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ウクライナ情勢-Tu-22Mバックファイア爆撃機を撃墜,黒海艦隊主要艦艇ノヴォロシースク基地へ撤退

2024-04-23 07:00:48 | 防衛・安全保障
■防衛情報ウクライナ戦争
 ロシア艦艇を舞鶴で見る事は少なくとも現体制の下ではもう無いのかもしれませんね。

 ロシア黒海艦隊はセヴァストポリから艦隊と潜水艦の撤退をほぼ完了させた、イギリス国防省ウクライナ戦況報告4月18日付の発表によれば、黒海艦隊の事実上の拠点はロシア本土クラスノダール地方のノヴォロシースク基地になっているとの事で、従来はセヴァストポリ基地において行っていた水上戦闘艦の弾薬補給施設なども移転している。

 イギリス国防省によれば4月1日にはグリゴロヴィチ級ミサイルフリゲイトのVLSへのミサイル再装填作業がノヴォロシースク基地において実施されたとのこと。本型はカリブル巡航ミサイル8発等をVLSに搭載、満載排水量4035tの水上戦闘艦で、多くの艦艇が損耗を強いられている黒海艦隊においては残る数少ない大型水上戦闘艦のひとつ。

 ノヴォロシースク基地は2014年のクリミア併合までは、当時ウクライナから租借していたセヴァストポリ基地に代わる艦隊拠点として整備が進められていましたが、この艦隊支援施設などをセヴァストポリに移設完了したところで今回のロシアウクライナ戦争、そしてウクライナ軍によるセヴァストポリへの攻撃強化に見舞われていた事情があります。
■バックファイア撃墜
 長射程の地対空ミサイルの重要性を示したかたち。

 ロシア空軍はTu-22Mバックファイア爆撃機一機を撃墜され喪失した、イギリス国防省ウクライナ戦況報告4月20日付発表によれば、ロシア空軍は19日にウクライナ南部へのTu-22M爆撃機による航空攻撃を実施、その際に一機がウクライナ軍により撃墜されたとのこと。ロシア国防省は事故により喪失したとし、撃墜された事は認めていません。

 Tu-22M3という近代化改修型の爆撃機は超音速巡航が可能で、冷戦時代に対艦ミサイルを搭載しアメリカ海軍の航空母艦を標的するとされた大型機で、イギリス国防省は戦略爆撃機との表現を用いています。Tu-22Mバックファイア爆撃機がロシアウクライナ戦争において撃墜されたのは今回が初で、そもそもTu-22Mバックファイア爆撃機戦闘喪失も初、と。

 イギリス国防省の分析では、Tu-22Mバックファイア爆撃機を撃墜したのはソ連時代に運用されていた長射程を誇るS-200地対空ミサイルと思われ、その射程は200km以上に達するとの事、これは2月23日にロシア空軍のA-50メインスティ早期警戒管制機を撃墜したものと同じ。ロシア航空宇宙軍は開戦以来、固定翼機だけでも100機を喪失しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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