北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

二〇二二年-大晦日,読者のみなさま今年一年お世話になりました-北大路機関を来年もどうぞよろしく!

2022-12-31 20:22:59 | 北大路機関特別企画
■大晦日二〇二二
 今年も間もなく幕を閉じ大団円を迎えます。

 2022年、COVID-19をやはり最初から最後まで意識するところとはなりました、実際問題、北大路機関では退職された教授の方はじめ周りの方がCOVID-19により亡くなる、手術が必要な状況であるが医療崩壊の影響を受け手術が間に合わない緩和ケアに移行した、事例が僅かではあるもでています。だからこそ、いきすぎた対策忌避には拒否感があるのです。

 ウィズコロナへ。一方、日常を戻さねばなりません。考えれば日本は基本的に対策の呼びかけという段階で収斂し、しかし奇跡的なほどに感染拡大を抑えられたとは思います。その上で2022年は、実は2020年と2021年の合計死者数よりも多くの方が亡くなっているという一方、2020年に厚労省が警鐘を鳴らした一年間で死者40万、は回避できたのだが。

 北大路機関としましては2022年は特別な一年となりました、これは複合的な要素です。一つは自衛隊行事の再会、いつもお世話になっています方のご厚意に預かりまして、久居駐屯地祭特別公開を撮影することができました、2020年の伊丹駐屯地祭以来、本当に久しぶりの行事というところでしたが、部隊行事は招待制から公開再開へ舵を切る転換でした。

 第3師団祭などは74式戦車を装備する第3戦車大隊が年度末にも廃止といわれている中、2020年と2021年には中止されていた師団行事を再開することができたわけです。たしかに2022年全体をみれば中止の行事、関係者のみの行事、事前応募制の行事は数多いのですが、2022年にかけ、第8波の感染拡大も看過できませんが、光明はみえてきたといえます。

 国際観艦式、一般公開はフリートウィークのみとなっていましたが、オーストラリア海軍のホバート級イージス艦を撮影できるなど、これはなかなかすごいものだ、と感じる公開が数多く、日本の都市封鎖を行わない感染対策などが各国から否定的に報じられていたことを思い出しますと、これこそ懐かしさ溢れる日常の回帰なのだなあ、と実感したもの。

 70周年、舞鶴展示訓練が8年ぶりに挙行されまして、これも日常の回帰ということに勇気づけられるとともに、実のところ幕間を聞けば艦艇をかき集めるのが大変であり、他方で感染対策から乗艦者を定員よりも大幅に抑える必要もあり、なかなか難しい局面もあったようです。しかし、展示訓練再開、8年ぶりです、実行されたことには驚くものでしたね。

 航空祭は、全面一般公開の航空祭は限られています。当日に急遽全面公開としたのは三沢基地ですが、さすがに青森県まで、それこそ寝台特急日本海のA個室が維持されていれば考えたのでしょうが、個室どころか特急日本海そのものが廃止されていますと、なかなか遠出できないものがある。しかし、抽選制による航空祭再開は実に幅広く行われました。

 岐阜基地航空祭、今年一番悩んだのは、北大路機関は2005年から2019年まで岐阜基地航空祭と守山駐屯地第10師団祭は毎年撮影できていましたが、2022年は同日開催という、どちらにいくべきか、そうとうに悩んだ上で岐阜基地、雨天の懸念はありましたが飛行展示中は曇天に抑えられ、息苦しくともほんとうに久しぶりの航空祭を満喫できたものです。

 自衛隊行事、再開の流れは続いてゆくのでしょう。一方で、COVID-19について、2020年のアルファ株やデルタ株、アルファ株では治療法が確立しておらず新型肺炎と呼ばれた頃には全身の白血球が過剰反応を起こすサイトカイン炎症の仕組みがよくわからず、人工呼吸器という肺炎対処の治療法が実は最適ではなかったため、膨大な犠牲者がでてしまった。

 デルタ株については、ようやく治療法が確立し治療薬やワクチン開発が進む中での、致死率2%という50名が感染すると1名が確実に死ぬのだ、という状況が続いていましたが、ワクチンの普及により、日本ではワクチン副作用のほうが危険と国会でさえ討議され、都市封鎖に近い措置を求める声もありましたが、ワクチンが劇的に好転させたという状況だ。

 オミクロン株について、感染力を強めていますが弱毒化したと理解される一方、12月にはいり感染対策を大幅に見直した中国において劇的な感染拡大と、中国当局は死者数を抑えて報じていますが、パニックに近い厳しい状況が伝えられます。ここから新たな変異株が生まれないか、この懸念とともに2023年もやはり、台風の目を形成する予感はあります。

 ロシア軍ウクライナ侵攻、もう一つ劇的な点は、もちろん世界政治にはこれこそ第一の報道と関心事、一歩間違えれば核戦争という懸念すべき状況が続いているのですが、これを契機に北大路機関では"臨時情報"として朝の0700時に第二の記事掲載を開始、文章両はP6記事という、夜に掲載するものの半分から半分強程度ですが、連続して掲載できている。

 臨時情報、実のところここが北大路機関の原点回帰といえるのかもしれません、予測不能といいますか、なにを掲載するか、なかなか苦労するところはおおいのですが、アクセス数などをみますと大向け好意的な閲覧数に安堵しています。この記事作成、戦争がここまで長期化すると思わず始めたものですが、記事作成と連載維持はなんとか継続しています。

 誤字脱字については、臨時情報も含めて校閲体制がある程度整い、これは北大路機関の長年の課題であるとともに、誤字を改めた際に内容を出稿後に変更したことへの批判の書き込みなどもあり、いろいろと悩ましいところではありましたが、この数年間、漸く校閲体制が整いましたことで、なんとか目立たない程度には抑えられているよう思います。

 臨時情報の掲載、内容としては文章量から踏み込んだものは掲載できませんが、朝一番に、一つの視点を提供できれば、と思うのは無関心が政治をよくすることにも社会をよくすることにも寄与しない、という信念です。臨時情報の掲載は第一回からなんとか継続し大晦日を迎えました、Weblog北大路機関来年もよろしくお願いします、みなさまよいお年を。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】東本願寺,大晦日という旧年と新年の幕間と想う寺社仏閣拝観参拝へ散策する気分転換の意義

2022-12-31 14:48:09 | 写真
■京都を散策する意味
 大晦日というのは究極の日常に訪れる幕間のひとときです。

 東本願寺、2022年は考えさせられる事が多かった故に日常の幕間に散策する旅情、思い浮かべる2022年最後の寺院で思い浮かべたのはここ東本願寺でした。結局のところ、この一年間は暴力が支配したという一年なのかもしれません。まさか2020年代に、と思った。

 実りある一年でした、なにより仕事と防疫、この一辺倒であった数年から一気に粋にという日常が回帰しまして、なにしろふと散策しようという心のゆとりが、主としてCOVID-19の鎮静化とワクチンの予防普及によるところが大きいけれども、戻ってきたというゆえ。

 日常と国際情勢、国内情勢の乖離が激しい、こういう認識は上記の暴力という視点で端的に示されています。こう大樹の様な柱にもたれかかり、腕を組み報道を思い起こすだけでも、2003年イラク戦争や2011年東日本大震災に2020年感染拡大より、世界は深刻だ。

 ロシア軍ウクライナ侵攻は、文字通り暴力そのものであり、ウクライナにはナチスがいてロシア系住民の虐殺が侵攻している、これは変な街で撒かれているビラなどではなく、一国の元首が、OSCE全欧安全保障協力機構などを通さず一方的な陰謀論で戦争を始めた。

 核戦争は、20世紀の脅威と考えていたものですが、ロシアが繰り返し核兵器、ウクライナへ戦術核を示唆し欧米へ水爆等戦略核を示唆する現状は、21世紀の今日も世界は核戦争、全面核戦争による人類文明の終焉と紙一重の世界に居る事を認識させ、驚愕したもの。

 核の脅威は、しかし世界の人々の良心よりも、世界の人々は自分の日常を守る事を優先する為にラジカルな核軍縮希求への行動による生活の崩壊よりも、むしろ核抑止論の必要性に納得する状況が広がり、いわば核廃絶への近道は使い尽くす事、という状況が広がる。

 暴力主義は日本へも及び、戦後初めて、元総理大臣が暗殺、しかも選挙演説の最中に銃器で暗殺するという凶行に出ており、この狂った論理は日本社会そのものを、ある種の一票よりも一発という、危険な方向性に向けるのではないか、反知性主義の台頭を懸念します。

 一票より一発、この認識へ非難する声は多数ではあっても、迎合論が少なからず生じた事は、日本さえ中世へ逆行する時代が有り得るのではないかという恐ろしさを感じるのですね。これはわたし自身が日常を謳歌できるウィズコロナの時代と同時並行しているという。

 歴史に学ぶ必要はあるのだけれども、視野狭窄というか追い詰められた視野では歴史まで関心を伸ばす余裕が無いのか、こう懸念するとともに、こう京都にあっては散策の先に歴史と哲学とを出会う余裕があると思いつつ、凶行は同じ古都奈良で起きているのですね。

 平等と反権威主義を掲げる声ということで支持を集めた蓮如が大きくしましたのが、この本願寺です。だからこそ東本願寺を拝観し、巡るとともに思うのは蓮如が支持された時代は人権というものや教養というものは行き渡らず命を軽んじる事が普通だったということ。

 京都幕間旅情は、日常の京都の情景や日本の四季などを紹介する日常の中に幕間と旅情を見い出すものなのですが、御承知の通り2022年は掲載の頻度を大きく高めました。その背景には、10記事が表示される北大路機関を戦時の狂気に呑まれないよう備える目的という。

 京都散歩は愉しいものです、これは良い気分転換となりますし、混雑している有名寺院でも、そして皆さん知っている風景でも混雑していない風景も、時代劇や映画でおなじみの風景、千数百年や二千年を超える歴史を湛えた寺社仏閣を散策するのは、愉しいものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【土曜特集】アメリカ海軍横須賀基地に憩うイージス艦:ミサイル巡洋艦とミサイル駆逐艦(2022-07-01)

2022-12-31 07:00:37 | 在日米軍
■横須賀のイージス艦
 大晦日ということで明日には初日の出が上がります太平洋に面した横須賀の風景を。

 土曜特集としまして今年七月一日に撮影しました横須賀基地のアメリカ海軍艦艇、特に世界ではもうアメリカ海軍とロシア海軍にしか残っていない巡洋艦、アメリカ海軍が誇るイージスシステムを搭載したミサイル巡洋艦の写真を中心に、しかしちょっと撮影機材の雑談とともに。

 PowershotZoom、買うか迷っている。性能としてはどの程度なのか、撮影機材として現在のpowershotG3Xの老朽化が進み、実は予備の確保はあるのですけれども、頻繁なG3Xの酷使という現状からの脱却を念頭に、少し考えてしまいます。夜の通販番組の影響といわれれば半分あたりなのですが。

 単眼鏡をそのままデジタル化したような形状であり、100mmと400mmの光学ズームに800mmの電子光学機能が付与されています。注目する点は小型、G3Xよりもかなり小型という点で、いわば広角についてはG7Xmark2に一任して、そのほかの部分をpowershotZoomにできないか、と。

 1型センサーを搭載しているG3Xに対してZoomの大きさはひとむかしの一万数千円クラスのセンサーサイズとなっているのですが、考えてみますとiphoneのセンサーが同程度ですので、考えようによっては十分な性能となるのかもしれません、ただ周りで使っている人がいない。

 G3Xは、なさそうに思われるかもしれませんが一眼レフを携行していないといいますか携行できない状況でF-35戦闘機に遭遇した際に当時携帯していたのはG7Xだけでしたので、まったく望遠が足りないという、そんな理由で急遽導入したものでした、それまでは選外の機種だ。

 Zoomの性能は100mmと400mm切り替えで電子ズームが800mm、これはG3Xが光学ズームで600mmまで叩きだし、電子光学ズームでは2400mmにまで遠方をねらう、それでいて1型センサーを搭載しているのでまあまあの画像、いやこれでなければという画像を示す事と比べれば拙い。

 G7Xmark2、これにくらべますとG7Xのズームは105mm、これもAPS-Cでの105mmなんかではなく通常の35mm換算で105mmという水準ですので、どうしても望遠を撮影するというものではありません、するとZoomの400mmと電子光学ズーム800mmには、補完的な余地はあるのか、と。

 野鳥などを撮影するという用途だそうですが、残念ながら身の回りで野鳥を撮影されるかたはサンニッパの、CANONでいえば白レンズユーザーが多く、Zoomの画質で満足している人はいません、いやわたしが撮影する身の回りではZoomという、センサーサイズそのものを見ません。

 画質は、PowerShotのなかぜもZoomはAPS-C機種と比較するとかなり劣るという、あたり前だろうねえ的な情報は聞こえてくるのですが、特に航空機、戦闘機の機動飛行や艦艇の遠景を撮影に活用したという話をなかなか切きません、飛ぶものにピントがあいにくいとも。

 撮影機材としては手持ち専用であり、マウントベースさえ装着できないためにほかの機材と併用して撮影することができないという、なにかEOS-7DとG3Xを連装運用しているわたしのような型の使い勝手に関する難点も指摘されているようですけれども、どう解釈すべきなのか。

 写真として撮影するからには本気で臨むために被写体を撮影する能力にも本気の性能を機材に求める、ただ、それは使い勝手が悪ければ被写体に間に合わないしピント合致が遅ければ被写体は通過してしまう、痛い思いは何度も経験しメーカーの稚拙さを恨んだことも多い。

 航空機や艦船、薄暮で撮影することもあれば車内から咄嗟に構えることもある、相手が高速で動くこともあればこちらが列車内などで高速で移動していることさえ有る、航空機を撮るばかりか航空機から撮ることもある、故に興味があっても撮影機材には慎重になるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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二〇二二年末-来年二〇二三年の自衛隊行事を展望する,転換期迎える防衛政策と自衛隊の装備体系

2022-12-30 20:09:46 | 防衛・安全保障
■防衛政策の転換と共に
 日本安全保障政策は大きな転換点を迎えていますが同時に自衛隊も大きな転換点を迎えている一方、行事中断期間が長く実感がわきません。

 自衛隊もずいぶん変わった、2019年の航空祭はファントムが飛び回りまして、特に用途廃止がちかかっただけに全国の航空祭を乱舞していましたので、ファントムの印象が強かったのでしょうが、ご承知の通りすでにファントムは昨年2021年に退役しています、戦闘機の世代交代はF-1戦闘機退役以来ほぼ20年ぶり、妙な意味で新鮮な出来事だといえますね。

 2022年の自衛隊関連行事、いろいろ自由に動くことはもう少し時間がかかるのだろうと思いつつ、一番思い入れのある行事はととわれますと、やはり久居駐屯地祭でしょうか。2023年の自衛隊関連行事を考えてみましょう、今年は慎重に自衛隊行事を見送ったというような方もそろそろ2023年は、と考える方に、ちょっと来年の見通しを気が早いが考えてみる。

 C-1輸送機、そろそろ退役の時期が見えています、いやこの時期に2022年の入間基地航空祭は抽選制となっていましたので、C-1を眺める機会が大きく減っているということは非常に残念なのですけれども、このあたり、2023年は最新型のC-2輸送機も見上げたいものですが、50年以上跳び続け日本の防衛に貢献してきました機体、最後の日までみまもりたい。

 はつゆき型護衛艦は実に12隻も量産され、日本の海上防衛を40年にわたり担ってきましたが、コロナの影響残り艦艇広報が行えない中で練習艦転籍艦を含めすべて退役してしまいました、ただ、はつゆき型の拡大改良型扱いとして区分されることもある護衛艦あさぎり型については8隻が現役です、この退役が、もがみ型護衛艦量産とともに始まるのです。

 あさぎり型護衛艦8隻、あぶくま型護衛艦6隻、これらは年間2隻の勢いで量産がすすむ護衛艦もがみ型、つい先日6番艦あがの進水式を迎えていますが、わりと短期間で退役が進むこととなります。あさぎり型は護衛艦で唯一二本マストの護衛艦ですし、あぶくま型護衛艦はDE護衛駆逐艦区分が消えますし、数年後には木造掃海艇も全廃という見通し。

 74式戦車、こちらも割と後数年です、いやこの戦車も10式戦車が予定通り量産されていたならばもうすでに平成末期に退役しているはずの装備ですので、生き残っているのは懐古趣味であり、防衛出動の際に運用するには、相手は日本に来る以上選抜された最新戦車を派遣するため、特に厳しいのです。ウクライナにロシアはT-62を派遣したのはさておき。

 パトリアAMV装甲車が正式採用されまして、すると96式装輪装甲車と、そしてさらに古い82式指揮通信車などは急に削減されるかも知れない、いやジープ型の小型トラックが激減してしまい、いまでは装甲車よりも注目される装備なのですが、このようなかたちで旧型の73式大型トラックなども残りわずかという状況、これも転換期というものなのですね。

 古い装備、しかしそれでもしっかり運用されているのが日本らしさ、といえるのかもしれませんが、空白期がながかった自衛隊行事だけに浦島太郎気分というのは言い過ぎかも知れませんが、2023年、ちょっといろいろ出歩いてみるのもいいかも知れません。なにしろ自衛隊駐屯地や基地は感染対策がしっかりしていますので、そういう意味で安心といえる。

 自衛隊行事の感染対策、以外に思われるかも知れませんがしっかりしています、なにしろマスク着用を呼びかけていますので屋外で風が吹いていて換気が抜群でも、可能な限りマスク着用を呼びかけていますし、再開された飲食についても、かなり間隔を考えて椅子やテーブルが並びます、2023年、行事再開になかなか心躍るのは私だけではないでしょう。

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反撃能力-ミサイル部隊を発見せよ!自衛隊潜水艦に小型無人機を多数搭載し沿岸から偵察運用する試案

2022-12-30 07:00:24 | 先端軍事テクノロジー
■日本の反撃能力を考える
 敵基地に攻撃を限定するといってもロシアの様な無差別攻撃を行い目標を正確に攻撃したと大本営発表を行うようでは駄目です、敵情を正確に把握しなければ。

 日本を攻撃するミサイル部隊への反撃能力、昔は策源地攻撃といわれた防衛力の構築ですが、潜水艦を支援に用いることはできないでしょうか。いや、潜水艦からトマホークを射撃するというようなありきたりの方法を示しているのではなく、潜水艦は気づかれることなく沿岸部まで接近する能力があるのです、機雷原にさえ注意すれば公海上境界目一杯に接近できる。

 トマホークミサイル500発導入、威勢の良い政府の反撃能力整備ですが、問題は北朝鮮のミサイルを破壊する難しさです、固定式の発射装置ではなく移動式発射装置により発射位置を、なにしろ北朝鮮からすると自衛隊のミサイルよりもアメリカ軍のミサイルや戦闘攻撃機の津波のような破壊力を警戒しているのだから、頻繁に移動します。捕捉は難しい。

 政府は軍事目標だけをねらうという。しかし移動式発射装置が基地を出発した後で倉庫を破壊しても意味はありません、すると情報収集が必要となる。そこで、潜水艦の活用を考えるべきではないか、と。潜水艦から無人機、それも攻撃能力のない小型の無人機を発進させ情報収集に充てるのです。沿岸から発進するならばある程度は近距離用無人機で良い。

 クワッドドローン、市販の機種でも良いのですが、スキャンイーグルほど大きなものでなく、無害なものでよい、必要なのは情報なのですから加害能力のないもののほうが重要です、空振りに終わった場合にも、北朝鮮が時々日本に漂着させた観測用気球のような言い訳、気象観測用のものが南風にあおられ流れたというような言い分は成り立つのですから。

 特殊部隊を上陸させて直接偵察するという、北朝鮮が時折1990年代に韓国へ浸透させた方式でもよいのです、湾岸戦争では特殊部隊がイラク軍のスカッドミサイル制圧に威力を発揮していました。しかし、人員を派遣することにはリスクがあります。潜水艦から使い捨ての無人機ならばリスクは薄い、現地でなく回収できなければ使用後海上投棄すればよい。

 潜水艦はあるのです、そしてこうした能力を構築しますと、相手に対潜能力を構築させ、国防リソースを日本など周辺国の攻撃用の装備ではなく、自国の防衛、無害ではある無人機も害意の暴露に用いられるならば、暴露される側としては懸念事項となる、認識で受け止めるでしょう。実際に侵犯飛行は有事まで行わずとも良い、しかし能力は必要なのです。

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北大路機関『自衛隊最新装備2022』新小銃と新型多機能護衛艦,新型地対空ミサイルに無人偵察機と新型練習艦

2022-12-29 20:10:31 | 北大路機関特別企画
■自衛隊最新装備2022
 全国でCOVID-19中止からの三年ぶりの行事再開が続く中で様々な最新装備を撮影出来ました、本日は一般公開された最新装備の様子などを紹介しましょう。

 20式小銃、89式小銃を置き換えるフローティングバレル構造の新型国産小銃、富士教導団や水陸機動団に配備されているもので、富士学校祭にて初公開されました。伊丹駐屯地にて行われました中部方面隊創設記念行事でも、中部方面隊への配備はまだ先ですが先行公開、20年前の2002年伊丹祭にて9mm機関拳銃が同様に公開されたのを思い出します。

 もがみ型護衛艦もがみ。FFMという海上自衛隊の護衛艦は長らく艦隊駆逐艦をしめすDDか護衛駆逐艦を示すDEで種別し、ヘリコプター搭載護衛艦をDDH,ミサイル護衛艦をDDGとして配備してきましたが、新たに多機能護衛艦FFMの導入を開始、その一番艦が護衛艦もがみ、掃海隊群を護衛艦部隊へ改編し大量装備すべく、現在6番艦まで進水式を終えた。

 くまの。もがみ型護衛艦二番艦です。基準排水量3900tと小型護衛艦ながら護衛艦あさぎり型やミサイル護衛艦たちかぜ型よりも大型となっています、武装は現段階では限られていますが水上戦闘艦に機雷掃討を担当させるオーガニック方式であり、艦内の多機能区画には機雷敷設装置や舟艇格納が可能、将来的にはA-SAMなど射程の長いミサイルも積む。

 ペトリオットミサイルMSE,岐阜基地航空祭において初めて一般公開されました。ペトリオットミサイルPAC-3の射程を延伸したもので、北朝鮮ミサイル脅威の拡大を受け、都市部防空を確実なものとするために緊急導入された装備です。岐阜に群本部を置く第4高射群の装備なのですが、今年はいったばかりといい、まさに最新装備の写真です。

 19式装輪自走榴弾砲量産型、ロシア軍ウクライナ侵攻に際してフランスが供与した若干数のカエサル装輪自走榴弾砲が大活躍していますが、この系譜にある簡易自走榴弾砲です。試作車はMAN社のマークがありましたが、量産車は日本製鋼所のマークとなっています。なお、カエサル装輪自走榴弾砲も供与されたものはウニモグ製の車体に積んでいる。

 KC-46A空中給油輸送機、美保基地の第403飛行隊に配備されている最新鋭の空中給油輸送機ですが、巨大台風の山陰中国地方接近を受け、小牧基地へ退避しているところを撮影することができました、小牧基地には日本とイタリアが採用したKC-767空中給油輸送機が配備されていますが、この改良型でありアメリカのほかイスラエルが採用しました。

 はたかぜ型練習艦、江田島基地にて。言わずと知れたターターシステム搭載艦であるミサイル護衛艦はたかぜ型が、護衛艦隊のミサイル護衛艦枠をイージス艦により充足することができたため練習艦に転用し第二の人生といいますか艦生を歩み始めたもの、二番艦しまかぜ、とともに練習艦隊におけるシステム艦として重責を担うこととなるでしょう。

 M-6C-640T/60mm迫撃砲、2019年の富士総合火力演習へ参加した水陸機動団隊員が装備していましたが、余りに距離が遠く細部が良く見えませんでした、富士学校祭において偵察戦闘部隊の装備として紹介された、オーストリアのヒルテンベルガー社製60mm迫撃砲で、有効射程1600mと強装薬では射程1921m、毎分15発の射撃が可能という装備です。

 U-680A飛行点検機、YS-11飛行点検機の後継機として令和元年から装備が開始されました令和時代の航空機です、その任務は飛行場や基地の航空無線保安施設機能の点検が任務であり、文字通り自衛隊最新鋭、航続距離は5000kmと余裕があり南鳥島飛行場まで展開可能です。小牧基地で撮影していましたらば偶然着陸する様子が見え、撮影する事が出来た。

 スキャンイーグル無人偵察機、富士学校祭での展示です。スキャンイーグルは過去富士学校祭に参加し2022年に第14旅団へも配備開始となり伊丹駐屯地祭に観閲行進で参加しましたが、装備品展示にて間近に撮影出来たのは貴重な機会でした。簡易カタパルトから発進し高度4500mを24時間に渡り飛行し続ける事が可能で、全国の情報隊へ配備が進んでいる。

 16式機動戦闘車、この装備は何度も紹介していますが写真のものは第3戦車大隊の装備です。御承知の通り第3戦車大隊は第3師団の即応近代化師団から地域配備師団への改編により間もなく廃止改編される予定となっており第3偵察隊と統合し、第3偵察戦闘大隊となります。この為現在装備する74式戦車からの置き換えが始まる、過渡期の展示でした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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韓国政府-北朝鮮無人機浸透事案受け4億4000万ドルの緊急対策,日本の無人機対策はどうか?海渡る無人機脅威

2022-12-29 07:01:20 | 先端軍事テクノロジー
■臨時情報-朝鮮半島情勢
 この脅威は来年度以降と云わず緊急補正予算を必要とする水準なのでしょう、日本も例外ではありません。

 韓国政府は北朝鮮からの無人航空機浸透事案を受け、大統領府が急遽4億4000万ドル規模の無人機対策予算を緊急計上しました。これは26日に発生した北朝鮮のものと思われる複数の無人機を確認、韓国軍は100発程度の対空戦闘を実施しましたが撃墜には至らなかったというもので、無人機は鳥類の誤認という可能性もあるようですが確認できていない。

 無人機に対する有効な対策手段が無い、韓国国防省は異例の謝罪会見を行いました。韓国陸軍にはK-31飛虎自走高射機関砲などが装備されていますが、基本的に対航空機用であり、危険性は認識されていたものの予算措置が取られなかった事が要因であるとし、これをうけ韓国政府は迅速に緊急の予算措置を執った事となります。さて、これは対岸の火事か。

 日本海を渡る無人機の能力はある、こう懸念する一方、我が国でも10年以内に無人機への対抗手段を構築する政府は先日発表の防衛力整備計画に明示しました、しかし、10年も余裕はあるのか、10カ月以内に有効な対策を講じなければならないのではないか、という実情です、こういうのも、数万ドル程度の無人機で2000km以上飛行する機種があるため。

 シャヘド136無人機、イランがイエメンに供与し、イエメン武装勢力フーシ派がサウジアラビアの油田施設攻撃に用いたものです。重量は200kg程度、乗用車のセダン程度の費用で生産でき、航続距離は1500kmから2500km、北朝鮮にイランと同程度の技術が有れば、つまりこの機種程度のものを開発するならば朝鮮半島から日本海沿岸、いや東京まで届く。

 L-90/35mm機関砲とAHEAD弾薬があれば、その迎撃は難しくはありません、その根拠は高射機関砲の標的機がこの大きさなのです。しかし問題は最盛期210門が装備されていたL-90高射機関砲を自衛隊は2009年までに全廃、後継として150両の87式自走高射機関砲が配備される計画でしたが、配備予算を削られた為48両は北海道の一部に配備されたのみ。

 無人機対抗手段として電子妨害装置や電子妨害砲等が開発されていますが、今のところ同様の無人機攻撃を受けているウクライナで活躍しているのはスイス製やドイツ製高射機関砲です。もちろん早期警戒機等を飛行させ低空進入を警戒する必要はあるのですが、例えばこの種の無人機が日本海側の原発や石油貯蔵施設近くに進出する前に、対策は必要です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】東本願寺,平和の祈りと戦いの歴史-中世の本願寺信徒は今のロシア軍ウクライナ侵攻をどう思うか

2022-12-28 20:22:43 | 写真
■いまウクライナを想う
 今の視点ではなく信仰を問われた中世の時代であったならば、やはり戦って戦って戦い抜くのだろうなあ。

 東本願寺の信徒衆は仮にウクライナがロシアから受けたような不合理を突きつけられた際には、信仰を捨てて政府系ロシア正教に改宗するのだろうか、阿弥陀様を捨ててニコライ信仰に切り替えるのだろうか、それとも過去のように覚悟を決めて戦うのだろうか。

 京都駅前はわたしといいますか、現実世界にいきる人々からは意味不明のデモが時折溢れていまして、ロシアのウクライナ侵攻に反対するから軍事力に反対し自衛隊にも反対というよくわからないデモに反ワクチンデモ、駅員さんから警察官に私服さんまで煩わせる。

 GDPの2%を防衛費につぎ込んだら日本は現在世界七位から世界第三位の軍事大国になってしまう、アジアはどうみるか、と金額だけでアジテーションをみますと、しかし冷戦後暫くは日本はアメリカに次ぐ世界第二位だったのに、なにもなかったではないか、と思う。

 京都駅前の様子をみますと、ふと、その直前に通りがかりました東本願寺の歴史と、そして信仰は戦いであるという過去の行動というものが、果たして今の時代はどうなのだろう、忖度して阿弥陀様を捨てるのか、それとも戦うのか、と考えてしまうのですね。

 東本願寺の総門は奥に阿弥陀堂を望見させまして、ここは夕方の1730時に閉門となりますので、時報のように今日もこの時間なのだなあ、と一日の終わりを感じ入る分水嶺なのですが、その先にある京都駅でのデモといいますか路上パフォーマンスをみると、ふと。

 ロシアが訳の分からない口実で、非ナチズム化を押しつけ、非武装化と政権交代を求めウクライナに侵攻したのは二月ですが、ロシアの反ナチズム化要求は、ウクライナの何処にナチスが、鍵十字なんて対ファシスト戦勝記念館くらいにしか見あたらない、と思った。

 ただ、これを開戦の口実とするならば、仏教の梵字をロシアがナチス的だと主張することも、ウクライナに突きつけた意味不明の言いがかりよりは現実味があるものではないか、少し戦慄してしまいました。だからといって、そうなった場合、門徒信徒はどうするか。

 石山本願寺は織田信長の包囲をうけつつも五年間耐えまして、歴史をみますと自治権にちかい待遇とともに徳川家康の保護をうけ、いまでいう京都駅前に西本願寺とともに東本願寺は京都の玄関に古都の気風を放っています、しかしよくよくみると気づかされるのは。

 掘り割りは、京都の寺院としては異彩を放つほどにはっきりと明示されています、いや掘り割りと高い壁はもともと京都の寺院にあって不思議なものではなかった、豊臣秀吉の京都大改造とともに御土居が京都全体を守ったために、移築された寺院が省いただけです。

 城壁のような境界線を高らかに掲げ、確実な掘り割りは外部と遮断、実際東福寺など一部観光寺院は落書きに悩まされていますが、掘り割りを越えた東本願寺は落書きの話題はあまり、といいますか全く聞きません、平時にあっても防備を意識しているのですね。

 京都駅前の集会といいますか、スピーカーを掲げての数名十数名のデモンストレーション、もちろん本願寺とは無関係なのですけれども、防衛力がなければ石山本願寺がどうなったのかを歴史として知っていますし、東本願寺の難攻不落という構造はごらんの通り。

 現実をみることは大切でして、目を開く方法は簡単だ、京都駅前でアジテーションにて平和な日常を主義主張の押しつけでかき乱す方々は、ふと駅から五分ほど上れば現実を示してくれる堂宇があるのになあ、冬の寒さのなか、ふとそんなことを考えました次第です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】東本願寺,専修念仏ー日本宗教哲学転換点の親鸞さん懐かしむ信徒寄る辺は京都駅前に広がる

2022-12-28 20:00:04 | 写真
■あの御影堂を見上げて
 祈る事だけで救いがあると説いた専修念仏は価値観の多様性という日本の宗教的という以前に哲学的な転換点だと思う。

 京都、歴史都市である以前に千年間日本の首都を務めた最先端都市である、こうお話ししますが、新幹線で京都駅に到着しますと視界には直ぐ東寺の壮大五重塔が飛び込んできますので、やはりここは歴史都市なのだと思う、今の価値観や哲学に影響を及ぼしている。

 東海道本線、寝台急行銀河を思い浮かべてもらえれば良いと思うのですが、新幹線が開通する前の時代ならば、先ず京都と云えば京都駅からこの東本願寺が一望できたことでしょう、ここは下京区烏丸通七条上ル常葉町、阿弥陀如来を奉じる真宗大谷派の本山です。

 大谷本願寺として浄土真宗寺院が造営されたのは元亨元年こと西暦1321年です、鎌倉時代に浄土真宗を拓いた親鸞さん、当時の京都では専修念仏という祈る事こそ救いとの考えは異端であり迫害を受けつつ、しかし逃げ回りながら教えを説いたというのがなにか爽快だ。

 親鸞さんは結局みずからは自分の寺を造営する事無くこの世を去りましたが、一カ所に留まる事を良しとせずに、延暦寺から京都の街中へ、近江へ、そして北陸へと行脚を続けた事で本願寺教団という、社会保障という概念さえ無い時代に互助的な集団を醸成しました。

 本願寺、この巨大寺院は日本史にもたびたびその影響力を示しますが、なにしろ今の日本でも信徒は東西併せ3000万に上るというから壮大なものです、そのはじまりなのですが、もともとは寺一つ創らず全国へ布教に行脚した、親鸞さんのお墓、というものなのですね。

 御影堂、御影堂門をくぐりましてその先に見えます寺院は、御影堂そのものでして、ここは親鸞さんの御影、木造を安置する為の伽藍です。大きい、いや見慣れている故に思うのは、駅前にお西とお東に見慣れているだけで、全国を旅するとこの規模の伽藍は中々ない。

 専修念仏、祈る事こそ、この考えに至りますのは法然さんの浄土宗が始まりですが、親鸞さんは法然さんの専修念仏に民衆の救いの在り方を見い出したからこそ比叡山を降りたという歴史がありまして、いまの知恩院あたり、吉水庵にて法然さんの説法を聴いています。

 東本願寺造営は慶長7年こと西暦1602年、江戸時代の事となります。本願寺教団は、親鸞さんの時代から地域ごとの教団を造営することとなったのですが、親鸞さんの教えにあって独特であるのは地域の長をそのまま教団の長とせず、信徒は平等という戒めでした。

 御同朋、という考え方が親鸞さんの教えにあるのですが、一度は追放され、流罪にもなった親鸞さんは60歳の頃に京都に戻りまして、90歳で没するまでここ京都において文筆活動に勤しみ、没後にその遺骨は大谷、いまの大谷本廟を造営した、ここが本願寺の始まり。

 しかし、統治機構を考える場合に本願寺教団は異質な存在であることから、いまの大坂城、ここに造営した石山本願寺は織田信長と激戦を繰り広げた事は良く知られています。ただ、本願寺教団との関係を重視した事で石山本願寺の移転先に、豊臣秀吉は京都を示しました。

 後陽成天皇の勅許、豊臣秀吉は本願寺教団へ堀川六条の地域を当てたのですが、ここに徳川家康が後陽成天皇の勅許とともに造営したのが西本願寺と東本願寺です。もっとも、本願寺教団の対立を背景に、二つに二分した江戸幕府の意向、というようなものもあったが。

 京都駅前にここまで壮大な寺院がある、京都タワーさえ蝋燭にしかみえないような壮大さが有ります、拝観に際しては門限以外なにもなく拝観料さえ収めず、つまり毎日でも何度でも迎え入れてくれる、実に420年間受け継がれている祈りの場が、ここにあるのです。

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岸田総理-防衛増税前に衆院解散総選挙を示唆,防衛費倍増と2024年防衛増税前に国民へ民意問う姿勢

2022-12-28 07:01:41 | 国際・政治
■臨時情報-防衛費GDP2%
 防衛費を既存予算組み替えではなく増税で賄う姿勢には前から疑問であったのですけれども。

 岸田総理は防衛増税に関する民意として解散総選挙の可能性について初めて言及しました、これは27日放映のBSTBS報道番組に岸田総理が出演した際の自身から、防衛増税が行われる2024年より前に民意を問う衆院解散総選挙の可能性に言及したものです。ただ、防衛増税については、北大路機関では継続的に2%を維持するのかは議論余地があると考える。

 防衛費について、一定期間GDP2%として建て直す必要はあると考えます、がこれは軍拡の為ではなく、ミサイル防衛という巨大事業により、既存の予算を増やさずに実施した毎年数千億円規模の負担、これにより崩壊した防衛力を建て直す為です。例えば2011年東日本大震災の頃よりもヘリコプターは相当減りました、次に震災が来るまでに元に戻したい。

 T-4練習機、製造終了から間もなく20年ですが後継機が無く最後に生産された機体についても老朽化が進んでいます。OH-6観測ヘリコプター、180機あったものが後継機なく退役しており無人機が置換える構想ですが災害派遣において、どこが被災しているかを調べる無人航空機の広範な装備は今なお行われていません。破綻している装備はまだまだある。

 RF-4偵察機は全廃、C-1輸送機は後継のC-2輸送機が配備開始されていますがC-2輸送機の輸送力が起きいという事で飛行隊定数が半数になっている、これでは有事の際に整備中の機体を除けば自衛隊全体で輸送機を数機しか即応できない、有事には大震災も含む。輸送艦と輸送艇は前の震災の際には7隻ありましたが大型のみとはいえ3隻にまで減っている。影響はおおきい。

 GDP2%、短期間でもここまで支出して防衛力を再建するか、若しくは自衛隊の任務を防衛に特化させそのほかは自衛隊以外に、例えば災害派遣を消防と自治体の専管として大災害の際に例えば消防団水防団加入を義務化するとか、救急救命士などの資格取得を大学教育で義務化するなど、任務はある故何処かが負担せねばなりません、例えばミサイル防衛は。

 核シェルターを住宅建設の際に、スイスなどが実施している様に義務化するならばミサイル防衛の支出は不要となります、核攻撃を受ける際には退避する、従来のミサイルを迎撃するのではなくシェルターでやり過ごす方式とすればよい、が、施工費だけで900万円ほど余分にかかります、つまりミサイル防衛は誰かが負担しなければならないということ。

 核シェルターを義務化し、防衛費以外の自治体負担で公共核シェルターを整備する法整備を国が行うならば、防衛費はGDP1%でも対応できるでしょう、少なくとも上記の通り破綻している防衛力を建て直した場合は、です。しかし、同様の法整備のあるスイスで新規住宅建設が低調となったように、この負担こそ国民は耐えられるのか、議論が必要でしょう。

 増税は2024年以降となる、防衛増税についてですが、考えるならば20年間のミサイル防衛により破綻した防衛力は、10年程度で建て直せます。それ以降は、防衛費を無理にGDP2%とせず、しかし無理にGDP1%に抑え込む事も無く、国土防衛費にGDP1%と別枠でミサイル防衛費を確保するならば、持続可能な防衛力整備が可能となるよう思うのですが、ね。

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