北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十二年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報1

2010-10-31 22:19:40 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 本日で十月は最終日、明日から十一月です。十一月三日は文化の日でして祝日になっているのですが、この祝日に航空自衛隊と陸上自衛隊が航空祭を実施します。

Img_4727  11月3日祝日の行事なのですが、例年通り、入間基地航空祭2010が行われます。池袋から西武線で一本という好立地にあるこの航空祭には毎年20万もの来場者が詰めかける航空自衛隊最大の航空祭で、別名人間基地航空祭。C-1輸送機による編隊飛行や総隊司令部飛行隊の展示飛行、ブルーインパルス飛行展示等が行われます。

Img_0534  同じく11月3日には明野駐屯地祭、明野航空祭としても親しまれる行事ですが、行われます。航空学校明野本校が置かれている明野駐屯地では、陸上自衛隊が運用する殆どすべての機体が装備されており、第10飛行隊、第5対戦車ヘリコプター隊が駐屯しており、観閲飛行の大編隊は物凄い迫力となっています。ちなみにこの写真は駐屯地の外側から撮影。昨年度は指揮官巡閲を撮ってそのまま外柵まで走り、撮影しました。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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イージス艦きりしま ハワイでの弾道ミサイル迎撃試験に成功

2010-10-30 23:12:55 | 防衛・安全保障

◆現在まで75%の迎撃成功

 ハワイのカウアイ島沖において海上自衛隊のミサイル護衛艦きりしま、がイージスシステムとSM-3ミサイルにより弾道ミサイル迎撃試験に成功しました、防衛省発表です。

Img_2836  護衛艦「きりしま」SM-3ミサイル発射試験の結果について・・・平成22年10月29日防衛省 弾道ミサイル防衛(BMD)機能を付加するための改修が進められてきたイージス護衛艦「きりしま」は、10月29日(現地時間28日)にハワイ・カウアイ島沖においてSM-3ミサイルの発射試験を実施しました。この試験の概要は、以下のとおりです

Img_5733_2・ 12時06分(現地時間17時06分)、カウアイ島の米海軍ミサイル発射試験施設から、この試験を支援する米軍が標的である模擬弾道ミサイルを発射。
・ 12時09分(現地時間17時09分)、イージス護衛艦「きりしま」がSM-3ミサイルを発射。SM-3ミサイルは、大気圏外において標的に命中

◆http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/10/29c.html

Img_6333  防衛省は射程が1000kmを超えるSM-3を搭載した海上自衛隊のイージス艦を弾道ミサイル防衛の第一の盾と位置付けていまして、こんごう型四隻、DDG173こんごう、DDG174きりしま、DDG175みょうこう、DDG176ちょうかい、が任務に当たっています。2007年12月18日にハワイ沖で初めてのミサイル迎撃試験に参加、高度100km以上の高高度にある目標を迎撃することに成功しており、2008年12月20日には不意迎撃状況を再現し、ちょうかい、が迎撃試験に臨んだのですがSM-3の不具合により迎撃は失敗しました。

Img_8347  2009年10月27日に、イージス艦みょうこう、が同じく迎撃情報を受けず不意迎撃試験に臨み、2009年の試験で成功、続いて昨日の10月29日に、きりしま、が迎撃試験に臨み成功しました。実際の弾道ミサイル防衛では、イージス艦の撃ち漏らしに際しては陸上配備の航空自衛隊高射隊が運用するペトリオットミサイルPAC-3が臨みます。

Img_5766_1  弾道ミサイル防衛は、かつて迎撃が不可能とされた極超音速で高高度から落達するミサイルへの唯一の対処法であり、加えて迎撃不可能であった弾道ミサイルに核を搭載する脅威に対して、核兵器を持たない日本が核保有国からの核兵器による恫喝を拒絶することが唯一可能な手段となっています。

Img_0831  イージス艦一隻を弾道ミサイル迎撃が可能なようにシステムを改修する費用は250~300億円掛かりまして、SM-3一発の費用も20億円に達します。他方で弾道ミサイルの同時飽和攻撃を受ければ対処できなくなりますし、ミサイルをイージス艦が警戒態勢に配置されていない時期に発射されれば万事休すとなってしまいます。

Img_6492_2  他方で、核兵器を日本が運用する場合、相互確証破壊を実現するためには多くの弾道弾と戦略ミサイル原潜か大陸間弾道弾という運搬手段と、核攻撃を受けた際に何処から攻撃を受けたのかを感知する全地球規模の警戒監視網を構築しなければならず、それこそ防衛費を二倍以上に増額させなければなりません。

Img_3049_2  弾道ミサイル防衛は、核兵器を日本は持たないという国是をもちつつ、核兵器の恫喝を拒否する唯一の選択肢で、この手段としてのイージス艦による迎撃試験成功は朗報なのですが、今後はより即応して対処できるようミサイル防衛にあたるイージス艦の増勢を図るとともに、現在は米軍からの情報に大きく依存している迎撃情報、その早期警戒網の充実を期待したいですね。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成二十二年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報5

2010-10-29 23:15:04 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 本日九州で行われました自衛艦一般公開は中止となったようです。訂正報間に合わず申し訳ありません。こうした中、今月最後の行事紹介。

Img_10331  第5旅団創設6周年・帯広駐屯地祭、写真は守山の師団祭ですが、帯広駐屯地では道東地区の防衛警備及び災害派遣を担当する第5旅団の創設記念行事が行われます。90式戦車を筆頭に機械化が進んでいるのですが、他方で意外な旧型装備と共存しているのが北部方面隊、第1対戦車ヘリコプター隊も駐屯しています。貴重なこの時期の北海道での行事、もしかして雪が降ってたりするのかな。

Img_8469  江田島地区自衛隊行事、第1術科学校で行われる記念行事です。写真は呉地方総監部で、旧海軍の呉鎮守府の赤煉瓦建造物ですが、ここからすぐ近くの江田島といえば、世界最高の海軍士官を養成した海軍兵学校を引き継ぐ海上自衛隊幹部候補生学校が置かれています。そのとなりに術科学校、観閲行進や祝賀飛行も実施されます。

Img_2260  学校祭としては、勝田駐屯地の陸上自衛隊施設学校での施設学校創設59周年記念行事、常盤線勝田駅から最寄りの駐屯地ですが、施設科職種の幹部教育及び戦術研究、新装備の評価試験が行われており、最新鋭の07式架橋装置が展示される事を期待したいですね。当方、まだ実物を見た事がありませんでして、いやあ行きたい。

Img_5612  久里浜駐屯地の通信学校でも駐屯地祭が行われます。京浜急行電鉄や横須賀線の久里浜駅が最寄りなのですが、通信科職種の訓練や幹部教育、新装備試験等が行われる機関でして、通信関係の最新装備などが見れるのでは、と。写真は低空レーダ装置。高射特科以外にも装備されているようですね。

Img_0764  福知山駐屯地創設60周年記念行事、明日土曜日の1355~1435時に福知山市広小路通りにて市中パレードが行われて、日曜日に駐屯地祭が行われます。中部方面隊管区では市中パレードというのは貴重ですね、山岳戦で有名な精鋭第7普通科連隊が駐屯しているのが福知山駐屯地です。

Img_2945  南恵庭駐屯地創設58周年記念行事、北海道の行事です、そろそろ雪も降っているころではないでしょうか、雪景色の行事と言うのも見てみたい。第3施設団から縮小改編された北部方面施設隊、それに第7師団隷下の第73戦車連隊が駐屯している駐屯地です。写真は東千歳駐屯地祭の写真。

Img_6497  久留米駐屯地祭、、第4特科連隊と第4高射特科連隊の駐屯している駐屯地です。写真は豊川の第10特科連隊の写真ですが、五個大隊編成でFH-70榴弾砲を運用している野戦特科部隊の駐屯地です。観閲行進は先頭を往く中砲牽引車が目立ちますので、訓練展示の砲焔を期待したいところです。

Img_2965_1  宇治駐屯地創設59周年記念行事。写真は桂駐屯地ですが、宇治にも補給処、関西補給処本処が置かれています。観閲行進や訓練展示模擬戦というような派手な行事は行われないのですけれども、地元密着型行事ということで、こういう行事に足を運んでみるのも面白いかもしれませんね。

Img_5838  山口県の岩国港で掃海艇みやじま体験航海が行われる予定で、熊本県の八代港では八代フェスティバルの一環として護衛艦とね、の一般公開が予定されています、同時に巡視船はやと、が体験航海を予定しているとのこと。あとは、基地の一般公開ではないのですけれども、舞鶴だるま祭で舞鶴音楽隊の屋外での音楽演奏が行われるとのことです。

Img_7387  金曜日、土曜日、日曜日に予定されていました鹿児島県川内港での護衛艦せんだい、宮崎県宮崎港での護衛艦おおよど一般公開ですが、急遽中止になったようです。第2北大路機関で実施予定と哨戒していましたが、訂正間に合わず申し訳ありません。災害派遣関係でしょうかそれとも南西諸島で何かあったのか、二隻とも佐世保の第16護衛隊に所属しています。油津港での護衛艦せとゆき一般公開も中止のようです。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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えのしま型掃海艇一番艇えのしま ユニバーサル造船京浜工場で進水式

2010-10-28 22:47:55 | 先端軍事テクノロジー

◆570㌧型掃海艇(平成20年度計画396号艇)

10月25日、海上自衛隊の新型掃海艇えのしま型の一番艇えのしま、がユニバーサル造船京浜工場において進水式を迎えました。当方、例によって足は運んでいませんが本日はその紹介。

Img_71731  艇番号は604、ひらしま型掃海艇に続く海上自衛隊の新しい掃海艇の誕生ですが、本型はこれまで木造船体により構成されてきた海上自衛隊掃海艇がFRP船体となった、記念すべき一番艇です。FRP船体はこれまでの木造船体と同じく磁気機雷に発見されにくい特性があるのですが、技術開発を開始したのが1973年、今日まで耐衝撃性の面で技術開発の余地があるとして掃海艇の船体には用いられてきませんでした。しかし、その目途が立ったという事で平成20年度掃海艇、570t型掃海艇はFRP船体を採用することになった訳です。FRPのサンドイッチ構造を採用しており、これまでと同じ能力を発揮できる一方木造船体よりも構造寿命が大きくなり、これまでの二倍に当たる30年の運用に耐える事が実現しました。

Img_2029  運用寿命が30年と大きくなった事は、言い換えればこれまでの半分のペースで建造したとしても現在の掃海艇部隊の規模を維持できる、という事になりますし、現在のペースでの建造が実現すれば、掃海艇勢力を二倍にする、という事にも繋がります。おそらくこの中間あたりで決着するのではないか、と考えているのですが。えのしま型掃海艇は、これまでの海上自衛隊掃海艇が機関銃か、20㍉機関砲を搭載していたのに対して、より射程の大きい30㍉機関砲を搭載している事にもう一つの特色があります。機関砲は、遠隔操作方式で安定砲架に搭載されているので、射撃は正確です。即ち、限定的な哨戒艇としての任務にも対応し得ることを意味しています。

Img_6343_1  海上自衛隊は、現在、尖閣諸島、朝鮮半島、台湾海峡などの周辺情勢の緊迫化に対して財政難を背景に艦艇数が縮小傾向にあり、またソマリア沖海賊対処任務を筆頭に海外での任務も負担となっています。こうしたなかで、護衛艦はかつて沿岸警備用に地方隊にも配備されていたのですが護衛艦隊に集約され、掃海艇と一部地方隊に配備されているミサイル艇が地方隊の水上部隊、ということになります。ここに掃海艇も限定的に哨戒任務に対処できる、ということは運用を柔軟化させる事にも繋がります。もっとも、運用期間が30年となることは、言い換えれば機雷の技術進歩に対応して掃海艇としての能力を維持するためには将来的に対機雷装備や掃海機具の換装を視野に入れてゆく必要があるので、一概に二倍の期間を運用できるという事なのだから現行と同数を維持するために所要建造費用が半分になる、ということにはならないのではありますが、ね。

Img_7578  えのしま型の就役は2012年となるようで、基準排水量570㌧、満載排水量660㌧、全長63㍍、全幅9.8㍍。搭載している二基のディーゼルエンジンにより2200馬力を発揮し、速力14ノットでの航行が可能です。対機雷戦装備やエンジン部分などは、ひらしま型掃海艇と基本的に同じで、遠隔操作式30㍉機関砲の搭載とFRP船体の採用が今回の技術的特色といえるでしょう。掃海隊群に配備され機動運用に充てられるのか、地方隊に配備されるのかは発表されていませんが、新しい日本の海の守りに期待したいですね。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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奄美大島豪雨災害への自衛隊災害派遣、延べ1070名が派遣で任務は継続中

2010-10-27 22:52:24 | 防衛・安全保障

◆一週間を経た奄美大島では復旧活動が続く

 奄美大島豪雨災害から一週間が経ちましたが、現在も復興よりも復旧作業が実施されています。

Img_8468  豪雨災害の情報はマスメディアにより報じられており、感動の救出劇なども電波に載るのですが、本ブログでは自衛隊の災害派遣という面からこの災害を再度見てみたいと思います。災害派遣の隊員は最盛期には190名程度でしたが、現在は100名が活動、延べ人数は1070名が任務に当たりました。車両は現在50両が活動、延べ数は340両で、航空機は延べ22機が派遣されています。

Img_2049  今回の奄美大島災害派遣は離島型災害に対する自衛隊の対処能力と、現在の自衛隊配備方式と戦後に維持されてきた指揮系統が生んだ問題点を幾つか提示しているのですが、次の大きな災害に備えるという観点を踏まえる前に、政府の対応の遅れという部分が大きく、こちらのほうに目がいってしまいがちです。

Img_95731  課題としては、第12普通科連隊以外の部隊を投入できる指揮系統は無かったのか、という点と離島への災害派遣という観点からは海上自衛隊よりも民間の船舶に依存する必要性があるというところ、そして毎回言われるのですが離島への配備状況は現状のままで大丈夫なのか、という点などが挙げられます。

Img_4269  離島災害という点では過去の八重山地震に挙げられるように離島が津波で壊滅的な被害を受ける可能性があり、小笠原諸島や五島列島を筆頭に離島が多い、実に6800もの島々からなる日本列島の安全を考える上で、取り返しのつかない災害、有事に備える必要はあるのではないでしょうか。

Img_1051  【21日】 10時10分 西方ヘリコプター隊のUH-60JA×1機が離陸し、陸自隊員3名及びNTT社員4名を乗せ、15時35分に佐大熊HP到着。 10時30分 西方ヘリコプター隊のCH-47JA×1機が離陸し、陸自隊員9名及び日赤職員1名、高機動車1両を乗せ、15時50分に佐大熊HP到着。 12時47分 第1輸送航空隊のC-130×1機が陸自隊員等の輸送のため離陸

Img_8286  鹿屋基地で陸自隊員7名、車両2両、オートバイ2両を乗せ、17時55分に奄美空港到着。 13時33分 第1航空群のUH-60J×1機が離陸し、陸自隊員8名を乗せ、15時22分に佐大熊HP到着。 15時58分 第1輸送航空隊のC-130×1機が陸自隊員等の輸送のため離陸。鹿屋基地で陸自隊員9名、車両2両を乗せ、20時36分に奄美空港到着。 18時43分 第12普通科連隊の人員約80名、車両約30両、水トレーラー2両、渡河ボート2隻を民間フェリーで派遣。22日05時00分頃、奄美大島(名瀬港)到着

Img_8989 【22日】 07時07分 第8飛行隊のUH-1×2機が離陸、11時55分に佐大熊HPに到着。以降、島内での人員輸送等を実施。 08時00分 第12普通科連隊の人員約10名により青久地区において、住民の安否確認を実施。09時00分 第12普通科連隊の人員約10名により、東仲間地区水源地の土砂の除去を実施。 10時00分 第1輸送航空隊のC-130×1機が鹿屋基地を離陸、熊本空港で陸自隊員5名、車両2両及びNTT社員14名・通信器材を乗せ、14時43分に奄美空港到着

Img_3742 10時10分 第12普通科連隊の人員約10名、車両2両(水トレーラー×2両含む)により、住用支所、住用小学校、住用交流館において給水支援を実施。 13時16分 第1航空群のUH-60J×1機が離陸、13時30分に谷山HPで鹿児島県知事等を乗せ、15時10分より被災現場上空の視察を実施し、16時20分に佐大熊HP到着。 17時12分 第1輸送航空隊のC-130×1機が鹿屋基地を離陸し、NTT社員2名・通信資材、日赤看護師5名・毛布等の生活物資を乗せ、18時16分に奄美空港到着

Img_5876 【23日】 07時30分 第12普通科連隊の人員約4名、車両3両(水トレーラー×1両含む)により、住用小学校において給水支援を実施。以降、山間(やんま)地区で給水支援を実施。 08時03分 西方ヘリコプター隊のCH-47×1機が離陸。以降、島内において物資等の輸送を実施。08時50分 第12普通科連隊の人員約10名、車両1両により、日赤社員等の輸送支援を実施。 10時30分 第8飛行隊のUH-1×1機が離陸し、医師等の輸送を実施

Img_6647   11時30分 第12普通科連隊の人員約20名により、東城小学校において土砂の除去を実施。 11時59分 第12普通科連隊の人員約10名、車両1両により、島内での物資輸送支援を実施。 13時40分 第12普通科連隊の人員約10名により、住用小学校において土砂の除去を実施

Img_4258 【24日】 07時39分 西方ヘリコプター隊のCH-47×1機が離陸。以降、島内において九州電力発電機×2台を旧奄美空港から市(いち)地区までの輸送を実施。 07時43分 第12普通科連隊の人員約20名、車両4両により、島内での物資輸送支援を実施。 08時05分 第12普通科連隊の人員4名、車両4両(水トレーラー×2両含む)により、山間地区で給水支援を実施。 08時43分 第12普通科連隊の人員約20名により、住用地区において土砂の除去を実施。 09時58分 第8飛行隊のUH-1×2機により、島内での人員輸送支援を実施。 ※24日の給水量:約1.5トン

Img_1460 【25日】 08時30分 第12普通科連隊の人員約20名、車両3両により、城(ぐすく)地区において土砂の除去を実施。  第12普通科連隊の人員約4名、車両2両(水トレーラ×1両含む)により、山間地区で給水支援を実施。 08時50分 第12普通科連隊の人員約10名、車両1両により、住用地区において土砂の除去を実施。 ※25日の給水量:約2トン

Img_6715 【26日】 08時10分 第12普通科連隊の人員約40名、車両10両により、住用町内4地区(東仲間、川内、城、西仲間)において土砂の除去を実施。第12普通科連隊の人員2名、車両2両(水トレーラ×1両含む)により、山間地区で給水支援を実施。 ※26日の給水量:約2トン

Img_1909 【27日】 08時30分 第12普通科連隊の人員約50名、車両約10両により、住用町内4地区(東仲間、川内、西仲間、上役勝(かみやくがち))において土砂の除去を実施。第12普通科連隊の人員4名、車両2両(水トレーラ×1両含む)により、山間地区で給水支援を実施。第12普通科連隊の人員5名、車両2両により、瀬戸内町嘉徳(かとく)地区において物資輸送を実施。 ※明日も引き続き活動を実施予定。◆

Img_6138_1  離島災害ですが、今回は民間フェリーによる輸送がかなり重要な部分を占めました。なるほど、佐世保地方隊には輸送艇1号型の輸送艇1号が配備されています。輸送艇1号型は、満載排水量540㌧、掃海艇より小型ですが、数台の車両と70名の人員を輸送可能となっています。

Img_6302  このほかに佐世保地方隊には、多用途支援艦あまくさ、が配備されています。満載排水量1400㌧、ひうち型の一隻です。ひうち型多用途支援艦は、訓練支援等が任務の艦ですが、災害派遣への対処も想定していて後部の広いスペースに中型トラック4両を搭載することが可能、なのですが、しかし地方隊の輸送に用いることが出来る艦艇はこれだけなのですよね。

Img_3557  海上自衛隊輸送艦といいますと、3隻の、おおすみ型が挙げられるのですが、しかし、3隻だけで、全て呉基地に配備されていまして、このうち整備補給などで造船所に入っていたりして稼働出来ない艦もありますし、速力22ノットで展開したとしても、部隊を乗艦させて、という手間を考えれば輸送艦は不足気味です。

Img_1070  他方これまで輸送管の不足、と言いますと大型輸送艦の増強ばかり、補給艦の増強と並べてこのWeblogでは記載してきたのですけれども、阪神大震災のような長期間の大規模災害派遣となれば、初動の陸上自衛隊派遣部隊を支援する拠点機能となる輸送艦は重要性が大きい一方で離島災害では、拠点機能を輸送艦が発揮するまでの陸上自衛隊の部隊派遣がそもそも派遣できないため、地方隊の輸送艦の重要性が大きいのでは、と。

Img_3534  地方隊には、ゆら型輸送艦、満載排水量710㌧なのですが、または一号型輸送艇のような輸送艦か輸送艇が一個輸送隊3隻か南西諸島を抱える佐世保地方隊や小笠原諸島を抱える横須賀地方隊では二個輸送隊6隻、計21隻程度が配備されていてもいいのではないか、と思えてきました。

Img_3540  もしくは、デンマーク海軍のアプサロン級多目的艦のように、水上戦闘艦の能力を持ちつつ、車両甲板や多目的スペースを有していて病院船や人道支援派遣艦等に充てられるような艦を地方隊の直轄艦として2隻程度、という方法もあるかもしれません。はるな型のような航空機格納庫を有している設計、とかもあり得るやも。

Img_4412  今回のように民間のフェリーを使えない状況は想定できます、港湾設備が破壊されている場合等です。もちろん、波浪がある状況では平底の輸送艦や輸送艇は航行できないため、万能ではないのですが、他方、有事も踏まえて考えれば、即応できる輸送艦が待機していない、というのは問題なのではないのでしょうか。

Img_9495  もうひとつは、昨日いつもお世話になっている方とも電話でお話しいただいたのですが、全ての連帯等の部隊が警備隊区を有している方式を改め、機動運用が可能な態勢を構築する必要があったのではないか、という事です。地域に密着し、協力関係構築や地誌研究を通じた防衛体制構築に不可欠な警備隊区方式ですが、過剰にとらわれるのも問題なのでは、という事。

Img_0887  第12普通科連隊以外に、警備隊区を超えて、例えば西部方面航空隊の第3飛行隊からCH-47JAを派遣するのでしたら、西部方面普通科連隊等、飛行場から直接投入できる部隊を警備隊区を飛び越えて投入しても良かったでしょうし、小牧のC-130H輸送機を投入するのならば、名古屋の第10師団隷下にある部隊を投入しても良かったのではないか、少なくとも鹿屋基地で部隊を積み込むよりは直接展開できたはずです。那覇の第15旅団の部隊も支援に展開できれば初動は更に早かったでしょうね。

Img_3839  この場合の最大の問題は、指揮系統をどうするのか、という事、災害派遣要請は県知事から第12普通科連隊長に要請されているのですから連隊長が師団や方面隊を飛び越えて要請することは出来ないのですが、市ヶ谷に調整司令部を設置して統合運用で対応すれば、こうした問題はなかったのではないでしょうか。航空自衛隊の航空総隊のような機構を陸上自衛隊にも、という事。現場指揮官にはそうした重責がのしかかりますが、この為に連隊長はCGSやAGSで高度で充実した必要な教育を重ねていますので、何とかなるのではないでしょうか。

Img_1586  陸上総隊構想、これは陸上自衛隊の戦闘部隊と後方支援部隊を包括的に指揮する総司令部を設けて、という構想なのですが、実現していれば陸上総隊が統括指揮し、第12普通科連隊長を第一線指揮官とすれば何とかなったはずです。これが実現しない背景には、陸上総隊に当たる機構はこれまで検討されながらも、かつての陸軍参謀本部の暴走した、という部分に陸上自衛隊が統一指揮のもとで運用されれば、何かあり得るのではないか、という事でした。もっとも、こうした心配は杞憂であるのはこれまでの運用をみれば理解できる事でしょうし、管区を超えた機動運用というのは検討されてしかるべきでしょう。

Img_8603  最後に、やはり離島配置というものは考えた方がよさそうです、離島の多い地域には、少なくとも初動は管区に依拠して展開されるのですから、空中機動能力を優先的に行い、沿岸監視隊等を前方展開させる、という事はあってしかるべき、離島での有事を想定しても必要性は考えられるはずです。

HARUNA

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航空自衛隊 岐阜基地航空祭2010 (GIFU AIR SHOW:2010.10.24) 

2010-10-26 23:39:38 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆飛行開発実験団の岐阜基地

 本日は日曜日に行われました岐阜基地航空祭2010の模様をお伝えします。あいにくの曇り空ではありましたが、飛行開発実験団の機体を中心に迫力の飛行展示が繰り広げられました。

Img_9957  岐阜基地航空祭2010、会場の開場は0830時と聞いていたのですが、先行主力班からの情報によれば0745時の時点で開場とのこと、当方0747時到達の予定で行動中であり、そのまま主力班との合流予定を会場前から会場へと移し、基地へ入る事としました。会場直後、もうそれなりの賑わい。

Img_9849  しかし、地上展示機に目もくれずそのまま前進してゆきますとメイン会場最前列から三列目程度までは埋まっていない状況、目の前にレジャーシートや折り畳み式椅子を持ち込んでいる一行の後ろであれば、立った姿勢での撮影は可能、とのことで、同行の友人とともに別働隊が陣地構築です。

Img_9877  F-2支援戦闘機の離陸、背景の山があってかうっすらとバーナーの焔が見える。今年の航空祭、雨天予報の関係かな、開場時間の調整でしょうか、人口密度は低かったようで、こんな写真の撮れる位置に。安心してカメラバッグから朝食のパンとコーヒーを取り出します。しかし、この時点で帰りの列車まで一瞬と座る事が出来ない一日の始まりとは、知る由も無かった。

Img_0030  F-2の機動飛行。機動性は非常に高く、搭載量もこの種の機体としては破格の8㌧で戦闘行動半径も大きい。この機体は一時期、多くの評論家(ヒョーロン家)に欠陥機とか言われていたのだけれども、強度試験の意味合いや他のあらゆる機種にも当てはまる運用制約を無知から欠陥と誤解したのが始まりなのやも。

Img_0031  次期戦闘機選定がもたつく現状では、対艦攻撃能力が高く、空対空戦闘能力に将来発展余地のあるF-2を一機でも多くそろえる事が焦眉の課題だと思うのだけれども、生産中止決定の時点で既に解決されていた面、機動性や機体強度に問題があるといった欠陥機という誤解は完全に溶けていない点が影響した可能性がある。

Img_0033  一時期は自衛隊装備が高すぎて欠陥、という事をあげ足とり方式で強調して外国製装備の調達を促すブームがあった。これで稼いだ評論家はけっこういたはず、この中で多くは事実誤認を是正せず放置している現状も。日本の防衛に必要な装備を欠陥機へ誹謗中傷し、おとしめた責任があるようにも。

Img_0008  天候偵察へ向かったT-4が着陸、両手を大きく振っているので、航空祭ヲワタwの印かと思いきや航空祭は天候の問題なし、続いてT-7練習機、F-15戦闘機、F-2支援戦闘機が離陸を開始、岐阜基地航空祭2010の開幕です。プロペラ機とジェット機という全く飛行特性の異なる機体の編隊、これが岐阜基地航空祭です。

Img_0120  岐阜基地の飛行開発実験団は航空自衛隊の各種装備に関する評価試験を行う部隊ですので最新装備はいち早く装備されて実用性の徹底的な精査が行われ、旧型装備はその能力を最大限絞り出す不断の技術開発が行われる部隊、すなわち航空自衛隊の各種航空機がほぼそろっている部隊です。

Img_4964  そんなこともあって、入場者が多い、自衛隊の航空祭では入間基地航空祭に次いで入場者が大きい航空祭なのですが、海上はエプロン地区のメイン会場以外にも多く用意されていて、最前列付近での人口密度はこれくらいです。これくらいならば何とかなりそうな雰囲気、というところではないでしょうか。

Img_0068  オープニングフライトに続く最初の編隊飛行は岐阜基地の真骨頂と言うべき顔ぶれで、T-4練習機、F-4EJ戦闘機、F-4EJ改戦闘機、F-15戦闘機、F-2支援戦闘機による編隊飛行。この編隊だけでもこの岐阜基地でなければこれだけ多くの機種による編隊飛行は日本の基地では見られないのではないか、という光景。

Img_0182  編隊飛行を実施した航空機はそのまま機動飛行を実施します。アメリカ空軍特殊戦技学校に留学経験のあるパイロットが一人混じっているとのアナウンスがありましたが、映画のトップガンよろしく、岐阜ですからファントム無頼でもいいのですが、管制塔近くを高速航過したこの機体のパイロットがそうなのでしょうか。

Img_0251  あいにくの曇りという天気もあって、岐阜基地航空祭2010では南側会場からの順光状態での撮影は断念しました、どう頑張っても順光状態で青空と航空機の撮り合わせは不可能でしたからね。しかし、空気中の湿気が多いからか、機動飛行の機体からヴェイパーをはっきりと捉えられたというのはよかったです。

Img_0203  着陸するF-15を流し撮り。手ぶれ補正レンズ、いわゆるISレンズやOSレンズの普及で1/25程度でも連写すればかなりの確率で成功する流し撮り撮影が可能となりました。フィルム時代と比べて装弾数というかCFカードの撮影枚数も増加しているので、これは技術の進歩ゆえの一枚。

Img_0259  ドラッグシュートを展開させて急速減速するF-2B、逆光の位置からの撮影なのですが、デジタル一眼レフで撮影する場合は、露光を二段階か三段階上げて撮影すると、空は完全に白くなってしまうのだけれども、機体の塗装は判別できる程度になります、PLフィルターはあまり意味が無いみたい。

Img_0295  着陸後に誘導路を往くF-2支援戦闘機初号機、背景に見える山頂の設備は第4高射群のペトリオットミサイル陣地。航空祭は、多人数で行くのが一番でしょうか、こういう写真が撮れる場所に陣取ったのですが、お手洗いなどで移動する際、撮影位置を維持する仲間、というのは重要です。後から来て勝手に割り込みする人は実際多いですからね。

Img_0338  C-130H輸送機による不整地発着訓練展示。こればかりは、南側会場からですと遠すぎてほとんど見えませんし、航空宇宙博物館側から撮影しますと、山影になってしまい何も見る事が出来ず、ただ離陸したC-130Hを眺めるだけになってしまいます。今年は撮れそうだ、不整地着陸展示。

Img_0329  不整地着陸展示、そもそもC-130H輸送機は米軍の最前線への戦術輸送を想定して開発された輸送機で、荒れ地に胴体着陸して荷物を下ろした後軽くなった機体から無理やり脚を出して離陸、というような運用も想定されているほど頑丈な機体、そういう状況を想定して無舗装滑走路で発着を行う訓練で、無舗装の訓練用滑走路がここ岐阜にしか無いという点を活かした展示。

Img_0356  F-4の列機と整備車両、そして着陸態勢に入るC-130H輸送機、最前線のような一コマ。・・・、なのですが、このあと肝心の不整地着陸訓練は、ブルーインパルスの影に不整地発着用の滑走路がありまして、見えるのはブルーの機体の背景に巻き上がる砂埃ばかり、見えませんでした。縁が無いのかな。

Img_0508  着陸した輸送機がそのまま地上の支援車両に支援されて展示位置へ戻ります。通常は自力で移動するのだけれども、砂ぼこりとともに小石や芝生が風圧によって舞いあがって飛んでしまうため観客のいる航空祭では安全性に配慮してこのようにエンジンを止めて移動するとのことでした。

Img_0388  多機種大編隊、岐阜基地名物の始まりです。航空自衛隊では異機種大編隊と呼称しているのですが異機種による大編隊だけなら、三沢でF-2とF-16の大編隊や、百里でF-15,F-4にRF-4の大編隊もあります。しかし岐阜のは機種の多さが根本から違う、そういう事で個人的には多機種大編隊、と呼んでます。

Img_0405  二機編隊で離陸するF-4,岐阜基地航空祭では毎年、如何に力強い離陸と編隊を撮影するか、というのが一つのテーマとして取り組んでいるのですが、今年は逆光のメイン会場だったのだけれども、位置が離陸点に近かったという事もあって、このように飛び立つ瞬間を写し込む事が出来ました。

Img_0424  F-2支援戦闘機の編隊離陸。築城基地や三沢基地へは遠い事もあり、F-2といえばこの飛行開発実験団とそうに見慣れているのだけれども、実戦部隊のF-2をもっと撮りたい!、というのはかなり贅沢なものだのだ、と先日東北方面隊50周年行事の霞目飛行場で聞きました。なるほど、その通り、ほとんどここだけしか見れない編隊だ。

Img_0439  F-15戦闘機の離陸。大型の機体に入手可能な最大限のエンジンを搭載して大型機と高い空戦機動を実現した機体、大きな機体には多くの電子戦装備と武装を収容できるので、導入開始から間もなく30年を迎えますが、まだまだ将来発展の余地がある機体で、航空自衛隊の明日を担う事にもなる戦闘機です。

Img_0526  多機種大編隊の飛来。C-1FTBとF-15戦闘機、F-4戦闘機、F-2支援戦闘機、T-4練習機が参加。昔はここにF-2がいなかった分、T-33練習機やT-2練習機が参加したりして、それこそ凄い編隊になっていたとのことです。実のところ当方が初めて岐阜航空祭を見たのは90年代の半ばなのですが、ね。

Img_5021  多機種大編隊が接近するとレンズを広角ズームにするか、望遠ズームにするか非常に迷います。70-300mmでは厳しいものがあるのですが、今回手元にあった望遠ズームは120-400mm、諦めて予備と18-200mmで撮影しました、この高倍率ズームレンズ導入前は18-55mmで頑張ってた。

Img_5054  ピュラミーデ!、錐型編隊飛行が今年度の多機種大編隊における新技。編隊が立体になっていて、飛行とともにその形状を流動化させるというもので、この飛行には高い技術と、それからアナウンスによれば根性が必要とのことです。平面から立体化された変態というのは航空自衛隊でもブルーインパルスを除けば珍しいかもしれない。

Img_5091  多機種大編隊を終了するとそのまま編隊を解いて次々と会場手前で機種ごとに旋回して着陸態勢へ入ってゆきます。ブルーインパルスの列機を俯瞰しつつF-15三機による普段の岐阜基地では見られないような急旋回、最大能力旋回に近い角度で切り返して、一路着陸進路へ入ってゆく。

Img_5158  着陸して、その瞬間に制動を掛けるべくドラッグシュートを展開したまさにその瞬間のF-2B。このまま減速して、誘導路付近に来るとドラッグシュートは切り離します。切り離したドラッグシュートはそのまま待機している車両の要員が回収、こういう役目も航空自衛隊では欠かすことのできない重要な仕事です。

Img_0675  更にC-1FTBによる機動飛行、C-1は川崎重工を中心に国産されたジェット輸送機で、搭載量や航続距離などではC-130H輸送機に劣るものの、機動性でははるかに凌駕しており、入り組んだ地形と高山部が続く日本列島での戦術輸送運用を最大限に考慮した機体。来年にはXC-2が編隊に参加するやも。

Img_0722  小牧基地の救難教育隊による救難飛行展示。UH-60J救難ヘリコプターとU-125救難機が連携して遭難者を発見し、救出するまでの一連の過程を展示します。これも南側会場や誘導路周辺からは全く見えない展示なので、岐阜基地航空祭にてはっきりと見るのは久しぶりかもしれません。去年は少しメイン会場で見れましたけど。

Img_0708  航空救難団。高速でU-125が遭難現場に進出してヘリコプターへ遭難者の位置や周辺の状況を提示、この情報に基づいて最適な航路を選択し、現場に進出したのちに救難に当たるという救難隊、この能力の高さが全ての部隊の隊員に万一の際の安心を与え、士気を高めることに繋がってゆきます。

Img_0779  救難飛行展示を終えて着陸態勢に入るUH-60Jと地上の要員を一コマにいれてみました。UH-60Jですが、現在空中給油受油装置の搭載が計画されており、将来的にはKC-130空中給油機より空中給油を受けることでその行動半径は今までよりはるかに広がる事となるでしょう。

Img_5648  どうでもいいのですが、救難展示が行われている時間帯に、当方は、とある事情で荷物を友人に預けて後方に出ていたのですが、戻ってみると、人が多すぎて、どこがどこだかわからないことに。会場にも迷子を知らせるアナウンスが終日鳴り響いていて、16歳の少年から80歳の老人まで迷子になっていました。俺も危なかったのか(違)。

Img_5657  ブルーインパルス飛行展示。いよいよ航空祭も終盤となりまして、最後は松島基地より展開したブルーインパルスが締めくくります、まずはパイロットが機付長以下整備員とともに待つ機体へ向かうウォークイン。ブルーインパルスは今年で創立50周年、半世紀の伝統と技術の蓄積がこれから披露される事になります。

Img_0815  飛行前点検を終了し、いよいよフライトスーツを装着したパイロットは機体に乗り込み、エンジンが唸りを挙げて始動、機体は地上でも編隊を組むように誘導路を進みます、これを編隊精神といい、常に行動に取り入れることで精緻を極めた飛行展示が平穏無事に行えるのだとか。

Img_0834  ブルーインパルスの離陸。航空祭ではブルーインパルスの飛行展示有無で来場者が二割から三割程度変動します。言い換えれば、この飛行展示が行われる瞬間こそ、航空祭会場の熱気と混雑に人口密度が最高潮になる瞬間なのだといえますね。この時も後ろを振り返ると凄い事に、目の前には割り込みもありました。

Img_0845  ブルーインパルスの飛行展示がいよいよ始まるのですが、いよいよ始まったのは雨天の方も同じ。この日は曇りのち雨だったのですから予報は的中しまして、ブルーインパルス飛行展示も垂直系の展示ではなく、視界が悪い状況でも可能な平面系を中心としたものになっていました。

Img_5696  いよいよう点となるのですが、実はブルーインパルス、飛行展示が始まれば後ろに引いて人口密度の低い地域から広角レンズで撮影した方が良い写真が撮れたりする、他方、広角レンズは水滴が写り込みやすい、防滴&防水装備は万全なのですが、取り付ける時間も無く、けっこう際どい状況でしたが撮影は続けました。

Img_5788  着陸したブルーインパルス。EOS-40Dはライブビューア撮影機能があるので、カメラを高く掲げて一枚。昔は勘に頼って撮影していて、かなりの頻度で失敗したのだけれども、便利になった。もっとも、60Dはチタンボディーの不採用や連写速度低下等、よくなったのは軽量化だけなので、興味はないのですが。

Img_5814  航空祭全ての飛行プログラムが終了しました。そして帰り始めた人で三柿野駅とか、凄い事になっているのでしょうね、特別車だけのミュースカイも延長運転してたけれども、指定席券買った人、間に合ったのかな?往復券も早朝に販売していたけれども、帰り道が固定されてしまうので当方は買いませんでした。最寄駅は、名鉄で三柿野、六軒、各務原市役所前の三駅とJR蘇原駅。

Img_5400  XC-2の初地上展示。ブルーインパルス野飛行展示終了とともに会場から帰路に就く観客が多いため少しは会場にて様子を見るのが一番、ここで地上展示機を撮影。日本が世界に誇るXC-2ですが、しかし機体側面の補強がかなり凄く、この胴体部分を担当した某重工も川重と違い不得意はあるのだな、と。

Img_5808  地上展示機が撤収準備を始めています。雨が降り始めたのですけれども、この地上展示の外来機については、帰投のための離陸を撮影しようと、最前列付近には結構な人だかりが出来ているのですけれども、当方一行は地上展示機の撮影へ専念します。特に格納庫内の。雨宿りも出来ますし、ね。

Img_54831  CCV試験機。F-2開発のFSX計画においてアメリカよりデジタル操縦系統のフライバイワイヤが突如供給されない事となり、計画は頓挫か、と危惧されたのですが、技術研究本部がT-2練習機をもとにこのCCV試験機により技術開発を行っていたため、なんとかなりました。常に同盟国に支援を得られるとは限らない、自主開発努力の重要性を示す端的な事例です。

Img_5620  空対空小型標的。本年の最新装備と言うとXC-2とともにこの装備が挙げられます。空対空ミサイルの射撃訓練に使われる小型標的で、遠隔操作やフレア等の妨害装置を搭載可能、しかもこれまでの標的機よりもコストが安く、同じ予算でより多くの実弾射撃を戦闘機パイロットに行わせることが可能、開発は川崎重工。

Img_5573  F-2支援戦闘機。JDAMとAAM-4が取り付けられています、このほか赤外線誘導爆弾やASM-2空対艦誘導弾、AAM-5空対空ミサイルなども展示。新装備のレーザーJDAMや開発中の超音速対艦ミサイルXASM-3のモックアップを期待したのですが、残念ながら今年度は展示されていませんでした。

Img_5854  小牧基地へ戻るC-130H輸送機。小牧は名鉄で利用してもあまり時間のかからない近距離にある基地、近いのですぐ戻れるという心の余裕からか、いよいよ本降りか、という雨の中でも多くの来場者が手を振っているのに応えるように離陸後再度基地上空に飛来し、翼を振ってフライパスを行ってくれた。

Img_5931  E-2Cが三沢基地へ帰ってゆきます。外来機は続々と帰投を開始しまして、我々一行も帰路に。名鉄線は混雑が凄かったためJR高山線を利用して一旦岐阜へ出ることになり、最後は全員で列車のボックスシートに座りデジカメの液晶で戦果確認。最後になりましたが、当日お世話になりました皆様、ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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潜水艦22隻体制へ防衛大綱改訂に盛り込み 忘れられている護衛艦定数

2010-10-25 23:52:37 | 防衛・安全保障

◆民主党政権の防衛への姿勢が問われる

 潜水艦22隻体制へ、この報道はちょっと本ブログでの掲載が遅れましたが、本日扱ってみたいと思います。

Img_8592  海上自衛隊は現在、16隻の潜水艦と2隻の練習潜水艦を運用しています。潜水艦は神戸に三菱と川崎の二つの造船所があり、建造には二年間を要するので二つの造船所に毎年一隻を発注し、毎年一隻が就役しているというのが現状です。就役した潜水艦は、潜水艦隊隷下にある横須賀基地と呉基地の二つの潜水隊群に配備され、16年間運用された上で練習潜水艦に種別変更され、2年間の練習潜水艦としての任務を終えると除籍され、解体されます。しかし、潜水艦は各国では24年程度は運用されるのが基本で、繰り返し潜航と浮上を繰り返すことで船体の高張鋼には負担はかかるものの、果たして除籍させなければならないほどなのか、もう少し海上自衛隊でも長く使う事は出来ないのか、という議論が広く為されていました。これについて、防衛大綱改訂により潜水艦定数を増強させることで防衛省は応えるようです、以下はCNNの引用。

Img_6941  海上自衛隊の潜水艦22隻態勢に増強へ 日本:2010.10.22 Fri posted at: 09:08 JST(CNN) 中国の海上活動が活発化するなか、日本の海上自衛隊の潜水艦が今後4年間で6隻追加され、現在の16隻から22隻になる見通しであることが明らかになった。日本の報道機関が21日付で伝えた。共同通信によると、これにより海上自衛隊の潜水艦配備数は「防衛計画の大綱」が策定された1976年以降最大となる。共同通信は、潜水艦増加の計画は海上自衛隊や防衛省の複数の関係者が匿名で明かしたとしており、2011~15年度の実施に向け今年12月に正式に取りまとめられる見通しだと伝えている。

Img_7808 共同通信によると、中国は約60隻の潜水艦を配備している。日中関係は9月に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件で悪化したが、10月に入ってからは落ち着きをみせていた。しかし、読売新聞の20日の報道によると、中国政府は先頃、尖閣諸島沖に漁業監視船3隻を派遣した。同紙によると、管轄する農業省の高官は、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)の海域に行って漁業活動を保護することは国家主権を守ることであり、漁民の合法的権益を保護するものだ」と述べたという。中国国内では、16日から19日にかけて日系の工場や店舗を標的としたデモが行われた。北京の日本大使館には治安部隊により非常線が張られたという。http://www.cnn.co.jp/world/30000632.html

Img_6309 潜水艦は増勢されるという方向のようなのですが、しかし同時にソマリア沖海賊対処任務や弾道ミサイル防衛など任務が増大傾向にある護衛艦の定数について、防衛大綱の改定ではどのような方向になるのか、という事が何処からも出ていないのですよね。もちろん、航空防衛能力についても戦闘機定数を現行定数のまま脅威の増大に対処するにはF-22戦闘機の導入が望まれていたのですが、これが不可能となった現在、導入が現実的に可能な航空機を現行定数の数を導入するだけで将来脅威に対処できるのか、陸上防衛についてもこれ以上重装備を削減することは国内の防衛産業維持を左右する状況になるのですけれども、大きすぎる海外装備に置き換えるべく全国すべての道路基盤を拡張して橋梁等を強化するような覚悟があるのか、等など。

Img_3347  戦車や戦闘機の話は別の機会に譲りますが、防衛大綱に護衛艦定数がどのように明記されるのか、というのは重大な問題です。はつゆき型護衛艦の除籍が本格化すれば、12隻を建造した、はつゆき型護衛艦の代替艦が必要になります一方、この建造の目途は財政難から立っていません。しかし、防衛大綱は日本が独立と主権を維持する上で必要な防衛力の水準を示すものですから、この枠内であれば財政難においても予算を確保する正当性が成り立つ訳です。日本の周辺情勢は緊迫化している旨、菅首相は昨日中央観閲式で訓示しているのですが、これに応えるために必要な措置を政治が怠っているようにも見えてきますし、南西諸島における日米関係と尖閣での不手際、日中外交での誤ったメッセージ、アフガニスタンへの支援発言の迷走による欧米からの不信感、以上で緊張緩和への努力は民主党政権下では自民党時代以下で、むしろ孤立化を促し、紛争を誘発するような外交政策に注力しているようにもみえます。

Img_6732_1  潜水艦の増勢というのは、財政難という状況下ではまだ使える可能性のある潜水艦の廃棄を取りやめるという方式で、予算を極力行使せずに防衛力を充実させる選択肢ですが、他方で、潜水艦と水上戦闘艦、つまり護衛艦では領海警備における運用は根本から異なります。潜水艦はその位置を秘匿する事を打撃力の重要な位置としているのですが、平時においては領海警備には先制攻撃を行わない以上、護衛艦によより排他的経済水域や領海に接近する外国艦船への警戒監視が重要になってくる訳で、潜水艦を増勢したからと言って、護衛艦の数を減らせる訳ではないのです。

Img_6272  とにかく、民主党政権下では、予算の削減を行い削減した予算を寄せ集めて今まで以上のバラマキ政策を行うという方策をとっていますので、どういった防衛政策を行うのかという事が不明確なのですが、それ以上に不明確なのは前の首相が在日米軍に抑止力があるという事を沖縄視察まで理解していなかったり、現在の首相が自衛隊の指揮官が自分である内閣総理大臣であって、同じ国会議員である防衛大臣が実は自衛官ではなかったのだという事に就任後に気付く、という状況にあります。果たして防衛装備品がどのように運用されるのか、そもそも自衛隊の能力はどういう限界があるのか、という事を正しく認識していないのではないか、そういう危惧さえあります。加えて、奄美大島豪雨災害では政府は全く無視の状態で、今回の空輸能力の限界、離島配置態勢の空白、輸送艦の即応体制という災害派遣と防衛出動に直結する問題にも無関心、危機管理が根本的に出来ないのではないか、という心配も。

Img_2976  とにかく、予算を減らす以外に確たる姿勢が見えないのですが、現状は来年度予算要求に護衛艦の新造が見送られた事で、あさぎり型護衛艦に延命改修を行い、護衛艦の不足を補う、という方向性です。延命改修は予算的には底まで能力向上など大規模な工事は行われないようなのですが、他方で改修を行っている期間、その護衛艦は造船所に入っている訳でしてやはり護衛艦の運用には響いてしまう訳です。また、これは急場しのぎでして、再来年度には、更に除籍される、はつゆき型護衛艦を考えれば2隻程度の新造が必要になってくるでしょう。

Img_8681  潜水艦を16隻から22隻へ、という話だけを見ますと自衛隊の防衛力が強化される、というように見えるのですが、他方でその他の装備は削減されるか造成、いや、元の水準に戻る、という表現が妥当でしょうか、そういう可能性はあるのか。日本は専守防衛という政策を撮っていますので、このブログでは幾度も繰り返したのですが、戦争、武力紛争となればいきなり本土決戦、かつての大戦で避けるべく全てのものを投げ出した本土決戦と直面しますし、そこには国民の生命財産が世界有数の密度で並んでいます。政治にも願いたいのですが、もっと関心を主権者が持つ必要もあるのでしょうね。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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ブルーインパルス岐阜基地航空祭2010前日の事前訓練

2010-10-24 22:50:57 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆コスモスとブルーインパルス

 本日は岐阜基地航空祭2010が行われました、そこで土曜日に撮影したブルーインパルス予行の写真を掲載します。

Img_9708  本日の岐阜基地航空祭、あと30分雨が早ければかなり大変なことになっていたでしょうが、足を運ばれた皆様如何でしたでしょうか、曇りは残念でしたね。今年は南門が開放されていなかった、ということでして航空宇宙博物館側から撮っていました方から情報戴きました、昨年と違っていたようで・・・。曇りでしたし、メイン会場から撮影していた方が良かったかもしれませんが、三角錐多機種編隊から技本のガンダム(違)展示を含め色々とありましたね。

Img_9696  さて、土曜日、とんぺいの機械博物館管理人の、とんぺい殿と一緒に久々に犬山城を撮影することになりまして、そういえば本日はブルーインパルスフライイン、いつ飛んでくるか油断できませんぞ!、とか冗談めかして言った刹那上空を四機編隊で飛んでいきまして、ホントに来た!、と。その後に秋の犬山祭りを撮影しまして、ちょうど時間もありますし、と名鉄にて二十軒駅まで移動してブルーインパルス事前訓練を撮影することになりました。

Img_9726  岐阜基地東側給料で撮影すれば間違いないだろう、と思い行ったのですがT-4の旋回能力は思いのほか大きく、かなり手前で旋回していってしまいました。しかし、東側丘陵はコスモスが満開でして、ブルーインパルスのT-4が着陸へ向かう途中にしっかりと撮影することが出来ました。かつては殺伐としていた牧草地は、コスモス畑となっていて遊歩道が整備されていた訳です。

Img_9745  コスモスとブルーインパルス、こうした写真はなかなか取れないものなのでしょうけれども、残念ながらこれが青空だったらなあ、と。その後、いつもお世話になっているC.ジョニー氏やS氏とともに名古屋にて岐阜基地航空祭本番の作戦会議を行ったのですが、天候は下り坂でして、これは少なくとも南側会場に行くには当日、晴天でもなければ難しいのかな、となります。小松なんかでは豪雨を警戒して前進して快晴だったりした事があり楽観視していたのですが、ね。

Img_9740  岐阜基地、ブルーインパルスですが、飛行展示の事前訓練は航空中博物館側の駐車場が満車になっていまして、浄水公園や三井山公園付近もカメラマンで溢れていたようですが、東側丘陵も少なくない人出でした。あまり飛んでこなかったのですが、コスモスが満開でしたから、思い切って姿勢を低くして撮影すると、中々見られない光景が撮影でき、個人的には満足でしたが、しかし、他の方の写真を見ますと、ううむ、・・・。ともあれ、当日ご一緒いただきました、とんぺい殿、ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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岐阜基地航空祭2010撮影ポイント メイン会場・南側地区・航空宇宙博物館・誘導路付近

2010-10-23 21:37:23 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆明日は岐阜基地航空祭

 いよいよ明日に迫った岐阜基地航空祭ですが、どうやって撮ればいいのか、本日はその撮影ポイントを少し紹介です。

Img_2618  岐阜基地航空祭、戦闘機、支援戦闘機のオープニングフライトに始まり、戦闘機と練習機による機動飛行と編隊飛行、初等練習機と支援戦闘機の飛行特性紹介や輸送機の機動飛行、そして各種航空機が参加しての岐阜基地名物多機種編隊飛行、ブルーインパルス飛行展示、以上様々な飛行展示が行われます。そしてXC-2が初公開されます。

Img_7344  新型輸送機XC-2、今年1月26日に初飛行が実現した国産輸送機、世界的に見ても高速巡航飛行が可能で多くの装備を長距離輸送できるという事で注目の航空機でして、一般公開は明日が初めてです。飛行展示は行われませんが、試作機の塗装とともに地上展示されることとなっています。

Img_9769 岐阜基地航空祭は入間基地航空祭に次いで来場者の多い航空祭でして、当然会場の人口密度もかなり大きくなります。岐阜基地航空祭撮影ポイントというのは、そんな航空祭を効率よく撮影するための予備知識です。そういうのも岐阜基地は飛行開発実験団が展開している評価試験部隊の基地です。

Img_4492  しかし、入間基地航空祭を御存知の方は、それに次ぐ入場者、と聞くと混雑はいやだし行くのやめようかな、と思われるやも。他方思い出してみると入間基地並に入場者がある横田基地日米友好祭やそれ以上の入場者になることもある岩国日米友好祭の人口密度はそれほどでもなかった、という事。そう、公開される面積に航空祭の混雑は左右されます。

Img_3411  ブルーインパルスの展示飛行を筆頭に多くの展示はメイン会場を中心にレイアウトして実施されるのですが、岐阜基地は中部航空方面隊司令部の置かれた入間基地や要撃飛行隊等実戦部隊の置かれた基地と違い、開放されるエリアが案外広かったりするのが航空祭の特色です。

Img_14956  評価試験部隊の基地、新装備を実験して使える装備化精査する、旧型装備の際的な運用方法を研究する。つまり運用している機種が多く航空自衛隊の航空機はその大半の種類を撮影できるからです、どうせならもう全部の機体きれいに撮りたい。そう考えるのが人というものではないでしょうか。

Img_14904  航空祭開始と同時に最小限の撮影機材を担いで遮二無二走って最前列を確保する、兎に角背負える範囲内で水分と食料とレンズとカメラを担いで、どこかのお祭りのように走って本殿もとい本会場へ突進して位置を確保、離陸する機体を撮れる位置へ、バチバチ飛行展示を撮り続け、ひと段落ついたらば今度は時間内に地上展示機を全てこれも走って回って。・・・、疲れそうですね。実はこの方法、あまりお勧めできません。

Img_6900_1  岐阜基地ですが、メイン会場から撮影しようとしますとどうしても逆光になります。メイン会場は名鉄三柿野駅や名鉄各務原市役所前駅からほど近く、この名鉄各務原線は複線で輸送力がありますので駅からシャトルバスが必要な浜松基地航空祭とは違いますし、入間基地航空祭のように一つの駅に来場者が集中することもありません。

Img_9480  しかし逆光で、ここから撮影すると空が青く写らないのですよね。しかも晴天の時ほど逆光で機体本来の色が見えにくくなってしまいます。岐阜基地には評価試験用に派手な塗装を施された機体がありますし、本来の色を写真に収めるためにはぜひとも順光の環境で撮影したいのですが、これはメイン会場からは無理、こうなります。

Img_7279  そこで南側にも会場が用意されているのが岐阜基地航空祭の嬉しいところ、岐阜基地撮影ポイントは南側会場からですと終日順光で撮影することができます。南側会場は、保存展示機エリアなのですが、ここにも模擬店が並んでいましてメイン会場ほどではないのですが、お昼ご飯など補給が出来ます。

Img_9470  この位置から撮影するとメイン会場とは明らかに写真の出来が違ってくるのですが、雨天や曇りの時ですとメイン会場でも同じように写真が撮れます。なんといいますか、曇りや雨では絶対空は青くなりませんからね。この南側会場、面白いのは人口密度がメイン会場ほど大きくないのと、写真撮影をじゃまする植え込み周辺は特に人が少なく、この間から写真を撮影すると管制塔と航空機を一枚に写し込むことが出来るのです。

Img_9902_1  もっとも、植え込みの隙間から撮影すると300mmズームではトリミングが必要で、400mmくらいのズームがほしくなるのですが、ね。もうひとつ、メイン会場以上に離陸の様子を迫力ある写真で収めることが出来ます、ただし、エンジン推力に余裕のあるF15やF2は短い距離で離陸して急上昇するので、F4が一番の狙い目になってくるのですけれども。

Img_2898 岐阜基地撮影ポイント、青空を背景に迫力ある航空機の写真を混雑を避けるという条件と両立して撮影するには、いっそ基地の外に出てしまうという裏技もあります。この裏技、基地の北側から撮ると逆光で非常に残念な結果になってしまうのですけれども、航空宇宙博物館のあたりや航空宇宙博物館のもう少し北側から撮影すれば、まあ、けっこうなんとかなります。

Img_2632  いやいや、さすがに山が邪魔で見えないでしょう、とメイン会場からみえる稜線を眺めそう思ってしまうのですが、これがこれが意外や意外、みえるんです。騙されたつもりで、去年やってみました。ただし、絶対にここへは自家用車で行ってはいけません、違法駐車、近所迷惑、言語道断です。遠いけどどうやっていくのか、それはバスです。

Img_0124_1  バス。南側ゲートまでメイン会場西側から有料のシャトルバスが出ているのですよ、これ本数も多く行列が100mくらいならすぐのれます。南側会場へもシャトルバスが便利です。運行しているのは今や愛知県にも進出している岐阜バス、名鉄の子会社として有名な岐阜バス。

Img_3179  広がる田園、コンビニも売店もなく、お手洗いも基地内か航空宇宙博物館を利用するしかないのですが、なにぶん航空祭で混雑するのは離着陸が見える最前線、毎回毎度リーマービンの最前線物語以上に緊張する最前線が、この外側からは全く見えないので、終日ゆったりしています。

Img_9723  もうひとつが、逆光ですが航空機を間近に見ることが出来る誘導路付近でしょうか。特に岐阜基地で有名な多機種大編隊は滑走路に沿って飛行しますので、これに関してはメイン会場並にしっかり見えますし、着陸した機体までの距離が近いです。この写真は、外周道路と誘導路の接近しているあたりからの写真。

Img_9816  岐阜基地外周道路、結構距離があるのですが、こちらも一般に開放されていますので、距離がざっと2kmくらい、着陸した機体を近くに見ることが出来ます。撮影ポイントとしては知る人ぞ知る、知らない人は知らないポイントです。メイン会場でも最前列付近はこうした風景なのですが、こちらの方が空いています。

Img_9497  誘導路を往く航空機というのは、航空祭というよりは実任務に赴く航空機のような印象なのですが、こうした雰囲気あふれる写真が撮れる、という事以外にも誘導路場場所によっては機体が方向転換しますので、航空機の形状を余すところなく撮影することが出来る訳です。なお、荒天時には滑走路の方向が逆になるので要注意。

Img_7128  この撮影位置の難点は、救難展示がやたらと遠いところでしょうか、なんか遠くでやっている、というくらいの風景です。誘導路は大型機と小型機、そしてほかの航空機が違う誘導路を使いますので、混雑していないという点はいいのですが、機体をきれいに撮るのならば航空宇宙博物館か、南側会場のほうがいいでしょう。

Img_9925  しかし、忘れてはならないのが地上展示機。これがメインに近かったりします、今年はXC2が展示されるようですからね。メイン会場に並んでいまして、CCV試験機、F15近代化改修の1型と2型、F4EJの改修されてない機体、最近は入間からEC1がきたり小牧からKC767が来たりしています。

Img_0038  これをじっくりと見ておきたいですね。どうするか、走るんです。結局はそれかい、と突っ込まれそうですが、開門とともに会場に入り走って撮影して走って前述の撮影ポイントへ向かう、という方法です。もしくは、上記の南側ポイントで出来る限り早く足を運んで、ブルーインパルスの飛行展示の際にメイン会場へ、という方法もあるかもしれません。

Img_9892  とにかく、岐阜でなければ見れない、来年の岐阜で展示されるかは分からない、という機体もありますので、一度はメイン会場に足を運びたいところですが、この配分については、最後は足を運ばれる皆様の判断と英断、というところです。明日の天候はやや、・・・、ですが、雨天は午前中は持ちそう、それではよい一日をお過ごしください。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は現に禁じる)

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平成二十二年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報4

2010-10-22 23:21:53 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 今週末の自衛隊行事は、航空祭から駐屯地祭、艦艇一般公開まで多く行われるのですが、北海道と東北では、ひと段落したようで、冬の足音が近づいてきました。

Img_5751  今週末最大の自衛隊行事は、自衛隊中央観閲式でしょう。自衛隊中央観閲式は自衛隊記念日行事として実施されているもので、第1師団を中心に陸海空の部隊が参加します。10式戦車も最後の方で展示に参加するとのことです。自衛隊記念日記念行事、来年度は航空観閲式、再来年度は観艦式が行われます。

Img_37101 自衛隊中央観閲式は一般非公開の行事なので招待客しか見る事が出来ないのですけれども、陸上自衛隊HPによりインターネット中継が行われます。なお、本年は日米安全保障条約改定50周年記念と言う事もあり、自衛隊観閲式としては初めてアメリカ陸軍のヘリコプターが参加する予定です。

Img_3017  岐阜基地航空祭2010、一般公開される行事の中では一番の注目はこちらでしょうか、入間基地航空祭についで入場者の多い航空自衛隊の航空祭です。ざっと15万くらいは訪れるのでしょうか、明日、ブルーインパルスの予行が1330~1410に行われるとのことで、続き日曜日が本番です。

Img_0824  那覇駐屯地創設38周年記念行事、第15旅団祭、旅団行事と言う事でこちらも注目です。写真は12旅団ですが。南西諸島の防衛警備及び災害派遣を担当する第15旅団の創設記念行事で、空中機動に重点を置いた編成となっています。旅団改編は三月ですので、一周年と経ていませんが、那覇駐屯地は創設38周年を迎えます。

Img_1026  普通科部隊の駐屯地祭としては、第14普通科連隊の駐屯する金沢駐屯地祭、第17普通科連隊の駐屯する山口駐屯地祭、でしょうか。金沢駐屯地祭は、市街戦展示で窓ガラスをそのまま突き破る展示が有名です。山口駐屯地の17連隊は13旅団隷下の普通科連隊で、軽編成となっています。

Img_0085  第7普通科連隊が駐屯する福知山駐屯地ですが、中部方面隊HPによれば明日市中パレードが行われます。・・・、しかし第3師団HPをみてみますと、30日と31日に実施される、とあるだけでして、中部方面隊でも23日市中パレードで、30日と31日、とありますので、23日、・・・、どうなのでしょうかね。

Img_8533  戦車部隊の駐屯地祭といえば、なんといっても九州の玖珠駐屯地祭。写真は九州、いや第9戦車大隊の戦車ですが、九州唯一の戦車部隊駐屯地である玖珠駐屯地には74式戦車を運用する第4戦車大隊、第8戦車大隊が駐屯していますし、第4対舟艇対戦車隊が96式多目的誘導弾を配備して駐屯しています。

Img_4642  戦車部隊と特科部隊を同時に見る事が出来る行事としては岡山県の日本原駐屯地祭。日本原駐屯地には第13特科隊、第13戦車中隊、第14戦車中隊が駐屯しています、FH-70と74式戦車が配備。ちなみにこの日本原駐屯地は、中部方面隊では今津駐屯地と並び戦車部隊が駐屯している駐屯地です。

Img_9381  陸上自衛隊航空部隊ですが、筆頭は八尾駐屯地祭。中部方面航空隊と第3飛行隊が駐屯している駐屯地で、先日UH-1の墜落事案があった駐屯地ですが、駐屯地HPによれば観閲飛行を行う、とのことです。八尾駐屯地でヘリコプターの大編隊が今年も見られる、という事で見学予定の方には朗報でしょう。

Img_6229  九州では目達原駐屯地祭。西部方面航空隊のヘリコプター部隊が展開していましてAH-64D戦闘ヘリコプターをAH-1S対戦車ヘリコプターとともに運用する第3対戦車ヘリコプター隊も駐屯しています。吉野ヶ里遺跡もほどちかく、駐屯地祭とともに遺跡見学、なんていうのも面白いかもしれませんね。

Img_9957  高射特科部隊の駐屯地祭としては、九州の竹松駐屯地祭でしょう。竹松駐屯地にはホークミサイルを運用している第7高射特科群が駐屯しています。さすがに駐屯地内で射程の大きいホークミサイルを撃つ事は出来ないのですが、しかし創意工夫に満ちた展示が行われる事が多いです。

Img_6111  艦船一般公開は、鹿児島でヘリコプター搭載護衛艦くらま、が一般公開されます。また、高知港では輸送艦くにさき、が一般公開されます。体験航海は行われませんので、自由に見学できます。一般公開の時間はリンク先の地方協力本部に詳しい時間が掲載されていますので、こちらの方を必ずご覧ください。

Img_6296  串本分屯基地開庁記念行事、和歌山県の南端にある航空自衛隊のレーダーサイトですが、こちらでも開庁記念行事が行われます。なんでも12.7㍉四連装機銃が残っていると聞き、昨年に行こうかと計画を立てたのですけれども、あまりに交通が困難で断念しました。もし行かれた方いらしたら感想などお聞かせ願えると幸いです。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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