電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

チャールズ・ディケンズについて

2006年01月04日 20時38分46秒 | -外国文学
現在下巻を読んでいる『オリバー・ツイスト』の作者、チャールズ・ディケンズについて、『デイヴィッド・コパーフィールド』や『クリスマス・キャロル』などの作者で、ずいぶん苦労したが作家として成功した英国人、という以外、ほとんど知らないことに気づいた。
こういう概要を知るには、やはり百科事典がいい。わざわざCD/DVDを取り出して百科事典を検索するよりも、ブラウザでWikipediaを検索するほうが早い。で、Wikipediaで「ディケンズ」を引いてみた。
チャールズ・ディケンズ。1812年生まれ、1870年没。イギリス、ヴィクトリア朝時代を代表する作家とある。58歳か、私ならもうすぐだ(^_^;)>poripori
海軍の会計吏という中流階級の家庭に生まれるが、父親が金銭感覚に乏しく破産したとある。なるほどなるほど。デイヴィッド・コパーフィールドに出てくるお人よしのミコーバー氏は、破産した父親がモデルだったのか。
少年時代から親戚が経営する靴墨工場で働き、たまたま入った遺産をもとに両親とも債務者監獄を出て、苦学して法廷の速記者となる。その後、小説を書き始め、多くの作品を生み出し、人気作家となった。多忙もあり家庭的にあまり恵まれたとはいえないようだ。
『オリバー・ツイスト』から、下層階級の生活の描写を除き去ると、物語の陰影が失われてしまうと感じる。そうか、あの迫真の表現は、少年時代のそういう経験をもとにして、文豪の成熟した人間観察から生み出されたものだったのか。たしかにあれは、名家の御曹司のたぐいまれなる才能と想像力だけでは書けないと思う。
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