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ウクライナ情勢-ショイグ国防相交代で安全保障理事会議事務次官任命,新国防相にベローゾフ第一副首相

2024-05-15 07:00:42 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ情勢
 ロシアウクライナ戦争開戦後初めてロシアでは国防相が交代する事となりました。

 ロシアではショイグ国防相が交代しました。ISWアメリカ戦争研究所5月12日付ウクライナ戦況報告では、ショイグ国防相は国防委員会委員に昇格したというかたちをとり、後任にはベリーゾフ第一副首相が昇格したとしています。この閣僚人事異動はプーチン大統領が大統領戦後新体制として行った閣僚人事の一つ。ウクライナ侵攻後初の国防相交代だ。

 ベローゾフ新国防相は経済専門家であり経済分野の閣僚をほぼ10年間にわたり務めたという実績を持っており、ISWはこの閣僚人事について、ウクライナ戦争の長期化をロシア経済の国防産業化により支えるとともに、将来のNATOとの対決に備えたものであると分析しています。ショイグ氏は事実上昇格して、安全保障理事会議事務次官になるとのこと。
■デザートクロス1000ー3
 日本の場合はソフトスキン車は接敵前に下車して地形防御を活かすという運用を採用していますがさて。

 ロシア軍は中国製バギーやオフロードバイクの使用を強化している、イギリス国防省5月13日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシアのプーチン大統領は2023年11月に中国の山東オーデス社製デザートクロス1000ー3バギーカーを視察しており、これは市販車でありアウトドア用ではあるのですがロシア軍は2100両を軍用として調達したとしています。

 バギーカーの活用について、ロシア軍は砲撃を加えた後のウクライナ軍陣地への接近に徒歩よりも軽快なバギーカーと、そしてオフロードバイクを使用しているという。しかしこれらの装備には防弾装甲は全くなく、ウクライナ軍は無人機によりこうしたアウトドア車両の識別と追尾能力がすでにあるとし、捕捉撃滅能力が戦場で実証されているという。
■チェチェン人部隊
 昔舞鶴でロシア艦入港の際にカフカス系の乗組員さんをみてお互いに手を振りあったものでしたが。

 民間軍事会社ワグネルの空白をチェチェン人部隊が埋めている、5月6日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、現在ウクライナ国内には親ロ派チェチェン人部隊9000名が展開しているとのこと。もともと2014年のドンバス紛争以来投入されているもので今回の侵攻では緒戦の段階で大損害を被ったため一時後方警備任務に下げられていました。

 チェチェン人部隊が現在、再度最前線に投入されているとのことで、この背景には2023年5月のワグネル武装蜂起を背景にワグネル部隊を前線に投入できなくなり、チェチェン人部隊をその穴埋めに投入したとみられます。一方、チェチェンではロシアの軍事教育なども実施され、特殊部隊学校が置かれ、最大10日程度4万2000名が教育を受けたとのこと。

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