関とおるの鶴岡・山形県政通信

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中学校の文化系部活動について

2013年06月21日 | 子育て・教育

6月議会一般質問の1、要旨を報告します。

 中学校における部活動は、学習指導要領にも位置づけられたが、子どもの成長にとって大きな意義を持ちうるもの。その中で文化系の部活動は、豊かな感性や表現力、科学的知識や技能などの能力を、中学生という特別な時期に伸長させるという大きな特徴も持ち、総じて中学生活の充実に資することが期待されるもの。
 しかし、各学校が運動部の活動(その頂点が中体連)に全校挙げて取り組んでいることから見ると、文化系の部活動は、一部の部を除いて、位置づけが同等ではないように感じることもある。
 そこで文化系の部活動全体の一層の発展を図る立場から質問する。

1)教育委員会としてどのように位置づけているか。
2)山形県教委は、「これからの運動部活動運営の在り方について」という方針を出しているが、運動部の4つの現状と課題が挙げられている。
 一つは、少子化による部員数の減少やそれに伴う休廃部、
 二つは、顧問の専門的指導力の不足、
 三つは、顧問の高齢化。顧問会や運営委員会などの校内組織体制の充実、
 四つは、外部指導者の活用
これらは、実は文化系部活動にとっても共通する課題、或いは文化系部活動にとってこそ、取り組まれなければならない課題。
部の数や部員の数、中文連(中学校文化連盟の略称)の活動も含む、文化系部活動の特徴はどのようなものになっているか。
3)専門的指導ができる体制の確立を図るために外部指導者を募る取り組みを強化することや、教科と結びつきが強い部については、教科担当の教員が指導に努めてはどうか。
 なお、外部講師は、ゆとり教育の見直しに伴って、それまで総合学習などを教えて下さった地域の方々が学校から離れてしまった、学校が離してしまったという経過があった。
4)保護者会が無い部には、保護者が学校と連携して部活動に関わっていけるように、保護者会を組織することを、学校からも呼びかけてはどうか。

教育長 1)本市においては、運動部のみならず、文化部こ所属する中学生も大いに力を発揮して活躍の場を広げている
本市教育委員会としても、運動部も文化部も同等のものとして位置づけ、それぞれの活動の充実が図られるべきものと考えている。
2)学校の規模により1つから6つ程度設置されている。ほとんどの学校に吹奏楽部、約半数に合唱部や美術部、科学部やパソコン部、ボランティア部などもある。部員数は、平成24年度、全生徒数3897名のうち約17%にあたる659名
 また、多くの文化部が所属している田川地区中文連は、吹奏楽・合唱・美術・科学の4専門部を設置し、田川地区中学校における文化活動の健全な発展を図るために専門部ごとにそれぞれの活動を展開している。
 コンクールへの参加、美術の作品展や科学展への出品など。学校間の交流も図られており、学校の枠を超えて部員同士が切磋琢磨している。
3)外部指導者によって専門的な指導を受けている部が多いが、ボランティアが少なく、外部化が進まない原因の一つ。
 担当教員は、人事異動の際に部活動の専門性は考慮されていないため、文化部に限らず運動部でも指導できる顧問がされるとは限らない。
 家庭との連携で、学校からも保護者会を呼びかけてはどうかということだが、吹奏楽部や合唱部に限らず保護者会が組織されており、そのバックアップを得て活動の幅を広げている部があり、そのような形が望ましい。
 中学生の豊かな感性や表現力、科学的知識や技能などの能力のより一層の伸長にあたっては、外部指導者や地域指導者を活用したり保護者会の協力無くしては難しいものと考えており、協力を得ることは大変有意義
 部活動の運営については、学校の規模、生徒や保護者のニーズ、地域の実態などにより異なることから、各校の方針に基づいて実施されるべきもの。

 当然だが、運動部も文化部も等しく発展を図っていくということが確認された。17%の子が所属し、「絵が好きだ」「音楽が好きだ」とやりがいをもって、そこに居場所をもって、中学生活を充実させている生徒が沢山いる。「賞を取る」ということだけではなく、そんなことも含めて発展を期待する。
 次に、文化系の部の中にも運動部顔負けの活発な活動をしている部もある。余り過密な活動になると生徒の生活の負担になる場合もある。土日祭日の休み無い練習であったり、終日練習だったり、出費を伴う遠征であったりさまざま。
 さきにあげた、県教委の運動部の活動の在り方は今年初めて出てきたものではなく、長年の関係者の努力の結晶。私自身、三人の子どもが中学運動部に入ったが、この10年ほどの間に、生活全体のバランスが重視された活動に改善されてきたことを実感した。

教育長 県教委や田川中文連では、文化部の活動を対象とするガイドラインは作成していないが、今お話しのあった、「これからの運動部活動運営の在り方について」に沿って、学校ごとに部活動の在り方を示したガイドラインのようなものを定めている。原則的には運動部であっても文化部であっても、この取り決めに従って指導が行われている。
 しかしながら、部活動に加えて、保護者会活動、地域スポーツクラブ、スポーツ少年団としての活動が行われている。学校でおこなう部活動と地域でおこなわれるスポーツ活動について、認識が行き渡っていないところがあるので改善していきたい。文化部も、生徒の負担が重くならないように取り組んでいくことが大事。今後、教育委員会としても生徒の実態(把握)や保護者の意向、指導者との連携は当然必要だし、そういったことも含めて校長会とも協議を行い、今後の部活動の在り方を広く検討していきたい。

~質問後記~
 部活動の根本的な問題として、教員の過重な負担の下におこなわれているということがありますが、そこに問題意識を持ちつつ、今回は別の問題を取り上げました。
 現在でも全体の17%が文化系の部に所属していますが、本当はもっと希望者はいると思われます。
 それに対して、文化系の部が一つしか無い中学校が1校,2つという学校が6校もありますから、十分に希望に応えているとは言えないでしょう。
 また、音楽系の部では、「ともかく頑張れば頑張るだけいい」式の活動がおこなわれているところもありました。
 それは、運動部については近年までにかなり克服されてきた考え方(少なくとも、教育委員会の認識は変わりました)ですから、その経験を生かして、より良い活動をつくっていく必要があると考えています。
 ところで、「教育界では体育会系の先生が昇進する」と告発する先生がいます(少なくありません)。
 「上から言われたことには黙って従い、生徒は力で押さえつける」というタイプの先生のことだとすれば困ったことですし、確かに私もそういう先生に何人もお目にかかりましたが、全体の傾向としてどうなのかは判断する材料を持っていません。
 今後の研究課題でしょうか。
 そんなことを横目で眺めながら、文化系の部で中学生活を過ごす子どもたちのことを思い浮かべつつ質問しました。

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