人生には何度も「もののはずみで」ということが起こる。ちょっとしたことがきっかけで、結婚したり、会社を辞めたり、クルマを買っちゃったり。中には、家を買い換えてみたり、さらには別荘を買い換えてみたりする人もいる。別荘をいくつも買い増しているツワモノもいる。自家用ジェットを持っているなんて人もいて、私はそういう人からジェット保有の効用について延々と話を聞かされる羽目に陥ったことがある。
画像は鳥取絹子著「ふらんす気分で山小屋暮らし」(リヨン社 / 1998年)。この本を読んだことがきっかけで、私は多額の借金をして別荘を買い換えることになってしまった。鳥取さんはフランス語の翻訳家で、いくつかフランスを紹介する本も書いている。鳥取さんは山梨県北巨摩郡武川村(現北杜市の一部)に山荘を持っていて、家族とともに通っている。バブル経済時代の80年代後半に通い始め、10年経ったところでそのことを本にしたのだ。
1998年6月のことだ。当時私は長野県東筑摩郡麻績村というところに小さな山荘を持ち、せっせと自宅から通っていた。休暇をとりその山荘にこもって、出版されて間もないこの本を読んでいた。「なかなか楽しそうで、シャレた週末田舎暮らしだなあ。麻績村より武川や白州がいいかなあ」などと思い、軽い気持ちで麻績村の山荘を出て、クルマで長野県を南下して武川と白州に赴き、別荘地を見て回った。残念ながら、紹介された土地は標高が低くて私個人の好みではなかった。麻績村の山荘が標高1050mのところにあり、もうちょっと高い所がいいと考え始めていたところだったのだ。加えて紹介された土地はどこも、形状、起伏、道路付きなど何かしら条件が悪かった。
そのまま麻績村に戻るのもつまらないので、帰り道に長野県諏訪郡原村に寄り道したら別荘地の看板が立っていて、それに吸い寄せられるように見に行って、結局買ってしまったのが今の山荘のある標高1600mの土地である。銀行と話をつけ借金をしてその土地を買う一方、麻績村の山荘を売り払いながら、新しい山荘を建ててもらった。ちょっとしたことがきっかけで、ずいぶん無茶をやることになったものだと思う。しかしながら、人生はこうした偶然の連続であると言える。そういうわけでこの本を見ると、私は「きっかけ」とか「ご縁」といった言葉を思い出すのである。
画像は鳥取絹子著「ふらんす気分で山小屋暮らし」(リヨン社 / 1998年)。この本を読んだことがきっかけで、私は多額の借金をして別荘を買い換えることになってしまった。鳥取さんはフランス語の翻訳家で、いくつかフランスを紹介する本も書いている。鳥取さんは山梨県北巨摩郡武川村(現北杜市の一部)に山荘を持っていて、家族とともに通っている。バブル経済時代の80年代後半に通い始め、10年経ったところでそのことを本にしたのだ。
1998年6月のことだ。当時私は長野県東筑摩郡麻績村というところに小さな山荘を持ち、せっせと自宅から通っていた。休暇をとりその山荘にこもって、出版されて間もないこの本を読んでいた。「なかなか楽しそうで、シャレた週末田舎暮らしだなあ。麻績村より武川や白州がいいかなあ」などと思い、軽い気持ちで麻績村の山荘を出て、クルマで長野県を南下して武川と白州に赴き、別荘地を見て回った。残念ながら、紹介された土地は標高が低くて私個人の好みではなかった。麻績村の山荘が標高1050mのところにあり、もうちょっと高い所がいいと考え始めていたところだったのだ。加えて紹介された土地はどこも、形状、起伏、道路付きなど何かしら条件が悪かった。
そのまま麻績村に戻るのもつまらないので、帰り道に長野県諏訪郡原村に寄り道したら別荘地の看板が立っていて、それに吸い寄せられるように見に行って、結局買ってしまったのが今の山荘のある標高1600mの土地である。銀行と話をつけ借金をしてその土地を買う一方、麻績村の山荘を売り払いながら、新しい山荘を建ててもらった。ちょっとしたことがきっかけで、ずいぶん無茶をやることになったものだと思う。しかしながら、人生はこうした偶然の連続であると言える。そういうわけでこの本を見ると、私は「きっかけ」とか「ご縁」といった言葉を思い出すのである。