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ウクライナ情勢-アメリカ議会下院ウクライナ追加支援予算案可決,ロシア軍チャシブヤールを狙う

2024-04-24 07:00:57 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 弾薬とミサイルの供給再開の目処というものは大きいでしょう。

 ロシア軍は僅かながら前進を続けているがアメリカ下院はウクライナ支援法案を可決した、ISWアメリカ戦争研究所が4月20日に発表したところによれば、ロシアはクレミンナ南方のビロホリフカ地域、チャシフヤール南東地域、そしてアウディイフカ北西地域のオチェレティネ地域において前進し、アウディイフカ周辺の兵力再配置を実施した。

 アメリカ議会下院はこうした状況下で20日、ウクライナ追加支援予算案を可決しました。これは2023年11月より懸案となっているものの、アメリカ共和党一部の頑強な反対により成立しなかったものが漸く可決したとの構図で、これによりアメリカが欧州へ配備した物資の提供が可能に。数週間以内にウクライナ軍の前線に影響を与える事となる見通し。

 ロシア軍は六月にも大規模な構成を準備しているものと分析されていますが、ウクライナ軍の防衛体制は6月までに相当強化される見通しであり、ISWの分析ではロシア軍は6月に行うであろう大規模攻勢の内容を変更する可能性についても触れています。ただ、ウクライナ軍の体制が整う前にロシア軍が戦果を挙げるべく攻撃を強化する可能性も高い。
■チャシブヤール
 弾薬不足解消までに攻勢に出られる可能性が。

 ロシア軍が5月9日までにチャシブヤールを占領する計画とされる、ウクライナ軍のシルスキー総司令官が4月14日に述べた内容を4月21日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告が紹介しています。5月9日はロシアにとり対独戦勝記念日という重要な国威発揚の記念日であり、毎年大規模なパレードを実施してきましたが昨年は大幅縮小されていた。

 チャシブヤール攻略はその延長線上に位置するクラマトルスク攻略の前段であるとシルスキー総司令官は分析しており、これはウクライナ東部における要塞化された都市群への攻撃の第一歩となる可能性があります。また早期に攻撃を開始するという点ではISWアメリカ戦争研究所のウクライナ軍支援強化前の攻撃可能性の分析とも矛盾しません。

 シルスキー総司令官の分析ですが、しかしチャシブヤールは高所に位置しており防御を強化した要塞都市の一つです。一方、ウクライナ軍作戦部のホルティツイア司令官はロシア軍の最近の状況として、航空攻撃として毎日20発から30発の爆弾を投下、Su-34戦闘爆撃機の滑空爆弾とSu-25攻撃機の近接航空支援が継続されていると説明しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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