「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

井上ひさし著「ボローニャ紀行」 / スパゲティ・ボロネーゼ

2010-08-28 10:07:44 | 本/音楽/映画
イタリアに魅力的な街は数あれど、自慢じゃないが、私はフィレンツェしか行ったことがないのだ。フィレンツェは街全体が美術館か博物館みたいなところで、蓄積された物のボリューム感もスゴイが、それがそのまま大量に今も保存されていることに驚いた。



井上ひさし著「ボローニャ紀行」(文春文庫)を読んだ。それによれば、ボローニャも大変魅力的な街らしい。

景観も立派な街だが、地域自治、域内相互扶助、伝統と並行した革新の精神がとても強いそうだ。街とそこにある自分達の暮らしを自分達で守り育てようとする住民の姿勢が顕著だという。いい街ですねぇ。赤茶けた屋根が続く。


<source: worldphototour.org>

100年前も同じであったであろう景観。


<source: worldphototour.org>

井上ひさしはボローニャのことをあらゆる角度から説明しようと試みる。ボローニャだけでなくフランスの例も準用して、彼らの街がどうあるかということについては、国ではなく地域の自治体ですらなく、彼ら自身が決めるているとする。もっともだ。そうでなければ、こんな景観も守れないことだろう。

自分達で判をつき景観に関するルールを定め市に届けることまでしたのに、それを破る人がいて、またそれを黙認して来てしまった我が住宅街とは大違いである。いや、それは我が住宅街に限らないが。私権が制限されることを嫌いその自由を強く望んだ時は、自分がまともに行動していても、近隣の他者がまったく予想外な行為でもって、自分にネガティブな影響を及ぼして来るリスクが生じる。私ならそういうことは御免で、全員一律に私権がある程度制限される方が、まだましだと考える。



日本人が大量に昔から欧州に旅行に出かけるのはなぜか。なぜ惹かれるのか。日本は観光立国を目指すという。そうであるならば日本の景観を魅力的にするにはどうすればよいのか。

話は変わるが、この本によれば、ボローニャでは家ごとに自慢のボロネーゼの味があるらしい。そりゃそうだろな。日本の味噌汁、肉じゃがと同じようなことか。



読んでいると作りたくなって、さっそく作る。本日のランチだ。

こってりしたボロネーゼである。濃く味つけるが、塩辛くはならないように気をつける。我が家で作るパスタの中では、おそらく最もコスト的に高いものだ。牛挽肉、タマネギ、ホールトマト、デミグラス・ソース、バター、オリーブオイル、ニンニク、塩、コンソメ、コショウ、パセリ。醤油もちょっと入れた。



我ながら上手。自画自賛。ボロネーゼはスパゲティの王様。

コメント (2)
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