北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成三〇年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.09.01-09.02)

2018-08-31 20:07:13 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 先週の台風は意外に強かったが次に大きなものも近づく、そんな中ですが今週末は自衛隊行事はありません、民間の南紀白浜空港50周年行事の一環としてブルーインパルスが飛行展示を行うのが唯一という。

 今週末の自衛隊行事無し、という際にはうとうとと寝室の掃除や衣類の整理や眼鏡の補正等に時間を費やしたいところですが、こんな週末だからこそ自衛隊と防衛の第一線を散策して空気で感じたいところ、行事が無くとも訓練が無くとも、自衛隊基地では毎日365日24時間対領空侵犯措置任務へ緊急発進の待機を続けていまして、土曜日曜も例外ではない。

 航空自衛隊基地を一望できる場所はいろいろあります、千歳基地ではJR南千歳駅前等は航空掩体の一部が見えまして、百里基地では茨城空港展望台から難ありのガラス越しに見えますし航空公園からは滑走路を一望、小松基地は小松空港の空港展望デッキから基地を一望できますし、築城基地は漁港の足を運んだ事が無い故恐縮ですが突堤から基地が見える。

 新田原基地は鷹取台撮影地から滑走路や管制塔を見上げる事が出来、何よりも有名なのは那覇空港展望デッキで、実任務飛行に向かう航空機の頻繁な発着を視る事が出来ます。防衛施設ですので節度を守って、他の方々のお話気を聞きつつ散策したいところですが、平日などは定期訓練により頻繁な発着も視る事が出来ます、航空祭とはまた違った情景です。

 東京横浜から舞鶴は遠いのか、舞鶴基地はヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、イージス艦みょうこう、あたご、が配備されかつては、はるな母港でもあった日本海防衛の要衝です。しかし、新幹線広島駅から呉線快速乗換で40分の呉基地、長崎空港からリムジンバスが運行される佐世保基地と比較すると、最速の交通手段でも遠い印象があるようでした。

 先日横浜まや進水式の際に神奈川県在住の方から舞鶴が遠い、というお話がありました。当方にはいちばん近い艦艇基地ですが京都市内から特急まいづる号で一時間半、距離が102kmと若干100km越えるので特急料金が100km以上となる。だから当方は二条駅から乗るのですが。しかし、東京からですと新幹線のぞみ号京都乗換が最速、成程確かに遠い。

 旅客機だと早いのか、と。舞鶴で飛行場といえば舞鶴航空基地、空港といえば但馬空港と福井空港、しかし但馬空港は伊丹便しか運行さるのみ、しかも但馬空港も直線距離では近くとも交通利便性は違う意味で凄い。福井空港はやや近いものの1976年以降定期便運航は無く航空管制は小松空港が行う。伊丹空港か小松空港が最寄です。確かに舞鶴遠いですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事はなし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【G7X撮影速報】平成三〇年度富士総合火力演習.AAV7&16MCV射撃初展示(2018-08-26)

2018-08-30 20:15:17 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■総火演!現代戦闘の様相を展示
 AAV-7水陸両用車と16式機動戦闘車、昨年までは機動展示のみであった新装備が続々実弾射撃を展示しました。

 富士総合火力演習2018、本番は早朝こそ赤富士の夜明けに始る良好な天候に恵まれましたが、前段演習開始時点では富士山は雲の中に隠れ山の天候の移ろいを実感すると共に、後段演習終盤では視界不良から最終の戦果拡張展示には、航空機が参加できませんでした。

 戦車装甲車等80両、航空機20機、人員2400名と増強連隊戦闘団規模の部隊が参加しました富士総合火力演習は、本番一日の訓練に弾薬36tが消費、その費用は3億9000万円に当るとの事で、実際の展示は夜間演習含め二時間強、これが費用面での現代戦闘の一端です。

 しかし、富士教導団、本年の富士総合火力演習は昨年度のような脱輪等はありませんでしたが、その練度が、水陸機動団新編や即応機動連隊改編を筆頭に実任務が増大する中、人員の厳しい現状と予算不足を無理な現場の改善に依存し凌ぐ現実が突き付けられています。

 榛名山かな、空母映画化で話題の伊吹山かな、いや愛鷹山だ。これは特科教導隊の実施した曳火射撃富士山、空中炸裂により東富士演習場に富士山の影を浮かび上がらせる展示なのですが揃わなかった為に富士山以外に見えたというお話、尤も富士山は曲芸の域という戦技故どうという事は無いといえばそうですが。

 戦車教導隊の小隊集中射撃も四両同時射撃に微妙な、いや顕著というべきか、90式戦車を中心にずれが生じていまして、全陸上自衛隊の模範たれ、と大書された富士教導団の能力水準が少々綻びが生じているようにも。ただ、脱輪始め整備の面での不具合は本年度完全に改善されました。

 74式戦車は今年度富士総合火力演習から遂に卒業していますが、戦車教導隊の練度の高さは、他の戦車大隊等を御縁あって実際に競技会等を見学させて頂いた際、やはり戦車教導隊の練度は凄いのだなあ、実力差を見せつけられたものですが、維持は大変と知りました。

 AH-1S対戦車ヘリコプター、現在最新のAH-64D戦闘ヘリコプターは航空事故後の再発防止策是正中で、飛行できませんでしたが最新の16式機動戦闘車とAH-1Sが共に映る情景を撮影できました。しかし耐用年数迎え除籍が続くAH-1S,AH-Xの必要性を痛感します。

 AH-64E戦闘ヘリコプター以外AH-Xの選択肢は無いでしょう。特に今後自衛隊が無人機を増勢する以上、無人機管制能力を持つ機体はAH-64Eだけです。早急に40機程度を取得し、中央の総隊で包括管理し稼動機を方面航空隊へ分遣する運用体制確立が必要でしょう。

 新電子戦装置NEWS,富士総合火力演習に電子空間の戦闘が大きく展示された事は、実は水陸機動団参加と並ぶ大きな転換点といえるかもしれません。敵通信ネットワーク遮断を図る装備は通信部隊が既に広範に装備していますが、これを明示した事は大きな示威となる。

 16式機動戦闘車MCVは戦車に含まれず、よって前段演習の戦車火力展示は今年度より戦車等火力展示、と表現を切り替えていました。行進間射撃を更に洗練させたスラローム射撃を基本、富士教導団へのMCV配備は昨年九月、一年弱でここまで練度を高めたのは驚き。

 AAV-7水陸両用車の射撃展示が行われましたが、注目したいのは下車展開を展示した佐世保の水陸機動団隊員で、89式小銃やMINIMI分隊機銃と84mm無反動砲に加え最新型の60mm迫撃砲等を携行していました。迫撃砲携行、第一線火力多様化を垣間見た印象です。

 89式装甲戦闘車、年々エンジンの排気が濃くなっているようで、戦車が縮小する一方で戦車部隊を維持する以上、戦車に随伴可能な機械化歩兵は必須です。エンジン換装と火器管制装置や対戦車火器更新を含めた延命措置か新型装甲戦闘車への移行必要性を感じ始める。

 装甲戦闘車生産、99式自走榴弾砲という89式装甲戦闘車派生の車体を製造し続けているのですから、砲塔そのものは新型に置換える必要は当然あるとして、40mmCTA機関砲を16MCV砲塔派生に組み込んだ新型装甲戦闘車、というものもあっていいと思うのですよね。

 G7Xmark2にて撮影の写真、やはりEOS-7Dmark2と並行して撮影するには限度がありまして、7D特報としてその様子は紹介する予定です。こうして後段演習が戦果拡張の状況を以て完了、直後に全力でシャトルバス乗り場に向かいますと最短記録、御殿場駅1358時発沼津行へ乗車する事が出来ました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】東本願寺,おひがしさん真宗本廟東本願寺は御影堂門が京都駅上京者を迎える

2018-08-29 20:03:43 | 写真
■御影堂は世界最大木造建築物
 豪雨に見舞われても、京都駅からほど近い世界最大の木造建築物、信仰の寄る辺は拝観者を温かく迎えてくれます。

 真宗本廟東本願寺、真宗大谷派本山でお東さん、と親しまれています。本願寺と称されていましたが1987年に真宗本廟と改めており、今日に至るのですが東本願寺の愛称が通りがいい。東本願寺は七条通に面しており、京都駅から烏丸通を上り指呼の距離にあります。

 御影堂門は京都駅から御所へと続く烏丸通に燦然と威容を轟かせ、夕刻にはその門扉を収めますが、早朝から夕刻までは御影堂を拝観する事が出来ます。そしてこの御影堂門は、実に壮大で高さは28m、入母屋造本瓦葺き三門形式を採る二重門として拝観者を迎える。

 阿弥陀如来をご本尊とする東本願寺は京都駅からほど近く、壮大で優美な伽藍と共に学生時代からこちらへ学会等で上京された方々が東海道新幹線にて帰途に就く際、会議が目的故の多忙にも名残惜しむ都情緒を感じるひと時の逍遥場所としてご案内する場所のひとつ。

 御影堂は宗祖親鸞の坐像たる御真影を安置しているお堂です。参拝の度に威容に驚かされますが、世界最大の木造建築物といい、間口実に76m、奥行き58mに達する。幾度か焼失し再建を繰り返し、現在のお堂は1880年起工、そして日清戦争の1895年に落成しました。

 中央に内陣本間を置き、左側に十字の間、九字の間、飛檐の間と称し、右側を六軸の間、新六軸の間、御簾の間、と和様道場形式の堂宇の構造となっています。お堂は、2004年から2008年にかけ、平成の大修理、が行われ外観そのまま、耐震補強なども行われています。

 大谷本願寺としてこの地に伽藍の造営が成ったのは元亨年間の1321年、本願寺第三代覚如が開基となり、この地に壮大な伽藍を造営しました。しかし一つ残念なのは、本願寺は数多の戦災火災に見舞われており、残念ながら創建当時の威容を今日拝むことは出来ません。

 阿弥陀堂は、ご本尊の尊阿弥陀如来木像、阿弥陀如来立像が安置されています。本間右側壇上に聖徳太子御影絵像、左側に源空上人御影絵像が奉じられていまして、拝観者の参拝を淡い光と共に迎えています。御影堂の隣で大きさの感覚が錯誤しますが、規模は大きい。

 内陣右側の北余間に龍樹大士御影、天親菩薩御影、曇鸞和尚御影絵像、そして左側南余間に道綽禅師御影、善導大師御影、源信僧都御影絵像が、やはり奉じられています。こちらも明治時代の建物で、御影堂と再建を合わせ1880年起工し1895年に落成となりました。

 東本願寺として本願寺が西本願寺と二つの寺院となったのは慶長年間の1602年、安土桃山時代最後の年です。そして真宗本廟を正式名称とする東本願寺に対して、西本願寺の正式名称が本願寺、となっていまして、こちらは京都駅から、もう少し距離を隔てています。

 顕浄土真実教行証文類は国宝指定されています。鎌倉時代筆のもので、坂東本教行信証という親鸞直筆の教行信証親鸞真蹟本、重要文化財に絹本著色親鸞聖人像、紙本著色本願寺聖人伝絵が報じられており、戦災火災に多々遭った東本願寺が守り通す信仰の象徴です。

 戦災火災に多く見舞われた事は前述しましたが、江戸時代だけで実に四度の被害に遭っています、内一度は東本願寺から出火しており、東本願寺ではなく火出し本願寺だ、と当時の読み物に揶揄されたともいう。しかし、明治時代以降は戦災火災を免れ、今日に至る。

 平成の大修理は、2004年とその開始がかなり前ですが、順次お堂の屋根を覆い全面的な修復作業を行い、完工は2015年と東日本大震災後でした。お堂が航空機格納庫のようなものに覆われてしまいましたが、今日には修復成って、拝観者をあたたかく迎えてくれます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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F-2後継機計画:日米共同開発へF-22&F-35新戦闘機を米ロッキードマーティン社が正式提案

2018-08-28 20:10:33 | 先端軍事テクノロジー
■日の丸F-22導入実現なるか
 2000年代に実現しなかった日の丸F-22,今年四月に提示されたF-2戦闘機後継にF-22案、日本経済新聞23日付報道によれば本当に正式提案されました。

 F-22-35,航空自衛隊のF-2戦闘機後継計画として今年四月に急浮上したF-22戦闘機へF-35戦闘機関連機材を搭載したロッキードマーティン案が急に現実味を帯びてきました。2030年を目処に必要となる航空自衛隊F-2戦闘機後継機計画へ、第五世代戦闘機の鏑矢として開発され、ステルス性を活かした長距離先制攻撃により最強と評価されるF-22の提案です。

 F-4EJ戦闘機後継機として航空自衛隊が2000年代初頭に実施したF-X選定次期戦闘機計画でも当初航空自衛隊はF-22を要望していました。政策上戦闘機定数の上限が少ない自衛隊では少数精鋭が求められ、世界最強というF-22を必要としていました。しかし、高度な機密の塊であるF-22導入は米議会の同意を得られる見込みが無く、F-35が選定されました。

 F-2後継機の開発には、F-22-35の他、イギリスBAEシステムズ社がEF-2000タイフーン戦闘機の日英共同改良案、ボーイング社がF-15E戦闘爆撃機の改良型案等を提示しています。しかし、EF-2000の開発は冷戦時代に始った第四.五世代戦闘機、F-15E戦闘爆撃機は第四世代戦闘機の改良型、とても2060年代まで運用が続く第六世代機の器としては厳しい。

 F-22とF-35を統合した航空機が第六世代機と呼べるかは未知数です。もっとも、第六世代戦闘機の定義は曖昧模糊としており例えばイギリスのテンペスト計画では第六世代戦闘機を第五世代戦闘機より機体や運用費用で安価、整備のロボット自動化、等を第五世代機のステルス性や陸海空情報連携と無人機管制能力等に加えて挙げていますが決ってはいない。

 輸出型F-22の具体化、今回のF-22-35戦闘機構想は1990年代末に検討されたF-22戦闘機輸出型が漸く実現したといえるかもしれません。F-22は最新鋭技術を盛り込んだ戦闘機で1990年代の時点で既に輸出は不可能とアメリカ議会において認識される一方、冷戦後の少ない国防費での生産効率を上げる為に輸出仕様を同時に開発する必要も認識されました。

 世界最強と称されるF-22,その論拠は0.005平方mと極小である為、相手のレーダーでこの規模の航空機を捕捉できる距離に入るには40km以下まで接近する必要があり、対してF-22は150kmの距離で相手を捕捉出来る為、一方的に圧倒できるという利点があり、中国のJ-20戦闘機、ロシアのSu-57戦闘機に対して航空戦闘では優位を維持できるという。

 2020年代開発のF-22-35と1990年代提唱のF-22輸出型、最大の相違点は30年間の開きでしょう、F-22は世界最強であり、当面その状況は続くと考えられるものの最先端の塊ではない、更にアメリカでの生産も終了、再生産の模索はあるも実現していません。この為、F-22-35はF-35のセンサー、国際共同開発輸出実績ある器材を搭載すれば実現性は高い。

 日米共同生産F-22-35,驚くべき点は日経新聞23日付報道において示されたロッキードマーティン社の開発提案書に、日本企業に開発・生産の分担比率50%以上を認める、という部分が示されたという点でしょう。過去、自衛隊がF-22導入を検討した当時には高い機密性を有するF-22にライセンス生産は認められず、有償軍事供与が求められるとされたほど。

 F-22は今でも非常に有力な戦闘機で、F-22を圧倒できる戦闘機はありません。例えば有視界戦闘に限定する、電子戦状況を制限する等、高い下駄を履かせてF-22に対抗している状況です。故に航空自衛隊が必要としたF-22が導入できるのであれば、悪い話ではありません。ただ、NHK報道ではコスト面から財務省がF-35増強を推奨しているともいわれます。

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【G7X撮影速報】平成三〇年度富士総合火力演習,AAV7&16MCV射撃初展示(2018-08-26)

2018-08-27 20:03:42 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■平成最後の富士総合火力演習
 日曜日、東富士演習場畑岡は晴天後霧、こうした天候下で小野寺防衛大臣が視察する中、平成最後の富士総合火力演習が行われました。

 富士総合火力演習、行って参りました。沼津での日英揚陸訓練を調整していますと、ここに台風19号と台風20号の直撃をうけまして、しかし、実施するのか、行ってみなければと空振り覚悟で準備していますと、統幕から正式に中止の発表、となりました次第です。

 実はもったいないことに23日の予行にお誘いいただいていまして、凄く行きたかったのですが、お誘いいただいた後に日英揚陸訓練予定の発表、その後の二転三転で、調整いただきました件、ご迷惑をおかけしましてこの場を借りてお詫び申し上げたい、ごめんなさい。

 水陸機動力、自衛隊にとり喫緊の課題です。その昔、軍事研究誌の誌上に元将官が、水陸機動団だけでは不十分、3個水陸機動旅団を、と提唱されていましたが、当方はなにをいうのか、と考えました次第、何故なら自衛隊の師団旅団に離島を管区に持たない部隊はない。

 すべての師団と旅団に水陸両用連隊があってもいい。即応機動連隊と同様に水陸機動連隊を、もちろんAAV-7のような大げさな装備ではなく災害にも使えそうなBvS10全地形車両や空中機動に威力を発揮する高機動車と舟艇中隊、という水準で必要だ、と考えています。

 AAV-7水陸両用車、AAVなのだから両用強襲車というべきですが、本年の富士総合火力演習、このAAV-7が大胆にポスターへ描かれていまして、よくよくみますと、16式機動戦闘車とF-2戦闘機は描かれているものの陸上自衛隊の看板装備である戦車が描かれていない。

 富士学校主催の富士総合火力演習ですが、そのポスターに富士学校へはあ装備されていないAAV-7が大きく描かれていた点に本当に驚かされました、2002年に軽装甲機動車が投入されていた転換点と比較して久々の、そう16年ぶりの、大転換になるのではないか、と。

 水陸機動団、長崎県佐世保の相浦駐屯地に団本部をおき、本年創設されたばかりの部隊ですが、堂々登場しました。相浦駐屯地祭、行きたかったが行けなかった、という当方、水陸機動団の戦闘上陸大隊所属AAV-7が登場しました際には来て良かった、ちょっと跳んだ。

 平成最後の富士総合火力演習、シナリオ仕立ての後段演習は、島嶼防衛を主体に警戒監視にあたる即応機動連隊と奪還の第一歩を担う水陸機動団、という展開でした。即応機動連隊と水陸機動団の創設は文字通り今年の自衛隊改編を代表する一大転換といえましょう。

 16式機動戦闘車の射撃展示も、凄かった。16式機動戦闘車は戦車駆逐車であり、主力戦車と殴り合いをできる装備ではありません、しかし、高初速砲を採用していますので、直接照準火砲を装備する戦闘車両の中、例外的に主力戦車に対抗できる装備、と考えています。

 善通寺で初めて並んだ16式機動戦闘車を目の当たりにした際、これだけの数を揃える程、自衛隊は統合機動防衛力に本気か、驚かされました。あの日まで二個中隊を即応機動連隊が揃えたとは知りませんでしたから。能力の一端を見せられ、いや、叩きつけられた感じ。

 戦車教導隊は、改編で発展的に消滅します。機甲教導連隊が創設される訳です。第1機甲教育隊と戦車教導隊に偵察教導隊が統合し新編される。歴史ある部隊を溶かし連隊を創る、機動戦闘車転換成った戦車教導隊第四中隊は富士総合火力演習で有終の美を飾りました。

 もっとも、G7X撮影速報、かなしいかな、富士総合火力演習、のような極限状態での撮影となりますと、戦車射撃に砲迫火力と装甲車機動展開、コンデジでは手がでません。撮影速報は文字通り、点検射を紹介するだけとなってしまいましたが、今年は凄かったです。

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【G7X撮影速報】清水港祭2018.ヘリコプター搭載護衛艦いずも一般公開探訪(2018-08-04)

2018-08-26 20:16:48 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■DDH183いずも一般公開
 G7X撮影速報の掲載が順調に遅れていまして、これが北大路機関らしさという印象ですね。

 ヘリコプター搭載護衛艦いずも、満載排水量27000t、全長248mという数字そのものは知っていますが、同型艦かが一般公開の際にも思いましたけれども、目の前にしますと大きい。最高気温関係なく照りつける太陽を覆い隠す巨大な艦影、APS-C15mmでも溢れる。

 いずも清水駅、ロナルドレーガン横須賀駅、横須賀駅というのは東海道新幹線ですと小田原駅で東海道本線乗換と大船駅で横須賀線乗換か、新横浜駅で横浜線を意外と遠い横浜駅へ京急線に向かい特急で金沢文庫駅まで行き普通列車乗換で汐入駅と、新幹線でも遠い。

 ロナルドレーガン一般公開は少し憧れるものの、実際朝一で新幹線を遠く乗り換えて横須賀へ行っても乗艦が間に合うか不安でしたので清水港へ行きました次第です。艦内の格納庫と飛行甲板を一般公開していましたが、SH-60K哨戒ヘリコプターも展示されていました。

 SH-60K哨戒ヘリコプターは飛行甲板と格納庫と飛行甲板に配置されていましたが、飛行甲板と格納庫を移動する際にエレベータが前部の01エレベータが使用されているのみ、後部舷側の02エレベータが使用されておらず、エレベータは15分間隔の運行で暑かったです。

 かが一般公開の際に北陸でエレベータの溝に転落した方が居たとの事で、安全係数を充分とって15分間隔、という事になっていたのでしょうか、実は飛行甲板から降りる際に満員エレベータに乗れず、15分ほど並ぶことに。飛行甲板は日陰も無く、実はかなり暑かった。

 かが艦上では模擬店まで飛行甲板に並んでいましてテントと太鼓演奏まであった事と比べれば、いずも飛行甲板は文字通り飛行甲板、横須賀の護衛艦と呉の護衛艦の違い、か。しかし、横須賀時代ひゅうが、は艦上にて清涼飲料水などの移動販売をやっていました、ね。

 航空機格納庫では販売やスタンプラリー等も行われていたようですが、炎天下の飛行甲板は波止場の炎天下よりも心なしか熱く、甲板員の真夏の苦労を若干でも体験した印象とともに、販売の行列に並ぶ気力も無く遠目に望見したのみにて、いずも艦上を下りました。

 航空自衛隊と陸上自衛隊の車両が並ぶ清水港祭り、実は戦車教導隊第4中隊の16式機動戦闘車も展示されないか、ちょっとだけ期待したのですがそこまでは無理のもよう。時計を見ますとまだ、横須賀サマーフェスタには間に合いそうな時刻、行ってみよう、と転進だ。

 ペトリオットPAC-3,浜松基地の高射教導隊装備が展示されていました、清水では過去にもペトリオットPAC-3と護衛艦の並びを撮影していますが、なにしろ護衛艦いずも艦内は大型トラック50両を収容できるほどですので、ペトリオットPAC-3も小さく見えてしまう。

 軽装甲機動車と高機動車は板妻駐屯地第34普通科連隊の車両です。護衛艦かが一般公開でも第36普通科連隊の軽装甲機動車と高機動車が展示されていましたが、大きさの違い、という言葉では言い表せない程の情景、16式機動戦闘車も普及すれば此処に並ぶのだろうか。

 いずも威容、撮影出来ましたがそれ程混雑していなかったのが僥倖でした、横須賀サマーフェスタに間に合いそう。静岡駅に戻り新幹線を新横浜へ、とも考えましたが乗り継ぎを考えると普通列車で横須賀まで移動しても横須賀線の接続から一本しか違わないようです。

 清水市内も飛行甲板で疲れましたのでタクシーを利用する。運転手さんと雑談を交わしますと、清水と違い静岡市は街一体で楽しむお祭りが無いですねえ、と。思えば祭りは日曜日花火大会まで続くという、帰りに寄れないか、とおもいつつ横須賀基地へ向かいました。

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【くらま】日本DDH物語 《第四六回》F-4高速対潜機案とSCB-125エセックス級空母改修

2018-08-25 20:09:09 | 先端軍事テクノロジー
■エセックス級はF-4搭載可能
 F-4戦闘機は航空自衛隊茨城県百里基地より配備が開始されましたが、海上自衛隊も研究は行っていました、この視点をもう少し再論として掘り下げましょう。

 第五次防衛力整備計画においてF-4ファントムを海上自衛隊が導入した場合、高速対潜哨戒機として導入した後に高速哨戒機として洋上打撃力を補完する運用に発展する可能性、そしてその先に海上自衛隊が独自の航空母艦を導入する体制まで発展していた可能性、どの程度あるのでしょうか、前回はこの視点から未成の第二次防衛力整備計画と重ねました。

 第二次防衛力整備計画のエセックス級航空母艦、元々海上自衛隊はこの時点で艦載対潜哨戒機としてS-2を運用していましたし、そもそも海上自衛隊ではS-2艦載対潜哨戒機導入に際しその運用実習はアメリカ海軍対潜空母フランクリン艦上で実施されていましたし、海上自衛官操縦によるエセックス級空母フランクリンの発着艦実習さえも実施しています。

 第二次世界大戦中に23隻が量産されたエセックス級は基準排水量27000t、近代化改修により基準排水量33000t、満載排水量43000tまで大型化しています。近代化改修により飛行甲板が延長されたことで全長270mに達し、最大速力30ノット、イギリスのファントム FG.1戦闘機を運用した空母アークロイヤルが全長245mですので、これよりも大型です。

 F-4ファントムをエセックス級空母から、仮に海上自衛隊が導入していた場合、運用は出来たのか、幾つかの視点から考えたい。アメリカ海軍はミッドウェー級空母やフォレスタル級空母等有力な通常動力空母、原子力空母エンタープライズの建造によりF-4の運用をエセックス級では行わず対潜空母に区分したもので、明確に運用出来ない訳ではありません。

 エセックス級空母は恰も第五次防衛力整備計画時代には第二次世界大戦中の航空母艦であり、限界を超えた運用のように見えますが、1980年代まで現役に在った艦艇も多々存在しました。これは航空機搭載能力の高さを転用し、ボクサー級強襲揚陸艦への改修を実施し長期運用とした事例もあれば、カタパルト等を大幅に強化したSCB-125改修の事例もある。

 SCB-125改修とは1954年に開始されたエセックス級空母近代化改修型式で、飛行甲板の強化と航行能力の強化が実施されています。エセックス級空母は第二次世界大戦中の設計ですが、第二次世界大戦後にイギリス海軍はアングルドデッキの追加やミラー式着艦支援装置の設計を完成させました。実はイギリスはこの種の設計では先駆者であった訳ですね。

 アングルドデッキは、斜めに飛行甲板を追加したもので、従来の空母が一直線の滑走路上飛行甲板を有していて、着艦と発艦を同時に行えず、着艦失敗時に甲板上に航空機が駐機されていた場合に衝突の危険がありました。アングルドデッキは飛行甲板に斜めのもう一本の滑走路を配置する事で、着艦失敗時は即座に再発艦、発着を別々に行えるようなった。

 ミラー式着艦支援装置は着艦時に艦載機操縦者が飛行甲板に対し機体が水平を維持できているか、出来ていなければ揺れる空母艦上の飛行甲板に翼端を叩きつけ横転大破する危険を有していましたが、従来甲板誘導士官の誘導を受けていたのに対し、甲板上に大型のミラー、鏡を設置する事で単純に自分がどの姿勢で着艦しようとしているか明瞭としたもの。

 蒸気カタパルトと共にミラー式着艦支援装置とアングル毒気は現代空母の三要素と呼ばれる発明ですが、戦時中に開発された蒸気カタパルトを含め全てイギリスの発明です。史上初の新造航空母艦は1921年に竣工した我が帝国海軍の空母鳳翔ですが、その後の艦載機運用に関しての技術開発では、イギリスの発想とアメリカの工業力が一枚二枚と上手でした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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富士総合火力演習2018 AAV-7水陸両用車16式機動戦闘車!国内最大公開実弾演習26日実施

2018-08-24 20:11:47 | 北大路機関 広報
■総火演2018-悪天候対策特集
 日曜日挙行の本年富士総合火力演習はAAV-7水陸両用車16式機動戦闘車が初参加する見込みです。でも雨降ったらどうするの?、という素朴な疑問を本日少し考えてみましょう。

 10式戦車の激しく蛇行しつつ高速で目標へ命中させるスラローム射撃の発砲焔、90式戦車の行進間小隊一斉射撃、AH-1S対戦車ヘリコプターから放たれるTOW,遥か遠くの標的を確実に打ち抜く89式装甲戦闘車の79式重MAT,次々と遠距離目標に吸い込まれ片端から砕く中距離多目的誘導弾、富士の遠景を一挙に白閃と爆風で覆う99式自走榴弾砲中隊、凄い。

 日曜日、富士総合火力演習が挙行されます。陸上自衛隊の普通科、特科、機甲科の各種装備の戦術研究と運用研究及び幹部教育を担う富士学校が主催し、現代戦闘の様相を総合火力展示により教育する自衛隊の重要な訓練であるとともに、国民へ広く公開された公開実弾演習です。年々抽選の入場券入手は至難となっていまして、行くならばしっかり見たい。

 富士山の宝永火口が青々と浮かび上がる八月富士の朝、待機と地面を衝く点検射撃の轟音と土煙巻き上げる機械化部隊に乱舞する航空機、この青空の何処に雨が降るというのだ。と、まあ、こういう快晴でも数時間で天候が急変する事は良くあるお話、我が国最大の公開実弾演習である富士総合火力演習、この富士総合火力演習では雨天準備が絶対必要です。

 富士総合火力演習、雨天時の対応、という事で2008年の雨天富士総合火力演習を紹介しました記事にアクセスが急上昇しました。実際問題として台風19号に台風20号という台風が連続で接近しました今週、富士総合火力演習の季節となりましたので悪天候への関心が高まっている事でしょう、が、記事は2008年話題を2013年に伝えたもの。改めて最新版を紹介しましょう。

 富士総合火力演習雨天時の傾向と対策、雨天中止はあるのか、悪天候は演習にどう影響するのか、準備するべき雨具はどんなものか、演習見学中の雨天の他に注意するものはあるのか、落雷は大丈夫か、などなど。勿論、快晴の可能性もあります、ですから雨具準備万端熱中症、とならないように飲料水や帽子等の準備も、怠らないようにしたいものですね。

 雨天中止はありません。勿論暴風警報発令という状況や土砂災害警戒情報が富士地区に発令された場合はこの限りではありませんが、基本、強い雨でなければ自衛隊は行事を行う。その昔に広報の方に問うてみたのは、強い雨とは何か。広報の方が笑って云うには、俺より強い、と。これは機転の利く方の冗談ですが、基本的に雨天でも富士総合火力演習は行われます、演習は、というところが重要だ。

 安全上の変更はある。富士総合火力演習ですが砲弾は実弾を用います、1mの鋼鉄を貫徹するような実弾、安全管理は極めて厳重で、悪天候の場合は幾つか変更があります。第一に視界不良ですと戦闘機や哨戒機は飛行できません、強風ですとヘリコプターへの影響はあり得る、そして霧が出ますと監的壕から標的が見えない場合射撃中止の号令がかかります。つまり演習が行われても全部撃つとは限らない、と。

 降るか?、降る前提で準備した方が良い。東富士演習場と雨天、実は天候が急変します、理由は簡単で富士の裾野ではなく東富士演習場は富士の中腹にあります、標高900m程度と高い為、山の天候は変わりやすい、という登山の鉄則をある程度留意する必要があります。ただ、登山と比べれば遭難する危険が無く、売店も多い為、雨具準備だけでかなり凌げます。そして登山用雨具がお勧めできる。

 傘は演習状況中使用禁止、でも準備する。自衛隊からも周知されている通り後ろの方が何も見えなくなりますので傘は使用できません、使用していますと案内係や警務隊員に注意されます、雨衣が必要となります。ただ、忘れてはならないのは、傘は必要という事、矛盾しているよう思われますが演習の時間よりもシャトルバス待ち時間の方が長く、早くて一時間、長ければ三時間を屋根のない富士の斜面の行列に並びます。当然、ここで傘が無ければ低体温症かその一歩手前となる。

 登山と違い身動き不能。富士総合火力演習中は動けません、人口密度も凄い。演習見学を個々人判断で中断してバス乗り場へ転進する事は出来ますが、基本座ったままです。すると利点がある、大きめのポリ袋を寝袋の様に両足を入れてしまえば状況中は濡れません、カメラバックもポリ袋に入れて包めば相当長時間の豪雨でも動かない事で濡れない。あとは座っていて地面と接する部分が濡れないように野外用座布団があるといい。

 雨宿りは御殿場駅まで不能。富士総合火力演習ではこの鉄則を覚えておくべきです。登山用雨具をお勧めできる理由の一つに登山と同じく雨宿りできません、救護所か売店テントが、と思われるかもしれませんが、救護所は救命措置を行う場所ですので雨宿りで十分二十分とはできません。スタンド席真下も一見雨宿り出来そうに見えますが、骨組だけですので雨宿りなんてことは、できません。

 カメラ用レインコートは必須。観るだけではなく撮影するのならば機能多寡は別として必須です。家電量販店や大型カメラ店で販売しています。無ければ簡易レインコートをカメラ用ももう一つ用意し、袖口部分にレンズを通して撮影するという選択肢もあります。防水布型は長時間使用しますと浸み込む為、嵩張りますがビニール製機材を用意しましょう、しっかり準備すれば私も大丈夫でした。

 低体温症に注意。雨具と傘の準備を見誤りますと東富士演習場では低体温症の危険があります、正常な思考能力が欠如し判断力が鈍り手足が痺れ危険な状況となります。演習状況中よりもシャトルバス待ち時間に数百mの行列が遅々として進まない中等は要注意で、健康被害もさる事ながら高価なカメラ等が判断力が落ちる中でカメラバックごと濡れていても気付かない事が本当にあり濡れて犠牲となりかねず、注意です。

 落雷は大丈夫。意外と知られていませんが対策は充分され安全です。山の天候で恐ろしい落雷は総合火力演習会場では避雷針が一定間隔で設置されています。避雷針頂点からの一定角度内では落雷被害を回避できますので、落雷が始まったからといってパニックに陥る必要はありません。また、想定以上の災害が迫った場合でも、緊急対処計画はあるという。

 準備品は以下の通り。演習状況は二時間ありその間に濡れないよう雨衣を準備する。バス行列と演習前待機時間は四時間ありその間に濡れないよう傘を準備する。大型ポリ袋を予備も含め10枚程度準備する。野外用座布団、カメラを護る為の専用防滴装備を準備する。豪雨飛沫が醸し出す迫力は凄味が利く、その写真を安全に撮る為には準備が必要なのです。

 現地で買えるもの。東富士演習場畑岡地区では富士総合火力演習に併せ模擬店が多数出店しますが、ここで雨具は買えます、傘も過去ありましたが基本はポンチョで自衛隊迷彩柄が五千円程度です、新品雨衣は防水加工が確実に利く。御殿場市内現地調達ですが市役所近くにキタムラ、ぐみ沢にケーズデンキ、新橋にノジマ、川島田にエディオンがあります。

 温泉で暖まりたい。濡れたら温まるしかない、御殿場市印野に御胎内温泉という東富士演習場に程近い温泉があります、大きな駐車場がありますが演習当日も午後早い時間には満車となりますので早めの行動が必要です。この他に御殿場駅から箱根方向へ1km向かいますとスーパー銭湯オアシス御殿場、401号線沿い5km御殿場市温泉会館、足柄SA内に足柄浪漫館あしがら湯、がある。

 富士総合火力演習で想定外の豪雨となった場合の準備はこうしたところでしょうか、演習を見ているときに雨衣で濡れないように、演習が終わった後の移動時間も長いので傘は要る、勿論着換えなども。最近はブーツ用レインカバー等登山用品店で便利なものも多く見つけますので、気付いたものは持っていくようすると後悔ありません。万端の準備をしましょう。

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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補足-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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平成三〇年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.08.25-08.26)

2018-08-23 20:07:08 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 日刊台風という台風が毎日発生する状況まで至った不思議な状況、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 松島基地航空祭2018、ブルーインパルスの所属基地です。津波被害を受けF-2Bが大破した東日本大震災復興完了から漸く一般公開が定例化した宮城県松島基地です。松島基地といえば第四航空団、第四航空団といえばブルーインパルスです。航空祭は26日日曜日の0830時から1600時まで、航空祭は0830時のオープニングフライトから開始となります。

 ブルーインパルス飛行展示は0940時から1020時までの第一回飛行展示と1310時から1425時までの第二回飛行展示と二回行われ、第四航空団所属のF-2Bは1025時から機動飛行、1105時より模擬対地攻撃、1515時より第二回機動飛行が実施され、また、0910時より救難飛行展示、1045時より百里基地F-4EJ改による機動飛行、飛行展示はもりだくさん。

 富士総合火力演習2018、陸上自衛隊が実施する日本最大の公開実弾演習です。本年は総合火力演習ポスターに戦車が一両も並ばずAAV-7と16式機動戦闘車という新装備が並び、予行日が二日間に縮小される等の異例尽くしの富士総合火力演習です。事前応募一般公募制の入場券が必要ですが、陸上自衛隊HPより演習当日はインターネット中継が行われます。

 総火演、富士学校富士教導団が挙行する広報展示演習は、10式戦車、90式戦車、74式戦車が射撃展示を行うと共に今年度は最新鋭装備たる16式機動戦闘車が射撃を行うという。注目の行事ですが例年混雑も凄い事となっており、シャトルバス行列等は帰路の時間に余裕を以て行動する事が要諦でしょう。また急な天候変化や予想外の熱波もご注意ください。

 海上自衛隊艦艇広報について、掃海艇いずしま北海道奥尻郡奥尻港なべつる祭り一般公開体験航海が25日に、砕氷艦しらせ静岡県清水港日の出ふ頭4号岸壁一般公開が25日と26日に執り行われます。今月初旬にヘリコプター搭載護衛艦いずも一般公開の清水港祭りの同日に横須賀サマーフェスタにて一般公開されていた砕氷艦しらせ、交代して清水入港だ。

 さて撮影の話題、台風が接近した場合の自衛隊行事はどうなるのか、護衛艦くらま体験航海が叶わなかった清水港祭や、かつての呉地方隊広島湾展示訓練等を振り返りますと、基本的に当日朝0700時頃に判断される事が多いのですが、京都から大阪湾展示訓練、というのならば兎も角、広島湾展示訓練や清水港祭りを朝0700に情報を聞いて長躯新幹線移動開始では少々遅すぎます。

 台風が接近した場合にどの時点で遠出を行うか、断念するか、というものは実のところ長年悩ましいものではありました。過去には土砂災害警戒情報が臨検で頻発する中で実施された小松基地航空祭が曇天で雨さえ降らなかったり、第15即応機動連隊沼津揚陸訓練が西日本豪雨の最中に曇天で16式機動戦闘車が予定通り揚陸する等、行われた事例も多い。

 空振りに終わる覚悟で行ってみる、こればかりは価値観の問題なのかもしれませんが、これに尽きるのかもしれません。勿論、前述の広島湾展示訓練は呉線が豪雨で運休となり広島まで呉港からフェリーを利用する事になりましたが。こうしますと、行って後悔するか行かずに後悔するか、前者の場合は切替えて観光旅行に転じる余裕が、必要なのかもです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・8月26日:松島基地航空祭2018…http://www.mod.go.jp/asdf/matsushima/index.html
・夏の海上自衛隊艦艇広報…http://www.mod.go.jp/msdf/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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戦車300両時代再論:第73即応機動連隊改編の可能性と戦車枠170両の4個戦車部隊配分試案

2018-08-22 20:15:35 | 防衛・安全保障
■第7師団次期中期防改編あるか
 富士駐屯地祭の富士教導団戦車教導隊第4中隊16式機動戦闘車写真と共に、北海道の戦車部隊の再論を続けましょう。

 師団改編があるとすれば次の中期防でしょう。第7師団の第73戦車連隊か第71戦車連隊を即応機動連隊へ改編したらば戦車300両時代においても陸上自衛隊全体へ戦車を広く配備できるよう、機甲師団への過度な戦車の集中を回避できる、という視点を前回示しました。第73戦車連隊は一度コア化部隊に改編される等改編手続に長けていますので、即応機動連隊改編候補に73戦車を敢えて挙げました。

 第73即応機動連隊へ改編し90式戦車を縮小、第7戦闘偵察大隊へ改編しまして更に90式戦車を縮小、特に初期の90式戦車は運用開始から既に25年以上を経ていましてエンジン出力などを維持するにはエンジン換装や駆動系補強が必要です。本土ではまだ74式戦車が残りますので勿体ない気もしますが、改造ではなく即応機動連隊改編は一つの選択肢です。

 改編が行われるか可能性の問題ですが、130両、戦車連隊と偵察隊の改編で戦車定数を200両から130両に圧縮する事が出来ますので、戦車定数300両という防衛大綱下でも機甲師団以外に170両の戦車部隊の枠を残す事が出来ます。戦車は本州からは教育用のみで全廃されますが、北海道と九州には戦車部隊が残る訳ですので、170両は2個中隊基幹戦車大隊で5.5個戦車大隊分を確保できます。

 北部方面隊で維持される戦車部隊は第2戦車連隊、第5戦車大隊、第11戦車大隊、そして実戦部隊としては西部方面戦車隊が西部方面隊に新編され、戦車300両体制でも維持されることとなります。第2戦車連隊は現在6個戦車中隊を基幹としていますので縮小の可能性はありますが、第71戦車連隊と同程度とした場合、戦車枠105両を確保する事が出来る。

 第2師団隷下の戦車連隊ですが若干減少はあるでしょうが連隊編成の維持は可能です。第2戦車連隊を1個中隊減じた編成とすることで、第71戦車連隊と第72戦車連隊と編成を共通化できます。その上で残る3個の戦車部隊にも105両の戦車を充当できます、するとどうか。第11戦車大隊は2個戦車中隊基幹の戦車定数30両、第5戦車大隊は3個戦車中隊基幹の44両、そして西部方面戦車隊は3個戦車中隊基幹で定数は44両となります。

 この上で、第5戦車大隊を例えば第11戦車大隊と同じ2個中隊編成へ転換したならば戦車定数を30両に削減し、三個戦車部隊の合計は戦車104両、不思議なほどに戦車定数に合致することとなるのですね。一方、第11旅団については第10普通科連隊が即応機動連隊へ改編され、戦車大隊が若干減じ戦車隊になる可能性もあるという。まだ未定といいますが。

 第7師団は戦車定数は130両となります。これは機甲師団の編成として過小ではないか、という疑問符が湧くでしょう。しかし、例えば2016年に再編されたフランス軍機甲師団の戦車定数は戦車100両、ロシア脅威を受け増強されましたが、それでも120両が戦車定数となっていまして、もちろん人数がフランス師団では非常に多いのですが、実は戦車130両であってもNATOではそれほど小型ではありません。

 第7戦闘偵察大隊、第7偵察隊が戦闘偵察大隊に仮に愛編されるならば90式戦車に代えて16式機動戦闘車が中隊規模で配備されます。戦闘偵察大隊は偵察中隊と機動戦闘車中隊に大隊本部、そして即応機動連隊には機動戦闘車隊として2個機動戦闘車中隊が配属されます。実は機動戦闘車中隊の定数は未知数で、調達数から定数割れが懸念されるのですが3個中隊で概ね30両から40両が配備、16式機動戦闘車のこれは大きい。

 戦車定数300両を約300両即ち四捨五入349両以内と拡大解釈し、2個中隊規模のせ中部方面戦車隊と東部方面戦車隊を新編というのが理想ですが、少なくとも戦車定数が300両を上限とした場合でも、機甲師団と現在維持される事が画定されている戦車部隊の維持は、機甲師団の一個戦車連隊を即応機動連隊へ改編し、偵察隊を戦闘偵察大隊へ改編することで数の上では対応できそうです。

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