北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

本日は2008年度末 振り返る2008年度鉄道の回想

2009-03-31 22:06:40 | コラム

◆ありがとう、と言いたい電車・列車たちへ

 今年度も間もなく終わり、明日から新年度。そこで、今年度の鉄道について振り返ってみたい。デハニ50系や、200系新幹線など、扱うべき対象は多いのだが、北大路機関的な視点から、見てゆく、ということで一つ。

Img_3374  2008年度最大の話題は、と問われれば、やはり名鉄パノラマカーの営業運転終了だろう。特別運行では残るにしても、特急料金や指定席料金不要で展望車を堪能できた7000形パノラマカーは、考えるに最高の電車であり、付け加えれば、特別料金不要の展望車を持つクロスシート車というものが、日本の線路上から無くなってしまったのは、残念の一言に尽きる。

Img_0004  183系の特急まいづる号。2008年の北大路機関を語る上で、忘れがたいのは、舞鶴基地へ、護衛艦はるな、の撮影に足を運んだ小生には、京都駅と東舞鶴駅の間を走る特急として、乗車したのは特急料金の関係から二条駅にて乗車することが多かったが、思い出深い電車だ。この、まいづる号も、183系も健在、これからも活躍は続きそうだ。

Img_7918  終わりの始まり、ということで、2008年度、阪急6300系の廃車が始まった。片側2扉クロスシート車ということで、通勤輸送に適していないとの判断からか、新型の9300系への置き換えが始まっている。短縮編成が嵐山線用の運行に入るようなので、ひと先ず近い将来までは安泰、といえるのだけれども、6300系のこれからの動向はよく見てゆきたい。

Img_0587  嬉しいニュースとしては、京阪の中之島線開業だろう。新しい路線ができて、塗装が新塗装へとリニューアルが始まる、というのは、見ていて楽しい。新しい3000系が登場し、これまでの3000系が、8000系に編入されて、8000系30番台となった。もちろん、変わりゆく姿も極力機会を見つけて撮影している。

Img_0491  静かに消えていったのは京阪1900系。淀屋橋延伸の時代からの電車で、特急から通勤車へ移り変わった電車。中之島新線開業とともに営業運転から退いた。一方で、京阪特急の代名詞というべきテレビカーも、間もなく始まるリニューアルで、8000系の編成から省かれるとのことで、一抹の寂しさを感じることは確かだ。

Img_7997  2008年度というと、テレビ報道などで大きく取り上げられたのが0系新幹線の引退。16両編成で頑張っていた編成が6両短縮編成となってなお頑張っていたが、ついに廃止された。運行されていた0系は後期車両なので、元祖新幹線というには語弊があるものの、0系は0系だ。乗った回数も相応に多く、これは東海道新幹線時代の話なのだが、短縮編成であっても、廃止、と聞くと身構えてしまうものがある。

Img_5607  ブルートレイン富士はやぶさ号廃止。これも、報道などで大きく取り扱われた。ちなみに唯一乗ったことがあるブルートレイン。最後の東京駅を発着するブルートレインであり、最後の九州ブルートレインが歴史的役割を終えた。食堂車やロビーカーの廃止、やや新型車両と比べると見劣りする個室A寝台とともに運行されていたが、この列車の廃止を以て、東海道本線や山陽本線の中で、長大な夜行列車用ホームが使われなくなる駅が増えた。

Img_8137  2008年度を振り返ると、やはり廃止が目につく。では、2009年度は、というと、やはり、先が見えてきた485系雷鳥に興味が行く。新型車両に置き換わるのだが、確かに485系、当方がよく利用するのは183系の方であるが、設計やサービス面で古い点はあるものの、なんというか、飽きない電車であることも確か。新型車両に置き換わる新年度は、雷鳥の年となる予感がする。

Img_6915  500系新幹線、この、のぞみ号運行はどうなるのか、新しい九州山陽新幹線直通列車は、さくら号となるそうだが、この新型車両の導入により、レールスター用の700系が、こだま号に格下げとなるため、100系新幹線の今後にも影響が出そうだ。こちらにも、関心を持ってみてゆきたいと考えているところ。

Img_8643  2009年度は、もう少し近鉄について、関心を持ってみようかと思う次第。もちろん、京都在住ならば、近鉄電車はよく利用するのだけれども、奈良方面に所用が無いため、利用するのは大半が地下鉄烏丸線に乗り入れている近鉄電車だけ。スナックカーなど、そろそろ、先が見えてきた電車について、撮っておくべきなのかな、と考える次第。

HARUNA

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テレビカー廃止へ 京阪8000系リニューアルで2011年までに営業運転終了

2009-03-30 23:07:05 | コラム

◆さよならテレビカー

 京阪電鉄の看板特急というべき8000系特急は、編成の中間部分に、ダブルデッカー車とテレビカーを連結し、特急料金不要の電車としては、日本最高のサービスを供している。

Img_0680  京阪8000系は1989年より営業運転を開始した車両であり、今年でデビュー20周年を迎える車両である。京阪電鉄の3月24日の発表によれば、このたび、8000系特急はリニューアル改修を受けることとなり、これによりテレビカーがリニューアル改修の対象ではない旧3000系(現8000系30番台)を除き廃止される、とのことだ。

Img_6299  本日3月30日は、神戸で海上自衛隊最初の実用AIP潜水艦そうりゅう型の、そうりゅう、が就役。東北地方では、航空自衛隊のペトリオットミサイルPAC-3が展開し北朝鮮の弾道ミサイルへの備えがほぼ完了、今夜にはソマリア沖に海上自衛隊の護衛艦二隻が到着し、商船五隻の護衛というかたちで、海賊対策任務が本格的に始動した。

Img_3866  一方で、京阪電鉄8000系のテレビカー廃止も、日本の鉄道を語る上で大きなターニングポイントとなることは必至であり、本日はこの記事を特集したい。テレビカーというが、阪急9300系やJR西日本321系にも液晶パネルが取り付けられており、これを一種のテレビカーと勘違いする人もいるようだ。

Img_4405  しかし、あの液晶パネルは液晶パネルに情報を表示しているだけであり、地上波放送を受信している訳でもなく、もちろん、チャンネルを変えることもできない。他方で、テレビカーは、文字通り地上波放送を受信しているのであり、スポーツ中継やオリンピックも見ることができる、文字通りのテレビカーなのである。

Img_4318  このテレビカーという名前は、もともと、1953年に京成電鉄が成田山参拝用の特急として導入したのが最初である。もともと、京阪特急は、琵琶湖と大阪を結ぶ1550形ロマンスカーとしてデビュー。ロマンスカーはその後、小田急電鉄の特急として名前が知られるようになったのだが、もともとは京阪特急から始まったものである。

Img_4688  テレビカー。今日の京阪特急について、その代名詞的存在となったテレビカーの登場は、1954年に、特急車両用の1700系電車に白黒テレビを搭載したのがその最初である。第二次世界大戦の終戦から9年、まだまだテレビは珍しく街頭テレビに人々が並んだ時代の話である。

Img_5141  テレビカーが登場した時代、最初のブルートレイン、あさかぜ号がデビューしたのが1956年であるから、テレビカーの誕生とその歴史は、実はブルートレインよりも長いものである。そして、1900系に続き、今日の京阪本線でも活躍する旧3000系(8000系30番台)に白黒からカラーへと進展しテレビカーは受け継がれ、1989年に8000系がデビュー、今日に至る。

Img_5143  1995年からは、編成の中央にダブルデッカー車を連結、今日の姿となった。しかし、今日では、携帯電話のワンセグ機能などにより、テレビカーの位置づけは変化し、リニューアルにより、テレビが撤去されることとなった次第。テレビが撤去されることで、テレビカーも、遂に終点へと到達する。

Img_7227  8000系のリニューアルについて、第一に、シートなどの車内インテリアをグレードアップし、加えて車椅子利用者への利便性の向上を目的としたスペース確保などのバリアフリー化を実施。車端部分は、ロングシートを採用し、セミクロスシート車となる。このシートには、背もたれの高さを頭の位置まで高くしたハイバックタイプのロングシートを導入。

Img_7304  日本一のロングシートを目指すという、京阪らしいサロンカーといっても言い過ぎではない程のサービスを供することを目的としているようだ。更に扉部分には、液晶ディスプレイを配置し、停車駅案内や観光案内、天気予報、ニュースなどを提供する。このリニューアルにより、テレビカーのテレビは撤去され、電話室も撤去されるとのことだ。

Img_5097  リニューアルの対象は、旧3000系(現8000系30番台)を除く、8000系の10編成全てを対象に行われることとなり、2009年から改修を開始、2011年までに完了、事業費は13億2000万円とのことだ。旧3000系は、リニューアルの対象とならないということで改修を受けないため、自動的にテレビカーとして存続するようだ。

Img_6312  8000系、京阪特急の代名詞であるテレビカー。なんとか、液晶パネルに映像を出し、スピーカースペースを維持するなどして、存続させることは出来ないのかな、とも思ったりする次第。懐古趣味のつもりはないのだが、京阪名物が消えてしまうのは、なんともいえない寂寥感を感じるからである。

HARUNA

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北朝鮮、衛星搭載の長距離弾道ミサイル発射試験実施を公表 自衛隊の迎撃準備進む

2009-03-29 23:51:41 | 防衛・安全保障

◆日本への落下を警戒

 本日は、北朝鮮が4月上旬に行うとしている長距離弾道ミサイルに試験に伴う落下物への警戒にあたる自衛隊について、幾つかの誤解を防ぐための視点を提示したい。

Img_9940  北朝鮮の長距離弾道ミサイルにも転用可能なロケットによる人工衛星発射試験について、日本への落下の危険性が生じた際に備えての破壊措置命令が政府から自衛隊に発令、市ヶ谷の防衛省本省ではペトリオットミサイルPAC-3の展開状況が報道陣に公開され、浜松基地からは高射教導隊のPAC-3が60台、秋田と岩手の自衛隊施設にて展開するべく陸路と海路で出発した。ただ、このミサイルは、誤解が無いよう特記すると、ミサイルが落着する地域に展開し、迎撃するためのものであり、ミサイルが日本に落下せず、高高度を通過した場合、迎撃は行われない。

Img_71891  1998年のミサイル発射実験では、日本本土上空を通過されたことが問題となったが、今回は、落下を防ぐのが目的なので、もしかしたらば、通過されたことでもって、迎撃出来なかったという報道が日本メディアにより、なされる可能性もあるが、失敗ではなく、日本で被害が出なかった(風評被害(?)を除く)時点で、成功である。昨日には、横須賀基地から弾道ミサイルを撃墜することが可能なスタンダードミサイルSM-3を搭載したイージス艦、こんごう、ちょうかい、が佐世保基地から日本海へ出航。同じく弾道ミサイルを追尾することが可能なようにシステムを改良した、きりしま、が警戒任務を受けて横須賀基地を出航し、太平洋に向かった。

Img_84542  しかし、臨戦態勢!というような印象は受けるものの、米軍を見るとそこまでの緊張感は伝わってこない。昨日のアメリカ海軍厚木基地さくら祭りは予定通り行われている。地上展示機は、当たり年といわれ、ミサイル発射による、日本本土への被害を想定し、虎の子、第五空母航空団が警戒態勢に入っている、という状況ではなく、艦載機も通常通り。海上自衛隊のUP-3Cも、基地の隅にて翼を休めていた。厚木基地さくら祭りは、ご覧のとおり、なかなかの盛況で、こうした米軍の様子も、メディアは報道するべきなのではないかな、とも思う。弾道ミサイル試験の最大の脅威は、報道により、自衛隊の能力が過小評価されて伝わるという、一種の“被害”の方が大きいのかもしれない。

Img_7131  横須賀基地の空母ジョージワシントンも、弾道ミサイルの接近を警戒して太平洋に一時避難、ということはなく、横須賀基地のアメリカ海軍施設に停泊している。みたところ、発艦に必要な蒸気カタパルトの整備に入っているようだ。第七艦隊のイージス艦も、かなりの数が停泊しており、警戒態勢という印象からはほど遠いものだ。写真は水曜日撮影。テレビ報道を前にすると、次々と出航するイージス艦や長躯展開するペトリオットミサイルの車列を前に、とうとう始まったか!、遂に来た!と、熱くなりそうだが、横須賀と厚木はご覧の様子である。

Img_7126  北朝鮮は、長距離弾道ミサイルに人工衛星を搭載した、人工衛星の試験である、と発表しているようだが、一方で、短距離弾道ミサイルや中距離弾道ミサイルの試験も同時に行われるのでは、との声もあるようだ。中距離人工衛星、短距離人工衛星というものはあり得ないので、もし行われれば、最初の長距離のものも、人工衛星の実験という偽装のもとで実施された弾道ミサイルの試験であった、と自ら公表することにもなる、もっともこの情報の信憑性のほどは定かではない。少なくとも米軍をみたところ、そこまでの警戒態勢という印象はない、自衛隊の展開は、日本の国内世論を意識したものなのかな、とも思えた次第。ただし、日本本土への被害が万が一でも想定されるならば、万全の準備を行う、という姿勢には敬意を表したい。一方、浜松基地を出発するペトリオットの車列には、本体が内蔵されたペトリオットの中に、報道映像を見る限り、米軍迷彩のものが混じっており、急遽、自衛隊に供与されたものがあったというのが見て取れた。やはり、同盟国ということで、困っている時には手を差し伸べてくれるのだな、と心温まる情景でもあった。

HARUNA

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本日実施! アメリカ海軍厚木航空基地さくら祭り2009

2009-03-28 09:02:18 | 在日米軍

◆米軍基地一般公開

 本日は、速報的な記事ということで、掲載。神奈川県は、本日、やや曇り気味ながら、陽がさしており、ほの暖かい天候。

Img_0653  本日は、厚木基地さくら祭り。厚木基地は、ウイングスが9.11以降行われなくなってのち、公開される機会が非常に稀有となったため、このさくら祭りは、基地が一般公開される貴重な行事として知られている。旧東門に自動車用入口(歩行者は入れないので要注意)があるのだが、開門前から既に1km以上の渋滞となっている。

Img_0702  現在、厚木基地に展開する第5空母航空団隷下の飛行隊はF/A-18CからF/A-18Eへの機種転換が行われている最中であり、全てがC型からE型に転換されるわけではないものの、今年見ることができた機体が、来年はE型、となっていることもある。注目度は、比較的高い行事と言えよう。

Img_0396  今回掲載した写真は、海上自衛隊ちびヤンの写真であるが、基本的に、さくら祭りも、周辺住民への配慮から飛行展示が行われない。しかし、各飛行隊から航空機が一機展示され、CAG機の展示にも期待が高い行事。加えてグッズ販売や、米軍メシとして名高いピザやステーキ、色水なども堪能することができる行事だ。

HARUNA

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護衛艦ひゅうが一般公開 4月11日土曜日 横須賀基地にて

2009-03-27 22:30:19 | 北大路機関 広報

◆横須賀基地の話題

 本日も護衛艦ひゅうが、に関する話題。海上自衛隊初めての全通飛行甲板を採用したということで、話題のこのヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが。

Img_6743  その“ひゅうが”が、来月一般公開されるとのことで、本日は、その話題。詳しくは横須賀地方隊公式HP()を参照していただくとして、その内容は、4月11日土曜日に一般公開が行われる、とのこと、入場開始が0930時から、見学は1600時までとのことで、入場は1500時までに、と記載されている。

Img_6777  都合により取りやめる場合もあるとの但し書き。注意事項は、入門に際して手荷物検査が行われる、とのこと。また、駐車場は自転車を含めて無いとのことなので、公共交通機関をご利用ください、とのこと。更に、ペット同伴での入場はお断り。一般公開中は係員の指示に従ってください、などなど、HPの方に書いてありました。

Img_6767  海上自衛隊最大の護衛艦が、比較的早い時期に一般公開されるというのは、一つ驚きで、格納庫や飛行甲板、艦橋など、どこまで公開されるのかは、現時点では未知数ながらも、これはおなじ横須賀基地の原子力空母ジョージワシントンとならび、注目の一隻。時間に余裕がある方は足を運ばれてみては如何だろうか。

HARUNA

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新ヘリコプター護衛艦ひゅうが 横須賀基地の吉倉桟橋に停泊中

2009-03-26 23:01:04 | 先端軍事テクノロジー

◆ひゅうが最新情報

 海上自衛隊初のヘリコプター搭載護衛艦はるな、が自衛艦旗を返納し、除籍されたその日、海上自衛隊には新しいヘリコプター搭載護衛艦が就役した。

Img_66971  その名は“ひゅうが”。海上自衛隊ヘリコプター搭載護衛艦が新しい時代、世代交代の時を迎えた瞬間である。横浜にて就役した新ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、は自衛艦旗を授与されてのち、横浜を出港、東京湾をすすみ、第1護衛隊群の護衛艦として母港である海上自衛隊横須賀基地に入港した。

Img_6789_2  こんかいは、ひゅうが、の写真を掲載するのだが、それにしても大きい。満載排水量18000㌧。となりに停泊している、むらさめ型も満載排水量は6200㌧と、世界的には大型水上戦闘艦に区分されるのだが、段違いの大きさである。また、全通飛行甲板を有する護衛艦ということで、乾舷が高く、迫力は大きい。

Img_6837  現在、横須賀基地の吉倉桟橋に停泊している、護衛艦ひゅうが。4月12日の土曜日には一般公開されるとのことだが、停泊している姿は、安針台公園、ヴェルニー公園、そしてその途中の道からも見ることができる。文字通り、大きいので、かなり遠くからでも見ることができ、百聞は一見に如かず、の威容だ。

Img_6900  横須賀基地へは、JR横須賀線の横須賀駅から徒歩すぐのところにヴェルニー公園がある。また、東京からは京浜急行電鉄が早い。京急の場合は快特が停まる横須賀中央駅ではなく、汐入駅が最寄り駅となる。横須賀基地は、舞鶴基地のように、毎週末に基地を開放していないので、この点要注意だ。

Img_7538  ひゅうが、を間近にみるには、横須賀基地一般公開の日を除けば、汐入駅から徒歩三分のヴェルニー公園から毎日運航されている横須賀軍港めぐり、の船上から眺めるのが一番である。大人料金で1200円するものの、米軍施設、船越地区、そして吉倉地区を海上から見学することができるので、お勧めだ。

HARUNA

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F-15SE サイレントイーグル まずは実証機の飛行が最初

2009-03-25 19:00:59 | 先端軍事テクノロジー

◆イーグルをステルス化!?

 ボーイングが発表した、F-15のステルスバージョン、サイレントイーグルが、いま一部で話題である。先ほど、小生もこの話題について、少し議論したのだが、少し書いてみたい。なお、東海道本線のグリーン車車内から書いているので、コネタ扱いということで、ひとつ。

Img_8751  現在、航空自衛隊は、次期戦闘機として、老朽化したF-4EJ改の後継機を選定中である。また、その次期戦闘機F-Xは、概ね40機程度の配備が見込まれているものの、将来的にはF-15Jの初期の機体で、近代化改修に対応していない機体についても、代替する可能性があることから、世界の戦闘機メーカーからも一目置かれている計画ではある。

Img_9870  今回、ボーイングが提案したF-15SEは、来月にでも専門誌の表紙を飾りそうなデザインである。写真のF-15J近代化改修機とは、異なり、ステルス性を付与させることを目的としたものである。F-15にコンフォーマルタンクを装備させ、そのコンフォーマルタンク内部にミサイルを格納することで、レーダーの反射面積を低減させ、加えて、垂直尾翼についても、ななめに角度をつけることにより、レーダーの反射を極力抑えたもの、とする構想のようだ。機体に搭載されるレーダーも充実したものを搭載でき、イーグルにステルス性を付与させることで、航空自衛隊が必要としている戦闘機の水準にF-15を押し上げよう、というもののようだ。

Img_9892  一見、魅力的な提案に見えるF-15SEであるが、まだ、モックアップが発表されただけのペーパープランであるということは忘れてはならない。この種の未完成装備は、例えば航空自衛隊が初めてバッジシステムを導入した際、未完成であるが見積もりが最も安かったメーカーのものを選定したことがあった。しかし、開発がその後に難航し、導入した際には当初見積もりの三倍の費用を要した、ということがあった。このように、実証機も飛行していない装備に、興味を示すことは、大きなリスクがある。加えて、興味を示した場合、開発費を“共同開発”というようなかたちで要求してくる可能性も高いことを忘れてはならない。

Img_0495  航空自衛隊は、現在、F-15Jの近代化改修計画を推進しているが、これは目下のところ、おおむね良好である。既存のF-15Jから、部品を付け替える、ということで、SE改修が出来るならば、これは検討してみる価値があるかもしれない。他方で、F-15SEは、本日後継機が決定しても遅いくらいに老朽化が進んでいるF-4EJの後継機には、間に合いそうにない。仮に、F-4EJの後継機として、充当し、それで調達が終了となるような高価な戦闘機、もしくは、それ以外の理由によりF-15Jの後継機には、別の機体を必要とするような機体がF-Xで選定されないかぎり、航空自衛隊が配備する機体としては、やや、難ありといわざるをえない。F-15SE,90年代に初飛行していれば、また違った対応もあったのだろうが。

HARUNA

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ミサイル防衛 不可能に立ち向かう意志こそが困難を乗り越える術

2009-03-24 17:55:04 | 国際・政治

◆政府筋の無能無責任な発言

 有能な指導者、無能な指導者。有能な指導者は多いが、一人挙げれば、オウム事件に立ち向かった国松孝次警察庁長官(当時)。オウム真理教が1995年3月20日に地下鉄サリン事件を起こし、数千人の死傷者が出た際、警察庁幹部の一人が浮足立って、長官、警察の負けです、と言ったところ、君は警察官ではないのか、戦うことをやめてしまうのか!!、と怒鳴り付けたという。

Img_7403  本日は後者の事例を出したい。政府筋の23日における発言として、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の迎撃について、日本の弾道ミサイル防衛網では、迎撃は不可能、という発言があったとの報道陸海空自衛隊が一体となり、弾道ミサイルからの国土防衛という、これまでの不可能を可能にしようと努力を続ける中である。ミサイル防衛による迎撃は不可能、政府筋が実効性を否定した、という報道。「ピストルの弾をピストルで落とせるはずがない」と述べて、ペトリオットミサイルPAC-3などによる迎撃は不可能である、と発言。

Img_1408  海上自衛隊によるイージス艦からのSM-3の実験成功についても、試験が成功したのは、いつ発射するかを把握したうえで、実施したためである、と疑問を呈したとのこと。この発言について、私見を幾つか。まず第一に、無責任である。そして、こうした発想しか出来ないあたり、無能だ。

Img_0028  国家の責務は、国民の生命財産を守ることにあり福祉を増進させることにある、国民の付託をうけて、国家はこの大きな課題を成し遂げるために存在しているのであり、その課題を守れないというだけではなく、成し遂げようという意思の表明もできないものは、日本国の政府には不要である。

Img_9579  また、数兆円の税金を投じて整備するミサイル防衛システムについて、その実用性について、疑問を呈するのならば、同じ予算で、都市部にミサイルシェルターを整備し、ミサイル攻撃を受けた場合に対しての受動的な備えを整備すること。もしくは、現在の政府答弁(裁判所が付随的違憲審査権に基づいて憲法判断を行っていない場合か、統治行為論として、つまり政治の問題として、判断を避けた場合は、政府答弁か内閣法制局の見解が、憲法の判断となる)では、ミサイルによる攻撃にさらされた場合で、他に防ぐための適当な手段がない場合には、敵基地に対する必要最小限の攻撃を行うことは法理的に自衛権の行使に含まれる、という判断がある。これは1956年2月29日の鳩山首相答弁船田防衛庁長官代読で為された判断だ。

Img_9806_1  ミサイル防衛を最初からあきらめるのならば、弾道ミサイル防衛の予算を従来型の装備の充実に充当させ、例えばF-16かF-2を140機程度増勢し、敵基地の攻撃を行う、もしくは護衛艦に射程延伸弾を発射可能な5インチ砲を搭載可能な改修を加え、艦砲射撃で撃破する、などなど、弾道弾から国民の生命を守る為の方策を模索するべきである。

Img_2167  憲法上問題はあるのではないか、という声が出てくるかもしれない。しかし、憲法上の問題というが、憲法は平和的生存権のために平和主義を掲げているのであり、国民の生存権に優先するものはない。国民の生存権以上に優先するものを挙げる政府があるのであれば、国民が生命と付託するべき政府ではない、新しい政府を選択する必要が生じてくる。

Img_1103  さて、肝心の弾道ミサイル防衛ではるが、発射後、最短の場合には十数分で到達する弾道ミサイルを迎撃することができるのか。例えば、弾道ミサイルを監視するための赤外線探知装置を搭載した哨戒機を常時日本海に滞空させ、イージス艦を遊弋させるならば、射程が1000kmを超えるスタンダードミサイルSM-3により迎撃できる可能性は高まってくる。弾道ミサイルの発射を早期に探知する空中赤外線弾道ミサイルセンサーシステム(AIRBOSS)を搭載したUP-3Cは、現在、技術研究本部にて試験中だ。

Img_9650_1  また、弾道ミサイルを宇宙空間から監視する米軍のDSP衛星があるのだが、その情報を即座に共有させるべく、航空自衛隊は、航空総隊司令部を府中基地から米第五空軍司令部が置かれた横田基地に、つまり航空自衛隊の基地から米軍基地の中へと移転するのである(もっとも、この場合、米軍基地に入る、というのではなく、航空自衛隊横田基地が誕生、というかたちになるのだが)。

Img_0053  航空自衛隊が配備中のペトリオットミサイルPAC-3,射程は迎撃高度により異なるが15~30km。弾道ミサイルに直撃させる方式で迎撃する終末迎撃手段で、ペトリオットミサイルの発射器一基に対して四発を搭載することができる。データリンクなどを見直すことにより、現在は命中の比率が徐々に上がってきている。

Img_7884  ちなみに、仮に政府筋が云うようなPAC-3では迎撃出来ないので、諦めるというのは、至近に着弾するにもかかわらず、対処しない、という意思表示にもとれて、滑稽であるが、ミサイルが直撃する立場に立てば、ナンセンスを通り過ぎ、無責任としか言いようがない発言に映る。もっとも、弾道ミサイル防衛について、現状と技術的展望などへ、どの程度、正確な情報を得て発言しているのはかは不明なのだが。

Img_47531  技術的には、ミサイルの撃破が出来るべく、現在努力しているのであり、できそうにないことを最初からあきらめるのであれば、技術は進歩せず、日本は今日のような先進国としての地位を築くことができなかったであろう。出来るかできないかではなく、出来ないと最初から決めることは、やらない、という意思の表明に他ならない。

Img_1679  また、整備途上のシステムについて、管制していないために有効性に疑問を呈するのではなく、「ピストルの弾をピストルで落とせるはずがない」として、完成したのちのシステムについても、その有効性に疑問符をつけるのならば、発言の主は数兆円の税金が浪費する、という前提のもとで発言していることになる。どういう神経をしているのか、理解しかねると思うのは小生だけだろうか。

Img_5295  さてさて、これからの日本には大きな課題がいくつも存在しており、国民の生命財産に直接かかわる大きな問題としては、東海東南海南海地震について、その同時発生が危惧されている事例がある。また、新型インフルエンザの流行禍による社会システムへの痛烈な打撃。前者は、首都圏から東海道沿いに、中京地区、そして京阪神地区を含めた近畿地方と、四国が地震と津波により大打撃を受けることが考えられる。

Img_3775  新型インフルエンザにしても、人類がこれまで全く免疫をもたないウィルスが巻き起こす流行禍である。ワクチンが開発されて量産されるまでの間、ボッカチオのデカメロンに描かれているように、息を潜めて待ち、その間の経済や社会システムの崩壊を見守るか、感染を覚悟して災厄のなかに飛び出すか。どちらにしても適切な治療を行わない場合に致死率が高く感染力も非常に強い流行禍に立ち向かうことは、困難を極めるだろう。しかし、諦めるわけにはいかない。弾道ミサイル防衛も同じことである、諦めるわけにはいかない命題を前に諦めるのではなく、立ち向かう気概こそ、不可欠なのではないか、と考える次第だ。それを前に、政府筋の発言、いったい何を考えているのだろうか。

HARUNA

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アフガニスタン派遣検討は、陸上自衛隊装備体系の再検討へと繋がるか

2009-03-23 22:45:03 | 防衛・安全保障

◆軽量・機動性から重装備・大火力へ回帰なるか

 政府筋の発言として、北朝鮮のミサイルが発射されても、日本の迎撃システムでは撃墜出来ない、これまで憲法問題を含め放置してきたことを悔やんでみているしか無い、との発言が行われたとのこと。技術は、可能にするために行われるものであり、国民保護の具体案の提示はもとより、その努力も放棄した発言者は、すぐに辞職するべき、と思う今日この頃。

Img_3435  閑話休題、本日は、陸上自衛隊の装備体系の展望について、軽量化と普通科重視、機甲科特科軽視の風潮があるが、もうひとつの視点を提示してみたい。AH-64D戦闘ヘリコプター。高性能と鳴り物入りで導入されたものの、日本の複雑な地形と陸上自衛隊の運用体系では合致せず、高い調達価格と相まって、少数機を教育部隊、恐らく将来的には一部の飛行隊に集中配備するほかなくなった装備である。

Img_4295  しかし、陸上自衛隊では、現在、国際人道支援任務に対応させるべくCH-47JA輸送ヘリコプターに対してエンジンの高出力化と防弾板の配置、衛星電話の装備に加え、チャフ・フレアディスペンサーの追加などを行っている。これは、繰り返し、派遣を求められているアフガニスタンへのヘリコプターの派遣に備えているのではないか、という視点がある。

Img_4550  これまで、自衛隊の派遣任務は、非戦闘地域への派遣という前提のもと行われてきたが、彼我混合の錯綜した地域の通行を想定し、これまでも、重機関銃を装備した装甲車などの派遣を行ってきているが、武装勢力が再び台頭しイラク以上に混迷の度合いをみせているアフガニスタンに対して、輸送ヘリコプターを派遣するということは、将来的にAH-64Dの派遣を行う必要も出てくるかもしれない。高山地帯では、既存のAH-1Sでは対応できないためだ。

Img_9256  現在、アフガニスタンは、地上の補給路が武装勢力の攻撃にさらされ、危険性が高まっているということもあり、ヘリコプターによる輸送が重視されるようになってきており、対して、4000㍍級の峰々の上空で、実用上昇限度すれすれの高度を飛行するヘリコプターに対して、重機関銃や携帯ロケット砲は、極めて深刻な脅威として捉えられている。

Img_9906  このため、必要性として、陸上自衛隊がAH-64D戦闘ヘリコプターを護衛のために派遣する、という必要性が生じることも考えられる。もちろん、現時点では、“強力な装備”である戦闘ヘリコプターの派遣には、感情論を含めた問題が生じそうではあるが、現実的に必要性が生じれば、終了予定である調達計画に対しても再検討の機会が生じてくるかもしれない。

Img_4140  また、防衛大綱改訂のたびに、定数が削減される戦車であるが、今後、陸上自衛隊も国際貢献任務、特に国際平和維持活動における停戦監視などで、強力な監視装置と、充分な防御力、万一の際の不整地突破能力に加えて、充実した火力を有しているため、戦車という重装備が再評価されることもあるかもしれない。

Img_4587  加えて、テロとの戦い、ゲリラコマンド対処などで普通科重視が叫ばれながらも、高い調達費用により、配備が広範には実現しなかった、重装甲で大火力の装軌式装甲戦闘車についても、再評価される可能性も生じてくる。アフガニスタンでは、軽装備の車両が、RPGのような携帯対戦車兵器に対して十分な防御力を有しない、ということから、戦車や装甲戦闘車などの配備を行う国が増加している。

Img_8884  もちろん、重装備軽視、装輪式装甲車重視の調達体系が間違っていたのかと問われれば、違う。軽装甲機動車は全国の普通科部隊を軽装甲ではあるが、大きく装甲化し、96式装輪装甲車は60式装甲車や73式装甲車の後継として十分な数を、他の装備調達と両立して一気に進めることができたことを忘れてはならない。求められている任務が変わりつつあるなか、再び、“重い強力な”装備が再評価されるかもしれないだろう。

HARUNA

[本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる]

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練習艦隊大阪港天保山へ入港 練習艦かしま、しまゆき、護衛艦ゆうぎり 一般公開

2009-03-22 22:01:57 | 海上自衛隊 催事

◆練習艦隊大阪入港

 本日から、Weblog北大路機関は平常運行に戻ります。本日は、大阪天保山へ入港した練習艦隊を撮影してきました。

Img_63411  朝の入港とのことでしたが、京都での雑事などがありまして、京阪特急と地下鉄を乗り継いで、当方が大阪港へ展開したのは1308時。一般公開が行われる1330時前ではありましたが、すでに天保山観覧車の土台まで長蛇の列という、やや出遅れた印象も否めない中、現地合流部隊とともに、一般公開の開始を待つ。

Img_6338  1330時の一般公開開始とともに、手荷物検査が始まり、手荷物検査を終えて、一行は埠頭へと足を進める。名古屋港ガーデン埠頭での練習艦隊一般公開と比べて、大阪府警機動隊の車両も展開しており警備は厳重、埠頭へは手荷物検査場を設けての大規模な入場規制が行われていた。

Img_6359  練習艦かしま、から撮影した護衛艦ゆうぎり。一般公開は、かしま、ゆうぎり、しまゆき三隻全てで行われていた。物品販売も行われており、なかなかの盛況、警備とは対照的に、見学者も多く、前述のような長蛇の列が出来上がっていた訳だ。ゆうぎり飛行甲板では、ヘリコプターの展示も行われていた。

Img_6428  練習艦しまゆき。撮影したのは、護衛艦ゆうぎり、艦上から。特に、ゆうぎり、は一般公開されている区画が多く、司令室などの扉も開かれていた、さしずめ、体験航海並の広い区域が一般公開されていた状況。かしま、も、なかなか一般公開されない貴賓室への通路が公開されていた。

Img_6538  練習艦しまゆき、から見た、練習艦かしま、護衛艦ゆうぎり。実は、この時、なんとか晴れ間と曇りの間で頑張っていた天候が雨天へと急変し、大粒の雨が降ってきていた。明日も一般公開が行われるとのことである。練習艦隊が入港している天保山へは、大阪市営地下鉄の大阪港駅にて下車、徒歩十分で行くことができる。

HARUNA

[本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる]

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