雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

服部吉伸語録 雑感

2013-01-24 05:49:17 | 発想$感想

 ★服部吉伸さんとは、今から20年以上も前に、服部さんの書かれた 『これからの流通業』 という本で出会った。

私がカワサキの国内の販売会社グループを担当していた時期である。  

二輪やジェットスキーを売る販売会社グループを総括していたが、販売それ自体よりは、国内グループのユーザーも含めたトータルシステムをどう創るかに専念していた。

遊んでいても自然に売れる総合的な仕組みを創る方が早いと『ソフト会社』ケイ・スポーツ・システムを創って、レースや遊びや、ユーザー対策としての教習所やサーキットを作ったり、ユーザークラブKAZEや、お客様相談室の充実など、『カワサキのイメージの高質化』ばかりに専念していたのである。

結果は、ゼファーやジェットスキーの商品が一番充実していた時期でもあり、カワサキの国内市場で最高の7万台が自然に売れたりした。

流通対策としては業界の一歩先を走っていた。そんな時代であった。

 

そんなとき出会った『これからの流通業』に書かれてある内容は、その殆ど同じ発想で同じようなことを既に、自分がしていたのだが、

その書かれている文章が、非常に的確で、一度お会いしたいと調べてご自宅に電話をしてお会いしたのである。

服部さんも、ご自身が書かれている『これからの流通業』の発想を既にやっているところがあることに興味を持たれて、いろんな関係が出来たり、当時服部さんが教えておられた中小企業大学校での授業のお手伝いなどもさせて頂いたりしたのである。

 

 

 

★その後服部さんは母校立命館大学の教授などをされていたが、

昨年、突然Facebook でまた再会して、『オトモダチ』になっている。この分野では私の方が一歩先を行っていて、FBのトモダチ紹介などいろいろお手伝いをしているのである。

その服部吉伸さんがFacebook で 、服部語録などをスタートされて、今 NO. 9 まで来ているのでご紹介してみたい。

『服部吉伸の人生&経営語録』と私が最初に出会った流通の分野からさらに『人生』という大きな枠で捉えられている。

 

服部吉伸の人生&経営語録
 

この世の中に、問題は2種類しかない。一つは原因のある「要因系の課題」、もう一つは原因のない「創造系の課題」である。
ソリューションの方法は、問題・課題別に準備された手法を用いることである。

●「要因系の課題」はQCストリーを覚え、活用すれば解決できる。基本的には、この1パターンで通用する。
原因を掴まずに立てた対策をトンチンカンという。売れない←がんばれではどうしようもない

●「創造系の課題」は、理由はあるが原因のない課題・問題を指している。ビジョン、ドメイン、経営戦略、商品開発、事業開発、イベントへの集客対策などが該当する。
 創造系の課題の解決には「気づき」が重要となる。「気づきの手法」を使って分析したり、構想したりすることがポイントである。
 頭で考えているだけで課題・問題は解決しない。人類はそこまで優れた頭脳を与えられていない。

●能力を開発する以外に人生を切り拓く方法はない。
 

勤続30年、経験ゼロ。経験は勤続年数ではない。
経験とは、「仕事のツボ・コツ・ノウハウ・勘所を押さえて習得し、かつそれを後進に教えることを指している」。
 教え・伝えてこそ、仕事のツボ・コツ・ノウハウ・勘所を押さえているかがわかるのである。
 

●知っている・分かっているはつもりであって能力ではない。今、現にできている仕事レベルが能力である。この意味の分かる人は真摯さをもっている。仕事のレベルを上げるために正しい<解>を短時間に出せるようにしなければならない。そのためには要因系の課題、創造系の課題の課題のソリューション方法を知らなければならない。そしてそれを活用しなければならない。

●教育は最高・最大の福祉である!
 

●好きなことを学んで、好きな職業に就くという 「好学・好職」が重要だ。
好きなら苦にならない。好きなら喜んで学習をする。好きなら大きく伸びることができる。

日本は18歳の時の学力で人生がかなり決まる。しかし、それは官庁の話であり、民間企業では勉強ではなく、仕事ができる人間が報われる。このことを信じて働こう。

 

 

★ 確かにいい言葉が並んではいるのだが、流通に絞られていた範囲が、人生まで枠が広がって、言葉に迫力がなくなってしまったような感じがする。

学問的なのかも知れぬが、私は昔の服部さんの言葉の方が好きである。

本から抜き書きしてノートに自筆で書いて持っていたのである。

そんなことまで私にさせたそんな迫力があった。

 

 

 

『これからの流通業』服部吉伸著
もう20年も前の私の現役時代の本だが、その中の文章から拾った言葉の幾つかである。
表現が非常に的確で、今でも間違いなく通用すると思っている。


流通業とは「自分の仮説の正当性を問うビジネスである。」
消費者の変化の本質を掴み、変化をどう自己の対策に置き換えるかと言うことが問われている。

仕組みを造るのは、非常に高度な仕事である。仕組みを造らずに放たらかしの形にして、創意工夫してやりなさいというのは酷である。損なやり方である。

システムとは手続き通りに仕事を進めてゆけば、意図した目的が実現できる仕組みでなければならない。現在のシステムは単なるデーターのアウトプット体系に過ぎない。

システムによって組織が変わる。やがて販売最前線が力をつければ、現在の多段階の企業組織は短縮化ないしは簡素化される。極端に言えば二段階妥協しても三段階に簡素化すべきである。

何が企業を変革するのか。それは企業コンセプトである。
企業コンセプトを見直し再提起しなければ第二次創業とはならない。
従って企業コンセプトは方針戦略より上位の概念である。

カウンタービジネスは新業態を生む可能性が強い。売り場をなくすという発想を前提にすれば多くのことが変革されるはずである。
無在庫経営、このことは無在庫経営ノウハウとシステムの裏づけが必要とされる。やがて小売店から売り場がなくなりカウンター化される時代が来ることを予言しておこう。

イトーヨーカ堂の業革の特徴は「トップが身をのりだして」「組織をあげて」『社運をかけて」「思想価値観を統一して」「目的を明確にして」「方法論を確立し」「予算措置を講じ」「徹底して実行する」という常識と定石の徹底が「良識を生む」のである。

意識改革のできるのは、一部の極めて優秀な人に限られ指導者の能力の一つである。意識改革を行えと言うだけでは、マジョリテイに対する意識改革は出来ない。
マジョリテイに対する意識改革、それは仕事のやり方を変化させることである。
そして成功が意識改革の元である。

通用する発想とは正しく現状を捉え説得力があり、やがて多くの人の賛同を得られる考え方を指している。
ここでやがてという言葉を使っているのは、正しい考え方が最初から多数派である筈がないからである。

リストラの基本の部分に人の尊重という考え方がなければそこに働く人の心を動かし大きな改革を成し遂げることは出来ないと断言しておこう。

『世の中には原因のある問題と原因のない問題の二つがある。
原因のある問題は、原因の追究、把握、対策と言う思考ステップで課題を解決する。原因のある問題の解決に必要な能力は創造力と呼ばない。
創造力の源泉はアイデアであり思考ステップの特徴は「絞り込んで考え続けるというところにある。』

流通業には常識のウソが多い。

これからの小売業、如何に組織が大きくても如何に図体が大きくても、お店を幾つもっても、すべからく専門店でなければならない。既に小売店の変化の方向は明確になっているのだ。

顧客の組織化にはデーターベースを活用した新しいマーケッテングを展開することが重要である。データーベースを構築するにあたってはどのようなマーケッテングを展開したいか明確になっていないと前に進まない。自分のしたいことを明確にする必要がある。

人が自分の価値を発揮できる状態を造りださない限り、人はコストにしか見えないだろう。人はコストではなく」価値創造者である。

いわゆる営業マンは要らなくなる。商売の内容が大きく変化してくる。これはコンサルテーションの部分が大きくなることを示す。

企業の文化が問われている。そしてどのような思想、考え方、価値観を持った企業なのかが問われている。「うちは慈善事業をやっているのではない』と言えば、そのような企業でしかないということだ。『利益に文化の香りがする』そんな企業になって貰いたい。

卸売業を営む一つの企業としてのリテールサポートが問われる時代になったのである。実に多くの卸売業が小売業に進出している。自分で小売業を営める能力を持つことがリテールサポートの原点である。

卸売業に物流とはシステムであるという認識が希薄である。物流問題は企業として解決すべきものであり、企業規模の大小ではなくトップの先見性と経営の熱意によってきまるのである。物流のシステム化の克服が多くの卸売業の将来を左右するだろう。

 

★ 服部さん、20年前に書かれたこんな言葉にどのような感想をお持ちだろうか?

私は、20年間ずっと自分のすぐ横に置いてきた。

私にとっては20年経った今でも、こちらの旧い言葉の方が好きなのである。

 

 

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コメント (4)
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