電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

植木武『国際社会で活躍した日本人』を読む

2014年01月23日 06時02分45秒 | -ノンフィクション
過日、某図書館から借りてきた単行本で、植木武編著『国際社会で活躍した日本人・明治~昭和の13人のコスモポリタン』を読みました。平成21年に弘文堂から刊行された本で、13人の著者がそれぞれ一人一章を担当し、国際社会で活躍した日本人を簡潔に描いています。登場するのは次の13名。

第1章 楠本イネ 日本初の女性産科専門医
第2章 ラグーザ・玉 日本とイタリアの狭間に揺れた女流画家
第3章 新渡戸稲造 太平洋の橋となった教育者・平和主義者
第4章 津田梅子 女子教育に捧げた一生
第5章 小泉セツ 文豪ハーンの妻
第6章 鈴木大拙 日本の仏教を欧米に広めたパイオニア
第7章 青山ミツ ウィーンに咲いた小さく白い大和撫子
第8章 杉原千畝 6000人の命を救った外交官
第9章 澤田美喜 混血児の母として生きて
第10章 李方子 二つの祖国をもった王妃
第11章 田中路子 歌に生き恋に生きた歌姫
第12章 ハル・松方・ライシャワー 日米両国を駆け抜けた人生
第13章 ヨーコ・オノ 正直なる人生

楠本イネについては、吉村昭『ふぉん・しいほるとの娘』や村上もとかの漫画『JIN~仁』などで承知していましたし、新渡戸稲造や津田梅子については、教科書的な知識ながら、ある程度予備知識がありました。また、杉原千畝については、だいぶ前にお芝居と原作と評伝とを、観劇しかつ読み終えておりました。小泉セツについては、ぼんやりと、そういえばそんな話を聞いたことがある、という程度で、あとは皆目わからず、初めて読む・知ることばかりです。思わず「そうだったのか~」と感心したのは、ライシャワー大使とハル夫人の章ですが、最後のヨーコ・オノの章はいまだによくわかりません。



本書の特徴は、章末に「○○についてあなたはどう思うか」というような類の問いかけが用意されていることで、なんだか中学校の道徳の教科書みたいです。若い人向けのものとは思いますが、中高年にはいささか違和感があります。

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