音楽の喜び フルートとともに

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美しい生き方

2010-08-24 23:03:36 | 子ども

朝顔、きれいな青い色は、浜の空。赤紫色の方は、浜の輝。
奈良時代遣唐使が持ち帰った朝顔の種は、江戸時代に大流行し、さまざまな品種が生み出されたそうです。熱帯アメリカからと、東南アジアから入った種類がありますが、これは、アジア産。通常日本朝顔と呼ばれます。

夏休み最後の一日勤務。
休暇で休む職員の替わりで入りました。

3年のAくんは、軽いパニック障害があります。お母さんは心配されていましたが、1年の時から見ていて、パニックを起したり、誰かとトラブルを起して大変だったり、暴言を吐いたりしたことは一度もありません。

初めの頃は、いつも一人でいるので、気になって声をかけたりしました。

いきなり誰かが、Aくんの遊んでいるおもちゃを取り上げていったりすると、「ぼくが、使っていたんだけれど、どうして急に持って行ったのかわからないんだけど?」と責める様子もなく、本当に不思議そうに言います。すると、相手の子は、急に我に帰って、「ごめん。」とおもちゃを返してしまいます。

ボールを持っても、走っても、少し人よりゆっくりなので、誰も誘いません。
遊んでいて、誰かが「入れて。」と言ってくると、「いいよ。」と気分よくいれます。

何人かになって、遊んでいるうちに中の、誰かが誰かともめだして、みんなが興奮して、せっかく作り上げたブロックや、家をこわされてしまったり、理不尽に遊びがメチャクチャになってしまった時も、

決して争いごとの中に入らず、
「うまくいかなかったねぇ。何でBくんは怒ったのかなあ?せっかく作ったのに残念だったね。」
と怒ったようすもなく、静かに、本当に不思議そうに考えています。

一緒に遊んでいたおもちゃを散らかしたまま、どこかへ行ったほかの子を、責任をとってもらおうと探していると、「いいよ、いいよ。先生、ぼくが片付けておくよ。」と丁寧に片付けてくれます。

誰かがけんかしていると、「先生。」と私の手をつんつんとつついて教えてくれます。行って見ると、当事者も、周りの子も、みんな感情的になって「あいつがわるい。」「こいつがこんなこといってたからや。」と口々に大声で叫んでいるのに、Aくんに聞いてみると「Bくんが、Cさんにばかっていったから、Cさんが泣いて、DくんがB君を蹴飛ばしたら、Bくんが泣いてしまったんだ。」と冷静に、事実を淡々と教えてくれます。

おとなしいから力が無いと、みんなに思われていますが、1年の時、「鉄棒ができないんだ。」と、言うので、「ウンテイとか、のぼり棒とかしている内に、だんだん腕やお腹の筋肉が強くなってできるようになるよ。」というと、本当に毎日少しづつ、練習して、鉄棒もできるようになり、力も結構ついてきました。

今日は、1年生の子が、鉄棒をできなくて困っていると、さりげなく足を持ってあげたりして、出来るように教えて、出来るようになると手を叩いて自分のことのように喜んでいます。

Aくんを見ていると、障害のある無しや、周りの環境や、年齢は、美しい生き方をすることと、全く関係は無いんだなぁと思います。

おとなしく、安全に遊んでくれる子は、ついついそれだけで、安心してしまってそれ以上に見ようとしないけれど、こういう子どもこそ、大人は注目と、関心を寄せて、学ばせてもらうことが大切。きっと平和な世界の実現は、こういう子どもが増えることに掛かっているのだと思います。たぶん。