北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

榛名防衛備忘録:スキャンイーグル無人機導入が自衛隊の無人機体制を躍進

2013-09-30 23:48:08 | 先端軍事テクノロジー

◆単に新型機が導入されるという意味を越えて
 陸上自衛隊は無人機の面で後れを取っている、これは少し前では常識のように語られていましたが、まもなく過去の論理となるかもしれません。
Uimg_5540 陸上自衛隊はこれまでの装備体系に加え、2011年の東日本大震災を契機として、無人機による広域情報収集能力の欠如を痛感することとなり、この分野の遅れを極めて短期間で取り戻すべく、海外製無人機の導入という選択肢を選んでいます。こうしてスキャンイーグル無人機の導入が決定、今年5月14日に豪州ブリスベーンのインシツ社工場にて、スキャンイーグル無人機が陸上自衛隊へ納入され、協力企業である三菱重工とともに我が国での運用研究と整備支援の準備を開始、来年上旬には評価試験が終了し、運用へと展開してゆくこととなりました。
Uimg_5472 スキャンイーグル無人機は、ボーイング社の子会社であるインシツ社製の無人機で米軍の要請を元に開発、2004年から海兵隊や海軍にて実運用に尽きました。重量13.1kg、全長1.37m、全幅3.11m、グローバルホークのような無人機と比較すればもちろん小型ではありますが、これまで陸上自衛隊が装備してきた無人機と比較すればかなりの大型化と言えます。そしてなにより、スキャンイーグルは24時間以上の連続飛行が可能で、気象条件にもよるようですが最大で30時間程度の飛行も視野に入れており、加えて高度6000mまでの上昇も可能です。
Uimg_5473 発進は空気圧方式カタパルトより射出、GPS航法装置によるプログラム飛行や遠隔管制が可能となっており、高高度に滞空しての監視任務へは赤外線暗視装置等を搭載し必要な情報を地上部隊へ伝送できるほか、CRP:通信中継器としての能力を有していることから通信可搬範囲を迅速に広域へ展開させることが可能です。また、高度6000mから得られる莫大な情報ですが、特に洋上での運用では自動船舶識別能力を備えており、船舶などを同時多数を捜索、識別し追尾が可能ということですから、必要地域の情報を得るだけではなく哨戒任務にも用いることが可能となりました。
Uimg_5489 無人機の安全性について、これは技術的に馴染みが無くとも新しい物への一般的な理解、という意味を含めてですが、特に議論となりそうな部分がありますが、巡航高度の6000mという高度はヘリコプターの巡航高度よりも高く、旅客機の巡航高度よりは低い空域ですが、離着陸航空機との不意衝突を防止するべくエンコーディングトランスポンダー機能を重点化し、旅客機や他の軍用機はもちろん、無人機同士の衝突も回避する性能を有しているほか、着陸はネットで自機を回収する巣快復捕捉システム方式を採用しているため、飛行場の無い地域でも運用が可能、とのこと。
Uimg_5441 これまでの自衛隊の無人機と比較し、長時間の滞空が可能ですので大規模災害時においては被災地域を連続して飛行し、火災などの延焼を監視するほか、孤立地域の捜索、陸上部隊の展開に必要な道路状況の把握など、いま、いったい何が起きているのか、という状況の把握に大きな力を発揮します。高度6000mを飛行しますので、輸送ヘリに多用途ヘリから観測ヘリに加え、都道府県の防災ヘリや民間報道ヘリに民間のボランティアヘリ輸送よりも飛行高度が高く、ヘリコプターの飛行を邪魔しません発進にカタパルトを用い、着地にスカイフックを用いるため、飛行場の混雑状況はもちろん、飛行場が被災した場合でも運用が可能、これらのポテンシャルはかなり大きなものと言えるでしょう。
Uimg_5194 通信中継能力は、災害派遣はもちろんですが防衛出動に際しても、特に南西諸島では陸上のように旅団通信隊が通信網を整備するためには、離島という性格上、陸上のように通信隊が車両で展開し通信中継網を展開できないため、無人機の通信可搬任務は非常に大きな意味を持ちます。このほか、巡航高度の6000mは携帯式地対空誘導弾の有効射高を越えており、VL-MICAとローランド3や11式では届くという話もありますが、クロタルや日本の81式、レイピアやHQ-7といった地対空ミサイルでも届きません。 
Uimg_5560 陸上自衛隊はこのスキャンイーグル無人機を導入することで、これまで遅れがちであった無人機の分野にてかなりの部分を取り戻すことが出来ます、そういうのも、無人機を自衛隊が実際に導入することで、これまでの航空法に明示されていた部分、航空機は操縦者が搭乗して飛行するもの、という航空法を無人機は最初に満たさず定義から外されるため、無線操縦機と扱いが区分されてしまい、高度150m以下を飛行する、航空管制を邪魔しない、飛行場周辺での飛行を禁止する、という、実用性を省くこととなる制約をそのまま乗り越える一手となるためです。
Uimg_6789 既に日本では無人機をこの範疇で何とか進める方策を模索しており、実のところ日本は航空目標の標的機という部分では1950年代から無人機を運用しています。航空自衛隊はF-104戦闘機の無人機運用を行い、特に航空管制の制約を受けない硫黄島などを拠点として空対空ミサイルの実標的としてきましたが、海上自衛隊は1950年代、それこそ創設間もないころから対空戦闘の訓練目標として無人機を用いていますし、陸上自衛隊は無人標的機を無人偵察機に改造し、冷戦時代の強行偵察任務へ備えていました。
Uimg_5865 ここに加えて、標的機ではなく無人航空機への任務を強化する観点に依拠し、航空自衛隊は硫黄島にて航空管制の圏外での無人機運用を継続してきました。技術研究本部は有人機を無人機化し、航空管制の圏内では有人飛行を行い離陸後に無人機として運用する形で技術研究を蓄積、陸上自衛隊は無人偵察機を方面隊レベルで運用し、富士総合火力演習などでは実際に飛行させていますし、小型無人機の一部普通科連隊や偵察隊への配備を進めているほか、高高度滞空型無人機の開発も進めており、決して手放しで後れを取っていたわけではない、状況でした。
Fimg_6042 航空法という、無人機開発最大の障害は制度面で、しかし、航空法が制定された時代には、まさか無人機が安全性を以て実用的な偵察任務等に就くことや、リアルタイムで無人機からの情報伝送が可能となる子と、24時間以上の滞空が可能な通常動力の無人機が開発されるなどは夢にも思っていなかったでしょうから致し方ないことではあるのですけれども、この航空法を乗り越える第一歩がひつっ用ながら実現しませんでした。東日本大震災に間に合わなかったことで遅きに失した、という印象もなくは無いのですが、次の地震に備え、という必要性が、航空法へ切り込む無人機の導入へ進んだことは評価されるべきでしょう。もっとも、自衛隊へMQ-8のような有人機を同等の機体規模を有する無人ヘリコプターが導入されたとしても市街地での駐屯地祭で現行のOH-6観測ヘリコプターのように無人ヘリコプターが航空部隊駐屯地から編隊で飛来したり、訓練展示模擬戦へ無人ヘリコプターが参加する、という構図が当方では想像できないのは、東方の考えがまだまだ古いからなのでしょうか。

北大路機関:はるな

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第10師団創設51周年記念行事・守山駐屯地祭PowerShotG-12撮影速報

2013-09-29 22:33:55 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆縮小改編控えた名古屋市内の師団駐屯地

 本日、第10師団司令部の置かれている名古屋市の守山駐屯地へ行ってまいりました。

Mimg_6483 第10師団は司令部を置く名古屋市の第35普通科連隊、愛知県南部は豊川市の第49普通科連隊、三重県の第33普通科連隊、北陸金沢の第14普通科連隊を基幹とし、東海北陸地方を防衛警備管区とする中部方面隊隷下の師団で、2002年の拡大改編により四個普通科連隊基幹へと増強され、戦車大隊や特科連隊を増勢した強力な師団です。

Mimg_6488 守山駐屯地は前述の通り名古屋市守山区にあり政令指定都市名古屋市へ1962年の第10混成団から第10師団へ拡大改編を受けて以来、此処に司令部を置いています。この駐屯地へは名鉄瀬戸線守山自衛隊前駅から交差点を越えて直ぐで、便利な立地にある駐屯地の一つ。

Mimg_65090 防衛省は今年度末の師団改編に際して、隷下の第49普通科連隊を大津の中部方面混成団へ移管、第10特科連隊は第4大隊を廃止、隷下の普通科連隊は79式対舟艇対戦車誘導弾部隊である対戦車中隊を廃止、このほかの隷下部隊も効率化され、恐らく戦車大隊も縮小、師団として縮小改編を受ける事となっています。

Mimg_6556 今年度は、併せて三年に一度の陸上自衛隊中央観閲式実施年でもあり、その関係か今年度行事ではスタンド席が少なく、一般用スタンド席は皆無、代わりに十列椅子席が用意され、年々増加する来場者をその規模の座席で収容できる訳もなく、混雑度度合は当方が九年連続で足を運ぶ中で最大の規模となっていました。

Mimg_6660 こうした守山駐屯地ですが、決して広くはないものの行事の撮影位置は多く、多くの来場者と反比例して縮小される一般開放地区の中で、どの位置から撮影すれば観閲行進や訓練展示を良好な位置から撮影できるのかを工夫しつつ機動展開を繰り返し、いろいろと改編前最後の情景を撮影することが出来ました。

北大路機関:はるな

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榛名防衛備忘録:機動戦闘車へ74式戦車装備の本土戦車大隊、過剰期待という危惧

2013-09-28 23:54:33 | 防衛・安全保障

◆演習で無敵の105mm戦車砲搭載装甲車

 連載記事連載記事で身動きがとりにくくなり、備忘録的に不定期で色々と考えてゆこうか、と。

Iimg_2871 機動戦闘車、開発時期から類推して既に完成し試験が進んでいるだろうから、その試作車が来月の中央観閲式において装備品展示に出されるのではないか、という期待や予想がある中、今回は機動戦闘車が本土戦車大隊で過剰評価されるのではないか、という危惧について備忘録的に紹介しましょう。

Img_3088 昨年九州へ北海道より第7師団の90式戦車が展開した際、同じ陸上自衛隊員ですが、74式戦車を専ら運用してきた九州の機甲科隊員が、機動力の高さと火器管制装置に暗視装置の性能に文字通り惚れ込み、これはなんとか近代化してほしい、という要望が出されました。今年度末に北部方面隊直轄第1戦車群が解体されますので、その余剰車を、という声も出されたようです。

Bimg_2081 さて、機動戦闘車ですが、行進間射撃が可能であるかは、車幅の制約もあり、側方向への射撃や特にスラローム射撃に問題はあると思いますが、10式戦車の技術に依拠し開発されている部分も多く、確実に暗視装置と火器管制装置の性能で74式戦車を圧倒するでしょう。特に自動装填装置により連続射撃が持続して可能ですし、データリンク能力などは世代が根本的に異なる概念というもの。
Fimg_6676 機動戦闘車は天で支える装輪式構造で履帯のように面で支えないため重量が分散しにくく重さに上限があり、そしてC-2輸送機へ搭載できるよう26t以下に収めることが求められているので防御力が戦車と比較し特に戦車砲弾のような運動エネルギー弾に対し致命的に低いことが予想されますが、74式戦車も防御力は低くなっています。

Cimg_4172 74式戦車の装甲は、対戦車ミサイル全盛期の第二世代戦車が、結局装甲強化でミサイルに対抗すれば動けないほどの重戦車になってしまうため攻走守という戦車三要素の中で防御を断念し、他の二点に注力した設計であるため、正面装甲は傾斜装甲を含めても大口径機関砲に耐えるか否かという程度ですので、機動戦闘車の中口径機関砲への防御力程度と比較すればそれほど変わらないのです。

Jimg_2746 反面、戦車は演習場で運用された場合、結局どの部位に命中しても撃破判定が出されるため、本来ならばその個所にその角度から命中しても行動不能とはならないのではないか、撃破には至らないだろう、という点は無視されます。しかしだからこそ、火器管制装置と主砲にデータリンク能力のみ突出している機動戦闘車は本土戦車大隊で過剰評価されるのではないか、という危惧があるということ。

Img_8533 演習場では、火器管制装置に優れていて遠距離から、座標情報の共有で攻撃を仕掛け、暗視装置を最大限活用する機動戦闘車は74式戦車を圧倒できるでしょう。しかし、これが実戦であれば、不整地突破能力の面で差が出ますし、機動戦闘車を一本換えて10式戦車と比較した場合、移動目標へのスラローム射撃能力と防御力で圧倒されてしまうのではないか、という印象が無いでもない。

Img_5529 これは、74式戦車よりは機動戦闘車の方がよいのだが、10式戦車の方がいいに決まっている一方で10式戦車が充当されないのならば機動戦闘車で我慢するしかない、という視点となるのですが、併せて、防衛出動を想定した対戦車戦闘能力ではなく、演習場での使い勝手の方が隊員に有用性を判断される、数字では代えられない印象として刻まれてしまう、ということ。

Img_9866 これを示すように、戦車ですが、一時期非常な過小評価に曝されたことがりました、87式対戦車誘導弾などの普及時期、同時期にレーザーを用いた模擬交戦評価装置が導入され、文字通り光速で進むレーザーにより戦車が遠距離で普通科の対戦車小隊に続々と撃破されてしまい、攻撃前進を行うと非常に危険であるばかりか、演習場制約から躍進行動を一回程度しか行えず、戦車は役立たず、という印象が付いてしまったのです。

Img_8097 しかし、機甲部隊指揮官は、レーザーが障害で直進しにくい薄野や森林地帯を選んで前進し、発煙装置との併用で戦車の監視能力の高さを最大限活かす戦域を選び、対処法を学びました。地形防御と障害の有効利用で対応した、つまり結局は乗員と指揮官の熟練度がものを言った、というところでしょうか。

Gimg_2360 事実、対戦車誘導弾は、機種により差異はあるのですが実際問題として戦車砲弾ほど速くなくレーザーのように照射即撃破には至りません。ミサイルは最低射程距離があるほか、安定翼が障害物に引っ掛かった場合、イラク戦争の市街戦におけるTOWミサイルのように意外と無力というもの。

Img_6052 こうしたように、機動戦闘車も演習場で無敵の威力を発揮するため、大きない性能を持つと勘違いされるかもしれませんが、これは世代を切り替えれば61式戦車よりも89式装甲戦闘車のほうが強そうに見えるようなもの、もちろん世代が違うのである程度当たっているのですが、それではその事実を以て戦車よりも装甲戦闘車が有力なのではなく、単に世代が違うだけ。

Img_1471 それならば、機動戦闘車は不要なのか、と問われれば、全くそういう考えはありません、高初速砲弾を投射する直接照準火力を備えた機動戦闘車は、対戦車ミサイルに無い部分を補う装備で、いうなれば、全廃された60式自走無反動砲のように対戦車ミサイルの欠缺を補うことが出来る事は確か。

Jimg_0315 戦車は有力ですが運ぶことも大変で、それならば戦車が欲しいが無い部隊への暫定的な代替装備として、特に普通科中隊の対戦車小隊へ、中距離多目的誘導弾の補完として2両程度を装備する、本部管理中隊へ機動砲小隊を置いて火力支援に用いる、偵察隊用の機関砲を搭載する近接戦闘車の補完用など、用途は広いでしょう。しかし、戦車の代替となるというような過剰評価は、起こらないようにしたいものです。

北大路機関:はるな

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平成二十五年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.09.28・29)

2013-09-27 23:32:07 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 台風と共に夜風が涼しくなり、漸く暑い季節と冷房の日々から脱した今日この頃ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。

Img_16559 東北方面隊創設53周年記念行事仙台駐屯地祭、今年度は昨年度と同じく仙台駐屯地で行事が行われます。行事内容も震災前よりは大きく縮小されたものとなっており、霞目飛行場ではなく方面総監部の置かれている仙台駐屯地で実施され、駐車場は用意されていませんのでご注意ください。

Img_1652 第10師団創設51周年記念行事守山駐屯地祭、東海北陸地方を防衛警備管区とする第10師団の創設記念行事で、名古屋市内の守山駐屯地で実施されます。今年度末に縮小改編を受ける決定が既に為されていますので、四個普通科連隊を基幹とした重層な師団は今年まで。

Img_60371 第5施設団創設記念行事小郡駐屯地祭、西部方面隊直轄の方面施設部隊である施設団の駐屯地で、隷下の施設群には津波災害に大きな威力を発揮する水際障害中隊も配置されており、特に近年は戦闘工兵装備の師団からの集約により全国の方面施設部隊は装備が強化されているところで、場所は西鉄特急で行ける小郡です。

Img_2836 桂駐屯地祭は、中部方面後方支援隊が駐屯している駐屯地で、京都市内唯一の駐屯地、駐屯地記念行事と訓練展示などが行われる、とのこと。1942年に建設された広大な倉庫を有する拠点でもあるため、南海トラフ地震に際しては京阪神地区最大の補給拠点として大きな役割を担う事となるでしょう。ただ、何故か駐屯地HPでは行事が19日実施予定になっており気になるところ。

Img_6307 竹松駐屯地祭、長崎県大村市にあります。第7高射特科群のホークミサイル部隊は展開しているのですが、10月12日と13日に大村駐屯地祭があります、一部に混同されている方がいるかもしれませんが、同じ大村市でも竹松駐屯地祭は今週末に行われるのでご注意ください。

Gimg_4514_1 下総航空基地開庁54周年記念行事、明日行われます。記念式典と飛行展示などが実施されるとのことで、海上自衛隊航空教育集団司令部が置かれているほか、米海軍より厚木航空基地が返還されるまで、航空集団司令部が置かれており、海上自衛隊航空部隊の一大拠点としての地位にありました。

Gimg_1486 徳島航空基地開庁記念行事、徳島教育航空群が置かれている航空基地で、TC-90練習機が配備されている唯一の海上自衛隊航空基地です。また、新設された陸上自衛隊第14飛行隊の徳島駐屯地も隣接しています。間違えて同じ徳島県の小松島航空基地へ行かないようにご注意ください。

Img_2706 四国の海上自衛隊関連行事では、明日と明後日、高知港において砕氷艦しらせ一般公開が行われます。砕氷艦の高知港入港は十五年ぶりとのことで、第二代となった砕氷艦しらせ高知港入港は今回が初めてです。場所は高知新港第七埠頭で、陸上自衛隊の装備品展示なども行われるもよう。

Img_2008 ご注意、明日行われる予定でした第1警戒群笠取山分屯基地祭ですが、台風十八号による土砂崩れにより分屯基地までの道路が通行不能となったため、中止することとなったようです。創設57周年、飛行展示や救難展示などを予定したようですが、通行不能ではどうにもならず、残念でした。このほか、海上自衛隊の週末基地一般公開なども行われていますので、ご興味のある方は地方隊HP等をご覧いただければ、と思います。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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浜松基地航空祭2012詳報⑤ F-2支援戦闘機機動飛行と浜松救難隊の救難飛行展示

2013-09-26 23:16:00 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆撮影位置変更へ滑走路南北大回り

 飛行展示と飛行展示の合間を縫って、いよいよ滑走路の南側へ撮影位置の機動展開へ移動を開始しました。

Himg_2951 F-2支援戦闘機が轟音と共に浜松基地の上空へ飛来します、飛行展示は次の航空機、岐阜基地のF-2支援戦闘機へと展開しました。機体は雲を曳いていますが、これは機動飛行の急激な変動に空気中の水蒸気が水滴となって機体に沿いくっきり雲を曳いたもの、F-2の機動飛行は凄い。

Himg_2948 岐阜基地の飛行開発実験団に所属するF-2は増槽一本を搭載し、浜松基地まで展開しました。このF-2支援戦闘機の航続距離は大きく、岐阜基地から浜松基地までは挨拶のようなものなのですが、なんとこのF-2,今年の富士総合火力演習へは福岡県の築城基地から東富士演習場まで無着陸往復飛行しています。

Himg_2968 対艦攻撃を主任務とするF-2支援戦闘機は四発の対艦ミサイルを搭載し、東北地方の基地から北海道北端以遠の艦隊を攻撃する任務に当たる航空機、戦闘行動半径は元々大きいのですが、九州から本州中部へ飛行し、近接飛行展示まで悪天候の中を駿河湾上空で待機、その後対地攻撃展示を行い、そのまま九州へ帰投、中々の戦闘行動半径と言えるでしょう。

Himg_2982 さて、このF-2飛行展示ですが、先ほど、前回掲載したT-7練習機の飛行展示終了から10分後に開始されました。当方は前回紹介した通り、逆光となる撮影条件のメイン会場地区から、順光の滑走路南側の航空自衛隊広報館方面へタクシーで向かいましたが、流石に10分では移動できません。

Himg_2983 滑走路の反対側へ、とはいっても横断歩道等ありませんし、地下鉄もありません、そこでタクシーですが、運悪く、ではないですか、当然のように、というべきでしょう、タクシーは大渋滞に巻き込まれました。そう、南側には一般駐車場があり、とうの昔は開門時間から数十分で満車状態となたのですが、車は押し寄せるばかり、即ち動かない渋滞のど真ん中にタクシーで突き出してしまった、かたち。

Himg_2985 そこで、なんとF-2支援戦闘機の機動飛行はタクシーの運転手さんにお願いして車内から移動しつつ撮影をしたわけなのですが、流石国産デジタル一眼レフの性能でなんとか上記の通りの写真を時として動く車内から、遮蔽物と地形障害を躱して撮影することができたというわけ。

Himg_2986 これ以上タクシーで移動しても、渋滞の中でしかし、基地から離れる経路を選べばタクシーは離脱できる、何より徒歩の方が早そうという事もありましたので、Uターンできるところでタクシーを停車させ、会計を済ませて残り1kmを徒歩で踏破しました。戻るルートは駐車場と逆方向なので空いているのですよ。

Himg_2997 さあ、広報館へ徒歩だ、と思うのですが、歩けどもあるけども、それとは無関係にどんどん以降展示が進んでゆくもので、F-2支援戦闘機の機動飛行、E-767空中早期警戒管制機の離陸に続いて、今度はプログラム通りに浜松救難隊の救難飛行展示が開始されるに至りました。

Himg_3003 ちなみに、救難飛行展示ですが、滑走路の南側の広報館ではなく北側の航空祭メイン会場からいちばん良く見える位置で捜索と救難員の展開に救助までの流れを展示するので、このあたりからは後塵を拝するといいますか、流石にここまでローターが引き起こすダウンウォッシュの後塵は飛んでこないのですが、後ろ姿しか見えない。

Himg_3005 しかし、救難ヘリコプターUH-60Jは後ろ姿だけなのですが、旋回半径の大きいU-125A救難機は頭上を大きく旋回飛行していますので、この機会を逃さずに撮影します。U-125は高速度を以て迅速に遭難海域へ展開し、要救助者の位置を素早く確認、救援物資を落下傘で投下しつつ救難ヘリコプターを誘導するのが任務です。

Himg_3008 U-125A救難機は1994年から配備が開始されており、2008年には旧式化したMU-2捜索救難機を完全に置き換えるに至っています。最高速度がMU-2の倍にあたる950km/hで、このほか飛行点検機として運用されていたMU-2Jの後継機としてもU-125Aが採用されています。ただ、運用開始から来年で20年、そろそろ延命か後継機選定かを行う必要が出てくるでしょう。

Himg_3016 広報館の方を眺めると、おお、富士山が見えてきました。浜松基地航空祭のこの日は2012年11月18日、もう雪化粧という季節なのですが、ここ浜松から御殿場までは在来線で三時間半という遠い距離、しかし天候条件が良ければこのようにくっきりと見えてくるのですね。

Himg_3040 救難飛行展示を終えたUH-60Jがメイン会場のエプロン地区から広報館方面まで飛行、迷彩塗装が増えるなか今では基調となった救難塗装の機体を見せてくれました、この広報館も撮影地として有名で、航空祭の大混雑を避ける家族連れには人気ということもあり、こちらまで飛行してくれたのでしょうか。

Himg_3048 なお、1988年より導入開始となったUH-60Jは後継機としてUH-60J改が開発されることとなり、40機のUH-60J改と20年間の維持費を含めたプロジェクトコストを1900億円として、三菱重工と防衛省が合意に至っています。

Himg_3058 UH-60J改は機体コストは大きいですが、飛行能力とフェリー航続距離2200kmと長距離飛行が可能ですので、陸上自衛隊も方面航空隊用に100機ほど維持費込4750億円で導入できないか、と思うところ。そんなことを思う当方の頭上をU-125が飛び抜けてゆきました。

北大路機関:はるな

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江田島第62期一般幹部候補生・第64期飛行幹部候補生課程修了式詳報④ 舟艇展開

2013-09-25 23:53:49 | 海上自衛隊 催事

◆動き始めた江田島修了式

 海上自衛隊の幹部候補生が大海原へ、練習艦隊出航へ、その見送り準備でしょうか。

Eimg_0151 撮影した昨年、その年末に掲載した際、詳細をという声がありましたが、今回、その一端をお見せできるか、と。練習艦隊出航、これは近海練習航海部隊ならば全国で出入港を迎え見送ることが出来ますが、外洋練習航海部隊とともに出港する様子は見られない、観るならば江田島だ、足を運んだのはこうした感じ。

Eimg_0163 この高速艇が突如姿を現したとくには驚いたのですが、類似している高速艇は特別機動船、江田島基地の特別警備隊や、海賊対処任務へ向かう護衛艦の搭載艇、水中処分隊の一部、それに地方隊の警備隊にも装備されていることは知っています。さて、この特別機動船の所属は何処の部隊か。

Eimg_0169 特別警備隊の所属ではないか、というのは後ほど判明するのですが、特別警備隊は北朝鮮の武装工作船に対する海上警備行動事案を契機に、海上保安庁では実施できない状況下での臨検任務等を想定し、編成された海上自衛隊の特殊部隊で、陸上自衛隊の特殊作戦群よりも編成は早く、自衛隊初の特殊部隊ともいえるもの。

Eimg_0178 江田島基地は特別警備隊の訓練基地であり、部隊は自衛艦隊直轄として特殊警備用舟艇である特別機動船による展開のほか、航空集団などの航空機により迅速に遠隔地へ展開することが可能となっています。通称SBU,部隊名Special Boarding Unitの略称でも呼ばれている部隊です。

Eimg_0189 SBUの編成は中隊規模で、特別警備隊本部、四個小隊、人員規模は70名、となっています。装備は折畳銃床式89式小銃、MP-5短機関銃、SIG-P-226拳銃を装備しており、訓練と要員選抜は海上自衛隊で最も体力と知力に判断力の両立を求められる水中処分隊の隊員を中心に陸警隊や警務隊員などから広く行われている、とのこと。

Eimg_0233 編成までの訓練はイギリス海軍海兵隊特殊舟艇部隊SBSの教官を招き実施されたといいまる。イギリス海兵隊は6500名の要員を以て編成し、総員がコマンドー課程を経て配属される精鋭で、派手な水陸両用装甲車や大型ヘリコプターなどは有さないものの、小型車両と高速揚陸艇に多用途ヘリコプターなどを駆使し、海岸部を制圧し艦隊を防護する精鋭です。

Eimg_0251 実のところ、海上自衛隊の問題点の一つに艦艇基地に対する特殊部隊急襲への対処能力の限界というものが当方としては考えるため、陸警隊等に加え更に、特別警備隊というよりは、コマンドー中隊として全国の基地警備へ、横須賀基地の米海軍対テロ中隊のような任務を付与しなければ折角の艦隊をむだな危険に曝すのでは、とも思うところ。

Eimg_0256 さて、このSBU,海上自衛隊員で30歳未満である条件を観たし、射撃と運動に水泳能力で一定以上の要員から選抜され、二年間の特別警備課程を修了し着任することが出来ます。SBUに配属される際には三曹以上である必要があるため、候補課程に海士で応募し修了した際には三曹に昇進するというのだとか。

Eimg_0257 大きな水飛沫を飛ばしつつ展開する特別機動船、SBUは編成までにイギリスのSBSの支援を受けたのち、創設後はSESLSからの訓練も受けており、現在も有事に備えるとともに、ソマリア沖海賊対処任務へ派遣される護衛艦に要員が同行し、万一の際には海賊の検挙や制圧へ備えています。

Eimg_0267 練習艦隊出航に備え、護衛艦と練習艦は次々と機関を始動させ、燃焼した潤滑油が出港まで時間がちかづいていることを示しています、もっとも時計を見ますと海上自衛隊が発表した時間を参考にしますと、出港まではまだまだ時間はあるようなのですが。

Eimg_0277 候補生は修了式を経て交通船で練習艦と護衛艦へ向かいます、人数が人数ですが乗艦する艦艇は五隻ですから、この時間はそこまで考えなくてもよいのでしょうか、それにしても手持ちのレンズでは流石に、もちろん位置関係もありますが、江田島基地の中の様子までは見えません。

Eimg_0285 先ほどの特別機動船、舞鶴展示訓練などでは水中処分隊員が湾口で展示をしてくれましたが、やはり練習艦隊に対し機動航行展示や水中への飛込みの展示などを行うのでしょうか。それにしても、先ほどの写真のように岸で見送り準備の人たちに手を振るなど、随分フレンドリーですね。

Eimg_0293 フレンドリーすぎると特殊部隊っぽくないので、沿岸部と特別機動船、と少し引いた構図で撮影してみました。それにしても、江田島はそれなりに人口がありまして、この写真も普通の一般道から、特殊部隊が訓練内容について見つからないようにこっそり訓練をするのは難しいような印象がありましたね。

Eimg_0295 さて、出港が御昼過ぎという事ですが何か見れるものがあるだろうと考えて早めの時間帯に江田島まで展開したのは正解でした、そして時計を見ればそろそろ時間帯としては出港準備が進んでゆくところ。カメラを改めて構えレンズ越しで眺めつつ、その時を待ちます。

北大路機関:はるな

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東北方面隊創設50周年記念行事詳報① 精鋭部隊と東日本大震災半年前の仙台霞目駐屯地

2013-09-24 23:34:44 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆戦後最大の国難に立ち向かう自衛隊の精鋭

 東北方面隊創設50周年記念行事、今回より陸上自衛隊関連行事詳報として新しく掲載を開始します。

Timg_8360 東北方面隊、宮城県、青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、以上を防衛警備管区とし、第6師団と第9師団を中心に部隊を配置しています。そして、この式典は創設50周年記念行事として、2010年9月26日に行われました。この式典から、僅か半年後、この方面隊は未曽有の国難への矢面に立つことを迫られたことは御存じの通り。

Timg_8360_0 東北方面隊の管区を東日本大震災が襲ったのは2011年3月11日のことです。これが何を意味するかと言えば、この式典に参加した指揮官が、隊員が、巨大地震と歴史に残る津波災害、そして我が国初の原子力災害へ立ち向かう第一線に臨んだことになるわけです。

Timg_8359 東北方面隊は方面総監部を仙台市宮城野区の仙台駐屯地に置いており、800m四方の広大な駐屯地ですが、記念式典は多くの部隊と隊員が参加する為、3km南の仙台市若林区にある、ここ霞目駐屯地の霞目飛行場地区において実施されています。この駐屯地には東北方面航空隊等が駐屯し、滑走路を含め周囲は1.1km四方と広く、大規模な行事も行いやすい。

Img_8374 50周年ということで、戦車部隊は近傍の大和駐屯地第6戦車大隊だけではなく、岩手駐屯地の第9戦車大隊の74式戦車も展開していました。もともと、ここ東北方面隊記念行事は、例えば痛み駐屯地の中部方面隊記念行事よりも参加部隊規模が大きいのですが、今回は特に大規模となるもよう。

Timg_8365 当方は前日、海上自衛隊呉地方隊大阪湾展示訓練を撮影し、大阪港へ接岸すると同時に仙台へ向かいました。二日間で二つの行事へ足を運ぶことは当方も稀有な事例ではないのですが、大阪湾から仙台へ12時間で移動し撮影、という強行軍はこの時くらいのもの。

Timg_9890 東北方面隊創設50周年記念行事ということもあり、広い会場を存分に活用すべく、会場の端々に既に多数の車両が展開しており、観閲行進や訓練展示に臨む車両群が見えました。特に隷下の第9師団は青函地区の防衛に当たるため重装備を揃えており、加えて隷下の第6師団はC4ISR実験師団として先端通信装備で固めています。

Timg_9889 そして訓練展示の準備でしょうか、FH-70榴弾砲が既に会場へ式典前に布陣し、射撃準備を整え偽装網を被せ待機しています。更に後方にも砲架を畳み自走状態で待機中のFH-70が見え、かなりの火砲が参加する訓練展示になるのだな、とこちらも意気軒昂に。

Timg_8375 さて、この霞目駐屯地ですが、仙台駅や仙台駐屯地、多賀城駐屯地からシャトルバスが運行されているほか、駐車場も多く、仙台駅からの場合は仙台駅から5kmほど離れているため、自家用車が一番早い交通手段となります、しかし、流石に大阪から仙台まで車で、というのも無理ですので、当方は夜行バスを利用し、仙台駅から始発バスを利用しました。

Timg_9895 大阪湾展示訓練から如何に仙台へ展開するのか、そもそも展示訓練の入港時間、特に上陸できる時間や駅までどのくらいの位置に停泊しているかは未知数ですので、大阪から仙台空港まで旅客機というのは、時間的に非常に投機的です、それならばどうするのか。

Timg_9905 新幹線利用の場合は、新大阪駅から東京駅まで、のぞみ号利用、東京駅から仙台駅まで、やまびこ号利用、というのは定番ですが、大阪港駅へ1800時頃には進出している必要があり、確実性を考えると厳しいところ、東京駅まで進出し、翌朝の始発で、やまびこ号にて仙台へ、というのも、出遅れる可能性は否定できません。

Timg_9904 寝台特急北斗星利用など考えたのですが、そこで、いろいろ試行錯誤した結果、近鉄特急にて大阪から名古屋まで進出し、名古屋から名鉄の仙台行夜行高速バスを利用し展開する、これならば乗りかえ時間に余裕を持てるし、万一特急やバスが遅れた場合でも代替交通手段がある、こうして決定し展開した、というもの。

Timg_9902 仙台駅に到着し、シャトルバスを待つこと50分、流石にそこまで早く並ぶ人はいないとみえて、第一便で霞目駐屯地へ展開することはできたのですが、既に開門後で自動車組の方が最前列付近を確保しているという状況、ここ東北方面隊記念行事は当方二回目ですが、明らかにこの50周年行事は人が多い。

Timg_9906 聞けば皆様、少なくない方々のお目当てがブルーインパルスの飛行展示ということで、成程、陸上自衛隊行事ではなかなか見かけないサンニッパレンズやゴウヨンレンズなどが後方で砲列を敷いています。ただ、最前列付近は、霞目駐屯地からブルーインパルスが離発着するのではなく、すぐ近くのホームベース、松島基地から展開するという事で人口密度には余裕がありました。

Timg_8392 しかし、観てみますと既に海上に端の方には米軍機、米陸軍のUH-60A汎用ヘリコプターが駐機していました。聞けば訓練展示の前段で災害派遣展示を行うとのこと、すると訓練展示は模擬戦ではなく災害派遣展示なのか気になりますが、隊員さんに聞いてみると、普通の戦闘訓練展示を行う、ということ。

Timg_9899 ただ、訓練展示の前にも射撃は行います、という事をお教えいただき、はて、訓練展示前の発砲、105mm榴弾砲の空包で音楽演奏でもやるのかな、とおもいつつ、取り敢えず式典前に整列する車両を撮ってしまおう、ということでレンズを左右させてゆきます。

Timg_8369 一通り撮影し、一息ついているところ、周りの地元の方々と雑談に花が咲いた頃、音楽隊の拍子と共に式典参加部隊の入場が始まりました。待機車両に対空レーダ装置や通信車両などが目立ちますが、航空部隊は別途霞目駐屯地から仙台駐屯地などに前進し待機中です。しかし、入場する部隊、会場も広いが人数も多い。

Timg_8368 待機位置まで進むだけなのですが、翩翻と翻る連隊旗に大隊旗、中隊旗、部隊は会場へ進入するのではなく、待機位置まで前進するのみ、それでもかなりの人数です。今回は部隊入場までに会場の様子を哨戒しましたが、式典開始までの様子は、次回にお伝えしましょう。

北大路機関:はるな

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第6回西太平洋潜水艦救難訓練に参加する海上自衛隊艦艇の横須賀基地停泊情景

2013-09-23 23:29:29 | 海上自衛隊 催事

◆横須賀基地吉倉桟橋停泊

 本日はEOS-7Dにて撮影した横須賀基地の写真を、昨日のG-12特集に続いてのもの。

Rimg_1667 吉倉桟橋に停泊中のヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、潜水艦救難艦ちはや。ちはや、は2000年に就役した潜水艦救難艦で、旧式化した潜水艦救難艦ふしみ、の代替艦で深海救難艇DSRVと遠隔操縦機ROVを搭載、艦橋に救難指揮所を有するほか病院設備なども配置し、満載排水量は6900tとなっています。

Rimg_1674 練習潜水艦ふゆしお、潜水艦救難艦ちはや、の隣に停泊しているのが見えます。ふゆしお、は1995年に潜水艦はるしお型の六番艦として就役し、2011年に練習潜水艦へ種別変更されたもの、はるしお型は満載排水量3200tで通常動力潜水艦としては世界的に見ても非常に大型の一隻ですが、満載排水量19000tのヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、と並ぶと非常に小さい。

Rimg_1619 左から護衛艦いかづち、護衛艦たかなみ、護衛艦おおなみ。むらさめ型9隻、拡大改良型たかなみ型5隻、そして防空強化改良型あきづき型の2隻と建造中の2隻は、航続距離延伸に居住性向上とステルス性と省力化を図った海上自衛隊の重要な汎用艦で、このうち3隻が吉倉桟橋に揃っていました。

Rimg_1508 逸見桟橋に前回紹介したコリンズ級潜水艦のウォーラー、背景に韓国海軍潜水艦救難艦チョンヘジョン、超望遠レンズを以て撮影です。はるしお潜水艦よりも水中排水量は大きいのですが水中排水量3353t、はるしお型は3200tですので、比較しますと、比較的大きいコツがわかる、というところでしょうか。

Rimg_1554 多用途支援艦えんしゅう、背景に停泊しているのが見えます、ひうち型多用途支援艦の一隻で訓練支援や軽輸送に必要であれば港湾警備支援なども行います。このほか、水中処分母船は隣に、掃海艇は船越地区に停泊し、多数の艦艇入港により、イージス艦きりしま、は沖留となっていました。

北大路機関:はるな

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オーストラリア海軍コリンズ級潜水艦ウォーラー(COLLINS CLASS HMAS WALLER)横須賀寄港

2013-09-22 22:19:52 | 世界の艦艇

◆世界最大級の通常動力潜水艦、横須賀へ

 第6回西太平洋潜水艦救難訓練参加艦豪州海軍潜水艦の横須賀入港、本日撮影してまいりました。EOS-7Dの写真は整理中なのでPowerShotG-12の撮影速報を。

Himg_5780 コリンズ級潜水艦ウォーラー、横須賀基地逸見桟橋に停泊中の様子を、ヴェルニー公園から撮影したもので、背景には韓国海軍潜水艦救難艦チョンヘジョンとチャンボゴ級潜水艦が見えます。ウォーラーは1996年から2003年にかけ6隻が就役した中の3番艦で、本艦は1999年に就役しました。一見しますと日本の潜水艦には無い、丸みを帯びた艦首の形状などが目を引くという印象ですね。

Himg_5762 本型は、旧式化したオベロン級潜水艦の後継として、スウェーデンのコックムス社の技術協力を受け設計されたもので、コックムス社とオーストラリア国内の複数企業による合弁会社オーストラリアサブマリン社により設計、建造されたオーストラリア海軍初の国産潜水艦となります。

Himg_5753 コリンズ級の最大の特色はその大きさで、通常動力潜水艦として海上自衛隊そうりゅう型潜水艦が就役するまで、世界最大の通常動力潜水艦となっており、水中排水量3353t、全長77.8m、全幅7.8m、喫水7mと巨大です。同時に入港した韓国海軍のドイツ製209型チャンボゴ級が世界的には平均的な大きさであるものの水中排水量が1285tというと、その大きさが分かるでしょう。

Himg_5757 大型通常動力潜水艦は、通常の潜水艦と比較し航続距離と行動半径が大きくなる利点がありますが、併せて潜水艦の生存性を左右する水中放音の増大を生むため、海上自衛隊も1970年の潜水艦うずしお型建造の際に雑音に苦労させられていますが、コリンズ級もそれ以上に苦労をしたと伝えられるところ。

Himg_5746 一番艦は艦首部分と中央部をスウェーデンより輸入し、その後は全てオーストラリア国内で建造されていますが、問題点として特に水中雑音が致命的に大きく、艦形に問題があるとする点と機器設置建造精度に問題があるとする点が指摘され、幾度か大改修を行っています。このほか、戦闘情報装置の容量不足と処理能力不足等の問題もあり、改善に多くの努力を要しました。

Himg_5779 こうした中、本型はいうつかの近代化改修計画があり、コックムス社との協同で本型へのIP潜水艦化、つまり非大気依存機関であるスターリング機関の搭載改修に関する陸上試験が行われたほか、船殻外装式の機雷敷設装置の搭載などが検討されましたが、こちらは実現していません。

Himg_15747 他方で、コリンズ級の後継潜水艦として、海上自衛隊から、そうりゅう型潜水艦を輸入するべき、とのオーストラリア議会と海軍の動きもあり、海上自衛隊とオーストラリア海軍は広い太平洋を任務範囲としつつ、政治的理由から原子力潜水艦の保有が現実的ではないため、共に大型化している、そういった意味でも興味深い一隻です。西太平洋潜水艦救難訓練は一昨日より開始され、明日から相模湾での洋上訓練が行われるとのことです。

北大路機関:はるな

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第6回西太平洋潜水艦救難訓練(Pacific Reach 2013)、横須賀基地・相模湾で開始

2013-09-21 22:24:22 | 防衛・安全保障

◆コリンズ級潜水艦ウォーラー入港

 海上自衛隊は、第6回西太平洋潜水艦救難訓練(Pacific Reach 2013)を現在実施中です。訓練は20日から28日まで、洋上訓練は23日から28日まで実施されます。

Img_14162 この訓練は、潜水艦救難技術の向上と訓練参加各国の信頼関係増進をめざし、2000年より定期的に実施されているもので、我が国での開催は2002年以来のものとまります。潜水艦は運用と共に事故発生時には特殊な救難技術を要し、その事故に備えるための装備も安くはありません。

Simg_4288_1 今回の訓練は、参加国は開催国である我が国他、アメリカ、オーストラリア、韓国、シンガポールが参加し、艦艇などを日本に派遣しているほか、救難訓練へのオブザーバーとして、エクアドル、インド、インドネシア、マレーシア、ペルー、タイ、ヴェトナムが参加を予定している、とのこと。

Simg_7805 自衛隊からの参加艦艇は、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、潜水艦救難艦ちはや、練習潜水艦ふゆしお、多用途支援艦えんしゅう、掃海艇つのしま、掃海艇まきしま、水中処分母船一号、オーストラリア海軍よりコリンズ級潜水艦ウォーラー、韓国海軍より潜水艦救難艦チョンヘジョン、潜水艦チャンボゴ級等が参加するべく、横須賀へ入港しました。

Simg_47840 潜水艦救難に国境はありません。意外と思われるかもしれませんが、潜水艦救難用の装備、例えば海上自衛隊の深海潜水艦救難艇DSRVを搭載する潜水艦救難艦等の専門器材は各国間で補油と稼働状況に関する情報が共有されており、過去、ロシア潜水艦などの事故に際しては海上自衛隊へ準備要請が入ったこともあり、救難は領土問題など関係ありません。

Simg_4000 そして、DSRVの建造費は非常に高く、通常動力潜水艦と比較しても安くは無い費用と維持費を要する為、この種の装備を早い時期から導入し、運用してきた海上自衛隊の実力はかなりのものと言えるでしょう。訓練は、相模湾にて、実際に海中に潜水艦を鎮座させ、捜索と救難までの一連の動作を演練します。

北大路機関:はるな

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