午前中、フルートのレッスンです。
Kさんに、まず「おめでとうございます。」3月2日に娘さんに双子の赤ちゃんが生まれたそうです。
男の子と女の子。
本当に嬉しいニュースです。赤ちゃんは周りの人を幸せな気持ちにしますね。
「それで、病院を言ったり来たりで、練習できてなくて、ダメなんです。」
「そうなんですかぁ?じゃあ、聞かせてみて下さい。」
ゴセックのガボット。
「大丈夫ですよ。前より音が出ていますよ。」
本当に音はよく出ています。
「さて、よく出ていますが、もっといい音をだすために、工夫してみましょうか。」
フルートは、長い笛に開いている穴を押さえて音を変える楽器ですが、同じ指使いで別の音が出たりするので、歌口に対して一音づつ息の当て方を少し変えないと正確な音はなりません。
そのことを伝えて、「探してみて。」というと、Kさんは顎をあげたり、下を向いたり。
しかし、音が変わりません。
笛を持っている手が口と一緒に動いています。
「まず、動かない場所を作ってください。手を動かさずに、口だけを移動する。口を固定して、手を動かす。どちらかを決めて吹いてみてください。」
すると、Kさん、全く今までとは違うポイントを掴んだいい音をポーンと出しました。
「素晴しい!」
Kさんの目もキラキラ輝いています。
そして、曲。
「楽譜を見て、音符が上がったり下がったり、山があったり、谷があったり。」
「音を出すときに動く方向と、この山や谷の方向は矛盾しないんです。山や谷の波にのせて、柔軟に歌口に沿って空気を送る角度を変えるようにすると、いつもリズム感よく、音のポイントを見つけながら、いい音で吹くことができるんです。」
「さあ、やってみましょう。」
緊張して硬かったKさんの顔や体が、柔軟に動くようになりました。
みんな、素晴らしい力を持っています。
表情筋や、口というのは、生まれてからずっと動かしてきたので、特別な訓練をしなくても、ちゃんと柔軟に動くのです。
ただ、フルートを吹くのに使っていなかっただけ。
なので、コツさえつかめば、みんなうまくなれます。
そのお手伝いをするのが、とってもおもしろく、楽しいです。