電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

今年の冬は

2014年01月16日 06時03分46秒 | 季節と行事
12月に湿った雪がドカッと降り、今年は大雪になるのではないかと心配しましたが、今のところはそれほどでもなく、まずまずといったところです。特に正月の休み中には、日中の最高気温がプラスの日が続いたために、少し降っては融け、また少し降っては融け、という状態で、まとまった量の雪が降り積もるという状況ではありませんでした。



雪国とはいえ、当地は積雪量が少なめの地域ではあります。豪雪地帯にお住まいの方々のご苦労には申し訳ないことながら、この程度の積雪で済んでくれたら、これほどありがたい話はありません。しかしながら、そうは問屋が卸さないでしょう。冬本番はこれからです。日中も最高気温が零下となる真冬日が続く時期を迎えます。それでも日はだいぶ長くなり、近隣の河川にも湧水や融雪水が流れています。少しずつ春の兆しが見えつつあり、この小寒~大寒の時期をなんとかしのげば、あとは「いま少しの辛抱」という言葉を出せることでしょう。

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宮城谷昌光『『呉越春秋~湖底の城(4)』を読む

2014年01月15日 06時03分24秒 | -宮城谷昌光
 講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城(四)』を読みました。楚王に父と兄を殺された伍子胥が、楚の太子の子である勝を救い、呉で暮らしていますが、この巻では、公子光の信頼を得て呉王へのクーデターに協力する話です。

 冒頭は、伍子胥が斉に孫武を訪ね、公子光が呉の王になったときには、呉に来てほしいと頼みます。呉に戻ると、出師の際には補佐を頼みたいという、公子光からの依頼です。楚に攻め入り、見事な勝ちをおさめた公子光ですが、このことは公子光と呉王の間隙を大きくします。それは、呉王の王位継承権の順序に関わる、王位の正当性の問題が根底にあるのですから、根が深いです。

 さらに、暗殺未遂や諜報戦の応酬がありますが、呉王は人望のある季子を使節として外遊させている間に、公子光を殺害しようとします。公子光もまた、クーデターを決意した模様。伍子胥の策は公子光の危機を救うことができるのか? というのが大きなストーリーです。



 よくわからないのが、玄門の棺や黄金の楯などのエピソードです。多分、後から何か意味が出てくるのだと思いますが、今はまだ、何かしら思わせぶりなだけで、皆目意味不明。次巻はいつ頃になるのでしょうか。本巻は『小説現代』の2012年8月号から2013年7月号が初出となっていますので、おそらく2014年夏過ぎになるのでしょう。それまでストーリーを忘れないでいる自信は……まったくありません(^o^;)>poripori

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山形弦楽四重奏団第50回定期演奏会でハイドン、山田耕筰、ベートーヴェンを聴く

2014年01月14日 06時02分55秒 | -室内楽
真冬の連休の最終日、成人の日に、山形市の文翔館議場ホールにて、山形弦楽四重奏団第50回定期演奏会を聴きました。現在の山形弦楽四重奏団は、四人のメンバーがいずれも山形交響楽団の奏者で、オーケストラの仕事のかたわら室内楽の活動を続けている常設の弦楽四重奏団であり、こうした例は全国的にも珍しいものだそうです。年に四回の定期演奏会を開催して十三年目に入り、ついに今回は第50回目を迎えたという記念の演奏会。私はたしか第23回の佐藤敏直作品を取り上げたあたりから聴いているはずなので、半分くらいは聴いていることになります。当ブログの「室内楽」カテゴリーが突出して多いのも、このナマの演奏会の存在が大きいと感じます。

さて、夕食を済ませて会場に入ると、もうプレコンサートが始まっておりました。今回は、黒瀬美さんのヴァイオリンと田中知子さんのヴィオラで、シュターミッツの「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲Op.18の3?」だそうです。シュターミッツらしく、優雅でなかなかすてきな曲でした。
そしてプレトークはヴィオラの倉田譲さん。とくに、ベートーヴェンの「古典還り」という解釈の妥当性についての話が興味深かった。要するに、中~後期の重厚な曲を作曲した後に、再び古典派のハイドンやモーツァルトの作品を見直し、新たに取り入れて、自分の作風の変化を意図していたのではないか、という考え方です。「重厚長大こそベートーヴェンの本領で総決算」という見方からは、なおも変化しつづけようとしていたベートーヴェンという視点は生まれにくいものですが、そのように考えれば、なるほどと理解できます。

第1曲、ハイドンの弦楽四重奏曲ト長調 Op.54-1、いわゆる第1トスト四重奏曲の一つらしい。当方、この曲はCDも持たず、初体験です。第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ。活気ある明るい音楽。第2楽章:アレグレット。二つのヴァイオリンと、ヴィオラ・チェロとが、互いに対比したり合奏したりという趣向か。第3楽章:メヌエット。チェロが珍しくソロ的に活躍します。こういう例はあまり多くないのでは。第4楽章:フィナーレ、プレスト。軽やかで楽しいプレスト。最後もごく軽く終わります。ハイドンらしい晴れやかな音楽で、第50回目の演奏会のオープニングにふさわしい曲でした。

続いて第2曲めは、山田耕筰の弦楽四重奏曲第2番、ト長調。
単一楽章だけの曲です。アダージョ~アレグロ・モルト。ヴィオラとチェロから始まり、これにヴァイオリンが加わる形の出だしです。歌謡的な旋律が続き、なるほど山田耕筰らしい、フレッシュな佳曲でした。

ここで15分の休憩です。



後半は、第3曲目のベートーヴェン、弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調、Op.130 です。第1楽章:アダージョ・マ・ノン・トロッポ~アレグロ。ゆっくりと始まります。充実した響きです。この曲は、難曲だからというだけではなく、きっと奏者を没入させてしまうようなものがあるのでしょう。第2楽章:プレスト。暗めの色調で速いテンポの曲です。第3楽章:前の楽章と似た主題から、一転して田舎の散歩ふうな歩みに。途中、ピツィカートも。第4楽章:アレグロ・アッサイ。Alla Danza tedesca は、「~のように、舞曲」の意味らしいとはわかりますが、最後のがわかりませんでしたので、ネットで調べたら(*1)「ドイツの」という意味だそうな。すると、意味は「ドイツ舞曲風に」でしょうか。たしかに、ベートーヴェン風な味付けですが、軽やかな舞曲のような音楽です。第5楽章:カヴァティーナ:アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ。瞑想的というのか思索的というのか、とてもステキな緩徐楽章。酒飲みで不器用な中年男ベートーヴェンの優しさが伝わり、ごく静かに終わります。第6楽章:アレグロ。ここは「大フーガ」ではなく、改訂した方の終楽章を採用。なるほど、「古典還り」と言われるだけのことはあります。けれど、チェロの役割の大きさや、四人の奏者の緊密な集中の度合いは格別で、ハイドンの時代のおおらかな気分とは違います。やっぱりベートーヴェンの迫力はあり、充分に満足です。

アンコールは、山田耕筰の「赤とんぼ」を弦楽四重奏で。「15でねえやは嫁にいき~、お里の便りも絶え果てた~」、うーん、やっぱりいいですね~。

次回の第51回定期演奏会は、4月、担当:中島、とまでは決まっているそうですが、山形交響楽団のスケジュールが決まるまで、まだ日取りの確定はできないそうです。これはしかたがないでしょう。曲目はすでに決まっていて、山響の「アマデウスへの旅」完結年にちなみ、モーツァルトのハイドンセット全曲を二回に分けて全曲演奏する予定、とのことです。こちらも楽しみです。

議場ホールを出て、文翔館駐車場へ向かう途中の冬景色を見ながら、まだ高校生だった頃に、県民会館で巌本真理弦楽四重奏団の演奏会が開かれ、まさにベートーヴェンの弦楽四重奏曲が取り上げられていた(*2)ことを思い出してしまいました。あれから45年、同じ山形で、このような形で聴くことができることを、嬉しく感慨深く思います。

(*1):Tedesca 日本語・イタリア語 翻訳辞書
(*2):巌本真理弦楽四重奏団と山形~「電網郊外散歩道」2008年3月

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新庄市の雪の里情報館「松田甚次郎展」に行く

2014年01月13日 06時04分56秒 | 散歩外出ドライブ
真冬の連休の中日、新庄市の「雪の里情報館」で開催された「松田甚次郎展」に行きました。雪の里情報館というのは、旧雪害調査所のことで、松岡俊三が雪害を訴えたことにより、その対応の一つとして設置されたものです。今はトンガリ屋根の克雪建築をはじめ、シャルロット・ペリアンが指導した雪国の民芸品などを常設展示していますが、今回の新庄行きの目玉は、没後70年記念となる「松田甚次郎展」です。





松田甚次郎は、現在の新庄市鳥越の豪農の家に長男として生まれ、現在の村山市の楯岡農学校から盛岡高等農林学校の別科に進み、ここで宮澤賢治(*)に「小作人たれ」「演劇をやれ」と教えられて郷里に戻り、愚直に様々な実践を積み重ね、これをまとめた著書『土に叫ぶ』がベストセラーとなって、一躍全国的な知名度を得ます。飢饉と娘の身売りに象徴される東北の農村救済のために命を減らし、34歳で没します。



今回の展示の中で、音楽ファンとして野次馬的に興味深かったのが、松田甚次郎が著書『土に叫ぶ』の著者として印税を受け取っていないこと。かわりに、某書店から受け取ったのが、蓄音機とレコードだったそうな。もしかしたら、これがそれなのでしょうか?





当然ながらSPレコードですが、なんとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のヴィクター盤でした。「最上協働村塾創立拾年 昭和十六年九月八日 求む 松田甚次郎」と署名があります。





関連の展示の他に、詩人の近江正人氏の講演がありました。「地域づくりの先駆者・松田甚次郎先生の生涯~ふるさとへのメッセージ」と題する講演内容は詳細かつ的確なもので、たいへん有益なものでした。とくに、宮澤賢治自身の試みとは違う点として、農村の問題を考えていくためには婦人の問題を同時に考えていかなければならないとする視点を持っていたこと、住井すゑさんとの交流などもあったことなど、実践の広がりは驚くほどでした。

(*):岩手で宮沢賢治のことを考える~「電網郊外散歩道」2008年6月

さて、本日は、夕方から山形市の文翔館議場ホールにて、山形弦楽四重奏団の第50回定期演奏会の予定。雪に負けずに、出かけます。

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今年も健在~南極マーチン基地のライブカメラで観るペンギンたち

2014年01月12日 06時00分21秒 | アホ猫やんちゃ猫
今年も南極マーチン基地のペンギン・ウェブカム(*)は健在です。このサイトを発見したのは、たしか前世紀の終わりか今世紀のはじめ頃(^o^)/ だったと思いますが、北半球が冬になると南半球は夏のようで、ペンギンたちが寝そべったり活動したりします。北半球が夏の間は南半球は冬で、猛烈な吹雪が見えるだけでペンギンたちは姿を見せません。当地が雪に閉ざされる冬の間、せめてペンギンたちが元気な姿を観て、心を癒しましょう。

誰ですか、南極は暖かそうでいいなあ、などと言うのは!?



んー、アタシよアタシ。こう毎日寒くっちゃ、やってられないわ。どこかに夏への扉がないものかしら。南半球にワープする「どこでもドア」でもいいわ。

(*):Penguin Webcam - Antarctica ~南極マーチン基地のライブカメラ

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佐伯泰英『湯島の罠~居眠り磐音江戸双紙(44)』を読む

2014年01月11日 06時01分43秒 | -佐伯泰英
双葉文庫の12月新刊で、佐伯泰英著『湯島の罠~居眠り磐音江戸双紙』を読みました。人気シリーズの第44巻です。当シリーズでは悪役となっている田沼意次・意知父子が失脚するまであと少しですので、トリックスター役の佐野善左衛門がウロチョロするのはしかたがないのですが、どうもこの人に振り回されて、話がいかにもセコイ感じが漂います。

第1章:「霧子の復活」。小梅村の民家を回収した尚武館坂崎道場の改築の最中に、陸奥白河藩藩主の松平定信が訪ねて来ます。殿様剣法でない、王者の剣を示唆されて、坂崎磐音クンと師弟の関係に。策士の殿様にしては、えらくあっさりと決めちゃった感があり、展開早い!復活した霧子は、田沼意次の愛妾だったおすなの弟・五十次を発見し、追跡します。どうやら五十次は、佐野善左衛門のチョコマカ行動を追っているようで、なんとか暗殺を防止します。

第2章:「闇読売」。師匠の坂崎磐音が弟子の重富利次郎の将来について案じているところへ、土佐藩の山内豊雍は、父の重富百太郎の隠居の代わりに利次郎が兄とともに奉公する願い出を、飢饉を理由にやんわりと拒絶します。現代ならば、不況を理由に、新規雇用の余裕はない、と言うところでしょう。一方、世間では佐野善左衛門が刷らせた田沼父子告発の闇読売が撒かれます。佐野善左衛門が田沼に予定よりも早く口を封じられては大変(^o^;)です。そこで考えてうった手が、もう一種類の闇読売でした。このあたり、毒をもって毒を制する謀略戦の様相を呈しております。

第3章:「五十次の始末」。白河藩主・松平定信さんは、再び小梅村の坂崎道場を訪ね、ずいぶん剣術修行に熱心です。まあ、田沼時代の後を継ぐ中心人物だけに、なんとか主人公の物語に絡めるには、剣術修行が一番良いという判断なのでしょう。松平辰平クンは、坂崎道場の普請改築の完成記念に、ゆかりの藩の若手からなる剣術試合を企画します。ふーむ、これは反田沼の諸藩連合の布石と見ました。一方、五十次の命を救った弥助・霧子の忍びの師弟は、豊後関前藩の明和三丸の水夫として送り込みます。

第4章:「辰平失踪」。利次郎と霧子のカップルを、豊後関前藩は剣術師範として引き受けても良いと言います。将来の就職先として、思いがけない提案に喜んだものの、それでは田沼父子との戦いから離脱することになろうからと、二人はしばらく待ってほしいと要望。ふーむ、磐音クンは良い弟子を持ちました(^o^)/
ところが、剣術試合の発案者である辰平が行方不明になります。どうも、湯島天神から奉行所の同心一行に同行する形で、途中から消息不明になっているのです。久々に笹塚孫一の出番です。

第5章:「女牢の髷」。笹塚孫一と奉行の牧野成賢との会話は、いかにも古狸と大狸とのやりとりのようでいて、かなり有益なものでした。佐野善左衛門の行動に、なぜいちいちそこまで義理立てしなければならないのか、作者の都合だとはわかるのですが、登場人物の側の事情はよくわかりません。とにかく松平辰平救出作戦は決行され、戦いは始まりました。



木下一郎太と酒豪らしい菊乃さんとの間に、どうやらおめでたのようです。ただし、作者は幸せな夫婦を苦難に遭わせるという習性がありますので、うかつには喜べませんが(^o^)/

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宮城谷昌光『楚漢名臣列伝』を読む

2014年01月10日 06時05分00秒 | -宮城谷昌光
文藝春秋社の単行本で、宮城谷昌光著『楚漢名臣列伝』を読みました。項羽と劉邦を中心に語られることが多い、秦の崩壊後の時代を、彼らを支えた名臣たちを通して描くものです。

本書の構成は、次のとおり。

楚漢の時代
張良
笵増
陳余
章邯
簫何
田横
夏侯嬰
曹参
陳平
周勃

中国古代の歴史にはうといのですが、これまで宮城谷昌光作品を多く読んできているだけに、どこかで覚えのある名前が少なからず登場します。その意味では、吉村昭氏の医家ものに対する『日本医家伝』のように、ダイジェスト版のような性格の本なのかも。

ただし、項羽は乱暴で劉邦の粛清は陰惨です。どうも、この楚漢戦争の時代は、全体としてあまり好ましい色合いが見えません。作者も、長編を書くときには、たぶん気合が入る人物を選んでいるのでしょう。

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山形弦楽四重奏団の第50回定期演奏会が近づいて

2014年01月09日 06時05分09秒 | -室内楽
山形弦楽四重奏団(*1)の定期演奏会が近づき、様々なメディアに取り上げられています。1月4日(土)には、地元紙・山形新聞にも大きく取り上げられました。記事では、成人の日で休日となる13日(月)に、第50回の節目となる定期演奏会が開かれること、メンバーの紹介、日常の活動とともに、当日の曲目やチケットの入手方法などが紹介されています。かっこ内の表現は、記事中でメンバーの言葉として紹介されているものです。

1. ハイドン:弦楽四重奏曲作品54の1 (華やかな雰囲気に満ちた作品)
2. 山田耕筰:弦楽四重奏曲第2番
3. ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 (全6楽章構成で「思慮深く慈愛に満ちた音楽」by 茂木さん)

なるほど~。
13日(月) 18:30 開演。山形市の文翔館議場ホールにて、前売り1,500円。
取材も記事も、いつもながらたいへん丁寧なものでした。署名記事ではありませんが、どなたが記事を担当されたのか、興味深いところです。

当方、すでに準備万端ととのえて待っております。チケット良し、ガソリン給油良し、夕食も「華園」(*2)の店主に、当日の夕方は少し早めに営業開始してほしいとお願いし、了解してもらっております(^o^)/

(*1):山形弦楽四重奏団ブログ
(*2):文翔館の近くで食事処を見つける~「電網郊外散歩道」2013年10月
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バックアップしたデータとデジカメ画像CD-R等の整理を考える

2014年01月08日 06時04分34秒 | コンピュータ
コンピュータ機器は、やがて必ず壊れます。ソフトウェアは再インストールすれば済みますが、ずっと蓄積してきたデータが一瞬にしてパーになるのは、何としても避けたいところ。それには、とにかく定期的なバックアップが欠かせません。一番簡単なのは、外付けハードディスクにまるごとバックアップしてしまうことです。私の場合、過去のデータが機種名のフォルダにそのまま入っております。例えば現在の mydata というフォルダの中には、以前使っていたパソコンのハードディスクのデータフォルダがあり、さらにその中にはもっと古いパソコンのデータフォルダがあり、という具合に、入れ子構造で保存されています。そして、ポータブル型の外付けハードディスクに全体をバックアップ。ハードディスクの容量の増加によって、このような入れ子構造が可能になりました。ハードディスク・メーカーにとっては、熾烈な競争の時代だったかと思いますが、ユーザーにとっては、たいへんありがたいことです。

実際、再利用するデータは近年のものがほとんどで、太古のデータまで回帰することはごくまれです。おそらく、10年くらい前の同窓会(同期会)の住所データくらいなものでしょう。したがって、入れ子構造の奥底までたどることはまずありません。でも、まちがいなく過去のデータはありますので、安心感があります。

一方、デジタルカメラの画像データは、このような入れ子構造で保存するよりも、むしろ年次別に並列に整理されているほうがわかりやすいものです。そのため、ハードディスクに保存するとともに CD-R などに年次毎にバックアップを取っています。これがしだいにたまってくると、あちこちに置いて紛失するのは論外としても、プラケースに入れて保管するのでは棚の場所ふさぎです。そこで、一冊で48枚を収納できるセミA4サイズの CD/DVD ファイルに保管し、書棚に収めております。これだと、なんとかすっきりします。

この件、「コンピュータ」と「手帳文具書斎」と、どちらのカテゴリーに区分するか迷いましたが、まあバックアップの話だからと考え、「コンピュータ」に入れました。

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お小遣いを減らしてもなんとかやれそう~定年退職に関わる雑感(2)

2014年01月07日 06時04分51秒 | 散歩外出ドライブ
当方、定年退職後に再就職することができましたが、年金が停止しない程度の給料額にダウンしましたので、お小遣いも減りました。では、たいへん困っているかといえば、必ずしもそうではありません。一番の要因は通勤距離が半減したことで、ガソリン代が少なくなったのが大きいです。さらに宴会酒席も激減しましたので、交際費も減りました。

実質的なお小遣いの使途の面から言っても、CDショップのクラシック音楽の棚が縮小され、売れ残りばかりの無残な姿になってしまっていますので、店に寄ったついでに購入するという機会は減っています。書籍も同様で、雑誌等の定期購読がなくなり、ときおり単行本や文庫本を購入する程度です。文具店でボールペンやノート等を購入して便利に使うなど、購入単価が下がっている影響も大きいのでしょう。また、スマートフォン(スマホ)はまだ導入しておりませんで、PHS で家族や職場に連絡するかメールぐらいですので、月々の通信費も小額です。

読者の中には、これから定年退職を迎える方、定年後の生活に不安を持つ方々も少なくないことと思います。私の場合も、純粋に年金だけでは生活できないのが現実であり、ある程度の収入の道があって良かったと感じます。そのベースがあれば、あとは割り切り方で、なんとかやれそうなのがありがたいと感じています。

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NHK-FMで「名演奏ライブラリ~オーケストラ界の巨匠ジョージ・セル」を聴く

2014年01月06日 06時03分28秒 | -オーケストラ
新年最初の日曜日、NHK-FMの「名演奏ライブラリー」を聴きました。聴く方はパソコンの「らじるらじる」で、USB-オーディオプロセッサを経由し古いミニコンポに接続した、簡便な PC-Audio です。



今回は、「オーケストラ界の巨匠ジョージ・セル」と題して、シューマンとブラームスの交響曲を中心にしたプログラムです。

1. ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
2. シューマン 交響曲第1番「春」
3. モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
   エリカ・モリーニ(Vn)、フランス国立放送管弦楽団
4. ブラームス 交響曲第2番
5. ビゼー 「アルルの女」組曲第1番より「アダージェット」

この中では、三曲目の、エリカ・モリーニとのヴァイオリン協奏曲を、モノラル録音のようではありますが、注目しておりました。どうやら、フランス国立放送管弦楽団が初めて参加した1959年のザルツブルグ音楽祭のライブ録音らしいです。当方は、ステレオによるスタジオ正規録音を中心に好んで聴いておりますが、ロンドン響、ベルリンフィル、ウィーンフィル、アムステルダム・コンセルトヘボウ管などとの共演は聴いたことがあっても、フランス国立放送管との組み合わせは初めてで、たいへん興味深く聴きました。

それにしても、ワーグナーといい、シューマン、ブラームスといい、ビゼーもまた、ほんとに良い演奏だなあ! 良質の音楽を聴いた、という満足感が残ります。今回は、プロコフィエフやコダーイ、ヒンデミットといった曲目の演奏は紹介されませんでしたが、精緻で清潔な音楽の一面がよく紹介されていたと思いました。

実は、新しい方のミニコンポでMDにタイマー録音もしておりましたので、ただいまこれを再生・確認しながら書いております。

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後生大事にかかえている資料が多いが~定年退職に関わる雑感

2014年01月05日 06時03分08秒 | 手帳文具書斎
紙に書かれたものは大事にする習性があるらしく、後生大事にかかえている資料がけっこうたくさんあります。この中の相当の部分は、かつて必要性があったという理由で保管しているものですが、もはや必要性のなくなったものでしょう。定年退職とともに、思い切って捨てるつもりでいましたが、なかなか全部を捨てる決心はつかず、かといって一つ一つ吟味する時間も持てずに来てしまっています。

昔の、ほとんど意味はなくなっている資料が、なぜか捨てられない。学生時代のノートや教科書まで取ってあるのですから、場所塞ぎでしょうがない。おそらく、これらを一つ一つ諦め納得しながら捨てていった時に、本当のリタイアが待っているのでしょう。

写真は、ずいぶん利用したコンピュータ関係の参考書籍類。これも、ある本などは初版から改訂第四版までそろっていたりするのですから、さすがにそこまでは不要でしょう(^o^;)>poripori


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犬塚孝明『密航留学生たちの明治維新』等を読んでいます

2014年01月04日 06時02分55秒 | -ノンフィクション
先月から、犬塚孝明著『密航留学生たちの明治維新』(NHKブックス)という本を読んでいます。「井上馨と幕末藩士」という副題を持つ268ページの本ですが、これが実に興味深く、近年の関心の方向(*1)に合う内容を持つ著作でした。図書館でたまたま手にしたものですが、すでに絶版になっているらしく、こういう本が入手できない出版界の現状を嘆きながら、コピーではなく、せっせとノートに摘要を書き留めております。



もう一つ、書棚の最上段に保存していた年代物の雑誌、共立出版社『科学の実験』の1978年~79年頃のものに科学史関係の連載記事があり、この中でも当時の英国の化学の状況がかなり詳細に記されています。



(*1):幕末の長州五人組は英国で何を学ぼうとしていたのか~「電網郊外散歩道」2012年3月

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各種ポケットメモについて

2014年01月03日 06時04分05秒 | 手帳文具書斎
近年になって、各種のポケットメモを使うようになりました。きっかけは、コンビニでトイレ休憩の際に購入(*1)した、コクヨ製のリング・メモで、この紙質が意外にも良好だったために、他のメモ製品にも目を向けるようになったものです。

(1) セブンイレブンのリングメモ(コクヨ製、5mm方眼)
  50枚。ハードカバーで机上のディスプレイ周りに立てかけておける。
(2) コクヨのカラーメモ(無地)
  用紙が色つきなので、目につきやすい。紙質は普通。
(3) マルマンのメモパッド(7mm罫,*2)
  A6判、100枚。用紙が良好で万年筆にも適する。方眼罫もあり。
(4) ミドリのダイヤ・メモ
  40枚。紙質が良好で、万年筆にも適する。定番の製品。
  新しい紙面を開いて立てかけておけるのが良い。

鉛筆やボールペンではもちろんですが、いずれも万年筆を使っている時でもすぐ手に取って同じペンで使うことができるため、重宝しています。メモをして、ちぎって該当の人に渡す。口頭での連絡よりもずっと正確・確実です。メール等による電子的な伝言も便利には違いないのですが、目の前に居る人にわざわざメールする必要はありません。電話の内容をメモするのは、紙の方が圧倒的に便利です。

(*1):トイレ休憩時のお買い物~メモ帳とカラー付箋~「電網郊外散歩道」2012年9月
(*2):マルマンのメモパッドは万年筆にも適する~「電網郊外散歩道」2013年4月
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遠藤真理「サリー・ガーデン~チェロ・フェイヴァリッツ」を聴く

2014年01月02日 06時03分43秒 | -室内楽
山形交響楽団の第233回定期演奏会でマルティヌーのチェロ協奏曲を聴いた日に、会場で購入したCDを、ここしばらく、ずっと聴いておりました。当日のソリスト、遠藤真理さんのチェロ愛奏曲集「サリー・ガーデン~チェロ・フェイヴァリッツ」です。AVEX AVCL-25369 という型番のものです。

収録された曲目は、

1. サリー・ガーデン (アイルランド民謡、無伴奏チェロ版)
2. J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番(6曲)
3. ドヴォルザーク 「森の静けさ」
4. フォーレ 「夢のあとに」
5. サン=サーンス 「白鳥」
6. ショパン 「ノクターン 第2番」
7. R.シューマン 「アダージョとアレグロ」
8. ラフマニノフ 「ヴォカリーズ」
9. 「アメイジング・グレイス」(無伴奏チェロ版)

というもので、3.から8.までは、ダイアナ・ケトラーさんの見事なピアノ伴奏つきです。

 第1曲目、無伴奏チェロによる「サリー・ガーデン」は、アイルランド民謡を編曲したというだけあり、バグパイプを模したと思われる響きを盛り込むなど、たいへん印象的な曲です。
 第2曲目、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第1番は、過去の大家たちの、重々しく堂々たる演奏とは異なり、軽やかさやリズミカルな要素を志向しつつ、チェロらしい伸びやかさでよく歌う音楽となっていると感じます。
 バッハの6曲を一つと数えれば第3曲目、ドヴォルザークの「森の静けさ」は、題名どおり静けさを感じさせる曲です。強く主張する性格の曲ではないだけに、つい聞き流してしまいそうですが、良く聴くと実にニュアンスに富んだ音楽になっています。
 第4曲目、「夢のあとに」。せつないメロディはチェロにぴったりで、ピアノ伴奏がまた素晴らしい。思わずこの曲をLPで繰り返し聴いていた若い時代を思い出してしまいます(^o^;)>poripori
 第7曲目、シューマンの「アダージョとアレグロ」。私にはこの曲が一番のお気に入りでしょうか。チェロが素晴らしく、またピアノも素晴らしい!激しすぎないけれども力強さも持った音楽になっています。遠藤さんが、このピアニストとの共演を望んだ理由がわかるような気がします。
 サン=サーンス「白鳥」やラフマニノフ「ヴォカリーズ」等は、言わずと知れたチェロの定番でしょうが、第9曲、無伴奏の「アメイジング・グレイス」は、意外なほど説得力のある音楽でした。やっぱり曲の力もあるのでしょう。

 録音は2007年の10月で、軽井沢の大賀ホールとクレジットされています。音はたいへん自然なもので、明瞭で聞きやすいです。たっぷりとチェロの音色を堪能し、満足できた一枚でした。



 一つだけ不満を言えば、CDケース裏面に表記されたトラック番号が黒地に白抜きで印刷されているため、全部が真っ黒の■に見えてしまい、数字が判読できません。これは多分、デザイナーが大きな画面サイズのディスプレイ上でのみ作業をしているからでしょう。実用上、大いに問題ありだと思います。老眼の中高年世代だけでなく、視力にハンディキャップをかかえた若い世代でも読めるような、ユニヴァーサル・デザインを心がけていただきたい、と要望します。

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