隊とはいえ、即応予備自衛官中隊が高機動車により機動運用するのであれば、中々侮りがたく、第二戦線を構築する敵の動向に大きなにらみを利かせる事も可能です。

Fimg_6282  加えて、方面空中機動混成団、方面装甲混成団、師団・旅団が機動運用を展開しますので、全陸上自衛隊としてはその能力はおおきく高まります。この案の最大の問題点は、旅団の存在をどうするか、というものです。ここで旅団警備区を統合する形にて、旅団を師団へ再編成することはできないものでしょうか。

Hbimg_0836  師団。可能であれば、北関東第12旅団に第1師団警備区の一部を編入し旅団を師団化、北海道の第5旅団と第11旅団の警備区を統合し第5師団を再編、山陽山陰第13旅団と四国第14旅団を統合し第13師団を再編、第11旅団の司令部機能と装備品により第15旅団を強化し那覇に第11師団を置く、等の改編は必要となるかもしれません。

Gimg_6392  論理的にはまだ改良の余地はありますが、連隊の連隊長の地位と自治体との関係や指揮階層の問題をかなりの部分で対応でき、有事の際の遊兵部隊の存在を省く、一つの方策となり得るのではないか、と考え、このように提示してみました。もちろん、二個大隊化というのは妥協の末の私案であり、即応予備自衛官と予備自衛官の訓練体系を考えなければ無意味ではありますし本意でもありません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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榛名防衛備忘録:四輪駆動機動装甲車,基幹三個中隊動的運用と予備大隊基盤化構想

2014-02-26 23:52:39 | 防衛・安全保障

◆管区連隊の機動大隊と予備大隊の基幹案

 日本の普通科連隊は実質諸外国の大隊規模ではないか、という視点に対する少々無茶な解決策であり、且つ備忘録故の思考運動の私案の一つ。

Eimg_4283 普通科連隊第二大隊(予備大隊)、大隊本部・即応予備自衛官中隊・予備自衛官中隊・共通教育中隊、少々無茶な編成ではありますが、この第二大隊を普通科連隊に編入し、平時に常備自衛官の本部管理中隊に第一大隊と重迫撃砲中隊と共に普通科連隊を編成する、という案をひとつ。

Img_5285  第一普通科大隊は四輪駆動機動装甲車の二個中隊を軽装甲機動車一個中隊を以て編成、二個大隊と本部管理中隊に重迫撃砲中隊を基幹とし、本部管理中隊定員を200名、重迫撃砲中隊定員を200名、第一大隊を師団普通科連隊中隊編制とし600名、第二大隊を空挺大隊に範を採った中隊に定員を見出し400名を定員、一個普通科連隊を1400名とする案です。

Dimg_9089  連隊長は管区内の行政関係と防災面及び民生支援での窓口という地位を重要視し、連隊旗を輸する普通科連隊を自衛隊の基幹編成と捉え運用するに当たり、導き出した方式で、戦前の郷土連隊方式の利点を最大限活かした方策です。第二大隊は全て高機動車を運用、連隊管区内での即応予備自衛官教育と予備自衛官の集合を地方協力本部と共に担当するというもの。

Gimg_0297  新隊員と自衛隊候補生の教育についても運用し、一種予備自衛官教育と新隊員教育を担う方面混成団の任務を引き継いだ形を採ります。即ち、この案では連隊長は管区連隊として管区を受け持ち、管区内での全ての責任を持つ指揮官として平時には機能する、というもの。

Gimg_8138  第一大隊は機動運用を念頭とし常備自衛官のみとして機能し、隷下の三個中隊は四輪駆動機動装甲車と軽装甲機動車を装備します。第二大隊は基盤的防衛力を念頭とし、機動運用には参加せず、有事の際には予備自衛官を招集し駐屯地と管区内の警備任務に当たると共に、大規模有事や大規模災害時には機動運用部隊である第一大隊が展開したのち、駐屯地に留守部隊として残る。

Img_6045  そして必要であれば即応予備自衛官中隊が管区内の警備巡回に当たり、予備自衛官及び新隊員の共通教育中隊は近傍災害派遣や駐屯地警備、弾薬輸送等の任務に当たります。即ち、平時は双方ともに基盤的防衛力を指向した配置を採りますが、有事の際には第一大隊は重迫撃砲中隊と共に機動運用し、第二大隊のみが切り離して運用される、というかたち。

Img_5153  この案では、全管区連隊が編制に予備自衛官を組み込むという変則的な運用を強いられますが、あくまで連隊の主力は本部管理中隊・第一大隊・重迫撃砲中隊であり、一方で管区を持ち、有事の際にもその地域に基盤を残す、留守部隊を配置し不測の事態に備える部隊という意味で予備部隊としての第二大隊を持つというものです。

Gimg_1474  防衛出動に際して機動運用に対応するのは連隊の1400名のうち、1000名のみ、連隊の平時定員は第二大隊が新隊員と基幹要員のみ、基幹要員以外は実員に数えないのであれば100名程度、実質1100名、というものになります。

Img_0777  現行の編成よりも第一大隊の三個普通科連隊のみでは現状の普通科連隊の定員よりも実員が少なくなっていますが、機動運用に際し留守部隊を予め別部隊として待機させるため、後顧の憂いが無くなる、という大きな利点があるでしょう。

Gimg_6436  何故こうした案を提示したか、と言いますと、普通科中隊の抽出に目的があります。これまでの提案で基盤的防衛力と動的防衛力、戦車の縮小と集中運用という新防衛大綱に基づく一連の変革に際し、方面航空隊のヘリコプター部隊を中心に普通科連隊と対舟艇対戦車隊等を付与した方面航空混成団の提案しました。

Nimg_3730  加えて、戦車300両時代に機甲師団所要を除く150両の戦車を効率運用する方策として、戦車中隊に二個装甲戦闘車中隊と特科混成中隊を加えた機械化大隊を二個編成に組み込み、各方面隊に戦車二個中隊30両と装甲戦闘車60両を装備する方面装甲混成団を配置し、少数の戦車を集中運用する苦肉の策、装甲戦闘車と共に装甲車両の数を確保したうえで機動打撃能力を保持する提案を行いました。 

Iimg_4567  これらの施策には現役中隊を抽出し常備自衛官の部隊として編成完結する必要があり、他方でこれ以上、全国の普通科連隊から部隊を割く事は出来ない、とした上でのそれならば、即応予備自衛官部隊を造成し、予備役を増やすことで動員時の規模を増やす方向で対応できないか、と苦肉の策として提示したものです。

北大路機関:はるな

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BV-206全地形車両、豪雪災害・津波災害を想定すればやはり本部管理中隊に必要だ

2014-02-25 23:55:05 | 防災・災害派遣

◆資材運搬車・雪上車を補完する装備

 やはりBV-206は自衛隊にとって必要な装備ではないのか、という話題を、四度目になりますが改めて。

Img_2529 自衛隊平成26年2月大雪災害派遣では、普段積雪量が少ない地域が突如の豪雪に見舞われ、交通インフラが機能不随に陥り、被害が拡大しました。自衛隊災害派遣に際しても、積雪量が一定以上の北関東信越地方を防衛警備管区とする第12旅団はともかくとして、首都圏を防衛警備管区とする第1師団には雪上車は装備されておらず、空中機動を重視することとなりました。

Img_4816 北部方面隊の雪中訓練等を視ますと、戦車や装甲戦闘車であれば圧雪されていない地域においても89式装甲戦闘車や73式装甲車のような装軌式装甲車であれば一定程度の機動は可能のようですし、スウェーデン軍のCV-90装甲戦闘車等は履帯幅を積雪地を想定したものとしていますので、この種の車両であっても対応できる部分はあるのかもしれませんが、やはりこの種の装備は広く装備することが難しく、現実的ではありません。

Gimg_5548 雪害を想定し78式雪上車をより広い管区に配備する、という選択肢はあるかもしれませんが、78式雪上車は冬季以外に運用出来ず、こうした装備を雪害の通常想定されない地域に配備することは現実的ではありません。今回は大宮の第32普通科連隊も出動していますが、常識で考えれば、大宮駐屯地に一定数の雪上車を常備しておく、というのは合理的ではないでしょう。

Gimg_9378  BV-206を普通科連隊などの本部管理中隊、その施設作業小隊に3~4両配備する。提案は、こうしたものです。BV-206であれば舗装道路上も機動できますし、夏季においては全地形車両として不整地や湖沼地帯など通常の装甲車両でも通行が困難な地域に進出できますので、例えば資材運搬や重装備の防御拠点への輸送に、応急陣地構築などに威力を発揮します。

Aimg_0625 水陸両用ですので、もちろん沖合の輸送艦から海岸まで、ということは性能上不可能ですけれども、津波などで進水した地形において輸送能力を発揮できます。78式雪上車は湖沼地帯に面すれば迂回するしかありませんし、そもそも夏季に用途は無い車両ですが、BV-206であれば、通年運用可能で、その中に冬季の積雪期が入っています、そして大規模災害時にも対応する、というもの。

Simg_5419 今回は雪害でしたが、全国の普通科連隊などの本部管理中隊施設作業小隊へ装備しておけば、津波災害における初動の情報収集と輸送に大きな威力を発揮することは間違いありません。履帯駆動方式で水上を移動しますので、速度は大きくありませんが津波災害において使用すれば、スクリューなどの推進器ががれきで破壊されることもありません。

Bimg_6028 こうした装備は少数分散配備するのではなく、集中配備し、必要に応じて空輸などで展開させるべき、という視点はあるかもしれませんが、集中配備したとして有事の際、災害に含むのですがあらゆる輸送能力が不足する状況下で、限られた全地形車両を空輸する余裕は無い訳ですし、それは今回の災害派遣においても雪上車の管理替えによる第1師団管区への展開は行われていないことで端的に見ることが出来ます。

Img_0739  本部管理中隊施設作業小隊への装備を提示したBV-206ですが、用途としては資材運搬車の後継という位置づけで、積雪地域においては10式雪上車の補完的位置づけ、という運用を想定します。資材運搬車は最高速度20km/h、3tを搭載という局地輸送向けの装備で、対してBV-206は輸送能力で2.2tとかなり制限されるものの最高速度は55km/hと資材運搬車よりも大きいため、局地輸送では時間当たり輸送力は大きいといえるでしょう。

Img_6006  ただ、全長が6.9m、全幅は1.87mですので、資材運搬車の全幅2.15mよりも幅の面では小型ですが資材運搬車の全長4.3mよりも長くなっていますので、車両輸送を考えた場合には一考の余地が残るかもしれません。戦略展開では資材運搬車が、戦術能力ではBV-206,というところでしょうか。

G12img_1250  もっとも、最高速度が55km/hあり、車幅も道路交通法の範囲内にありますので、BV-206は96式装輪装甲車や軽装甲機動車のように自走展開する事も可能でしょう。自走展開ですが、南極観測隊の雪上車は内陸部の観測施設へ長距離自走展開していますし、管区内の災害派遣であれば無理は少ない。

Nimg_0704  このほか、78式雪上車と比較した場合、最高速度は45km/hですのでBV-206のほうが有利で、搭載能力も1tですのでBV-206のほうが多くを搭載できます。ただ、取得費用についてや平坦支援の負担水準などについては総合的に判断するひつようはありますが。

Fimg_6639 一方、防衛出動に際しては重装備を山間部において輸送する際、人力搬送が不可能であった重迫撃砲や多目的誘導弾発射装置等を運ぶことが出来ます。このBV-206の導入提案は災害派遣能力の強化という部分に加え、防衛という自衛隊の最重要任務への対応能力も強化になる案、と考える次第です。

北大路機関:はるな

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自衛隊平成26年2月大雪災害派遣、派遣八都県全てで除雪・輸送・救助等任務が完了し撤収

2014-02-24 23:50:12 | 防災・災害派遣

◆5060名を派遣、除雪距離281km・44tを輸送

 防衛省が本日HPに発表した情報によれば、自衛隊の豪雪災害派遣は派遣要請が出された八都県全てで完了したとのことです。

Img_9377 今回の災害派遣は14日よりの豪雪に伴い15日の山梨県よりの災害派遣要請を皮切りに群馬県、福島県、長野県、静岡県、東京都、宮城県、埼玉県、と次々に派遣要請が出されていましたが、昨日23日1200時、最後まで災害派遣を実施していた埼玉県について、撤収要請が出され、任務が完了しました。

Img_2035 今回の災害派遣は、陸上自衛隊が有する空中機動能力が最大限発揮されたものと言え、航空偵察による情報収集と孤立地域への空輸や孤立者の救出に留まらず、除雪部隊の空中機動や除雪作業への雪崩警戒を目的とした空中監視等、航空機を単なる輸送手段や情報収集手段として用いるのではなく複合的に運用する自衛隊ならではの任務と言えるでしょう。

Sdimg_4265 今回の災害派遣は全体で見た場合の期間で15日から23日まで、というもので、この間の災害派遣任務の規模は、派遣人員延べ5060名、派遣車両延べ990両、派遣航空機延べ131機で、活動実績は救助者数73名、患者空輸3名、物資輸送44.0t、除雪距離は281.2kmというものでした。

Img_0885 派遣部隊は、第1飛行隊(立川)、東部方面航空隊(立川)、第1特科隊(北富士)、第48普通科連隊(相馬原)、第12ヘリコプター隊(相馬原)、第12後方支援隊(新町)、第12施設中隊(新町)、第13普通科連隊(松本)、第306施設隊(松本)、富士教導団(富士)、第1施設大隊(朝霞)、第32普通科連隊(大宮)。

Qimg_4864  第1ヘリコプター団(木更津)、第34普通科連隊(板妻)、第4施設群(座間)、第12対戦車中隊(相馬原)、第364施設中隊(駒門)、第2施設団(船岡)、第44普通科連隊(福島)、第12偵察隊(相馬原)、東北方面航空隊(霞目)、中部方面航空隊(八尾)、となっていますが、此処に航空自衛隊が加わります。

Nimg_8606_1 航空自衛隊からの災害派遣は、部隊として航空救難団(入間)、航空救難団(小牧)、偵察航空隊(百里)が派遣されています。この派遣部隊は主として山梨県での災害派遣任務に投入され、大きな役割を果たしています。災害派遣開始後は被害の拡大を防ぐことが出来、復旧の端緒を構築出来た事は非常に大きな成果と言えるでしょう。

Img_0778  今回の災害派遣から必要な装備として、やはり各部隊に資材運搬車を補完する車両として雪上車としても運用可能なBV-206に代表される全地形車両の必要性や被災地域に関する航空偵察情報を継続的に供する手段としての滞空型無人偵察機、空中機動に対応する空挺用施設車両等の必要性を感じるところではありますが、ともあれ、無事任務完了となりました。

北大路機関:はるな

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小牧基地航空祭オープンベースKOMAKI第二日(2014.02.23) PowerShotG-12撮影速報

2014-02-23 23:45:50 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆注目の災害派遣展示参加車両

 前回に続き本日も小牧基地航空祭へ展開してまいりました。

Gkimg_8650 小牧基地航空祭、昨日は、あの混雑極めた岐阜基地航空祭が僅か30km隣で行われたとは思えないほどの来場者ではありましたものの、流石は日曜日、来場者の数も若干増えていました。しかし、C-130Hの二機が進む様子を眺める観衆が示すように、若干とは文字通り若干で、混雑を感じる程ではありません。

Gkimg_8621  航空祭といえば、混雑と並ぶのが渋滞と駐車場不足ですが、今回の航空祭は近傍の三菱重工駐車場が開放され、駐車場と小牧駅間のシャトルバスが運行、その駐車場も驚くことに昼前の段階で余裕があるなど、他の航空祭では考えられないほどのゆったりぶり。

Gkimg_8636  小牧航空祭は飛行展示が多くない内容として知られているのですが、本年は例年より更にに少なく、オープニングフライト編隊飛行、空中給油飛行展示、災害派遣展示、の三つのみ、空中給油展示はKC-767とKC-130が参加という、小牧ならではの展示でしたが、この規模こそ、ある種通好みと言われる所以なのかもしれません。

Gkimg_8611 飛行展示は概ね土曜日の実施の通りでしたが、災害派遣展示には岐阜基地よりF-15J戦闘機が上空偵察展示へ参加、関係省庁の航空機参加も増していました。主力機材は300mmF2.8ISを備えたEOS-50Dと18-200mmISを装備するEOS-7Dが主力で、この記事に使用しているG-12はあくまで補助、そこまでいい写真は撮れていないのですが、この通り。

Gkimg_8634 中期防衛力整備計画では、空中給油輸送機の増勢と早期警戒機代替機の導入開始が盛り込まれていますので、現行機種の体系に沿った増勢が行われるのか、新型機が導入されるのか、やはり航空祭でスト初対面の方同士の雑談で、こうした面白い話題が上るというのも一つでしょうか。当方一行やいつも現地でご一緒していただく方々同士の雑談に、加わってくる方も。

Gkimg_8489 災害派遣展示、こちらは昨日の様子で、放水展示が瀑布の如き飛沫となって、航空消防車の威力が何と観客席の方へ流れる、という事がありました。その関係か、本日の放水展示は方向が留意されていました、あの角度ならば、大丈夫だったのでしょうか。

Gkimg_8681 災害派遣展示は、マグニチュード8の地震が発生したとの想定のもと、自衛隊の初動と共に各機関の連携が展示されていたのですが、驚いたのは訓練に参加した車両、愛知県警のウニモグと、そしてなんと岡崎市消防局のExtremV,シンガポールのSTキネティクス社製、最新そのもので総務省が導入し管理を委託したものとのことで、導入されたばかりの車両ですが、これは珍しい。

Gkimg_8687 BV-206と思いきや、シンガポール製ブロンコという車両で、BV-206の原型であるBV-202が1960年代に開発され、その影響を受けた一連の車両群の一つ、似ているが別物、という車両でした。しかし、全地形対応で水陸両用、実用性重視の一つ。

Gkimg_8695 ともあれ、小牧航空祭は例年、ゆったりはしていて、此処でしか見れないものも多い一方で派手さを抑えた展示という印象が強い中、今年は色々と見るべきものがあった、という印象です。、今年は例年十月の開催に対し、やや寒い時期の開催となりましたが、二日とも快晴、楽しく過ごすことが出来ました。

北大路機関:はるな

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小牧基地航空祭オープンベース第一日(2014.02.22) PowerShotG-12撮影速報

2014-02-22 23:26:22 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆本日展開、小牧基地航空祭

 本日、小牧基地航空祭へ展開してまいりました。早速ですがその速報を。

Gkimg_8467 名古屋空港と共用する小牧基地、KC-767空中給油輸送機やC-130H輸送機を運用する輸送航空隊、UH-60JとU-125を運用する救難教育隊が展開する小牧基地は名古屋市内から地下鉄と隣接する名鉄小牧線沿線にあり、駅から近いこともあり非常に交通の利便性が高い基地として知られます。

Gkimg_8417 今年度の航空祭は入間基地航空祭が史上最大の来場者を記録し、岐阜基地航空祭も全く身動きできないほどの来場者が集中、テレビドラマ空飛ぶ広報室の効果が如実に表れていたと驚かされたものでして、この小牧基地航空祭も相当な来場者が、と警戒しつつ足を運んだのですが、電車がやけに空いていまして。

Gkimg_8390 小牧基地王食う際は本日に引き続き明日も行われるのですが、非常に空いていまして、ゆったり取れ例年以上に過ごすことが出来ました。飛行展示はC-130とKC-767が中心、飛行展示の回数はやや少なめではありましたが、小野寺防衛大臣が航空祭を視察、救難展示も実施されました。

Gkimg_8381 救難展示は大規模地震を想定したもので、当初計画されていたF-15の飛行が中止となり、展示そのものの時間配分も少々煮込み不足の面はありましたが、関係各省庁の展示も貴重なものでした。航空祭は明日日曜日も本日と同じ展示が実施されますので、興味がある方は是非どうぞ。

北大路機関:はるな

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平成二十五年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2014.02.22・23)

2014-02-21 22:45:14 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 いよいよ今週末から航空祭シーズンが始まります。今週末の自衛隊行事を見てみましょう。

Adimg_7419 小牧基地航空祭は22日土曜日と23日日曜日に実施されます。航空祭、と言いますと大混雑という印象がありますが、小牧基地は輸送機と空中給油輸送機に救難教育部隊という展示からか、毎年三万人程度と、十五万二十万という大規模な航空祭と比べれば比較的余裕のある航空祭として知られるところ。

Kimg_8045  小牧航空祭は名鉄牛山駅から徒歩五分ほど、牛山駅は名古屋市営地下鉄より接続する小牧線の沿線ということもあり、交通は便利です。戦闘機機動飛行の迫力も、ブルーインパルスの妙技も展示されませんが、その分ゆったりとした展示を楽しむことが出来るでしょう。

Gimg_5106  しかし、航空祭の展示としては、小牧には日本唯一の空中給油輸送機部隊がありC-130輸送機の飛行展示を見ることが出来るのも小牧基地のみ、更に救難教育隊の展示は他の基地の救難展示では見る事が出き無い規模の救難部隊編隊飛行を見る事も出来ますので、航空祭の見どころは少なくありません。

Gimg_0342 海上自衛隊艦艇一般公開は兵庫県豊岡市津居山港かに祭り 掃海艇すがしま一般公開、鹿児島港護衛艦あまぎり一般公開、水俣港掃海母艦うらが・ぶんご一般公開、鹿児島県米ノ津港掃海隊群一般公開、と実施されます。お近くの方は足を運ばれてみてはどうでしょうか。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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島嶼部防衛強化へ第1空挺団が海上降下訓練実施、道北第2師団・南東北第6師団九州展開

2014-02-20 23:47:45 | 防衛・安全保障

◆横浜港には初の自衛隊向けAAV-7が到着

 南西諸島に関する軍事的圧力についての具体的な脅威が顕在化している昨今ですが、自衛隊の防備はかなりの部分で強化されています。

Gimg_2747  先ほど入ったNHK報道によれば、陸上自衛隊が導入する水陸両用強襲車AAV-7について、その最初の4両がアメリカより横浜港へ到着したとのことです。同車は海上から沿岸部への上陸へ用いる装甲車両で、アメリカ海兵隊向けに開発されたものですが、我が国周辺では韓国海兵隊や台湾海兵隊、東南アジアではタイ海兵隊とインドネシア海兵隊が運用しています。

Img_4423  AAV-7は横浜港に到着したのち、近く陸上自衛隊駐屯地へ搬入され、佐世保の相浦に創設される水陸両用団用の両用装甲車両での使用に向け試験に供されることとなります。更に中期防衛力整備計画では52両が増強されることとなっており、陸上自衛隊は2000年代に入って以降整備してきた島嶼部防衛能力の総仕上げとなる装備の一つと言えるでしょう。

Dimg_0799 このほど朝雲新聞は島嶼部防衛に関する一連の訓練を14日付の更新として紹介しました。この中では、九州沖縄を防衛警備管区とする西部方面隊が実施した鎮西25演習に呼応し、旭川第2師団より一個連隊戦闘団が九州へ展開、東北方面隊第6師団より一個連隊が訓練検閲を九州にて実施、第1空挺団も離島防衛訓練を実施した模様が紹介されました。

Dimg_1702  これは11月の自衛隊統合演習として北大路機関ではその実施を昨年の10月31日付記事において紹介しています。したがって朝雲新聞の掲載は今月14日ですが、演習は昨年11月に行われたものです。西部方面隊HPなどではその模様が紹介されていますので、参考までに。

Dimg_0004 第2師団は、平成25年度協同転地演習の一環として行われ、1400kmの距離を一挙に南下し、高速船による重装備の展開や陸路を高速道路などを多用しての緊急展開、一部は航空機による展開を実施しています。重装備には90式戦車や99式自走榴弾砲といった九州には装備されていないものも含まれるとのこと。

Dimg_0853 師団は一個連隊戦闘団編成の部隊を展開、第2師団の連隊戦闘団は本土師団の連隊と比較し軽装甲機動車などは情報小隊に装備されるなど限られているものの、96式装輪装甲車化された中隊を有しており、戦車連隊を有しているため本土師団の連隊戦闘団は戦車小隊を有するのみですが、第2師団は戦車中隊を配置できます。

Dimg_0903 第2師団は90式戦車や99式自走榴弾砲等の優秀装備を保有していますが、年度末に近代化改編を受け、10式戦車などの新装備を受領します。新防衛大綱では機動師団へ改編されることとなっているため、重装備が全自衛隊として縮小傾向にある中、機動力の増強への必要な施策を続けてゆくことでしょう。

Dimg_8582 第6師団隷下の第20普通科連隊は第四次師団訓練検閲に際し、所属する東北南部を担当する第6師団管区より陸路を中心として九州へ展開しました。訓練検閲は所属する師団管区内で行われるものが基本ですが、今回は東北から大きく展開、大分県の日出生台演習場において実施されました。

Dimg_0478 神町に駐屯する第20普通科連隊は、新潟県の高田駐屯地、兵庫県の伊丹駐屯地、山口県の山口駐屯地を経由し九州へ展開しました。第6師団も機動師団への改編が計画されている師団の一つで、こうした訓練検閲の長距離展開が今後ほかの師団や旅団においても実施されるのか、注視してゆきましょう。

Dimg_1567 第1空挺団は九州鹿児島県の大隅半島沖において会場への水上降下訓練を実施しています。水上降下を目的とした訓練はこれまでもかなり以前より実施されてきましたが、主として航空機からの緊急離脱などの海上着水を念頭においたものであったのに対し、近年では島嶼部防衛を念頭に陸上降下が困難な地域への強襲手段として行われています。

Dimg_6114 CH-47輸送ヘリコプターより24名の連続効果が訓練、島嶼部防衛における第一波を務める空挺部隊として、必要な能力の整備を急いでいます。このほか、那覇の第15旅団は年度末改編に備え装備を充実させていると伝えられ南西諸島における防衛はその圧力増大に対応し、万全なものを目指して進んでいるようです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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BMD特別訓練、日米連携強化へ横須賀基地にて海上自衛隊自衛艦隊・米第七艦隊間で実施

2014-02-19 23:54:44 | 防衛・安全保障

◆イージス艦こんごう・きりしま参加

 防衛省によれば自衛隊は米海軍との間で25日よりBMD特別訓練を実施します。

Bimg_6349 BMD特別訓練は弾道ミサイル防衛能力を強化するべく平成23年より開始されており、今回で4回目の訓練となります。訓練は横須賀基地において艦艇と司令部を参加させ実施するもので、訓練統裁官には日本側が自衛艦隊司令官松下泰士海将、米海軍側が第七艦隊司令官ロバートLトーマス海軍中将が当たると発表されました。

Bimg_2849 参加部隊として、海上自衛隊からは自衛艦隊司令部に加えイージス艦こんごう、きりしま、が参加し、米海軍は第七艦隊司令部と所属するイージス艦が参加し実施されます。訓練は25日から28日まで実施され、部隊間の連携要領に関する演練に主眼が置かれ展開します。

Bimg_4080 弾道ミサイル防衛は、我が国土に向け飛来する弾道弾は発射後短時間で飛来し着弾するため、発射兆候を確認するとともに迅速な展開を警戒態勢を強化、衛星と航空機や艦艇の目標情報を瞬時に把握共有し、且つ連動し艦艇のSM-3迎撃ミサイルを投射しなければ着弾前の迎撃は間に合いません。

Bimg_2378_1 技術的に完全なものは無く、一般的には巡航ミサイルなどの報復的抑止力を構築し攻撃を抑制する方策が諸外国では基本となりますが、平和主義を国是とする我が国としては報復戦力の整備ではなく、盾としての防衛力により弾道ミサイルへ対処するべく、その能力が整備されてきました。

Mimg_3839 技術的には極超音速で飛来する弾道弾迎撃は、その研究を開始した当時には不可能とされていましたが、探知能力と識別能力に加え情報共有能力が進歩したことで、必ずしも不可能ではない能力を整備しつつあります。他方、我が国周辺には我が国に弾道弾を照準する国があり、その能力が恫喝に用いられた際に主権を維持する観点からも迎撃能力は重要です。連携による防衛力強化へ期待しましょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

 

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