関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

地元住宅産業の振興策について質問

2014年03月30日 | 市政全般

 先週木曜日までおこなわれた、鶴岡市議会3月定例会での私の一般質問の要旨を遅まきながら報告します。
 持ち時間が15分しかありませんでしたので、説明はかなり省略し、結論を求めています。
 地域経済振興に大きく寄与する住宅産業の振興について、これまで調査・研究してきたことを踏まえて、重要なポイントを提起した積もりです。

要旨
 住宅産業の振興は本市経済を豊かにしていく上で大きな意義を持つ。
 地場産材住宅は、本来、大手住宅メーカーの住宅を凌駕する魅力を備えたもの。
 三つの重要課題。
 第一に、つるおか住宅の魅力を市民にしっかり知らしめる、企・宣伝力を蓄える
 第二に、常設のモデルハウスの確保。
 第三に、住宅新築に関わる種々の補助制度活用や、銀行からの融資、建築のための手続き等の代行等々。
 この課題の解決を図るために、以下4点提案する。
 1)つるおか住宅運動を推進する事務局的機能の強化、宣伝・企画等を進める力量ある専任体制の確立を図る。これで、課題の一番目と三番目の解決に当たる。
 2)つるおか住宅のモデルハウスの確保を図る。
 3)建て主に経済的インセンティブを与えるように助成をおこなう。
 4)つるおか住宅の魅力の普及。
建設部長答弁
 1)取り組みの強化に合わせ、人員配置も含めて安定して工事受注ができる仕組みづくりも含めて、関係団体と協議を行う。
 2)有効な手段の一つにはなるが、「ネットワ-ク」での検討を踏まえて対応する。
 3)国の制度の活用や、県の制度などを活用していただく。
 4)様々な機会を通して「つるおか住宅」の魅力を広く市民に発信し、受注の拡大につながるよう取り組んで参りたい。
関 この間の関係者の努力に敬意と感謝を申し上げたい。担当部局の取り組みも評価したいが、この分野には一層位置づけにふさわしい予算をあてていくべき。
 3棟の住宅に百万円ずつ支援する事業が3年間おこなわれたが、今年度で終わる。
 引き続き新たな支援策を検討すると理解して良いか。
建設部長 つるおか住宅の魅力の検証、良さの発信ということで、概ね3年位を目途におこなってきた。ネットワークの検討を受けて引き続き対応して参りたい。

要約
 産業振興策としての住宅新築の支援について質問する。
 住宅産業は、本市の貴重な資源である木材を活用する産業であり、関連業者1万人とも言われる裾野の広い産業であって、その振興は本市経済を豊かにしていく上で大きな意義を持つもの。
 例えば、住宅の新築件数が400棟として、一棟2500万円と仮定すると、年間100億円という大きな産業。
 森林文化都市の基盤となる森林の循環の中軸となる産業でもある。
 そういう歴史的な基盤を持つ産業だが、近年は、デフレ不況と本市経済の活力低下による新築件数の減少、資本力・ブランド力のある大手住宅メーカーの進出によって、後退傾向。
 なお、振興すべき住宅関連産業とは、鶴岡の木を使い、地元業者が建築する住宅のことであり、関係者はこれを「つるおか住宅」として概念の形成を図っており、当局も早くから位置づけてき。
 ただし、「つるおか住宅」をデザインや建築技法などについて規定しようとすると範囲が狭くなるので、私は、「地場産材・地元業者」の要件を満たすものは振興の対象として、以下「つるおか住宅」と述べる。
 つるおか住宅の振興には、関係者の方々の共同の組織である、鶴岡住宅活性化ネットワークが大きな役割。市としてもその活動に対する支援を一層強めていくべき。
 つるおか住宅が、大手住宅メーカーに伍して、発展していくための課題としては、次の三つがある。
 一つには、つるおか住宅の魅力の確立と、宣伝や普及活動の強化。
 しっかり育成され、仕上げられた木材は、強度、耐久性、調湿機能、ぬくもり、香り、美観などなど、豊かな魅力を持ち、高温多湿の日本の気候に合った素材。
 さらに地元の木材はその土地の気候風土にしっくりと調和するものとなるということには、自然の妙を感じる。
 そして、誠実な業者によってきちんと建てられるならば、大地震にも、大雪、強風にもしっかり耐えうる優れた住宅となる。
 今、「できあがった商品」として家を「選ぶ」という感覚が広がっていると言うが、本来住まいとは、その家族の暮らし、周辺環境も含む立地条件、経済的条件などに合った家を、一つひとつ創造するものであり、そうして作り出される住宅は、その人・その家族にとって最適なオンリーワンの住まいであり、かけがえのない財産。
 地場産材住宅の魅力は、限られた時間で言い尽くせるものではないが、本来、大手住宅メーカーの住宅を凌駕する魅力を備えたもの。
 それを市も含む関係者の共通認識にし、そして現在と将来のユーザーである市民にしっかり知らしめていくこと、そのための企画、宣伝力を蓄えていくということを第一の課題とする。
 第二に、ユーザーが家を建てる時の判断材料としてモデルハウスが重視されている。
 常設のモデルハウスを確保することは、今後の振興の上で大きなポイントになると考える。
 第三に、住宅新築に関わる種々の補助制度活用や、銀行からの融資、建築のための手続き等の代行などなを一切片付けてくれるという点も大手メーカーの優位点であり、つるおか住宅がどうしても遅れをとる点。
 色々な課題は挙げられているが、今回はこの三つの課題の解決を図るために、以下4点提案。
 第一に、つるおか住宅運動を推進する事務局的機能の強化、宣伝・企画等を進める力量ある専任体制の確立を図る。
 現在ネットワークが果している事務局体制を強化する、或いはネットワークの中に力量ある専任者を配置するということをネットワークの方で望むのなら、市が緊急雇用事業などを充てて人の配置を支援する、補助金等での支援を強める。
 これによって、先に挙げた三つの課題の内、一番目と三番目の解決に当たる。
 二つ目に、つるおか住宅のモデルハウスの確保を図る。
 市の施設として建設するか、ネットワークか個別業者が建設するものを市として思い切って支援する。
 国や県の支援も既に研究しているものと思うが、緊急で重要な課題と位置づけて取り組むこと。
 全国にも類例は希だが、それだけにインパクトもある。
 三番目に、建て主に経済的インセンティブを与えるように助成をおこなう。
 県内各市が住宅新築に「祝金」などの支援。
 市は、住宅リフォーム助成制度については、地場産材、地元業者の支援、バリアフリー化などをおこなっており、新築も同様に考えるべき。
 最後に、つるおか住宅の魅力の普及の取り組み
 ネットワークがパンフレットを作成した。
 9棟のつるおか住宅で魅力を紹介、建物と設計者施工者の顔も見える大変力作。
 このパンフレットの活用を図るとともに、市としてもつるおか住宅の魅力を知らせる資料を作成し、活用を図る。
 個人の住宅と合わせて、市が建設した木造の公共施設、(大淀川、勝福寺、西郷の各活性化センター、鼠ヶ関小、羽黒中、朝日保育園、落成予定の朝日中など)、地場産材を活用した公共建築物の魅力を紹介する、木材の経済循環の意義、融資や補助制度等、そして市としてつるおか住宅を支援するというメッセージを発信する。
建設部長  本市における住宅産業は関連業種も多く、地域経済にとっても大きな比率を占める産業。
 地場産木材の利活用や住宅産業を取り巻く課題はさまざまあり、良好な住環境を構築するための地域住宅建設を活性化し、持続可能な地元住宅関連産業の振興を図るため、田川建設労働組合を始めとする市内にある建築施工団体等によりまして構成される「つるおか住宅活性化ネットワ-ク」が平成22年度に設立され、活発な活動を行っている。
  ご質問の「ネットワ-ク」の事務局機能の強化について、「ネットワーク」の事務局は、現在、山形県建築士会鶴岡田川支部内に設けられておりますが、事務局員が不在する場合などもあり、市建築課にも問合せ先を設け、「ネットワーク」と連携しながら事務局機能を担っている。
  市としては今後、人員配置も含め「ネットワ-ク」が安定して工事受注ができる仕組みづくりも含めて、関係団体と協議を行って参りたい。
  常設住宅展示場の建設。継続的な「つるおか住宅」の普及を図っていく上で、常設の住宅展示場の整備は有効な手段の一つにはなりますが、建設には多額の費用を要するほか、休日における人員配置や管理体制、維持管理における経費、処分に関わるリスクなど様々な課題がある。
  現在「ネットワ-ク」内にプロジェクトチ-ムを設け、課題整理を踏まえて対応することになろうかと考えておる。
  住宅新築への助成支援。新築住宅への支援としては、「つるおか住宅活性ネットワ-ク」に対して、地域資源を活用した住宅づくりの促進を図るための支援を行っております。
  国で行っている木材利用ポイント事業や長期優良住宅の減税制度などの制度の活用や、県事業の「やまがたの木」普及・利用促進事業費補助金、或いは山形の家づくり利子補給制度などを活用していただくことで、住宅産業の活性化に繋げて参りたい。
  つるおか住宅の魅力の普及。「ネットワ-ク」では、住宅新築の参考となる「つるおか住宅」モデルハウスや、地元業者によって建てられた住宅情報を掲載したパンフレットを作成して、住宅産業関連団体等を通して配布しております。不特定多数の人が利用する施設においても閲覧冊子として利用して頂いているほか、「ネットワ-ク」や山形県住宅情報総合サイトのホームページ等で情報発信を行っております。
  さらに、「つるおか住宅」の良さを知ってもらうシンポジウムの開催など普及に努めて頂いているところ。
  市としても今後も様々な機会を通して「つるおか住宅」の魅力を広く市民に発信し、受注の拡大につながるよう取り組んで参りたい。
 私が最初にこの問題を質問した時、丁度木材の分離発注が導入されて公共建築物への地場産材の使用が進められたところ。それから、森林再生構想が森林文化都市宣言に発展し、木質バイオマスの活用や、住宅リフォーム制度等々、様々な施策を進められてきた。
 この間、住宅活性化ネットワークの皆さんを始めとする関係者の皆さんのご努力に敬意と感謝を申し上げ、担当部局の取り組みも評価を申し上げたい。
 私共、当局には厳しいことを申し上げることも多々ありますが、評価すべきはしっかり評価して参りたいと思います。
 この分野には一層位置づけにふさわしい予算をあてていくことが極めて重要
 3棟の住宅に百万円ずつ支援する事業が3年間あったが、その予算は今年度で終わる。
 それはこの分野の予算の縮減ではなく、部長の答弁、引き続き新たな支援策を検討する過程だと理解して良いか。
建設部長 モデルハウス、鶴岡住宅の魅力を検証するとか、良さを発信するということで、概ね3年位を目途におこなってきた。現在ネットワークの中で検討しておりまして、そういうものを受けて市としても対応して参りたい。

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