北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

想定のいらない八月 富士総火演2006

2006-08-31 18:30:11 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■東富士演習場へ

 第一次報告までに、富士総合火力演習の情報をお伝えしたい。特に、注視すべき点を幾つか列挙するのが今回の記事である。

Img_6383  今年度の富士総合火力演習プログラムには、近接航空支援が従来のF-4Ej支援戦闘機に代わり、国産のF-2支援戦闘機が初めて飛来すると記載されていたが、残念ながら雲が低く視界不良である為、対地攻撃の展示に航空機は飛来しなかった。なお、写真は管制式で揮発油を爆破しているもので、実際に航空機から爆弾を搭載しているものではない。ちなみに、昨年度も近接航空支援に飛来するF-4EJが視界不良で飛来できなかったこともあり、来年度こそF-2の雄姿を東富士にて見たいものである。

Img_7000  2005年度末に富士重工から陸上自衛隊へ納入されたAH-64Dアパッチロングボウも、富士総合火力演習に対する去就が不明であったが、残念ながらこちらも飛来せず、AH-1S対戦車ヘリによる飛行展示と機関砲射撃に留まっている。2004年度は不明だが、少なくとも2003年に小生が展開した際にはTOW対戦車ミサイルの射撃展示があったのだが、機関砲の射撃のみというのはやや残念であった。蛇足ながら、機関砲の曳光弾は真横からだと非常に映りにくい。

Img_6803_1  昨年度からの変更点としては、リペリングにUH-1J/Hが用いられなくなったという点だろう。偵察部隊や偵察オートバイの展開にUH-1HとUH-1Jが各一機参加したが、リペリングに関して今年度はUH-60JAのみであった。昨年はUH-1とUH-60JAが参加した。UH-60JAは夜間飛行も可能である高性能ヘリコプターであるが、その高い価格から年間配備数が非常に限られている事で知られる。写真はAH-1Sの支援とともに進入するUH-60JA。

Img_6500  演習とは関係ないが、演習前の点検射の最中、偵察警戒車が一両スタック、若しくはエンストしてしまったと、演習後C.ジョニー氏より聞いた。その回収に向かったのが写真の90式戦車回収車のようで、出遅れた小生一行は残念ながら“車輌の回収”という写真を撮る事が出来なかった。土浦駐屯地祭でそうした模様は訓練展示として実施されるそうで、来月の桂駐屯地祭でもそうした訓練展示を見る事が出来る可能性がある。

Img_6622  96式多目的誘導弾(MPMS)の発射風景。?、と思われても致し方ない。この白い車は新兵器ではなく、発射風景の様子を流している。実は当日、雲が低い為、光ファイバーを用いての映像にて、ミサイルを誘導する方式を用いているMPMSは誘導が不能であり、発射展示を行わず、過去に録画した映像を放映することで対応していた。残念ではあったが、その代わりといっては何だが、01式軽対戦車誘導弾は二発発射されている。

Img_6615  飛翔する87式中距離対戦車誘導弾。主に普通科中隊の対戦車小隊に配備されている対戦車ミサイルで、人力携行が可能という。レーザー誘導方式であるため、濃霧の際にはレーザーが乱反射してしまう可能性が上げられるが、この程度の悪天候はものともせず、見事目標を射抜いた。飛翔速度が速く、写真は発射後ロケットモーターに点火する直前の遅い飛翔速度の状態にて撮影。一見倒木にも見えるがミサイルである。一見、タバコの投げ捨てにも見えるがミサイルである。一見葉巻型UFOにも見えるが・・・。

Img_6960  写真は90式戦車。日本国内では行進間射撃を行えないとされていたが、昨年度の富士総合火力演習では実施しており、今年度も実施した。これは、行進間射撃用の訓練砲弾が開発されたことで、より実戦的な射撃展示が可能となった。砲安定装置自体は各国の第三世代戦車に搭載されており行進間射撃は可能であるが、自動装填装置を搭載する90式戦車は走行中にも砲弾の装填が可能である。M-1戦車などでは砲安定装置を切らなければ尾栓が振動してしまう為、装填が困難であるのと対称的だ。

Img_6806  昨年度との相違点としては、小さなものではあるが装備品展示に88式地対艦誘導弾が展示されたことが挙げられる。特科教導隊のマーキングが記されていた。隣のMLRSだが、こちらも国内で発射可能な演習弾が開発中と公表されており、いつか総合火力演習で射撃展示が行われる日が来るかもしれない。

 HARUNA

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独立愚連隊東へ! 横須賀御殿場展開

2006-08-28 23:37:50 | 旅行記

■首都圏展開

 横須賀基地におけるサマーフェスタ、東富士演習場における富士総合火力演習へ展開した。これらの行事は八月最後の週末である26日、27日に実施された首都圏での自衛隊関連行事ということもあり、多くの見学者で賑わっていた。

■横須賀サマーフェスタ

 海上自衛隊横須賀基地において実施されたサマーフェスタは、0845時の開門に先立ち多くの行列が正門前に出来た。

Img_6268  護衛艦二隻による体験航海(先着順)と哨戒ヘリや水中処分隊による訓練展示、護衛艦や砕氷艦、掃海母艦の一般公開、そして事前に予約が必要であったが潜水艦の特別一般公開というプログラムが組まれ、また防衛弘済会による“横須賀海軍カレー”の販売や、災害派遣展示として缶米飯の体験喫食や海水の淡水濾過装置の試飲といった一味違う装備品展示が注目を集めていた。どの艦もその全長を遥かに越える見学者の行列が出来、巨艦の威容を体験できる貴重な一日であった。

■富士総合火力演習

 27日は静岡県東富士演習場において富士総合火力演習が実施され、抽選に当たった多くの観衆が上げる歓声に包まれた。

_img_6784  写真は富士総合火力演習の内でも前段演習/後段演習の後段演習、その最終部分の写真で、90式戦車、89式装甲戦闘車より発射された発煙弾とともに、戦果拡大を期して航空機や富士教導団機械化部隊の増援を受ける情景である。前段演習において陸上自衛隊が保有する各種装備の射撃や機動性能を展示し、後段演習では防衛白書のイメージ図にあるような実戦を想定した部隊行動を実弾射撃により再現した展示が行われた。

HARUNA

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八月末の砲声 富士総合火力演習写真2005

2006-08-23 10:51:51 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

 今週末はいよいよ、富士総合火力演習である。富士総合火力演習は自衛官に対する現代船の様相を展示する目的で開始され、今日では同時に国民一般に対する自衛隊装備の広報を行う目的も有している日本最大規模の公開実弾演習でもある。

Img_0547_1  今回のネタ切れ救済企画は、昨年度の富士総合火力演習の写真から今年度の演習の様相を幾分かお伝えする企画である。自衛隊の公開行事としては中央観閲式や観艦式、航空観閲式などと並び一般公募制行事であり、これらの行事の競争率は、Web情報という媒体の広域化に伴い年々競争率を増している、同時にモラルの問題となるが入手した入場券をインターネットオークションで転売するなど、本来の目的とは異なる行為に用いられていることが、関係者の頭を悩ませていると聞く。

Img_0269  富士総合火力演習は、前段演習、後段演習と、装備品展示に分けて実施され、航空作戦、攻撃準備射撃や突撃破砕射撃、戦果拡大という野戦における一連の流れを劇場映画一本分の時間に凝縮したもので、特に陸上自衛隊最新装備の数々を一度に観る事が出来るという事で人気の行事である。写真もその一つ、観測ヘリOH-1で、方面隊直轄のヘリコプター部隊や師団旅団に広範に装備されているOH-6観測ヘリの後継として開発され、対戦車ヘリコプター隊用に配備が進んでいる。

Img_0386_2  演習を実施する富士学校は、普通科、機甲科、特科の幹部教育を行う自衛隊の教育機関で、その教育や戦術研究を行う実動部隊として、富士教導団を隷下に有している。富士教導団は人員約4500名、90式戦車や89式装甲戦闘車など、機械化旅団に匹敵する強力な装備を有している。写真は120㍉滑腔砲を射撃する90式戦車で、自動装填装置を活かした行進間射撃を実施中の様子である。写真であると行進間射撃とは判別できないが、同時に収録した動画では行進間射撃である事が確認できた。

_008_2  一般公募ではあるが、実に30000名以上の観客が訪れる行事で、会場は0700時頃から観客が入り始め、演習開始が迫る0945時頃には広大な観客席が一杯となる。こうした関係から、雨天でも傘が使えないという点や、水分補給の怠りから来る脱水症状に注意しなければならないという注意点があるが、特に後者は深刻で、昨年この写真を撮影した直後にも女性が担架で運ばれていく様子が見られ、会場外で救急車に収容され搬送されていた。折角遠征したにもかかわらず熱中症で退場、とならないように注意が必要であろう。

Img_0357  92式地雷原処理車のロケット発射の瞬間(今年豪雨の東千歳で撮り損ねた代表例)。戦車砲や特科火砲は毎年実弾射撃に参加するが、対戦車ヘリコプターのTOW対戦車ミサイル発射や、96式多目的誘導弾の発射などは年度ごとに実施されたりされなかったりという事がある。今年度は何が用いられるかは当然いってのお楽しみということであるが、会場に到着したらばアナウンスが示す発射地点が地上に文字として書かれているため即座に覚える事が必要である。こうした努力が、次の発射の位置を瞬時に判別し、満足いく写真撮影につながるのだ。

Img_0205_1  35㍉機関砲を発射する89式装甲戦闘車。砲焔(といえるかな?)の撮影は技量以上に運が必要なものとなるが、撮れた際の喜びは非常に大きいものである。

 今年度、富士に展開される皆さん、来年こそはと思う皆さんも良い写真が撮れるよう健闘をお祈りします。

HARUNA

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大電車作戦! 名古屋鉄道撮影紀行

2006-08-22 23:45:08 | 写真

■名鉄一日乗車券購入撮影紀行

 軍事関係のみならず、機械関係やコンテンツ産業などに関して幅広い知識をもつC.ジョニー氏とともに、名古屋鉄道を一日中撮影しようという計画が20日、遂に実行に移された!

Img_5949  自衛隊ネタ日照りの昨今ですが、鉄ネタは多数あり、今回はその様子をお伝えしたい。

 写真は国府宮駅~島氏永駅水田上を快走する1000形特急電車。名鉄岐阜行きと豊橋行きの通過の瞬間を写した。晴天に恵まれ、青々とした水田と蒼穹の青空にスカーレットの特急が良く映えている。1988年より導入された1000形はパノラマSuperの愛称で知られ、片側2扉の特別車と、片側3扉の一般車に分け運行されている。

Img_5965  東枇杷島駅構内より撮影(西枇杷島は駅構内よりの撮影は禁止、理由は行けば判る・・・、狭いので)。1000形と1200形の連結本線特急。東武鉄道や近鉄特急とは異なり、一般車は特急料金は不要である。名鉄特急の伝統は写真のような全面展望車で、展望車は子供達に羨望の眼差しで見られるものだ。全車特別車の編成は知多半島の海水浴場や蒲郡駅周辺の行楽地、犬山駅周辺の遊園地集合地域と名古屋を結ぶ観光特急として運行されている。

Img_5969  東枇杷島駅において、3500形(左)と3200形(右)の通過。VVVFインバータ制御方式、電気指令式ブレーキ、ワンスハンドル式マスコンを用いる近代的な通勤車輌で、それまでの6000形系列に代わる車輌である。3500形の量産効率を追求したものが3700形で、その二両編成のモデルが3200形である。この写真をみると、車体側面が3500形が丸みを持たせているのに対して3200形が垂直に切り立っているのがわかる。この他、パンタグラフがシングルアーム式に変更されている。

Img_6055  1925年に完成した犬山橋を渡る7000形パノラマカー。東京オリンピックと同じ1964年にデビューを飾った7000形は長らく名鉄の主力特急の地位を保持し、本線急行、高速(指定席車のない特急)の主力を担ったが、近年では旧式化が進み、支線急行として運用されている。首都圏のO社がそっくりのパチもんを二年後に開発したほど先進的なデザインである。

 なお、写真の犬山橋は2000年頃まで自動車鉄道併用橋として知られていた。

Img_6080  名古屋本線の終着点、豊橋駅より豊橋鉄道の軌道線区間を望む。

 旧名古屋鉄道岐阜市内線(昨年三月末日に全線廃線)に使用されていた600ボルト車輌を導入する事で一気に近代化を果たした事で知られる。なお、豊橋鉄道は名古屋鉄道の子会社という事で知られ、かつては1500ボルト区間に旧式化した7300形等を導入して運用していた。

Img_6094  中部国際空港駅。

 セントレアの愛称で知られる中部国際空港駅へは、名鉄が常滑線を延長させる形で乗り入れており、名鉄岐阜駅、豊橋駅、鵜沼駅より空港特急を運行し、周辺地域からの旅客輸送需要に対応している。写真はμスカイとよばれる空港特急で、ホームを囲むガラス部分とは自動ドアでアクセス、乗客はターミナルから冷房の利いた区間を移動し、乗車する事が出来る。現在、特急専用ホームを増設工事中である。

Img_6132  中部国際空港を離陸するユナイテッド航空便。四発のボーイング747に代わり、737、767、777といった運行コストを低減した機体が多く翼を休めていた。

 中部国際空港は商業施設としての側面を有しており、空港駅からそのまま送迎デッキへ行く事ができる為、一日中航空機を見て過ごすという人も多いという。また、欄干には尾翼の航空会社識別表も描かれており、一般の人も楽しめる観光スポットである。

■備考

 今回の写真撮影に当たって、参考となるような写真を幾つか列挙したい。

Scan20144  自動車鉄道併用橋時代の犬山橋。

 1000形の隣を自動車が走っている。線路の間隔は上下線の入れ違いが不可能なほどであり、列車は常に徐行運転を行っていた。なお、当然ながら列車と自動車の間隔も狭く、ココを走行するには当然慣れに左右されるものの、ある程度の度胸も必要であっただろう。一方、鉄道の中でもこうした珍しいものは全国的にも少なく、名鉄を紹介した書籍にはここの写真は必ずと言って良いほど掲載されていた。

Fh030019  岐阜市内線の運行最終日。

 この日を以て名鉄の600ボルト区画が全て廃線となるだけあって多くの人が撮影に訪れていた。ここで運行されていた列車が福井鉄道や豊橋鉄道で運行されている。なお、意外に知られていないが、同日は岐阜市営バスの営業最終日であったりもした。

 C.ジョニー様、同行や撮影ポイント情報など、本当にありがとうございました。よろしければまた行きましょう!

 HARUNA

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京都 大文字五山の送り火 夜景写真

2006-08-17 10:33:08 | 写真

■京都四大祭り

 京都における盆行事の一環として、京都五山送り火が八月十六日2000時より開催された。俗に“大文字焼き”といわれる五山送り火は、精霊送りの意味をもち、三大祭と併せこの五山送り火を京都四大祭りとする資料もある。

Img_5791  盆地に佇む古都京都。

 その周囲の山々に、銀閣寺に程近い如意ヶ嶽、金閣寺に程近い北山の「大」、東山大黒天山の「妙法」、流れ橋で知られる嵯峨野の「鳥居」、西賀茂の「船」を模った火を順次、点火させるもので、北大路機関でも清水寺夜景写真撮影で幾度か特集した東山の如意ヶ嶽に描かれる“大”が、もっとも高い標高で行われる事もあり、良く知られている。

Img_5788  五山送り火は、その名のとおり盆行事の一環であり、宗教行事であったが、夏の風物詩の一つとして室町時代から江戸時代にかけ京都の町に定着したものである。

 山々に描かれる送り火に関してはその起源は諸説あるものの、確たる定説は無いとのことで、また、今日では五山となっているが、創成期の頃には長刀などを描いたものなどもあったという。

Img_5804  比叡山を背景に船の送り火を望む。五山送り火は、写真を見た人は一晩中点火しているような印象をうけるようだが、実際に点火しているのは30分ほど、しかも東山から嵯峨野までは大阪~西宮間、名古屋~一宮間に匹敵する距離であり、しかも点火は十五分間隔で行われる為、全てを観るのは非常に困難である。ただ、千本北大路に程近い船岡山からは鳥居型の送り火を除き全てを観る事が出来る。山といっても頂上に神社があり、参道は十分とかからず登る事が出来る。

Img_5809  一見すると山火事のように見えなくも無いが、金閣寺の左大文字の様子を参道付近より撮影。北大路機関からは船と東山の大文字しか見えないため、友人のK氏とともに西大路付近へ展開する。大規模な交通規制が引かれる為、俊足を持って知られるロードレーサーの機動力がモノをいう。撮影には長時間露光を実施する関係から三脚が必須となるが、かなり混雑している。ただ、点火から20分程経てば人出は少なくなり、この時点で人が集まっているところが良好な撮影ポイントである。

Img_5815  金閣寺駐車場出口付近から左大文字を撮影。

 駐車場より続々と自動車が出てくる中、撮影ポイントを探していると、駐車場警備の人が、1700時で閉鎖された駐車場の入り口を指差し、ここに自転車を置いて撮影すると良いよ、と。ご好意に甘え三脚を据え、撮影。露出は3.5~4.5、ISO感度は100。木立に囲まれた道路から送り火を望む。

Img_5813  携帯電話の電波アンテナや電柱と電線、一般家屋とともにみる左大文字の送り火。くっきりと文字の様子が写し出されている。

 こうした現代的なものが、やや風情を台無しにしているという声も聞こえるが、現代の京都を印象付ける写真といえ、これはこれで風情があるのではないかと小生は考えている。撮影ポイントから300㍍程度の場所に送り火が焚かれている。

Img_5823  金閣寺参道付近より撮影。金閣寺駐車場の方向を示した表示が左にみえる。

 長時間露光にて撮影している為、自動車のヘッドライトテイルランプが光跡を空中に残している。信号機の背景に既に光が小さくなっている送り火が観える。長時間露光以外にも花火撮影で効果を上げたISO800、シャッター速度1/8にて撮影も試したが、背景も何も写らず、三脚が必須という事を改めて確認した。

Img_5843  噴火した溶岩が麓に流れ出した・・・、のではなく、松明をもった人の列である。信号機が全て光っているのは故障ではなく長時間露光にて撮影した為である。

 送り火はガス点火なんぞでは絶対無く、護摩木を当日に山に上げ、地元の人により点火されているものである。送り火が終わると、松明を手に人々が下山する光景も五山送り火の情景の一つである。

Img_5796  2000時点火の東山大文字は、金属製の火床75、薪600束、松葉100束、麦藁100束。

 2010時点火の妙法は火床166、薪400束、松葉100束。

 2015時点火の船型は火床79、薪400束、松葉130束。

 2015時点火の左大文字は火床53、薪350束。

 2020時点火の鳥居型は火床108、薪108束である。

Img_5850   左大文字の送り火が終わり、松明を手にした人々が下山し、参道を西大路通りに向けて歩いてゆく。参道を行く松明行列に向け、観光客や住民から惜しみない拍手が自然に贈られた。

 送り火については、銀閣寺、涌泉寺、西方寺、法音寺、化野念仏寺において護摩木の受付が行われる。

 HARUNA

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2006年度 長良川国際花火大会 速報

2006-08-10 15:34:55 | 写真

八月五日、長躯岐阜は長良川へ展開し、長良川国際花火大会の写真撮影を実施した。

Img_5464_1  長良川国際花火大会は、打上げ総数が実に30000発という大規模なもので、参考までに同日に実施された神戸港花火の打ち上げ総数が5000発という事を踏まえれば、その規模の大きさを垣間見る事が出来よう。小生も友人から神戸港花火の観覧を薦められたが、規模の相違から長良川を選んだ。ちなみに、当日は名鉄岐阜駅近傍から有料シャトルバス多数が運行されており、JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から会場までの約2kmを結んでいた。

Img_5336  花火の撮影というのは、実は通常の夜景撮影以上に細心の注意が必要となる。

 カメラの撮影感度(ISO感度)を自由に変更できるのがデジタル一眼カメラの利点であるが、ISO感度を100~1600まである中で最適のものを選ぶのは機械ではなくやはり撮影者の技量と瞬間の判断によるものである。ISO感度が高ければ高いほど暗くとも明るい写真が撮影可能となるが、その分画像は粗くなってしまう。

Img_5495  CCD素子に電気情報として画像データを読み込むのも、フィルムを感光させ写真を撮影するのも究極的に方策は同じであり、ここで露出やシャッター速度、ISO感度を調整して撮影するのだが、左の写真はISO感度を800とし、シャッター速度を1/25~1/50程にして撮影すると花火の光跡がはっきりと残像となり写しこむ事が出来る。一方で、この撮影方法は打上げ場所から500㍍以内の至近距離でなければ通常のレンズでは撮影できない点が挙げられる。

Img_5399  一方で、ISO感度を100とすると鮮明な写真を撮影する事ができ、露出を3.5~5.6とする事で、シャッターを開けっ放しにする長時間露光という撮影方法がこれまで夜景撮影などで主に用いてきた手法である。これは撮影に三脚が必要となる欠点があるが、30秒程シャッターをあけておく事で複数の花火を同時のように写しこむ事が出来るが、同時に光跡が放物線を描いて写る為、花火の個性が写りにくいという欠点がある。

Img_5498_1  写真はISO感度を800まで上げ、夜景撮影としてはややシャッター速度の速い1/25前後で連続撮影した一枚である。電柱が移りこんでしまい残念だが、螺旋を描きながら落ちてゆく情景が写りこんでいる。露出重視かシャッター速度重視かが瞬時に判断する必要があるという事が花火撮影の極というべきだろうか。しかし、写真夫々に電柱や家屋が写ってしまっており、撮影場所確保が最も重要なテーマであることも今回の教訓に数えられよう。

HARUNA

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