電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

DVDで「腕におぼえあり」を観る(1)

2014年02月01日 06時05分13秒 | -藤沢周平
某図書館に行ったら、視聴覚資料の中に NHK-TV で放送された連続時代劇「腕におぼえあり」のDVDを見つけました。1巻に4話ずつ収録され、全三巻、計12話となっています。原作は何度も読んでおり(*1)、この番組も一部はBSの再放送で観ていますが、全部を通して観たことはありません。さっそく観始めましたが、1992年の放送当時はほぼパソコン三昧の生活で全くテレビを観ていない時期にあたり、この番組については全く記憶にありませんでした。でも、青江又八郎を演じる村上弘明や細谷源太夫役の渡辺徹が若いこと、吉蔵役の坂上二郎が実にはまり役であり、さらに祖母役の北林谷栄など、本当に懐かしく楽しい顔ぶれです。

第一巻の四話の構成は次のとおり。

第1回「用心棒稼業」
第2回「逃げる浪人」
第3回「赤穂浪士の影」
第4回「夜鷹斬り」

第1話で藩主毒殺の陰謀を立ち聞きしてしまった青江又八郎でしたが、相談をかけた許嫁・由亀の父親が実は陰謀に加担しており、帰り際に後ろから斬りかかられて咄嗟に反撃して斬ってしまいます。父親が斬られるシーンを目撃した娘の由亀が、婚約者の又八郎を信じつづけるばかりか、又八郎の祖母とともに青江家で暮らすようになる無理を、周囲から押し付けられる縁談から逃げるためにそうすることになる、という番組の脚本独自の想定で回避しているようです。

原作の藤沢周平著『用心棒日月抄』をもとに、ほぼ忠実にドラマ化し評判をとった時代劇シリーズは、その後のNHKの時代劇ドラマ制作に大きな影響を与えることになったのだそうな。

音楽が近藤等則で、後年「蝉しぐれ」の後に放送された「秘太刀馬の骨」と同じテイストで驚きました。むしろ、1992年の金曜時代劇でこのスタイルをすでに採用しており、後の「馬の骨」でも同じ藤沢作品という流れで、再び起用した、ということなのでしょう。

(*1):藤沢周平『用心棒日月抄』を読む~「電網郊外散歩道」2007年5月
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