電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタを聞く

2006年01月25日 21時14分40秒 | -室内楽
音楽CDを一度にたくさん購入すると、どうしても聞かないCDができてしまう。ちょうど本を積ん読するように、そのうちじっくり聴こうと思っているのだけれど、なかなか手が出ないうちに興味が別のものに移ってしまったりするからだ。
今日は、そんなCDの中から、サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタの第1番を聴いた。出だしから、とても新鮮な音楽だ。こんな素敵なCDをあまり聴かずにおいたなんて、もったいない!まして、美音のヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)、ジャック・ルヴィエ(Pf)のコンビによるデンオン盤(COCO-70550)、1991年にオランダのライデンでデジタル録音されたものだ。
1883年に作曲されたこの曲、第1楽章と第2楽章からなり、それぞれが二つの部分に分かれている。だから、全体として4つの楽章からなる曲のようにもとらえることができる。カッコ内はカントロフ盤の演奏時間表記。
第1楽章の第1部、アレグロ・アジタート、ニ短調。不安げに始まるヴァイオリンの調べ。ピアノが分散和音を奏でる中で、フランス近代音楽らしい清新な旋律をヴァイオリンが歌う。(6'49")
同じく第2部、変ホ長調のピアノとヴァイオリンによる夢見るようなアダージョ。やわらかく優しい音楽だ。(5'01")
第2楽章の第1部、アレグレット・モデラート、ト短調。軽やかなパッセージが続き、なかなかしゃれた雰囲気の音楽だ。(3'45")
同第2部、アレグロ・モルト、ニ長調。後半には第1楽章前半の第2主題が再現され、ああそうそう、この主題だったなぁ、と思い出させるしくみ。(5'48")
なお、ネット上にあるいくつかのサン=サーンス作品表では、このヴァイオリン・ソナタを3楽章と表記している。なにか特別な根拠があるのかどうかは不明だが、誤りの孫引きの可能性もあるので、2楽章の4部制ととらえておくことにする。

本CDには、同じサン=サーンスの第2番のヴァイオリン・ソナタと、ラロ及びプーランクのヴァイオリン・ソナタが併録されており、なかなかしゃれた近代フランス・ヴァイオリン音楽集となっている。写真も、無粋な東北の雪景色ではなく、しゃれた緑をあしらった窓辺を。たしか、伊丹空港かどこかで撮影したもののはず。
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