北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸海空自衛隊関連行事 十月期実施詳報

2006-09-28 15:59:44 | 北大路機関 広報

■自衛隊関連行事

 十月期は陸海空自衛隊の35もの公開行事が実施される。また、抽選当選者を対象に最終週には観艦式が実施され、原油高の影響により例年よりも若干規模を縮小したものとなるが、三年に一度ということもあり、注目の行事である。ちなみに、護衛艦の一般公開も並行して実施されるようで、他の行事との調整のうえで首都圏への展開も一考の価値があるといえよう。

Img_1604 海上自衛隊観艦式は、三年に一度実施される行事で、国家元首に対して艦隊の練度展示と国威発揚を目的として実施されるが、天皇の観艦式臨場は現行憲法下では難があるとして、首相の臨場のもと実施される。なお、前述のとおり、原油高に伴う燃料費高騰から、艦艇、航空機の参加に関しては二割程度の規模縮小が見込まれているという。観艦式は、観閲艦艇と受閲艦艇により外洋において実施され、艦隊行動の他、空包発射、哨戒機からの対潜爆弾投下などが展示される。

Img_3620_1  陸上自衛隊関連では、東北方面総監部、中部方面総監部というような方面隊創設記念行事が実施され、この他、師団・旅団創設記念行事として第十師団、第十二旅団の行事が挙げられる。これらは、隷下部隊の参加により実施されるため、従来の駐屯地祭に比べ、より多くの種類の装備品を見る事が出来る。加えて、日本原、玖珠といった戦車部隊の駐屯地祭も今月実施され、戦車部隊駐屯地ならではの行事も一見の価値があるといえよう。

Img_6958  陸上自衛隊航空部隊駐屯地として、木更津駐屯地、立川駐屯地、明野駐屯地、八尾駐屯地において駐屯地祭が実施される。これらは、夫々に観閲飛行の有無や体験地上滑走の有無に違いがある為、確認が必要である。木更津駐屯地に関しては、昨年度実施されなかった訓練展示を再開するのでは、という情報がある。立川は防災航空祭という別名の通り、各機関よりヘリコプターが参加する行事として知られている。

Img_0371  明野駐屯地祭では、最新装備のAH-64D戦闘ヘリコプターの展示が見込まれる。現在評価試験中のAH-64D戦闘ヘリコプターは、その戦略機動性を活かし、西方や東北方面への展開試験を実施しているが、公式行事には今回が初参加となる。なお、仮に小牧基地航空祭に展開するならば、翌日の守山駐屯地祭において通過飛行をする可能性も無きにしろあらずではある。明野では過去にガンダムとか、一風変わった展示が為されていたが、そうした展示物が出されるかという事もある意味で興味深い。

Img_0766_1  航空祭としては、小牧基地航空祭、岐阜基地航空祭、浜松基地航空祭といった中部地方の航空祭が集中している時期であり、この他にも航空自衛隊芦屋基地、海上自衛隊の小月航空基地祭、下総航空基地祭、館山航空基地祭が実施される。昨年度は雨天に泣いた岐阜基地航空祭の今年度の天候が気になるところである。なお、重複しているものもあり、やや迷うところだが、交通費や注目度により選択するべきであろう。T-1,T-2の退役により、やや寂しさを感じるが、その分他の機体の飛行展示に期待したい。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

■十月一日:陸上自衛隊霞目駐屯地(宮城県仙台市):東北方面隊創設46周年記念行事(022-286-3101)

■十月一日:陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市):少年工科学校創設51周年記念行事(046-856-1291)

■十月一日:海上自衛隊館山航空基地(千葉県館山市):ヘリコプターフェスティバル(0470-22-3191)

■十月一日:陸上自衛隊桂駐屯地(京都府京都市):駐屯地創設52周年記念行事(075-381-2125)

■十月一日:陸上自衛隊対馬駐屯地(長崎県対馬市):駐屯地創設26周年記念行事(0920-52-0791)

■十月一日:航空自衛隊芦屋基地(福岡県芦屋市):芦屋基地航空祭(093-223-0981)

■十月一日:陸上自衛隊目達原駐屯地(佐賀県三田川町):駐屯地創設52周年記念行事(0952-52-2161)

■十月一日:陸上自衛隊湯布院駐屯地(大分県湯布院町):駐屯地創設50周年記念行事(0977-84-2111)

■十月一日:陸上自衛隊玖珠駐屯地(大分県玖珠町):駐屯地創設49周年記念行事(0973-2-1116)

■十月七日:航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市):小牧基地航空祭(0568-76-2191)

■十月七日:陸上自衛隊八尾駐屯地(大阪府八尾市):駐屯地創設52周年記念行事(0729-49-5131)

■十月八日:陸上自衛隊秋田駐屯地(秋田県秋田市):駐屯地創設54周年記念行事(018-845-0125)

■十月八日:陸上自衛隊新発田駐屯地(新潟県新発田市):駐屯地創設53周年記念行事(0254-22-3151)

■十月八日:陸上自衛隊守山駐屯地(愛知県名古屋市):第十師団創設44周年記念行事(052-791-2191)

■十月十五日:陸上自衛隊相馬原駐屯地(群馬県榛東村):第十二旅団創設5周年記念行事(0279-54-2011)

■十月十五日:陸上自衛隊土浦駐屯地(茨城県阿見町):武器学校創設54周年記念行事(029-887-1171)

■十月十五日:陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市):第34回木更津航空祭(0438-23-3411)

■十月十五日:航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市):岐阜基地航空祭(0583-82-1101)

■十月十五日:陸上自衛隊飯塚駐屯地(福岡県飯塚市):駐屯地創設40周年記念行事(0948-22-7651)

■十月十五日:陸上自衛隊川内駐屯地(鹿児島県川内市):駐屯地創設21周年記念行事(0996-20-3900)

■十月二十一日:陸上自衛隊久里浜駐屯地(神奈川県横須賀市):駐屯地創設56周年記念行事(046-841-3300)

■十月二十一日:海上自衛隊小月航空基地(山口県下関市):スウェルフェスタ2006(0832-82-1180)

■十月二十二日:陸上自衛隊福島駐屯地(福島県福島市):駐屯地創設53周年記念行事(024-593-1212)

■十月二十二日:陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市):中部方面隊創設46周年記念行事(072-782-0001)

■十月二十八日:海上自衛隊下総航空基地(千葉県柏市):航空基地開設記念行事(04-7191-2131)

■十月二十八日:陸上自衛隊豊川駐屯地(愛知県豊川市):駐屯地創設56周年記念行事(0533-86-3151)

■十月二十八日:陸上自衛隊出雲駐屯地(島根県出雲市):駐屯地創設53周年記念行事(0853-21-1045)

■十月二十九日:陸上自衛隊北恵庭駐屯地(北海道恵庭市):駐屯地創設56周年記念行事(0123-32-2102)

■十月二十九日:陸上自衛隊勝田駐屯地(茨城県ちたちなか市):施設学校創設55周年記念行事(029-274-3211)

■十月二十九日:陸上自衛隊立川駐屯地(東京都立川市):立川防災航空祭(042-524-9321)

■十月二十九日:航空自衛隊浜松基地(静岡県浜松市):エアフェスタ浜松2006(053-472-1111)

■十月二十九日:陸上自衛隊明野駐屯地(三重県伊勢市):航空学校創設54周年記念行事(0596-37-0111)

■十月二十九日:陸上自衛隊姫路駐屯地(兵庫県姫路市):駐屯地創設55周年記念行事(0792-22-4001)

■十月二十九日:陸上自衛隊日本原駐屯地(岡山県奈義町):駐屯地創設41周年記念行事(0868-36-5151)

■十月二十九日:陸上自衛隊山口駐屯地(山口県山口市):駐屯地創設51周年記念行事(083-922-2281)

■十月二十九日:陸上自衛隊都城駐屯地(宮崎県都城市):駐屯地創設55周年記念行事

(0986-23-3944)

■十月二十九日:陸上自衛隊国分駐屯地(鹿児島県霧島市):駐屯地創設51周年記念行事(0995-46-0350)

北大路機関

本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。

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決戦の青空へ 小松基地航空祭 2006

2006-09-18 17:20:21 | 航空自衛隊 装備名鑑

■小松基地航空祭

 九月十七日、石川県の航空自衛隊小松基地において航空祭が開催された。南方海上に台風十三号が北上の兆しをみせ、北方海域からは前線が南下の兆候を示している中の展開とあり、荒天も予想された。カメラが水漏により損害を受ける可能性がある、そうした中、映画「決戦の大空へ」にちなみ、「決戦の青空へ」ということで、はるなと愉快な仲間達ツアー三名は小松へと向かった。

Img_7086_1  名神高速道路から北陸自動車道へ入ると、突如豪雨、フロントガラスに叩きつけられた水滴が弾けた。覚悟はしていたが、いよいよ来たか、思い出される東千歳の悪夢。晴天に恵まれる事の多い小生は、昨年の岐阜基地航空祭で豪雨に見舞われながらも応急資材にて対処、これを教訓として防水装備を強化した後、想像を絶する豪雨に見舞われたのが東千歳駐屯地祭。更に防水装備の拡充を図り、小雨の富士総合火力演習を難なく撮影したが、今回は前述のような気象図を見、覚悟を決めていた。

Img_7391  小松到着後、空模様以上に気になったのが「満車祭」。航空祭が満車祭・・・。これは周りにもウケていた。一方で、危惧したほど道路は渋滞せず、小松インター名物の信号を越える頃には雨は完全に上がっていた。他方、予報が週間予報が日毎に豪雨の警戒を要する日程がずれていた事もあったので、天候がもつことへの一縷の望みがあったわけだが、ここまで天候が回復したことには、まさに奇跡の一言をもって語るほかないといえよう。

Img_7402  航空祭を楽しむ為に小松基地について記したい。

 霊峰白山と日本海の挟間にある加賀平野、ここにある小松基地は旧日本海軍航空隊飛行場として1944年に建設され、敗戦と共に米軍に接収を受けた。朝鮮戦争勃発後1952年より米軍のレーダー基地として運用をされた後、1958年に日本政府へ返還される。こうして1961年、航空自衛隊は臨時小松派遣隊を編成、小松飛行場は同年中に航空自衛隊小松基地となった。同年7月にF-86戦闘機を以て第六航空団が編成完結し、対領空侵犯任務に就いた。第六航空団は1965年よりF-104Jを、そして1976年にはF-4EJを装備し、今日ではF-15Jを装備し今に至る(参考文献:朝雲新聞社 航空自衛隊の50年)。

 こうして第六航空団の展開する小松基地は、日本海側唯一の戦闘機部隊基地として対岸の北朝鮮や日本海経由で飛来する脅威に対しての抑止力となっている。

Img_7263  航空祭は第六航空団の303飛行隊、306飛行隊所属のF-15J戦闘機による機動飛行をオープニングフライトとして開始された。

 写真を見て昨年小松基地航空祭を見学された方はお気付きと思うが、離陸する方角が逆となっている。これは天候の為と思われるが、対照的なのが滑走路上に写っている吹流しで、この角度からほぼ無風状態にあることを示している。エプロンは水浸しであり、数時間まえまで荒天にあったことが窺える一枚だ。

■VADS訓練展示

 奇襲や防空任務が飽和状態となった際、基地防空最後の柱となるのが基地防空隊である。

Img_7115  機動飛行の後、基地防空隊によるVADSの空包発射による訓練展示が実施された。撮影ポジションの関係上、先日本ブログに紹介したような射撃の瞬間は今回は逃したが、3門のVADSが射撃展示を行った。VADSは航空機搭載の20㍉パルカン砲を搭載し、索敵距離5000㍍のレーダーを有し、電波を使用できない状況では赤外線カメラを用いて基地防空を実施するもので、73式中型トラックにより高い機動性を有する装備だ。

Img_7128  VADSによる訓練展示の仮設敵を務めたのが、岐阜基地より長躯飛来した飛行開発実験団所属のF-2Bで、対艦攻撃に重点を置いた支援戦闘機ながら、高い対地攻撃能力も有している。

 訓練展示終了後は機動飛行の展示を行い、盛んに機体からベイパーを靡かせながら基地上空を乱舞し、その後小松基地へ着陸、地上展示機の中に並び航空祭に華を添えた。

Img_7268  地上展示機には、青森県三沢基地より飛来した米第五空軍第35戦闘航空団のF-16C戦闘機二機が飛行展示の為に飛来しており、F-2とF-16という、三沢基地以外では中々見ることの出来ない組み合わせを観る事が出来た。

 F-2は三菱重工とジェネラルダイナミクス社(現ロッキードマーティン社)により日米共同開発が行われたもので、特に日本側の要求として空対艦ミサイル四発の運用性能付与に重点が置かれた経緯がある。

■小松救難隊飛行展示

 基地にアニメーション「よみがえる空 RESCUE WINGS」のオープニングテーマ美郷あきの“明日をとめないで”が流れる。

Img_7225  救難展示がVADS訓練展示に引き続き小松救難隊により実施された。UH-60JA救難ヘリとU-125救難機により実施される航空救難は、主に航空自衛隊機が訓練飛行中に墜落事故を起こした際の救命任務、そして災害派遣任務である。高速のU-125が俊足を活かし事故現場へ急行、高度な捜索センサーを用いて要救助者を発見、UHへの通報と併せ救命物資の投下とマーカーの投下により迅速な任務遂行を行うものだ。

Img_7209  航空救難団司令部は入間基地にあるが、全国11基地へ救難隊が派遣されており、平時にあって自衛隊全部隊の中でも最も過酷な任務に当たる部隊といわれている(軍事研究385号の表現)。写真のUH-60JAはV-107の後継として導入が開始され、既に約30機が調達、最終的に40機が配備される見通しだ。日航ジャンボ墜落事件におけるV-107の夜間飛行能力の限界が問題とされた点を重く見、赤外線暗視装置、気象レーダー、慣性航法装置を搭載、高い全天候対応能力を有している。

Img_7248_1  一般の方々に小松救難隊の名を一躍有名にしたのは、アニメーション作品がある。

 「よみがえる空」は、小牧の救難教育隊から小松救難隊に配属されたUH-60Jパイロットの新任三尉が主人公の作品で、戦闘機志望崩れということでの不慣れな救難訓練、地震に伴う離島災害派遣、航空機事故、山岳遭難救助支援という中、助かる命、助けられない命とともに主人公の成長が描かれている。

Img_7256

 写真は救難飛行展示を終え、着陸後、F-15Jの列機の中を進むU-125。

 DVDが発売中の「よみがえる空」は、監督桜美かつし/シリーズ構成高山文彦/キャラデザイン竹内哲也/メカニックデザイン橋本敬史で、主人公の内田一宏3尉を宮崎一成、ヒロインの長谷川めぐみを能登麻美子が演じている。FATEやARIA、ツバサクロニクルと並び、小生お勧めの作品である。

■F-15J編隊飛行

 戦闘機のロールスロイスといわれ、米空軍とともに幾多の実戦を経て空中戦では負けなしの戦闘機が航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15である。

Img_7280  そのF-15Jが再びエンジンに火を入れる。

 編隊飛行へ向けて303飛行隊と306飛行隊のF-15Jが8機、轟音を轟かせ次々と離陸する。1976年のMiG-25函館亡命事件や、西ドイツ陸軍士官学校において世界を震撼させた東西戦力均衡の破綻“80年危機説”が囁かれる中、米空軍の本格支援までの間、独力防衛を担う唯一の機体として、国防会議にて導入が決定されたのがF-15Jである。

Img_7289  8機編隊飛行にて、小松基地上空へ進入するF-15J。

 1981年3月27日、航空自衛隊岐阜基地にフェリーされた二機のマクダネルダグラス(現ボーイング)F-15Jが、航空自衛隊の新しい翼の誕生であった。米空軍のF-15Cとの相違点は、ECM機材のAN/ALQ-135、レーダー警戒装置AN/ALR-56が供与されなかった為国産のJ/APR-4、J/ALQ-8が開発され装備されている。

Img_7301_1  F-15は、近接航空戦闘に不可欠な高い空中旋回性能の確保に重点が置かれ、推力10.615㌧のプラット&ホイットニーF100エンジンを二基搭載しており、最大速度マッハ2.5、最大航続距離は5550kmとなっている。搭載するAPG-63レーダーは探知距離185km、空中早期警戒管制機とのデータリンクによってその能力は格段に強化される。導入当時は直輸入150億円といわれたが、為替変動、初度調達装備の整備完了やライセンス生産体制の確立と共に90億円程度となったという(参考文献:読売新聞 日本の防衛戦力 航空自衛隊)。

Img_7315  航空自衛隊ではF-15Jの近代化改修にも積極的な姿勢を示している。

 1997年より近代化改修への研究が開始され、2003年10月21日、F-15J近代化改修機が三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場から防衛庁に引き渡され航空自衛隊飛行開発実験団の所在する岐阜基地へフェリーされた。一機あたりの近代化改修費は45億円程度とされる。

Img_7341  近代化改修は、①レーダーのF-15E型のAPG-70性能をフィードバックしたAPG-63(V)1への換装、②セントラルコンピュータのAP-1Rからロッキードマーティン社製コンピュータへの換装、③発電機の能力向上、④冷却能力の向上(参考資料:航空ファン誌613号P62~63)である。この近代化改修の対象機を段階能力向上対応の通称MSIP機というが、非MSIP機に関しては現用のRF-4EJ偵察機の後継としてRF-15Jと改修される見込みである。

■米空軍F-16C機動飛行

 航空自衛隊に負けじと在日米空軍の機体も飛行展示を開始する。

Img_7378

 派手なベイパーを引きつつ飛行展示を実施。

 太平洋空軍のF-16デモチームによる飛行展示は、三沢基地の第五空軍第35戦闘航空団所属のF-16C二機、そして14名のメンバーにより構成されており、この内1機が飛行展示を行い、もう一機のパイロットがナレーターを兼ねる。クルーチーフ4名、アビオニクス担当が2名、電子装備整備員2名、エンジン整備員2名と整備補佐1名により構成される(参考文献:航空ファン誌599号P30)。

Img_7391_1  飛行展示は7000フィート以下に雲がなく、視程が5マイル以上であれば14~15分のハイショーが実施されるが、視程不良の場合は12~13分のロウショーが実施される。

 飛行中の最大速度はマッハ0.94に達し、パイロットは9Gもの重力に曝される。ロールしつつ上昇、急旋回という“ファルコンターン”、急上昇し横転しつつ反転、更に上昇を重ね急旋回で降下し鋭利な三角形を描くシャークティースというような激しい空中機動を演じた。

Img_7403_1  飛行展示を終え、着陸し誘導路を再び展示機区画へ向かうF-16C。航空自衛隊のF-15Jと並んだショットでF-16Cの機体の大きさが分かる写真だ。

 F-16は、F-15の双発エンジンを単発とした廉価な航空機として米空軍向けに開発されたが、多用途性が高く、米空軍向けや諸外国に配備された機体は4000機近いベストセラー機となった。

■地上展示機

 こうして午前の飛行展示が終了し、ブルーインパルス飛行展示までの休憩時間となった。

Img_7426_1  小松基地に所属するF-15JやT-4練習機、UH-60J救難ヘリ、U-125救難機に加え、P-3CやRF-4、T-400、E-2C、C-1、F-4EJ改といった外来機の姿も見られたが、昨年の同じ日、相浦駐屯地における訓練展示中の事故の関係か、陸上自衛隊のヘリコプターを見つけることは出来なかった。

 昨年はT-2練習機やF-1支援戦闘機といった機体も並んだが、今年三月を以て退役した為、ここにはいない。

Img_7418  帰投するべく、移動する救難ヘリコプターV-107。航空祭では終了間際の帰投フライトの様子を撮影しようとするファンと、早く片付けを終えて夕食に間に合わせたい隊員との関係があり、近年では一部の機体を早めに帰投する方策がとられている。ファンも外来機の飛行を見る事が出来、一石二鳥である。

 なお、通常、救難ヘリは要救助者からの被発見性を高める写真のような塗装を施している。

Img_7395  格納庫内ではF-15Jのコックピット見学に長蛇の列が出来ていた。三機が展示されており、この他、AAM-4空対空ミサイルやエンジン、ターゲットドローンといった各種装備品の展示も行われていた。

 従来はこの格納庫に戦闘機が収容されていたが、現在は一部(恐らく一個飛行隊)が掩体運用となっており、航空攻撃への耐性を向上させている。

Img_7397_1  装備品展示では、訓練展示に用いられた3基のVADSの他、更に3基のVADSが展示されていた。この他、陸上自衛隊でも運用している81式短SAMも展示されていたが、ひと際目を引いたのが写真の携帯SAMである。

 見てのとおり、91式携SAMであるが、陸上自衛隊のものとは異なり、支柱が装備されている。これは標準装備のようで、長時間待機する防空要員への負担軽減には重要な意義がある。

Img_7489  写真は第九移動警戒隊のレーダー装備車輌。

 円柱状のものを装備した車輌が移動式三次元レーダー装置J/TPS-2で、レーダーサイトの補完が任務である。特に有事の際には航空攻撃により一時的に防空監視所の機能が麻痺する可能性がある為、それに備える装備。この他、映像や通話機能を衛星中継で電送する衛星通信可搬装置や、災害時などに通話回線を補完する移動式多重通信装置などがある。

Img_7437  写真は保存機展示区画。一見単なる航空公園に見えなくも無いが、背後にそびえるパラボラ(多重通信装置J/FRQ-8?)が航空基地であることを示している。

 此処には、T-33練習機、T-34練習機、F-86昼間戦闘機、F-86D夜間戦闘機、F-104要撃機が保存され、近傍には戦闘機の運用記念碑が建てられている。航空祭にもかかわらず子供がキャッチボールしたりのどかな雰囲気であった。

Img_7522  掩体に保存される一式戦隼・・・、ではなくT-6練習機。旧海軍機風塗装などで幾つかの戦争映画に出演した本機のうち、一機が旧海軍が建設した実物の掩体において保存されている。見つけたのは友人のけーと氏で、思わず声を上げてしまった。

 実はJウイング誌別冊付録全国保存機ガイド、そこに写真入で書かれていた保存機の中でこれを一番探していたものが、離れたところにあり、帰路偶然発見したものである。

■ブルーインパルス飛行展示

 保存機も含め、一通り見終わったところでいよいよクライマックス、ブルーインパルス飛行展示である。

Img_7434_1  ブルーインパルス飛行展示最初の飛行種目は、先んじて四機編隊で離陸した後、ギアを出したままでそのまま旋回し、更に会場正面へ飛来する。

 これはダイヤモンドテイクオフ&ダイティーターンといわれ、会場正面から低速で進入するため、スモークが幅広くたなびくのがこの種目の特色である。後方気流の関係上、離陸直後にこの隊形へ移行するには高い技量が必要である。

Img_7442_1  アクロバット飛行の歴史は古く、その起源は意外にも民間のものである。第一次世界大戦後、大量に余剰となった航空機の内、多用途性があり、武器としての危険性も比較的少ない練習機が民間に放出され、大戦後復員した元戦闘機パイロットが曲技飛行を興行目的で実施したことが起源とされるが、第二次世界大戦を挟み、航空機操縦技量の探求に加え、(日本の場合はT-2からであるが)国産機による性能誇示を介した国威発揚という意義を有するに至った。

Img_7412_1  航空自衛隊のブルーインパルスの起源は、その推進者であった源田実空将が戦議研究を大きく挙げ、創設に至ったが、主として東京オリンピックにおける開会式や、近年では長野オリンピック、日韓共同ワールドカップ開会式にみられる飛行展示のような、一般国民に対する後方目的で維持されてきたことが挙げられる。

 その技量は世界的に有名なフランス空軍のパトルイユ・ド・フランスやイギリス空軍のレッドアローズ、イタリアのフレッチュトリコローリにも勝るとも劣らないといわれる。

Img_7460_1_1  写真で表現するのは難しいが、菱型四機編隊(ダイヤモンド編隊)で横滑りしつつ四機編隊がスライドするように2機づつ背面飛行に移行、そして4機背面飛行が完成したところで、機体の間隔を狭めていく4シップインバートとよばれる飛行種目。

 会場上空を通過した時点で編隊を軽く開き、上記の飛行順序をそのまま繰り返し、四機編隊の飛行へと戻ることで完成する。

Img_7438_1_1 ブルーインパルスの飛行種目は全部で26あるが、ざっと10回以上見た小生でも写真では判別できかねるものがあり、なにより、合議により会場の混雑を避ける為、演目“キューピッド(ハートを空に描くもの)が展示される前に撤収を開始した。再度、岐阜基地航空祭などの飛行展示を、ブルーに詳しいYAMATO氏らから監修を受け、再度特集したい。

 以上が小松基地航空祭の顛末である、お帰りはこちら。

HARUNA

(本ブログの本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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地震列島への備え 自衛艦名古屋港寄港

2006-09-16 00:15:17 | 海上自衛隊 催事

■多用途支援艦「すおう」、掃海艇「すがしま」名古屋入港

 九月一日、海上自衛隊の「すおう」「すがしま」が知多半島島嶼地域での防災訓練に参加すべく名古屋に入港した。

Img_7178  東海地震を想定した大規模地震対策特別措置法の制定から30年以上の時を経て、近年では東南海、南海地震の複合地震災害の危険性が指摘されるに至っている。また、津波災害の危険性がインドネシア沖地震を契機に再認識されるにいたり、特に孤立する危険性が高い島嶼部での震災被害局限に重点を置いた防災訓練が九月二日、愛知県南部において実施された。この訓練は、地元住民、消防、警察、海上保安庁とともに自衛隊も参加した。

Img_7055  この自衛艦艇が名古屋港において一般公開されているという情報が寄せられ、小生は名古屋港へ向かった。

 名古屋市営地下鉄は初乗り200円で結構先まで行け、金山駅から名古屋港駅まで260円であった。京都市営地下鉄が初乗りからすぐに250円になってしまうということを考えると、本数も多く、また路線が充実しており、羨ましいというのが本音である(京都市営は近鉄乗り入れで大久保まで一本で行けるのが利点)。

Img_7058  「すおう」は「ひうち」型の二番艦で、現在三番艦「あまくさ」までが就役、五番艦までが建造中である。

 特務艇81号型の後継艦として建造された本艦は、地方隊に所属し、標的曳航による護衛艦の訓練支援や故障艦艇の曳航、訓練魚雷の回収などに加え、後部甲板に最大四台の車輌を収容する事が出来、災害派遣でも一定の能力を発揮できる事が期待されている。

Img_7103  名古屋ポートタワーと「すがしま」「すおう」。喫水の低い掃海艇は災害後の港湾設備麻痺という状況下でも運用が可能である。

 「ひうち」型は消火設備に重点を置いており、また前述の資材搭載能力は最大で13㌧までである。将来的には後継としての多用途支援艦はデンマークのスタンフレックス300級のようなモジュラーシステム艦として、多用途支援の枠を強化する事が望まれる。

HARUNA

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陸海空自衛隊関連行事 九月期実施詳報

2006-09-09 12:40:26 | 北大路機関 広報

■自衛隊関連行事

 九月期は航空祭の時期といっても過言ではない。また、気候の関係上駐屯地祭の実施に適さない夏期が過ぎたこともあり、全国の自衛隊関連行事は盛況となる。

Img_1083  一方、北部方面隊は冬期が厳寒であることもあり、駐屯地祭などの催しが終盤に差し掛かる時期でもある。

 航空祭としては、十日の三沢基地航空祭、十七日の小松基地航空祭が注目である。写真は昨年の小松基地航空祭において実施された20㍉高射機関砲VADSの空包発射。今年度は米空軍のF-16戦闘機の飛行展示も予定されており、飛行開発実験団よりVADSの仮設敵として飛来するF-2とのツーショットも期待できる。

Img_2172  陸上自衛隊の駐屯地祭は、全部で12あり(丘珠航空ページェントを含めば13)、注目するものとしては、昨年に派手な訓練展示を行い誌上を飾った第七普通科連隊の駐屯する福知山駐屯地、旅団創設記念行事である帯広駐屯地、そして西部方面普通科連隊が駐屯し、昨年、訓練展示の最中にAH-1Sが墜落した相浦駐屯地であろう。特に、福知山はアサルトベストを着た小隊の行進やホイールローダーを用いた市街戦訓練展示を実施していたが、連隊長交代後の連隊について、興味が尽きない。

Img_7739_1   海上自衛隊関連としては、岩国航空基地祭と徳島航空基地での開隊記念行事が挙げられる。特に、岩国基地では、昨年度末に納入されたばかりのMCH-101掃海輸送ヘリコプターが初めて公式行事に展示されるという。写真は、今年三月、川崎重工において試験飛行中のMCH-101を偶然捕らえたものだが、次期ヘリコプター搭載護衛艦に搭載が見込まれている。機内には人員30名、若しくは6㌧の貨物が搭載可能であり、V-107輸送ヘリよりもスペックが大きくなっている。また、後部カーゴハッチを用いる事で迅速な人員展開、物資搬入が可能である。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

■九月三日:陸上自衛隊函館駐屯地:駐屯地創設56周年記念行事(0138-51-9171)

■九月三日:陸上自衛隊南恵庭駐屯地:第三施設団創設45周年記念行事(0123-32-3101)

■九月九日:海上自衛隊岩国基地:岩国航空基地祭(0827-22-3282)

■九月九日:航空自衛隊高畑山分屯基地:分屯基地開庁記念行事(0987-77-0303)

■九月十日:陸上自衛隊金沢駐屯地:駐屯地創設56周年記念行事(076-241-2171)

■九月十日:陸上自衛隊帯広駐屯地:第五旅団創設記念行事(0155-48-5121)

■九月十日:陸上自衛隊丘珠駐屯地:第24回航空ページェント(011-241-7672)

■九月十日:陸上自衛隊岩見沢駐屯地:第12施設群創設31周年記念行事(0126-22-1001)

■九月十日:陸上自衛隊幌別駐屯地:第13施設群創設31周年記念行事(0143-85-2011)

■九月十日:航空自衛隊三沢基地:航空祭(0176-53-4121)

■九月十七日:陸上自衛隊相浦駐屯地:駐屯地創設51周年記念行事(0956-47-2166)

■九月十七日:航空自衛隊小松基地:航空祭(0761-22-2102)

■九月二十三日:陸上自衛隊松本駐屯地:駐屯地創設56周年記念行事(0263-26-2766)

■九月二十三日:陸上自衛隊鯖江駐屯地:駐屯地創設43周年記念行事(0778-51-4675)

■九月二十三日:航空自衛隊福江島分屯基地:分屯基地開庁記念行事(0959-84-2074)

■九月二十四日:陸上自衛隊福知山駐屯地:駐屯地創設56周年記念行事(0773-33-2392)

■九月二十四日:陸上自衛隊小倉駐屯地:駐屯地創設49周年記念行事(093-962-7681)

■九月二十四日:陸上自衛隊富山駐屯地:駐屯地創設44周年記念行事(0763-33-2392)

■九月三十日:海上自衛隊徳島航空基地:開隊48周年記念行事(088-699-5111)

北大路機関

本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。

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深く静かに先行せよ! サマーフェスタ横須賀

2006-09-02 15:49:27 | 海上自衛隊 催事

■名古屋から横須賀へ

 横須賀サマーフェスタは、小生の同専攻の友人や昨年の富士総合火力演習以来お世話になっているWebサイト「とんぺいの機械博物館」のとんぺい部隊三名、昨年の今津駐屯地祭以来様々な催しでご一緒させていただいているC.ジョニー氏一行三名が横須賀基地にて合流するという壮大なものであった。

Img_6206  集合場所は名古屋からのジョニー氏一行が列島打通作戦という自動車にて展開するのに対して、小生は自走手段が限られている為、新幹線での展開を考えたが、どう頑張っても0930時、横須賀中央駅/汐入駅到達が限度であった為、やむなく、夜行バスを用いた。やむなく、と書いたのは、三列シートの夜行バスが全て満席であり、残っていたのが四列シート観光バスをそのまま夜行バスに転用した仕様のものしかなかったためである。寝台特急を予算の関係から除けば、唯一の手段であった。

Img_6202  四列シートバスは安価である。三列シートバスの50~60%程度の価格で乗車可能である。しかし、である、毛布サービスや独立式リクライニングシート、お手洗い設備がなく、頻繁にSAで停車する為、その度に目が覚めてしまう。隣に人がいると睡眠姿勢が限定され、疲労蓄積著しい。こうした理由から、やはり早めに参列バスを予約するのがよいだろう。

 写真は京浜急行の電車。汐入駅0800時集合の予定が一時間以上早くついた為、電車撮影に勤しんだ。

■入場へ長い列:横須賀基地

 海上自衛隊横須賀基地の正門前へは、とんぺい殿の機転で五人乗りタクシーを利用、歩兵を蹴散らす騎兵の勢いにて疾風迅雷の横須賀基地前展開を果たした。

Img_6213  正門開門前、正門付近の岸壁から横須賀地方隊所属の輸送艇2号が曳船に引かれ、外洋に出て行った。満載排水量520tの本艇は、横須賀地方隊唯一の両用戦艦艇で、船体前部から船首ランプを介して、車輌などを揚陸させる事が可能である。速力は12ノットとやや遅いが、災害派遣などには大きな威力を発揮する。艇越にみえる白いテント付近が入り口で、長い列が出来ているのが写真から見て取る事が出来よう。

Img_6205  写真は横須賀サマーフェスタ名物“カリブの海賊in YOKOSUKA”で普段は東京○ィズニーシーに係留、イージス艦一隻がそのまま幽霊屋敷に改造されており、観客の公表と悲鳴に・・・、というのは大嘘で、米海軍第七艦隊所属のイージス駆逐艦“カーティスウィルバー”。1994年に就役したアーレイバーク級の4番艦、満載排水量は8422㌧である。定期整備中の写真である。ステルス性を重視したモノポールも、このように櫓を組み立てることで、こうした外見となるのが面白い。

Img_6225  手荷物検査を終え、体験公開整理券をもらってから横須賀基地に入る。後方を見れば遠くウェルニー公園の方まで行列が続いている。体験航海の整理券の末尾に「海上自衛隊への入隊を希望しますか?」というようなアンケートがあったが、一応専攻の傍流に戦時国際法と防衛法を定め、例えば有事の際には田岡良一先生ほどではないが、応召あらばいつでも。とは思うものの、平和日本の自衛隊では法務官の定員の率も少なく、やや苦笑しながら無記入とした。

■横須賀基地の艨艟たち

 横須賀基地は第一護衛隊群、横須賀地方隊という戦闘部隊に加え、装備開発の中枢となる開発隊群、戦略画定に重要な役割を有する海洋業務隊が司令部を置いている。

Img_6263  当日の艦艇を列挙すると、埠頭の右端からDD-110“たかなみ”、満載排水量6300㌧で汎用護衛艦としては最も新しい。国産の射撃管制装置FCS-2を搭載しており、限定的ながら同時多目標対処能力を有する。隣はASE-6102“あすか”、イージスシステムに匹敵するといわれる国産の射撃式装置FCS-3の試験を目的として1995年に就役、満載排水量は6200㌧。なお、“あすか”と聞いてエヴァを連想するか種デスを連想するかで世代が分かれるという。その隣はミサイル護衛艦“はたかぜ”、海上自衛隊第三世代のミサイル護衛艦で、満載排水量は5900㌧。推進装置にスペイ社製・オリンパス社製のものを用いる特殊な構造を有している。

Img_6257  上記写真“はたかぜ”の影となっていたのが地方隊の“しらゆき”で、“はつゆき”型の二番艦。対水上・対潜・対空ミサイルを搭載し、哨戒ヘリコプターを搭載、ガスタービン推進という今日の汎用護衛艦の基礎を築いた護衛艦で、満載排水量は4000㌧である。沖合いにみえるのは“むらさめ”、海上自衛隊の護衛艦としてステルス性能を重視する設計を採った最初の艦で、満載排水量は6200㌧。そして前述の“たかなみ”型二番艦である“おおなみ”。

Img_6231  オレンジの船体が美しいこの船は砕氷艦“しらせ”、主に南極観測に用いられる船で、満載排水量は19000㌧。連続砕氷能力1.5㍍、物資1000㌧を輸送可能であるが、1982年就役と老朽化が進んでおり、2009年には後継艦が就役する見通しだ。中央の艦は補給艦“ときわ”。海上自衛隊が保有する五隻の補給艦の一隻で満載排水量は12100㌧とやや小型である。左端は“いかづち”、“むらさめ”型の七番艦である。

Img_6483  サマーフェスタ終了後に撮影したものであるが1610時頃、横須賀基地へ第61護衛隊のイージス護衛艦“きりしま”が帰港しているのを偶然発見した。満載排水量は9500㌧で、先日の北朝鮮ミサイル発射実験の際に、ハワイ沖にて弾道ミサイル迎撃訓練を含む環太平洋合同演習に参加し、急遽帰国した事で知られている。横須賀市内でのオフ会の途上、小生が偶然発見した。防空能力と指揮通信能力を重視したミサイル護衛艦で、各種ミサイル98発を搭載可能である。

Img_6329  掃海母艦“うらが”。“うらが”型の一番艦で、満載排水量は6850㌧、掃海艇に対する各種補給や乗員の休養を引き受ける艦艇で、同時に後部に広大な飛行甲板を有しており、掃海ヘリコプターに対する支援も受け持っている。また、機雷敷設能力を有しており、艦尾に機雷敷設用のレールと投下口が並んだ配置となっている。ヘリ格納庫はないが、掃海器具を収容する大型の格納庫を有している。この他、潜水艦や掃海艇、多用途訓練支援艦などが横須賀には停泊していた。

■次回予告

 体験航海の様子や訓練展示の様子、米海軍の在泊艦艇などは次回にお伝えしたい。

Img_6466  訓練展示に加え、災害派遣に用いる各種装備の展示や、通常の地方隊主催の展示訓練では中々見ることの出来ない展示も実施されており、その様子を次回お伝えしたい。

 なお、北大路機関広報として駐屯地祭や航空祭などの情報を提示しているが、今月は諸般の事情で遅れており、もう少しお待ちいただきたい。

HARUNA

(本ブログの本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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