北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

京都東福寺 彩り鮮やかな通天橋・洗玉潤からの紅葉

2007-11-30 19:49:06 | 写真

■東福寺散策

 11月29日2233時、Weblog北大路機関はアクセス解析開始から25万アクセスを突破しました。25万アクセス突破記念企画として近く、沢山写った特集なんかを計画していますのでお楽しみに。

Img_0167  本日の記事は11月19日撮影の東福寺紅葉特集。11月も終わりの本日に掲載するのは、紅葉がまだ残っているうちに掲載しようという主旨である。2006年の11月19日といえば今津駐屯地祭当日で、昨年と比べると十月上旬までは暑かったが、時十一月中旬から急激に冷え込んだ印象。その為、紅葉も突如朱に染まり、秋夜の夢の如く終わりを迎えつつある。

Img_0213  しかし、本日の状況を挙げれば、伝聞情報にて恐縮ながら、終わりが近付く紅葉にあって、同じ京都市内、しかも高地とかではない下賀茂神社なんかが、まだ紅葉が始まったばかりという。安易に地球温暖化に伴う気候変動とは結び付けたくは無いが、気象庁長期発表が暖冬から厳冬に大転換したあたり、何か考えさせられるものがある。

Img_0238  閑話休題、この東福寺は京都市東山区本町にあり、交通ではJR京都駅から奈良線で次の駅に東福寺、とある。ちなみに、奈良線は新幹線のホームから一番近い在来線ホームである。写真では東福寺と“きょうと”と記されているのがご覧いただけるだろうか。次の駅に当たる“いなり”というのは伏見稲荷大社のことを意味し、東福寺からならば徒歩でも15分ほどで行くことができる。

Img_0135  さて、この東福寺駅、JR東福寺駅と京阪電鉄東福寺駅が並んでおり、入り口も駅名が併記されている。先日筑波行った際に、品川駅で“京都に行くなら京阪で”という大きなポスターがあったが、京都駅の説明表示ではこの東福寺駅にてJRから乗り換え、清水寺や高台寺までは京阪五条が便利、と書かれている。なお、八坂神社や祇園へは京阪四条、鞍馬山へは出町柳にて叡山電鉄乗り換えが、市内の混雑を迂回する方法として知られる。

Img_0159  東福寺は釈迦如来を本尊とする臨済宗東福寺派の大本山で、1255年に九条道家が釈迦像を安置する寺院として建立した。東福寺という名前には奈良の東大寺と興福寺から文字を用いたと伝えられる。

 写真は、三門で、その後ろに本堂が見える。この三門は禅寺の三門としては日本最古のものだという。

Img_0178  本堂の内部。飛龍在天というべきか。

 本堂は1881年に火災の憂き目に遭い、1917年から再建に着手、1934年に落成した。この本堂は高さが25㍍以上あり、昭和期以降の木造建築物再建では最大のものといわれている。

Img_0190  通天橋へ、ここからは拝観料が必要である。拝観料は平日の午後ということもあって、十名ほどが並んでいる程度。休日ともなると物凄い混雑との事。この通天橋は本殿から開山堂にいたる途中の谷に架けられたもので、1380年に建設された。1959年に台風による突風で倒壊したが、損傷の度合いも低く、橋脚部分を強化し、1961年に再建されたとのこと。

Img_0194  通天橋と紅葉の木々。

 昨年、東福寺の紅葉を撮影した際には、やや落葉後の木が多く、寂しい情景となってしまったが、今年は絶頂期に行くことができたと素直に喜べる写真。1530時に展開ということで、やや傾いた陽光が若干残念とも思うが、これ以上贅沢はいえない。

Img_0226  彩り鮮やかな木々からの木漏れ日とともに、多くの観光客が流れとなって、この谷へ降りてゆく。ここは洗玉潤とよばれており、下まで降りてゆくことが出来る。

 ちなみに、このあたり、祝日に足を運んだ友人の話では、やはり混雑していたとの事。ここは新緑の季節も、瑞々しい光が美しく、更に余り混雑していない。

Img_0214  臥雲橋を望む。この臥雲橋は重要文化財指定を受けている。ちなみに、先日、何も見えないのに長時間露光撮影を行った場所がここである。降りてゆくと、まだ青葉が多いことに気付かされる。今日あたり、ここが紅葉の絶頂を迎えているのではないだろうか。

Img_0210  開山堂の方にも足を運びたかった、白砂の庭園をゆっくり観て過ごしたかったのだが、紅葉観覧の観光客が列を為して進んでゆくのをみて断念した。龍安寺の庭園もそうであるが、心の平安を得ようにも人が多すぎるのだ、他方、駐屯地祭のように朝一で足を運ぶのもなんだし。新緑の季節、人の居ない頃に改めて足を運びたい。

Img_0199  紅葉の季節が終わると、緑の無い情景となってしまうのは寂しいものだ。

 ところで、先日横須賀に足を運んだ際、横須賀市にも衣笠山があるのは知っていたが、なんと東福寺もあるということを地図でしった。そちらの東福寺をご存知の方、コメントなどいただければ幸いです。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成十九年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報

2007-11-29 16:01:05 | 北大路機関 広報

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

 師走、Weblog北大路機関は筑波で迷子になってる間に24万アクセスを突破し、明日にも25万アクセスに到達する模様である。閑話休題、12月という本格的な冬を迎えるに当たって、いよいよ自衛隊関連行事も少なくなってきたが、今回は12月の自衛隊関連行事について紹介したい。

Img_6105  F-2支援戦闘機、F-15要撃機、ともに飛行再開。防空体制の間隙問題も解消され、日々訓練に向かっている。同時に、航空機ファンの基地ウォッチにも嬉しい今日この頃である。

 さて、12月ともなると、基地祭といえば、厳寒の北海道などは既に全て終了しており、暖かい西部方面の航空祭などが行われる。

Img_6938_1  陸海空自衛隊主要行事と記載したが、実施されるのは、沖縄県の那覇基地航空祭、宮崎県の新田原基地航空祭である。主要行事が二つというのは若干寂しいが、双方とも航空自衛隊を代表する航空祭である。また、那覇基地のF-4EJ改は遠からず百里基地のF-15Jと交代する為、その雄姿を焼き付けておきたい。

Img_9066_1  なお、この他に自衛隊ではなく、米軍関連の行事で注目すべきものが一つ、横須賀米海軍施設オープンベースが行われる。C.ジョニー氏に教えていただいた情報。

 間もなく退役を迎える空母「キティーホーク」が一般公開されるかについて興味が持たれる。一般公開が1200時からということで、京都を含む京阪神地方からも当日展開が可能である。

Img_6193  自衛隊行事といっていいのかは別として、大晦日には艦艇の夜間電飾が行われるようだ。写真は舞鶴展示訓練の際に撮影したものだが、例えば昨年の横須賀基地の場合、大晦日の2300時から桟橋が一般公開され、夜間電飾の艦艇を見学することが出来たという。

Img_6135_1  夜間電飾が施された護衛艦は、とにかく綺麗である。LEDではなく、電球の色のほのかな暖かさが伝わってくるというべきだろうか。一眼デジカメであれば三脚に固定して長時間露光、コンパクトデジカメであればフラッシュ機能をOFFにして、手摺などの上に固定、落ちないようにストラップだけは持っておいてセルフタイマー(ここ手ブレ防止に重要)で撮影すると良好な写真として残すことが出来る。

Img_9471  行事ではないが、もう一つ、大型輸送機C-Xの初飛行も十二月に計画されている。写真は米空軍のC-17輸送機、横田基地ではこの向かい側に航空自衛隊のC-1輸送機が展示されていた。米軍のC-17は60㌧のM-1A2戦車も輸送できるが、C-1は最大で8㌧搭載、73式中型トラックが限度であった。しかし、C-X,XC-2であれば、なんとか重量としては74式戦車も搭載できる。航空自衛隊期待の新型機だ。

Img_0706  映画「ミッドナイトイーグル」が公開中であるが、あの作品は雪上戦をかなりリアルに描いているらしい。で、まあ、映画に登場するかは別として、冬季戦といえば78式雪上車、冬の時期は駐屯地祭が無く、観閲行進には登場しない78式雪上車であるが、これからの降雪期、もしかしたら、演習場に移動する78式雪上車なんかを見ることが出来るかもしれない。北部方面隊や東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊の積雪地に所在する駐屯地に配備されており、写真は金沢駐屯地で撮影したもの。

  1. 1 十二月二日:航空自衛隊新田原基地航空祭(新田原基地HP)・・・宮崎県児湯郡/第5航空団、飛行教導隊、飛行教育航空隊などが展開
  2. 十二月八日:横須賀米海軍施設一般公開・オープンベース・グランドイルミネーション(横須賀市HP)
  3. 十二月九日:航空自衛隊那覇基地航空祭(那覇基地HP)・・・沖縄県那覇市/南西諸島の防空任務を一手に引き受ける南西航空混成団司令部、第83航空隊、南西航空警戒管制隊司令部、第5高射隊などが展開、ファントム多数が配置されている。

■F-15再び飛行停止?

 他方で、若干気になった情報があるので追記。F-15が再び飛行停止となったとの情報が飛び込んできた。本文で飛行再開と書いたので、この記事に記載することとした。

Img_9674  米空軍航空戦闘集団事故調査委員会の27日発表によると11月2日のミズーリ州米空軍機墜落事故の原因調査で、F-15AからF-15Dまでの全機に共通する構造的問題が指摘され、F-15Eを除く全機が再び飛行停止となったとの事。航空自衛隊のF-15Jも、2日の事故以降飛行を停止していたが、築城基地航空祭では飛行、小生も今日、小松か岐阜のF-15Jの飛行を目撃したのだが、再び飛行が停止される可能性がある。

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。

■北大路機関

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京都 紅葉最高潮 絶景の古都を眼下に飛ぶ自衛隊機

2007-11-28 14:21:08 | 航空自衛隊 装備名鑑

■京都上空の自衛隊機

 紅葉の見頃である。先ほど、清水寺に行ってきたが今日あたり、次に雨が降れば葉が落ちてしまうかもしれない。しかし、この絶景、上空から俯瞰したらどんなに爽快だろうか。そんなことを思いつつ撮影した写真を掲載。時間が無いのでコネタなのはご愛嬌。

Img_0280  南禅寺に向かう途中、聞き覚えのあるローター音が聞こえてきた。重なるような乾いたローター音は、もしかしたら、と思いレンズを構えると見えてきたのは航空自衛隊のCH-47J輸送ヘリコプター。入間基地の機体だろうか、主にレーダーサイトなどへの輸送に充てられている機体で、飛来の方向から奈良の航空自衛隊幹部候補生学校あたりから来たのだろうか。

Img_0369  こちらは、多分賀茂川かどこかの堤防から撮影したもの。C-1輸送機。2㌧搭載のC-46輸送機の後継として8㌧搭載を期して開発された航空自衛隊の主力輸送機である。後継機のC-XはやはりXC-2という名称になるのだろうか。XC-2,初飛行は一般に12月頃といわれている。

Img_9566  こちらはキャンパスから撮影したもの。海上自衛隊のP-3C哨戒機。厚木基地?鹿屋基地?那覇基地?何処から来た機体であろうか。定期整備を行う川崎重工岐阜工場が所在する岐阜基地では年末の引渡しに向けてXP-1の試験飛行が実施されているとの話で、撮影したいが、岐阜基地まで展開する時間の余裕がないので我慢。

Img_0300  陸上自衛隊の多用途ヘリコプターUH-1.南禅寺から撮影。なかなか低空であった。方向から比叡山を越えてきたようなので、滋賀県北部の饗庭野演習場から八尾駐屯地に向かう機体だろうか。八尾駐屯地の中部方面航空隊か、第3飛行隊所属の機体なのかな、と。この距離では所属部隊など判別できないのが残念。

Img_9365  こちらは大徳寺近辺にて撮影したもの。観測ヘリコプターOH-6D,同じく比叡山の方向から飛来したので、演習に参加していたのか、もしくは訓練か、北区上空で旋回し、奈良方面に飛行して行った。

 遊覧飛行ではないので、紅葉を良く見ることは出来ないかもしれないが、ふと目に飛び込む絶景は中々のものであろう。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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F-2&F-15飛行再開/AH-64D生産中止により価格高騰

2007-11-27 14:19:00 | 防衛・安全保障

■F-2,F-15飛行再開

 米本土におけるF-15C空中分解事故と、小牧空港での定期整備後のF-2滑走中墜落事故を受け、飛行停止となっていた二機種の航空機が飛行を再開したとのことである。

Img_6093   これは11月24日の築城基地航空祭において両機種が飛行展示を実施したことで広く知られた。F-2に関しては、当初危惧されたフライバイワイヤ系のトラブルではなく、配線系の接続ミスにより墜落したと防衛省事故調査委員会が発表したことで、飛行再開の目処がたっており、飛行再開に関しては点検を経て可能となる見通しがあった。

Img_8182  F-15Jに関しても飛行展示が行われたということは不具合が是正されたということになる。そもそも、米軍のF-15が空中分解を起こした原因が、機体の構造的な問題に起因する可能性が指摘されていたのだが、深刻な問題ではなかった、若しくは整備不良などに原因があったのかもしれない。これにより対領空侵犯対処任務に生じた大きな空白は解消された。

■AH-64D,生産中止で価格高騰

 次はAH-64D調達中止に伴う価格高騰の話題。C.ジョニー氏に教えていただいた情報。

Img_9008  中日新聞11月27日付朝刊によれば、AH-64D一機の価格が2009年度防衛予算概算要求で1機216億円に上昇していたとのこと。これはライセンス生産を請け負う富士重工が投じた生産設備費用の機体価格加算、違約金などが含まれる。こうしてAH-64Dは、2009年度要求分までの13機で調達が終了となる。

Img_8110  約60機の調達を計画していたAH-64Dの調達終了により、現行のAH-1S対戦車ヘリコプターの後継機選定も必要となる。これはAH-64Dを暫時調達していたところ、ブラックボックスを生産するボーイング社が製造を終了することが背景にある。短期集中調達を行えば、こうした問題は生じなかったはずであり、加えて今後後継機を含め複数機種を運用することで運用コストは上昇することも確かである。

HARUNA

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U.S. COAST GUARD: WHEC-719 Boutwell

2007-11-26 17:03:14 | 旅行記

■米沿岸警備隊カッター名古屋港出港

 本日は、21日の浜松基地航空祭に備え前方展開し、撮影した写真。10月20日に名古屋港を出港した米沿岸警備隊カッター「ボウトウェル」の写真を掲載したい。

Img_4560  「ボウトウェル」は、12隻が建造されたアメリカ沿岸警備隊「ハミルトン」級巡視船の五番船で、満載排水量3050㌧、全長115.2㍍、幅13.1㍍で主機はCODOG方式。出力は各々36000馬力と7000馬力で、速力はガスタービン使用時で29ノット、ディーゼル使用時には11ノット、乗員は167名でヘリコプターも搭載している。

Img_4635  「ボウトウェル」の名古屋港寄港は、伊勢湾において10月16日に実施された第四管区海上保安本部との合同海難救助訓練に参加する為で、この関係からか、並んで名古屋港を母港とする海上保安庁のヘリコプター搭載巡視船「みずほ」が停泊している。

Img_4538  なにやら危険な係留方式の搭載ヘリコプターHH-65Aドーファン。「ハミルトン」級は海軍が運用するLAMPSⅠも運用が可能である。この「ハミルトン」級はアメリカ沿岸警備隊最大の巡視船で、1967年から1972年にかけて12隻が就役。1967年といったら「たかつき」型護衛艦の就役が始まり、「やまぐも」型が量産中、最終船の就役も海上自衛隊最古参の護衛艦「はるな」就役よりも前というのが驚かされる。

Img_4544  この「ハミルトン」級は海岸線から1000浬までを警備救難区域とするHigh Endurance Cutterに区分された唯一の巡視船で、帆の他500浬までの警備救難範囲に対応するMedium Endurance Cutterがヘリ搭載の「ベア」級13隻と他のタイプが17隻、100浬以内に対応するLow Endurance Cutterが「マーリンプロテクター」級や「アイランド」級など約60隻、更に小型の多目的艇や救難艇が1600隻ほど配備されているという。

Img_4665  76㍉単装砲。海上自衛隊も運用するOTOメララ社製の76㍉砲だが、これは1985年から1992年までの船齢延長工事(FRAM)の際に搭載されたもので、この他電子機器なども更新されている。この76㍉砲はMk92射撃指揮装置で管制され、有事の際にはハープーンSSM,曳航式ソーナー、単魚雷発射装置、ソノブイデータリンク装置などを短期間で搭載し、フリゲイトとして運用できるよう予め設計されている。

Img_4673  上部構造物に沿って機銃が装備されている。カバーが被せられているが25㍉単装機関砲と12.7㍉重機関銃である。25㍉機関砲は二門、12.7㍉機銃は四門が装備されており、臨検などの際に効果を発揮する。沿岸警備隊はテロ対策という任務の以前から、麻薬密輸取締が焦眉の課題であり、臨検はいわば日常業務となっているようだ。

Img_4671  伸縮式ヘリ格納庫。半円柱状の格納庫をスライドさせることで、格納庫とできるもので、ロシアの「ソブレメンヌイ」級ミサイル駆逐艦などでも採用されている方式である。整備機材や予備部品などの収容面積は落ちてしまうものの、比較的小型の艦であってもヘリコプターの運用能力を付与させる手段として用いられる。

Img_4672  20㍉CIWS。対艦ミサイルに対処する近接防空火器であるが、Mod.4以降は対水上目標に対する精密射撃能力が付与されている。しかし、通常型であっても照準は出来るようで、この為に搭載しているのだろうか、しかし、臨検などは25㍉の方が有用であり、CIWSは本来の目的用に運用されるのかもしれない。

Img_4688  先にも述べたが、「ハミルトン」級は老朽化が進んでいることもやはり事実であり、ディープウォーター計画として、海軍の小型戦闘艦との共通化計画がある。ただ、この元となる沿海域戦闘艦(LCS)計画が単価高騰に曝されており、更にこの種の巡視船に必要とされる任務に、甲板を極限化するステルス性などが必要か、という声もあるようだ。

Img_4633  警備に出ていた巡視艇「しゃちかぜ」。「すずかぜ」型巡視艇の28番艇で、満載排水量19㌧、最大速力30ノット。航続距離は160浬で、近海用20㍍型巡視艇。最大搭載人員は5名で130隻以上が任務にあたっている。写真は、初期型の放水銃搭載仕様であるが、後期には警備機能強化型として機関出力を向上させ防弾性能などを付与したものがある。

Img_4660  「ぬのびき」型消防艇7番艇「しらいと」。満載排水量89㌧の消防艇で、10万重量トン級大型タンカーの火災事故にも対処しうる性能を付与されている。乗員は12名で、航続距離は180浬。ただし、この「しらいと」が1975年就役で、6番艇までは消防巡視艇に代替され現役を退いており、「しらいと」も間もなく除籍されると思われる(というふうに消防出初式の記事でも書いたのだけどネ)。

Img_4583_1  名古屋港の顔といっても過言ではない、巡視船PLH-21「みずほ」。「しきしま」に次いで二番目に大きいヘリコプター搭載巡視船で、常備排水量5317㌧。全長130㍍の大型巡視船で、二番船にPLH-22「やしま」がいる。ディーゼル二基18200馬力により速力は23ノットで、航続距離は8500浬にも達する。乗員は130名。

Img_4711  警備用に35㍉単装機関砲と20㍉多銃身機銃を各一門搭載している。これより大型の巡視船といえば、総トン数7175㌧という大型の再処理済プルトニウム燃料輸送護衛用に整備された巡視船「しきしま」くらいしかない。海上保安庁では、こういった大型巡視船を海賊の跳梁跋扈著しい国際海峡マラッカなどに派遣し、各国の海上治安組織との共同訓練や警備救難任務に充てている。

Img_4721  写真は「みずほ」に二機搭載されている中型回転翼機ベル212型。1985年に就役し、伊勢航空基地をベースとして、シーボーイ一号と二号の愛称がある。双発の多用途ヘリコプターで実用航続距離は412浬、人員11名が搭乗可能である。胴体下部に非常用フロートが装着されているのが見えるだろうか。陸上用のベル212は、四枚ローター型のベル412や、S76型と更新されているが、巡視船搭載用のベル212が今後どうなるかは興味がもたれるところだ。

HARUNA

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京都の紅葉 今週がいちばんの見頃 東福寺・南禅寺の近景から

2007-11-25 21:23:15 | 写真

■紅葉通信

 京都の紅葉は、いよいよ今週あたりが最高潮を迎えるようだ。無論、京都市といっても広いので一概には言えないが、百聞は一見に、という言葉を借りて写真にてその模様をお伝えしたい。

Img_0330  今回掲載する二枚の写真は東福寺と南禅寺の写真。

 東福寺は京都駅南に、奈良線で次の駅。南禅寺は山陰線二条駅や東海道線山科駅とも繋がる京都市営地下鉄東西線の蹴上駅から程近い。両方とも京都駅から近傍にある紅葉の名所である。

Img_0195  こちらは東福寺の通天橋。11月19日に撮影したもので、ここから見渡す限り、椛が溢れている。先日夜間に撮影した際とは打って変わって絶景となっている。平日なのに、少なくない観光客が人の流れを形成していた。

Img_0307  こちらは11月21日に撮影した南禅寺の琵琶湖疏水。福沢諭吉が古都に相応しくないと評した赤煉瓦もいまや風景の一部である。ここも紅葉はいよいよ見頃、ただし、これは東福寺にもいえるのだが、若干ムラがある。これは急激に冷え込んでいることと関係するのだろうか。一枚目の写真も南禅寺であり、かなりここも混雑するが、それを差し引いても絶景である。

HARUNA

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ひこにゃんの国宝彦根城築城400年祭 いよいよ明日終了

2007-11-24 19:37:07 | 旅行記

■彦根城400年祭明日終了

 滋賀県彦根市、ここには築城時の天守閣を今に伝える全国でも数少ない天守閣が保存されている彦根城がある。彦根城では、築城400年祭を祝しての祭事が行われていた。

Img_4341_1  彦根城築城400年祭を大きく盛り上げたのは、いわゆる“ゆるキャラ”として人気を集めた“ひこにゃん”の存在が挙げられる。“ひこにゃん”はその昔、古いお寺にいたのだが、このお寺にて休息をとっていた彦根のお殿様を落雷から救ったということで、兜と刀を貰い、彦根城で暮らしたという伝説の猫がモデルである(参考資料:「ひこねのよいにゃんこのおはなし」もろへん著 サンライズ出版刊 2007)。

Img_4364_1  ひこにゃんは、彦根城400年祭において、1030~1100時と1400~1430時において彦根城天守閣前広場に、1530~1600時まで彦根城博物館にて来場者とふれあいの時間が設けられている。また、祭事へのトップセールスも意欲的に行い、東京京都名古屋大阪などにも足を運んでいる。

Img_4389_1  彦根城天守閣。

 天守閣は、比較的小振りであるが、佐和山城の天守閣を移築したものとして知られ、小山の上に構える天守閣は彦根と琵琶湖を一望でき、四つの国宝天守閣の一つに数えられている。

Img_4289  さてさて、ひこにゃんであるが、築城400年祭終了後の去就が注目されていたが、公式HP()11月20日の発表では、来年三月まで毎週土曜日日曜日及び祝日に限定して彦根城への登城が行われることが決定された。登城時間などはまだ未定ながら、ファンには嬉しい知らせである。

Img_4345_1  エアギターを披露するひこにゃん。ゆるキャラは数多しといえども、ここまでユーモアに富んだキャラクターはひこにゃんくらいではないだろうか。

 彦根城博物館での交流時間では記念写真なども撮影でき、握手やハグもOKだったりする。なお、彦根城博物館の多目的ホールまでは無料で入ることが出来た。小生は、その後、お城に、というコースで見学。

Img_4312  御馴染みの正座ポーズや、刀をかざしたポーズ(安全上の配慮から刀を実際に持っているわけではないので、エアギターならぬエアソードといったところか)も披露してくれる。また、そのポーズで記念写真を撮影することも可能。ただ、混雑時はこういったことも出来ないことがあるとか。

Img_8556  さて、明日を以て閉幕する彦根城築城400年祭へは、新幹線ならば米原駅からJR琵琶湖線乗り換え。米原駅の次の駅が彦根駅である。

 のぞみ号は通過し、こだま号と一部のひかり号が停車する。これを機会に、こだま号に多用されている300系新幹線を堪能したいところだ。

Img_4367  琵琶湖線新快速では、京都駅から45分ほど。

 琵琶湖線(東海道本線)では、JR西日本の誇る223系1000番台や2000番台のゆったりとしたクロスシートでまどろんでいる間に彦根へと到着するであろう。写真の新快速は姫路行きであるが、京都大阪から行く場合は長浜行きか敦賀行き、もしくは野洲行きで野洲駅乗換えである。

Img_9564  名古屋からは大垣駅乗換えで米原行き各駅停車が昼間時間帯で毎時二本運行されている。また、直通で特別快速米原行きというのが豊橋駅(浜松からも出てるのかな?)が運行されている。JR東海の主力、313系電車はクロスシート車で、こちらも中々快適である。

 明日の400年祭最終日は混雑が予想されるので、公共交通機関の利用が望ましい、と公式HPにもあった。

HARUNA

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海上自衛隊横須賀基地 ヴェルニー公園からの自衛艦撮影

2007-11-23 18:15:58 | 海上自衛隊 催事

■横須賀基地撮影の定番

 三部に分けて、横須賀撮影紀行(迷走紀行ともいう)を掲載した。しかし、横須賀基地撮影の定番といえばサマーフェスタなどで汐入駅や横須賀駅から会場入口へと至るヴェルニー公園を外すわけには行かないので、過去に撮影した写真から掲載したい。

Img_0700  ヴェルニー公園とは、横須賀市の港湾施設や製鉄所など、今日の発展の基礎を築いた施設に建設に貢献したフランス人技師、ヴェルニーを記念した公園で、フランス風の庭園やバラ園などが2001年に整備されている。ここからは横須賀港の様子が一望でき、駅にも近いという点で、横須賀市民憩いの場ともなっているときく。

Img_4235  ヴェルニー公園とは、京浜急行電鉄汐入駅、逸見駅、JR横須賀線横須賀駅から横須賀港に向かって歩いてゆくと広がっている公園である。晴れた日などは心地よい潮風に吹かれ、此処から見える自衛艦も風景の一部のようである。フェンスなども低く、夜間電飾を実施している日であれば小型の三脚でも撮影は容易である。

Img_4246  ここからはアメリカ海軍の施設などもみることができるが、倉庫などの建物が視野に入ってしまう為、どうしても一部しか見ることは出来ない。空母「キティーホーク」などは、停泊中は、ここから艦橋しか見えないということで、安針台公園の方が撮影に適している。

Img_4279  JR横須賀線を越えて、生活道路の階段を山手へ登ってゆくと、比較的眺望の良い場所に辿り着ける。左端にみえるのは横須賀地方総監部の建物で護衛艦の中には、第1護衛隊群旗艦の「しらね」や補給艦などがみえる。入港作業などを撮影するには、ここも良いやも知れない。

Img_4276  満艦飾が施されているのは自衛隊記念日にあわせてのもの。階段で山を登るというと時間が掛かりそうな印象があるが、実質十分ほどで登れてしまう。ただ、残念ながらここからも米軍艦艇は限定的な部分しか見ることが出来ない。

Img_6482  この写真は、昨年の横須賀サマーフェスタの帰路、オフ会の会場として利用したショッパーズプラザにあるレストランからの写真。ヴェルニー公園に隣接しており、いわゆる複合商業施設。サマーフェスタの際には居なかったイージス艦「きりしま」が入港している。商業施設なので撮影ポイントというわけではないが、施設利用中にちょっとしたスナップ写真感覚で撮影。この他、汐入駅前にある高層ホテルに宿泊し、撮影、なんて方法もありそうである。

HARUNA

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海上自衛隊横須賀基地 安針台公園から望む夕暮れの情景

2007-11-22 16:37:28 | 海上自衛隊 催事

■安針台公園へ進路をとれ

 京浜急行電鉄安針塚駅から出発したのが1508時、塚山公園按針塚へ1536時到着、1547時に移動を開始し、1612時に昨日掲載記事の場所に到達。1618時、再び移動を開始した。

Img_0025  今回の目的地は安針台公園。それが何故か塚山公園に展開していた。按針塚という地名と安針塚公園がとりあえず別の場所ということはこれまでにわかった。でも、まあ、違うということがわかってもこれで断念するわけには行かず、1700時頃まではまだ日も暮れていないということでHARUNA&YAMATOは移動を開始した。

Img_9978  目的地はどこかというよりも、とりあえず交通量の多いところまで下っていくということで道を探す。幸い、住民の方に道を聞くことが出来、駅への近道ということでこの道を下る。京都市内でもなかなか見られないような昔ながらの風景に思わず一枚写真をパチリ。

Img_9988  むかしながらの光景を写真に収めて一分と経たないところに、先ほどの護衛艦の桟橋がみえる。ここからは「たかつき」型とか「あさぐも」型とかむかしながらの艦はもう見えない。タイムスリップはしていないようだ。ここだと入港作業なども充分見える位置である。ちなみに、ここの横須賀街道の傍に東福寺ってお寺があるということを知った。ここも紅葉が綺麗なのだろうか。

Img_9990  トンネルとマンション。このトンネルを潜り、しばらく進んで左に曲がると安針台駅に到達するはず。というとこの高台のマンションが地図にあるコモンヒルズ安針台となるのだろうか。

Img_9992  交差点で信号が青になるのを待っているとリスが電線の上を走ってゆく。トトトって感じで電線の上を走っていた。変圧器のあたりで電柱を降りようか一瞬迷っていたようだが、そのまま向こうのトンネルが走る山の方へ走っていった。

Img_9995  電柱には横須賀市吉倉町一丁目とある。階段があるので、ここを登って行くこととした。この階段は自転車を押して通れるように階段の隣にスロープが用意されており、少し登ると斜面は自動車も通れる道路となっていた。

Img_0001  途中、足を止めると艦艇のマストがみえる。

 都会でみる鉄塔といえば高圧線の鉄塔か携帯電話基地局の電波塔が相場なのだが、ここでは護衛艦のマスト。やはりここ横須賀は自衛隊の街であり、かつての軍都としての伝統を受け継いでいる事が良くわかる情景だ。

Img_0004  ようやく到着、安針台公園。探したぜ!この看板で記念写真撮りたいほどに。1633時に階段のところに到着。そこから登り始めて1638時到着。実際、後で調べると安針台駅からここまで600㍍ほどなのだとか、京都駅から東寺までよりも近いのだとは知らなかった。ここには昨日の記事に掲載したとこに登ってたジョキングの人も走っていった。艦船ジョキング、というところか。

Img_0058  安針塚公園はこんな感じ。自販機は無かった。探さなかったがお手洗いも無かったような気がする。写真の奥のところにあるフェンスのところから撮影。フェンスの網目からコンパクトデジカメのレンズを突き出して撮影するか、足場を用意するか、フェンスの上にカメラを置いて勘で艦を撮るか、というかたちで撮影。

Img_0021  転落防止用に二重にフェンスが張ってある。第一のフェンスの網目から撮影しても、その向こうのフェンスが写ってしまう。ウェルニー公園の方が撮影には障害は無いが、ここからだと高い位置から撮影できるのが嬉しい。

Img_0020  横須賀基地の入り口を望む。ここからならキティーホークが入港する様子も撮影出来るだろう。

 転落防止の柵が写ってしまうが、望遠レンズで単艦を撮影するなら、ここは理想的な撮影ポイントだ。まあ、余り広くないので足場なんかがあると人の集まる入港ではいいやもしれない。

Img_0037  107という番号は護衛艦「いかづち」。1996年より9隻が就役した「むらさめ」型は、ステルス性の本格的な採用と、連続発射性能に優れたミサイルのVLS方式の運用、また乗員の省力化も図られ、拡大改良型である「たかなみ」型の5隻とともに海上自衛隊の近代化に大きな影響を与え、現代、更に改良型である19DDの開発が進められている。

Img_0027  海洋観測艦「わかさ」と「にちなん」。対潜作戦用の各種海洋データの収集と分析が主任務で、音響や海底形状の観測機器とデータの統合処理装置などを搭載している。以前は掃海艇改造の海洋観測艇を多数運用していたが、こういった大型艦に代替。しかし、海洋資源開発にも応用できるということであるし、もう少し数が必要なのでは、と思う。

Img_0056  日が沈んできた。常夜灯が灯され、ちょっとした夜間電飾のような印象。

 舞鶴のフェリーターミナルよりも艦艇に近いので(しかし、舞鶴市役所裏から掃海艇桟橋までのほうが近いかも)、ここから夜間電飾を撮影したらけっこう良い写真が撮れるのではないだろうか。

Img_0052  時間は既に1651時。暗くなってきたが、三脚は卓上用の小型しか用意してない。これでも、欄干やポストの上に固定すれば結構夜景撮影で重宝するのだが、この状況では使用できなさそう。ということで撤収を開始。帰路は駅の方へ。安針台駅には1700時頃に到達。随分遠回りしてしまったが、良い写真が撮れたので良しとしたい。でも、準備不足でYAMATO氏にはかなり歩かせてしまった、スマン。。

HARUNA

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海上自衛隊横須賀基地 吉倉桟橋・横須賀米海軍施設撮影

2007-11-21 15:30:40 | 海上自衛隊 催事

■迷って歩いて横須賀基地一望



 T公園からA公園に向かう途中道に迷ってしまった。T公園からR線に沿って行けば何とかなるだろうと思い、Y氏と歩いていった。今回はS中において遭遇した撮影ポイント。



Img_9974  T公園からA公園へ行くといっても、そういう場所があるということが判っていても行ったことが無い、こんな時の為の地図もプリントアウトして大事に机上に置いたまま展開した首都圏。文字通り手探りである。Tから見下ろす光景から、それっぽい場所に歩いていこう、ということとなった。



Img_9942   実は小生、サマーフェスタや観艦式などでよこすかに行くという事はあっても、平日撮影という機会は少ない、本当に久々であるので、ポイントを知らない。いままでV公園から撮影するという事例が多かった。M基地なら結構撮影ポイントを散策したのだが、そんな中で手探りで歩くということも楽しい。



HARUNA



(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)




北大路機関広報2020.06.13.1545追記:地権者の方からの要望を受け写真8点と本文の一部を非開示措置としました、あしからずご了承ください
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