電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ディケンズ『オリバー・ツイスト』上巻を読む

2006年01月03日 11時51分51秒 | -外国文学
暮に開店した郊外型書店で購入していた新潮文庫版『オリバー・ツイスト』の上巻を読んだ。この正月以降、ポランスキー監督作品の映画が全国ロードショーされるという。これもぜひ見たいものの一つだ。

孤児オリバー・ツイストは、無情な救貧院で育ち、葬儀屋で働いている。意地悪な年長の少年に死んだ母親を侮辱され、憤怒にかられて大暴れし、葬儀屋を飛び出す。ロンドンへの道を歩きとおし、倒れそうになっているところを助けた少年は、悪党フェイギンの一味として窃盗グループに入れようとする。だが、孤児オリバーは、悪い仲間になりきることができない。本を読む老紳士が仲間の少年二人に盗まれるところを見たオリバーは、動転して逃げ出し、犯人に間違われそうになるが、逆に老紳士に助けられる。老紳士の親切に感謝したオリバーは、本屋に代金を届けようとしたところを、仲間の情報が警察に漏れることを恐れるフェイギン一味にさらわれてしまう。
強盗の手先として使われたオリバーは、押し入ろうとした屋敷で銃で撃たれ、腕を負傷するが、親切な屋敷の婦人たちに助けられる。

チャールズ・ディケンズの本を読むのは久しぶりだ。現代の物語に慣れていると、事件の展開があまりにも都合が良すぎたり、登場人物の人物像が悪人は悪人らしく善人はいかにも善人らしくいかにも典型的であったり、いろいろと不満も持つだろう。だが物語のスピード感は、そんな些細な不満を吹き飛ばす。
さて、下巻が楽しみだ。
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