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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア軍はカメ戦車をハリコフ侵攻で多用,クラスノホリフカでの戦闘概況

2024-05-19 07:01:41 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 あの改造がどの程度効果があるのかは不明なのですが実際に例えば74式戦車などに同様の改造を施しても徹甲弾が防げるようには思えないのです。

 ロシア軍はカメ戦車をハリコフ侵攻で多用している、ISWアメリカ戦争研究所5月12日付戦況報告において、ホームレス戦車とも呼ばれる戦車そのものをカマボコ型のプレハブ住宅のようなもので覆った戦車の運用について分析しています、これは対戦車ミサイル対策の行き着いた先ともいえ、無人機攻撃にもある程度有効という。

 カメ戦車について、戦車の上をそのまま覆った構造であるために戦車周辺を戦車長は視察することはできず、操縦手からの視野も限られたものとなりますが、自爆用無人機に弱点であるエンジン上部を発見されにくく、また対戦車ミサイルのタンデム弾頭が作動した場合でも中空装甲以上に離隔しており、防御力を高めている可能性が。

 カメ戦車についてISWはその破壊に苦労しているとウクライナ軍将校の話を紹介しています。カメ戦車が投入されているのはヴォフチャンスク近郊での戦闘で、ロシア軍は現在、ヴォフチャンスクを南西と南側から包囲する迂回機動をとっているとのこと。ウクライナ軍はヴォフチャンスクをロシア軍の主要目標と分析しています。
■クラスノホリフカ
 13日から14日にかけてロシア軍の動向がおおきく鈍化したとは続報されています。

 クラスノホリフカでの戦闘概況についてISWアメリカ戦争研究所は5月12日付戦況報告において、ウクライナ軍ホルティツイア群報道官のヴォロシン中佐発言などを紹介、小規模の歩兵突撃部隊を繰り返し投入するとともに一部では装甲車両を投入しているとも報告しています。そしてクラスノホリフカは現在包囲されつつあるとも。

 クラスノホリフカでは中心部に赤煉瓦工場があり、ウクライナ軍はこの赤煉瓦工場を防衛拠点として活用しているものの、ロシア軍が赤煉瓦工場に至る通信電話線や電線を遮断しており、またウクライナ軍は赤煉瓦工場へ弾薬や食料などを補充できない状況に陥っているという。これは言い方を変えれば中心部が包囲されていることを示す。

 2022年のウクライナ侵攻当初にロシア軍が犯したような戦力の分散や不明確な攻撃ということはほぼなくなり、昨今のウクライナ戦況では限られた戦域目標に対して軍団規模の攻撃を集中する状況がみてとれるため、人的損耗を度外視した攻撃を繰り返すことで包囲されたウクライナ軍は苦戦を強いられることが増えています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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