関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

総括質問全文2(市長答弁)

2009年03月06日 | 市政全般
 ご所見、お考えはお考えとして、承らしていただくような形で、見解が違うこともありますが。準備している原稿に従って答弁します。
 経済的困難については、先ほどから申し上げておりますように、大変私も厳しいものがある、
市民の皆さんも大変生活に苦慮している方がおられるのではないかというふうなことで、私も議員仰せの通り、前から申し上げているとおり、去年の暮れから年頭にかけて大変心苦しく思っております。
 有効求人倍率、因みに数字だけ申し上げますと、昨年12月0.67までおちこみまして、また、社会保険から国民健康保険への移動なども昨年末から近年に無い大幅な動きを示しており、こうした移動がすべて利殖を原因とするものとは言えないとおもいますけども、大変厳しいという具体的な数字かと思います。
 これも申し上げた通り1月7日にそういうことも受けて、緊急経済対策本部を設置して、現下の経済・雇用情勢への対応を図って参りますし、その対応は、芳賀議員、岡村議員にもいくつか申し上げておりますけども、可能な限り対応は致して参った積もりであります。
 総合相談や生活保護相談、或いは社会福祉協議会のふれあい相談などの生活相談において今のところ、それぞれ窓口を開いておりますので、職を失った方に対する失業給付とか、さまざまな面での対応も可能と思いますので、引き続き対応を色々ご相談をしていただきたいと思います。同時に、この制度は、何も地方自治体の責任ではありませんので、実態に状況については、その都度、県に対しては、庄内市長を通し、まとまった時点では国に対しても状況については、国会議員並びにいろんな立場の方から理解してもらうように、政府にも要望は重ねていきたいと思っています。
 ただ最近の傾向として、生活保護相談では一般的に困窮の要因とされる高級生涯疾病といった、今回のこととは直接関係が薄いのではないかという方々も相当増えております。
 特に40代、50代の方々からもそういうご相談もありますので、所得の問題は、この度の経済不況の問題に関わらず、これも時代の大きな問題として取り上げなければならないということで、これは一つのテーマとして、時代の推移の中で心を痛めるべき重要な課題としてこれからも取り組んで参りたい。
 実態を調べろと言うことでありますが、緊急の生活事情のものは、実態を掌握するなどと時間のかかるような話ではありませんので、まずとにかく、対策本部を設けておりますから、それから、民生委員、児童委員の方もおりますので、そういう方々の具体的な行動で対応していただくということが現実的ではないか。
 もちろん実態の把握は、先ほどから申し上げておりますように、もっと構造的な形で、どういう方法で何を調べるかも含めて、検討しなければならないということで、今すぐ調査に入ると言うことではございあせんので、そうした点は又別に、現実の対応として、相談の窓口しっかり対応するように今後とも督励をして参りたい。
 その辺は、ごちゃごちゃしないようにしっかり対応していきたいと思っておりますので、その点はご理解いただけるものと思います。

 次に、雇用・経済対策についてのご質問についてでありますが、ご承知のとおり、非正規雇用につきましては、以前からパート、アルバイトという形での働き方が定着しておりました。しかし、社会情勢の変化などによりまして、いわゆる請負の形態から労働者派遣に切り替える事業所が増加したことによりまして、非正規雇用の中でも特に派遣労働者の増加が目立つようになってきたものと認識しておリまして、労働者派遣事業の平成19年度事業報告の集計結果によりますと、派遣労働者数が全国で381万人になったとされております。
 この労働者派遣事業につきましては、同一業務での派遣受け入れ
最大3年までとする期間制限への違反、そのほか適用除外業務への派遣などの法違反が見られるようになりまして、そのため国では、労働者派遣事業に関わる法改正を行うこととしまして、昨年11月に改正案を国会へ提出したところであります。
 この改正案が成立した場合は、派遣労働者の保護や、常用雇用の代替防止の面で改善が図られるものではないかと私は考えておりますが、ただご承知のように、世界同時不況の中で、わが国においても輸出産業を中心として、多くの派遣労働者や期間工が離職を余儀なくされておりまして、先月末の厚生労働省の発表によりますと、昨年10月から今年3月までの間に約15万8千人の非正規労働者が職を失う見込みだというような厳しい話でありまして、国では昨年の11月に緊急雇用対策本部を設置して、非正規労働者につい
ても、雇用調整助成金等に関する特例措置などの雇用維持対策を実施するとと共に、派遣契約の中途解除に対する指導の強化や、解雇・雇止めな嶺働条件問題への適切な対応についても徹底するといっているようであります。これは是非そのようにしてもらわねばならないと思います。
 また市といたしましても、このような厳しい情勢のもとで、職を失われている方々には一日も早く新しい就業先を見つけていただいて、安定した生活を実現されるようねがっておりまして、そのためにいろいろな努力をしております。
 現在、ハローワーク鶴岡や労働基準監督署にお願いしながら、一般職業紹介業務や監督業務を通じて、雇用情勢への対応に努力をしていただいております。
 こういった国の関係機関には、今後とも引き続き各種支援の実施や、適切な制度運営を期待致すと共に、市としてもできる限りの協力をしなければならないと思っております。
 また、地域企業におかれましては、雇用調整助成金等の制度を活用されるなど、雇用の維持に努めておられますが、市でも庄内総合支庁などと連携しながら企業訪問を実施しまして、業況の聴き取りとともに雇用確保の要請を行っておりますし、今後とも引き続き、雇用対策へのご理解とご協力をお願いしてまいりたいと考えております。
 その他色々なこともあろうと思いますが、考えられることについては色々なご提案もいただき、国・県都も協議しながらその強化を図っていかなければならないと思いますが。なお今後とも色々とご指導賜りますようにお願い致します。

 それから、住宅産業向けの事業についてのご提案もありますが、そのことにつきましては、当面、雇用、経済対策
 次に、住宅産業向け甲事業については、当面する雇用、経済対策事業の計画はございませんけども、地域産材を活用した木造住宅の振興ということは、林業、木材業、住宅建設業など産業の活性化に大きく寄与するものと思われますすので、現在取り組んでいる住宅の耐震化の促進を始め住宅の新築、
改修、リフォームに利用できる各種の支援制度の周知、PRと地域産材を活用した木造住宅の普及推進をおこなって、雇用創出と地域経済の活性化にこれまで同様以上に継続して取り組んでいかなければならないと思っております。
 また、林業における雇用、・経済対策にきましては、国の平成20年度の二次補正予算に含まれている「ふるさと雇用再生特別交付金・緊急雇用創出事業」を活用して、松くい虫防除事業の防除対象区域から外れた箇所の被害木で、景観を損ねたり、倒木の危険のある枯木の伐採処理の委託、間伐の施業の団地化、作業道の開設等を進める区域での山林の所有境界の調査業務の委託などによりまして、雇用を創出して、喫緊の課題に対応していく考えであり、現在準備の作業を進めているところであります。

次に介護保険のお尋ねでありますが、介護保険制度がスタートしてから、サービス提供基盤の整備が進みまして、在宅サービスを中心に利用者数が大幅に増加しており、老後の安心を支える仕組みとして、介護保険制度は着実に定着してきたというふうに思います。
 一方で、サービス利用の大幅な伸びに伴いまして、費用も急速に増大しており、まして、その上、2015年(平成27年)には、団塊の世代が高齢者の仲間入りをし、その10年後の2025年には、高齢者人口がビークを迎えると見込まれるので、制度の持続性を確保しながら、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送るための施策を実施することが求められております。
 このような課題を踏まえ、予防型システムを柱とする制度の大幅な改正が平成18年度に行われまして、本市におきましても、介護予防事業のほか、総合相談や権利擁護事業などに取り組んできたところであり、とくに高齢者を支援するためのケア体制整備は、高齢者が安心して暮らしていくために必要な施策と考えております。
 介護保険制度は、拠出と給付の関係を明確にするために社会保険方式を採用しながら、被保険者の保険料負担が過大なものとならないよう、公費で給付費の50%を賄うこととしておりまして、保険料については現役世代を含めた40歳以上の方から負担していただく仕組みとなっております。また、今般は、介護報酬改定に伴う保険料負担の軽減策として、臨時特例交付金が国から財政措置され、平成21年度と22年度の保険料負担の軽減がなされますけども、これは、このたびの報酬改定に限る臨時的な措置であると認識をしております。
 ところで、お話がありました通りと思いますが、制度に閲し課題があれば福祉の現場にいる自治体として国に改善を求めていくことは当然であり、本市としては、これまでも全国市長会における意見具申はもちろんのこと、県内の主な市町村で構成する山形県高齢者介護研究会においても、国に対し
て要望をし、また意見交換などを積極的に行ってきたところであります。今後ともそれは当然継続しなければならないと思っております。
 次に、市独自の施策、あるいは独自の考え方でということでありますが、はじめに例えば施設を例にしてお話申し上げると、これまでもー定の整備は進めたところでありますし、次期計画では、地域に密着した施設整備を意識しながら、小規模型特別養護老人ホーム、老人保健施設、小規模多機能型居宅介護など、第3期計画から約4割増しの整備を計画しているところであります。計画策定に際しましてもそうですが、今後も鶴岡市としての考え方をもって施設整備計画を具現化していきたいと考えております。
 また、在宅サービスについては、要介護に至らないよう日常生活を支援する在宅生活支援家事援助サービス、高齢者と介護家族者を支援する認知症高齢者見守リサービスといった、本市独自のサービスを、地域を広げながら実施しているところであります。
 今後とも、高齢者の状態や環境に応じた真に必要なサービスは確保していきたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと存じます。
 そのようなことで取り組まさせていただきたいと思います。

 次に子育て支援についてのおたずねで有りますが、保育所の保育料の改正につきましては、合併協定において合併協定書に明記されておりますように、当面は住所地により算定することとし、5年以内に新たな保育料を検討し、段階的に調整するとなっておりましたことから、その合意に基づいて改正をおこなった。
 保育料の調整にあたりましては一昨年10月に児童福祉審議会に諮問致しまして、昨年6月に答申を頂いた。委員さんからはこの間、地域ごとに異なる保育料の現状分析、費用対効果、他都市の状況などいろんな角度から誠心誠意ご検討頂きまして、利用者間の負担の公正性、適正化を図るため、
地域ごとに異なっている保育料については新市として統一した保育料にすべきとして、新たな保育料を提案していただいた者で、新保育料については現行の全市の平均保育料を維持しつつ、H21年度から段階的に改正を進めて、H24年度で統一する旨の答申を頂いた。
 答申を尊重しまして、各地域の保護者に対して丁寧なご説明をおこなってご意見を頂いているところでありますが、大方の保護者からはご理解を頂いたと聞いており、鶴岡市保育所費用徴収規則を昨年9月に改正して、21年度の保育所入所受付も新保育料で募集をおこなった。
議員さんからは「保育料が高くなった」とのご指摘でありますが、旧保育料については年齢別、階層などにおいて、地域間で相当の乖離があったことから、一部の地域、階層に於いては保育料が高くなったところもありますが、答申を頂いた直前の昨年5月現在の入所児童で比較しますと、国基準に対する徴収率の比較では、78.23%から77.56%で、平均保育料では22156円から21966円となり、いずれもわずかですが下がっており、全体的には値上げにはなっておらないので、その点はご理解いただけないかと思います。
 また児童館の使用料につきましても、審議会からの答申を尊重して、使用料が変更されますけども、保育料と同じ負担の適正化を図るために、保育料と同じように保護者の経済力に応じた使用料としたところであります。
いずれに致しましてもこの度の保育料の改正は、値上げのためにおこなってものではなく、あくまでも保護者の公平性の観点から統一したものでありますので、ご理解をお願いしたいと思います。

 それから、合併調整についてでありますが、合併協議会において協議会の専門小委員会も合わせて97回に及ぶ真剣な議論を加えた上で、色々な調整の方向性について合意を頂いて調整を進めた訳であります
 その後の調整にあたりましては、協議会の合意の方向性を尊重することを基本にして、同じ市民として受益と負担の公平化、適正化、大方の市民の合意と各地域への配慮、金品交付から市民活動の環境作りと、4つの基本的考え方をもって調整してきたところであり、その結果は、議員のご質問にあったような、「調整の大きなものは負担は高く、サービスは低く」ということは必ずしも当てはまるものではないと思います。
 いくつかの例を申し上げますと、水道料金のように大方の地域の負担軽減を図ったものもありますし、各地域の特色のある農林水産物の振興、産地形成の支援、克雪対策のような地域固有の課題克服のための支援は従来の通り継続することにしております。
 また、保健師による高齢者の健康対策事業、妊産婦から乳幼児に至るまでの各種健診、相談、医療費支援など子育て関係事業、不登校や発達障害児等にきめ細かく対応するための学校教育支援員相談員、スクールカウンセラーの配置、
の全市適用など、今後の市民生活にとって根幹をなす重要な施策・サービスは、その充実・拡大を図っているものも多数有ります。
 人口減少、少子高齢化などの社会的要因や国の制度改革などにより、負担増とならざるを得なかったものもありますが、個々の具体的な調整にあたっては、年度を追って段階的に統一するといった
激変緩和措置を講じたものもあり、住民負担への配慮には十分注意しながら慎重に検討をおこなった。
また調整項目すべてを最高水準に、住民負担軽減や、サービス拡大をおこなうことは、国・地方を通じて厳しい財政事情を踏まえれば、現実的ではございません。
 合併に伴って、同じ市民としての公平さを確保する観点からおこなわざるを得ないということで進めて参りました。そもそも合併の本質的な意味は、社会経済情勢の大きな変革期にあって、すべての市民等しく安心して健康でいきいきと生活をできるようにということで取り組んだ訳でありますので、これまでもろもろのことは更に検討させていただきますけども、これらの措置について大方のご意向を踏まえての措置でありますので、ご理解を頂けますようお願い致します。
 いずれにしましても、これまでの状況、今後合併をしなかった町村が、これからの財政事情の中でどんな厳しい状況になるかも踏まえて、私どもの合併は決しておかしなものではなかったというふうなことは、後々実証できるものと思っておりますし、それに対応できるように各地区の町村単位での活性化についても特段の配慮をしていきたいということは先程来申し上げている通り。
 それから国の構造改革につきましては、これはも議員の後所見はご所見として、承る他ございませんので、私どもも時代の推移の中で、更に十分な検討を通じて、県の制度政策と調整しながら、精一杯の努力をしてきた訳でありますし、今後の対応として、先程来申し上げております通り、更に実情の掌握をしながら対策を講じて参りたい。議員のご意見はご意見として承っておきます。


総括質問全文1

2009年03月06日 | 市政全般

 総括質問の全文を掲載します。一昨日の質問終了後、議会事務局が録っているカセットテープを借りて、原稿を起こしました。
 殆どの方は昨日の要約で事足りると思いますが、一応、正確なところをお知らせしておきます。

日本共産党市議団を代表して、提案された議案に総括的に質問します。
 昨年秋から始まった、日本経済の急激な悪化のもとで、本市経済と市民生活も極めて厳しい状況におかれています。
 この景気悪化の要因は、第一に労働法制の規制緩和で非正規労働者が急増し、大企業が今、その方々を使い捨てにしようとしていること、第二にアメリカを中心とする極端な外需だのみの脆弱な経済がつくられてきたこと、第三に、金融危機がストレートに実態経済を揺らがせるような構造になってしまっていることにあります。
 それはすなわち、この間の構造改革の政治がもたらしたものであり、景気悪化は、政治災害であり、人災と言わなければなりません。
 アメリカ言いなり、大企業本位の政治から、国民本位暮らし優先の政治への根本的転換がいよいよ求められている訳ですが、旧来の破綻した路線にしがみついたままの09年度政府予算案では、解決の展望は見えてこないのであります。
 こうしたもとで、本市H21年度事業は、経済悪化の中で雇用・経済振興に知恵と力を尽くすことが求められています。
 また、21年度は、策定された市総合計画の具体化の方向性と、合併後の4年間の最後の年として、この間の市政の流れが問われる年でもあります。
 以上のような角度から6つの分野について質問します。
 第一に、市民生活の実態をどう認識しているか。取り分けあらゆる分野に広がる経済的困難の増大について把握されているかどうかについてです。
 いくつか数字を示せば、例えば生活保護世帯は、H19年度までの6年の間に130%に急増しています。(H13:593→H19:772)。
 国保加入者では、税の滞納から有効期間3ヶ月の短期保険証を発行されている世帯の受診率が一般世帯に比べて極めて低いという調査結果は既に知られているところですが、そういう世帯が本市でも一千世帯に達しようとしています。
 実際、市内の大きな医療機関の外来診療の管理をしている方でも、「短期保険証の方の受診は殆ど見ることがない」という実感をお持ちでありました。
 また、就学援助を受けている小中学生が640人を超えていますが、こうした家庭のみならず経済的に大変な家庭では、部活動もできるだけお金のかからない部を選ぶということも稀ではありません。
 学童保育でも、全体としての入所児童の増加の一方で、親の失業や給与減少などで利用料が払えず退所する家庭も増えています。
 以上はごく一例ですが、格差と貧困の拡大が日本社会の重大問題になっている中で、お金が無いために医者にかかれない、子どもの生活にも経済苦が陰を落としている、そういう事態が鶴岡でも拡大していることに、私は市政に関わる者として何よりも心が痛むのであります。
 そしてそれは、今申し上げたようないよいよ切羽詰まったご家庭だけの問題ではありません。多くの市民の生活が全体として苦しいものになる中で、最も弱い方のところから大変な事態が発生しているということであります。
 市長説明では、こうした市民生活の苦しい実情への思いが感じられないのでありますが、問題をどのように認識されているのか伺います。
 また、経済的な困難の状況について十分に把握する取り組みが必要ではないかと考えます。例えば、短期保険証の方が通常の保険証の方に比べてどの程度医療機関を受診しているか、低所得の方が要介護認定を受ける率やサービスの利用率、保育園や学校での困難事例と家庭の経済的問題との関わりなどなど、施策毎に把握できるはずであります。
 生活実態に目を向けた調査をおこなうことで、切実な市民生活のニーズも明らかになると考えますが、その意志があるかどうか伺います。
二番目に雇用問題について質問します。
 現下の雇用危機は、景気悪化を背景としつつも、構造改革の一環としての労働法制の規制緩和と、リストラを助長する経済政策の結果、正規職員が削減され不安定雇用労働者が増大したこと。そして今、景気悪化を理由に大企業が派遣を始めとする不安定雇用労働者の大量解雇・契約解除をおこなっていることに原因があります。
 この間の労働者のたたかいと日本共産党の国会質問によって、大企業の生産現場では、「派遣労働が3年に到達する直前に一旦契約解除をおこなって、その後に再び派遣契約を結び直す」というような脱法行為が当たり前のようにおこなわれており、現行法規を正しく適用すれ
ば、「派遣切り」の大半は許されないものであるということが、明らかになってきました。大量の派遣切りどころか、大量の正規雇用がおこなわれるべき状況なのであります。
 大企業はこの間、派遣労働を活用して空前の大もうけを挙げてきました。蓄えられた内部留保は、製造業の大企業だけで、97年度から07年度末までの10年間に32兆円も増え、積み上がった額は120兆円にも達しています。
 派遣業の業界団体は、三月末までに職を失う非正規労働者を約40万人と推計していますが、この雇用を維持するのに必要な支出は内部留保のわずか1%にすぎないのであります。法律に基づいた直接雇用も内部留保のわずかの活用でできるのであります。
 そこで伺います。日雇い派遣・登録型派遣禁止、派遣労働そのものの原則禁止など労働者派遣法の抜本改正と、現行法規を厳格に徹底する労働行政の強化、こうした施策で大企業に雇用に関する社会的責任を果たさせることが、今日の未曾有の雇用破壊をストップさせるカギと考えますがいかがでしょう。
 また、本市にも、莫大な内部留保を蓄えているような大企業があり、そこでも大量の雇用打ち切りがおこなわれています。せめて法律は守るように、市としても要請をしていくべきではありませんか。市長の見解を伺います。
2つ目に地域経済振興と雇用確保策について質問します。 
 政府は「史上最長の好景気」などと言ってきましたが、結局潤ったのは大企業だけであり、経済振興の目的が間違っていることが浮き彫りとなりました。消費税増税付きの定額給付金等という愚策をやめて、国民生活を支援する真の景気対策が求められています。
 同時に、市としても雇用・経済対策にあらゆる方策を用いなければなりません。日本共産党市議団は、12月に緊急雇用対策について市
に申し入れをおこなうなど、取り組みを進めて参りましたが、1月7日に設置された市緊急経済対策本部の取り組みを引き続き注視してきたところであります。
 そもそも地域経済を活性化するとは、地域内のお金の循環をつくることであり、それには、地域の人ができるだけ地域の材料を使って営む地場産業・地元中小商工業の仕事を増やすことが何よりの良策であります。
 農林水産物を生かした産業が重要であることは言うまでもありませんが、今回は、地場産材を使用し、地元業者が手がける住宅建設や住宅リフォームを促進する取り組みについて、当面する雇用・経済対策の中でも大きな意義を持つものの一つとして質問します。
 不景気の煽りが懸念されるとは言え、市内で一年間に建てられる住宅が木造だけで約400棟、仮に一棟2500万円だとすると年間100億円の市場、地場産材の部分では10~20億円の市場であります。
 鶴岡の建築関連従事者は1万人とも言われますが、住宅産業は、仕事の激減で日々の生活を脅かされている多くの業者に関わる裾野の広い産業です。
 住宅祝い金やリフォーム助成などの方法は色々考えられますが、仮に市が一棟に50万円投下したとしても2500万円の地場産住宅が建てられれば、経済的誘発の効率は第一次だけで50倍、二次的効果、三次的効果も非常に大きなものです。
 それはまた、温海・朝日を始め、中山間地域の振興をも支援するものともなります。
 バイオ研究支援に投入している4億円のほんの一部を回すだけで、経済振興に具体的効果が期待できるのであります。
 市長説明でも、「地域内経済の新しい循環システムの確立」が述べられていますが、国の林業・住宅産業向けの事業も活用して、今こそ施策を強力に推進する考えはありませんか伺います。
 なおかねてから主張しているように、教育や医療、介護など人的サービスを中心とし、切実な市民要求のある分野を拡充することが、雇用・経済対策としても、住宅施策にも勝るとも劣らぬ重要性・有効性をもっているということを申し添えておきます。
3番目に介護保険について質問します。
 H20年度までの第三期事業計画の3年間に介護保険制度は大幅な改悪が進められました。施設の食費が全額負担となり居住費が徴収され、経済力の弱い方の入所が困難にさせられましたし、新予防給付が開始されるなど軽度の方へのサービスも全般的に縮小されました。
 特別養護老人ホームの入所を待っている人は940人に達し、劣悪な労働条件から離職率は高く、本市の各事業所も人材確保と介護の質の向上に四苦八苦しています。
 市長はこの間、時々の制度改悪について、「当然のもの」などと容認するとともに、利用料減免の条件を厳しくするなどの対応をとってきましたが、介護保険制度そのものが、制度発足時に国が謳った「必要な人に必要な介護を保障する制度」といううたい文句に近づくどころか、実態は理念からどんどん離れているのであります。
 21年度からの3カ年計画である第4期事業計画は、関係者の方々の懇話会の意見を反映して作られたものですが、残念ながら、サービスの供給でも、保険料、利用料の負担の問題でも市民のニーズに応える計画には成り得てはいないと言わざるを得ません。
 本市の要介護認定率、サービス利用率が高いことは、ニーズを比較的正しく反映しているという積極的な意味を持つものだと考えますが、それが保険料に反映し、第三期に比べて5.8%から8.2%程度上がるとされ、国の2カ年限りの緩和措置が終わるH23年度では、所得金額200万円の方で年額17000円もの負担増となります。
 一方、特養建設は入所待ち940人に対して、増床は78床、老健施設やグループホームと合わせても152床に過ぎませんし、低所得で利用を手控えている人、サービスをまったく受けられない人などに手の届く計画にはなっていません。現下の介護保険制度の枠内にとどまるものであります。
 政府が2カ年に限ってですが国の負担を拡大したのも、サービスを充実させれば保険料に跳ね返るという制度の矛盾を自ら認めたものであり、介護保険財政に対する国の負担をより大きく、恒常的なものにしていくことの必要性は明らかなものと考えますが、市長の考えを伺います。
 また、現行制度が不十分なものだとすれば、市としては独自の措置で、制度から除外された人、経済的困窮者などへの必要なサービスを確保する施策を思い切って充実させていくべきではありませんか。考えを伺います。
4番目に子育て支援について質問します。
 市がH18年度におこなった「子育て環境分析調査」でも「子育ての環境について困っていること悩んでいること」の一番は、「子育てに係わる経済的負担」であり、全国的な世論調査と同様、経済的負担の軽減は、最も重要な子育て支援策の一つです
 ところが新年度予算案では、旧6市町村の保育料を統一するとして、旧町村の料金を引き上げる保育料改訂をおこなおうとしています。
 平均しての負担は現行と変わらず、統一は段階的におこなうということですが、新保育料では最高25000円上がる階層もありますし、旧朝日地域の「第三子以降無料」の制度も廃止されることになっています。
 また他に、児童館の使用料も最高8700円にのぼる負担増をおこなうという提案もされています。
                      と言うのであれば、保育料は、市民の強い要望に添って引き下げる努力をするべきものではありませんか。見解を伺います。

5番目に、合併調整について質問します。
 市長は「合併しなかった市町村」に負けないように諸方策を進めると述べましたが、先に挙げた保育料の引き上げに見られるように、合併調整の中の主なものは「負担は高い方・サービスは低い方」と統一が進められてきました。
 この間、一人10万円相当の出産祝い金の創設など、独自施策を発展させてきたお隣の三川町との違いが浮き彫りにもなっています。
 旧町村は、地形や風土など困難の条件の中で、税金や公共料金の軽減や除雪など独自の支援策をとって暮らしを守ってきました。そうして築かれてきた財産を「合併したのだから制度は一つ」とただ無くしてしまえば、住民がどんどん町場に出てしまう流れを助長するばかりです。
 21年度予算でもおこなわれようとしている合併後の町村施策の切り捨てをやめ、旧町村のすぐれた施策は活かすこと、地域組織・各庁舎に必要な権限を残していくことなどが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
最後に、構造改革路線について質問します。
 本質問でも取り上げてきました、雇用、経済、介護、医療、保育などなど、本市行政と市民生活に降りかかっている困難の根本には、国の新自由主義の構造改革があります。
 市長はこれまで、その政策を容認し、それに沿った政策を進めてきましたが、市民生活のどの分野をとっても、市財政の状況を見ても、もはや構造改革政治の破綻は明らかではありませんか。
 「色々な実態把握をおこなって、その結果に基づいて、国・県にも改善・改革を求める」という市長説明でありましたが、これほど市民を苦しめている構造改革が誤ったものだという認識をお持ちなのでしょうか伺います。
 以上でありますが、H20年度まで40億円余りの市費を投入してきた先端研のこれだけ市民生活が逼迫する状況の中で、バイオ研究の支援について、21年度予算案でも他の施策と桁違いの4億円を投じる「聖域」にし続けるという問題が、現下の市財政の最大の歪みを成していることを最後に強く指摘して質問を終わります。

 ~答弁は次の投稿に続く~