「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

暑い日本の家を考える@七里ガ浜

2010-08-22 00:13:57 | 建築外観・構造
酷暑だ。今年の夏の電力消費量は記録破りらしい。エアコン使用量の急増が原因だとか。おそらくこれからも毎年どんどん暑くなる。2020年には今より2度ほど東京の平均気温が上がるなんて調査もあった。このまま行くと大変。私が思うに、やはり日本の平野部では「兼好法師の教え」に従い夏を旨とした家、つまり室内を暑くしないことを重要視する設計思想の家を建てるべきではないだろうか。そうでないとエアコン使用量はウナギ登りになるし、熱中症で屋内で死ぬ人だらけになってしまう。いやすでにこの夏はそうなっている。



前から何度も書いているけれど、これから家を建てようという人は、涼しい家を建ててみませんか!

今どき、ちゃんとつくれば冬寒く夏暑いなんて家はない。亜熱帯化した日本。直射日光を目一杯家の中に取り入れ、床や壁のどこかが一日中暖められているような家の作りは避けた方が、これからは楽ではないかと思う。ますます暑くなるのだから。



2階に軒や庇があっても、それは1階の窓にとってあまり役には立たない。一日の多くを過ごすことになるのは、たいていの場合家の1階だろう。2階だけじゃなく、終日日光が注ぎ込む南側1階の窓の上にも、軒か庇が十分ある家が望ましい。それがあれば1階の窓からは直射日光が入らず、かつ、雨が降っても窓を開けていられる。そうすればエアコンの使用時間も減ることだろう。エアコンとはなんとも自虐的で、取り敢えず自分の家の中だけを冷やし、自分が住む街をどんどん暖める馬鹿な機械である。人類は賢いようだが、どこか抜けている。



窓の高さや大きさと軒や庇の関係を考えれば、なんでも可能である。家の中は明るくも暗くもなる。家の中が明るいことを最優先すると、高気密の家の中は直射日光により暖められ、夏は熱川バナナワニ園状態になる。ところがどうも「とにかく明るい」がファッショナブルな家づくりのようだ。どんどん暑くなる日本で、工務店や建築家もそんな家を推奨するが、私には理解できない。これでは熱中症で死ぬ高齢者が増えるばかりだ。

照明学の先生も言うように、明るいほど良いとするのは単純過ぎる発想だ。そして今の日本の住宅は世界的にも明る過ぎる部類に属する。亜熱帯並みの日本でなぜそうせねばならんのか。この100年で暗過ぎるところから明る過ぎるところへ急変したと言われている。大昔の日本家屋は長屋も武家屋敷も、畳が直接日光に焼かれるようなつくりにはなってなかったはずだ。



我が家は現代日本の家としては中は相当暗い。しかし暑さは「まし」である。

庇もないまま大きな掃き出し窓ばかりつくっていては、強烈な日差しで家の中をボイルしているようなものだし、雨が降れば屋内に雨が吹き込むので、すぐ窓を閉めねばならない。これではエアコンの使用時間も増えるばかりだ。「開口部が大きいと通風がよくなり涼しい」というのは、それなりに条件がそろわないと不可能なことである。現代の多くの家では寧ろ逆で、開口部を広げて屋内を熱しているに過ぎない。



四角い家なら切妻屋根の構造にして東西を妻壁とし南北に屋根を落としその軒を深く南の窓に被せればOK。逆はダメだ。なぜならそうすると南側に軒が出ない。もちろん庇を別途設ければそれでもOKだが、敢えて面倒なことをする必要はない。我が家は2階まで壁を立ち上げず、1階の壁の上に屋根を載せている。「変わっている」と思われるかもしれないが、森に建つ別荘建築は、建物を低く見せ森に埋もれるように造るのが美しいとされ、ほとんどがそうしたつくりだ。そして傾斜天井の屋根裏を2階とし(一部ドーマー)、南側軒を1階窓にかぶせている・・・とこう書いて、意味わかります?

これに関し、昨年書いた記事はこちらだ(↓)
http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/c9dd2ddd9206f45ea1367ff47b42e4ea



得意な激辛麻婆厚揚。夏に汗だくで作り、汗だくで食べる。
コメント (4)
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