ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

全興寺 地獄堂

2013-11-06 05:00:00 | 大阪にて

ここが今回はるばる自転車で平野区までやってきた目的の地獄堂、地元では全興寺より地獄堂で通っているようです。TVでもこの地獄堂を主に取材に来たものでした。近所の子供は皆父親や母親に連れられてこの地獄堂を訪れているのかも知れません。TVで見ている限り、どれ位怖い所なのか、どんな説教をしているのか、とても気になるのです。

               

全興寺の紹介で一番最後になったのですが、実は西門を入るとすぐ右にあるのが地獄堂なのです。

                       

地獄堂の入り口に閻魔大王様の裁きのゲームのようなものが有りますが、実際に閻魔大王が裁くのではありません。自分で答える方式で、最初の設問は“感謝して真剣に努力する”と“絶えず不平不満が多い”とあり、私なんか最初から地獄行きの方の答えです。どうも対比する項目がうまくマッチしているようには思えませんし、このような設問は体制擁護派にとっては極めて好都合です。何故不平不満が多いのか、そういうところを抜きにして、単にこう質問されて、それで地獄行きか極楽行きかを決められても堪ったものではありません。ここで極楽へ行く為に事実と違う選択をした者は、何よりも早速地獄行を宣告されるべきです。

                

お堂に入ると正面に閻魔様、右に舌を抜くのに使う大きなペンチみたいな物を持った鬼と、得体の知れない知れない白髪頭の怖そうな婆、左側には裁判官らしき人形がひな壇のように並んでいます。右を見た小さな子どもはきっと怖がるだろうと思います。

             

正面の閻魔様の下にあるドラを叩くと地獄があらわれると書いてありましたので、どんな地獄が始まるのかと思ったら、きっと声優でも雇ったんだろうと思うようなオドロオドロした声で、どんなことをしたら地獄に行き、どのような待遇がやってくるのかが語られ、鬼の左横の炎の中に絵が映し出されます。それが延々と5分ぐらい続くのです。こんな声が聞こえた途端、小さな子供ならすぐに飛び出してしまうだろうと思います。

                       

一番辛いのは親より先に死んで、この地獄にやってきた子供だと言います。賽の河原で小石を積む作業が待っていて、積み上げることが出来れば、未だ小さいからと親元に帰してくれるのだそうですが、積みあがった頃になると鬼がやって来て、積み上げた塔を崩してしまうので、何時まで経っても親元へは帰れないのです。子供には苛酷過ぎる話です。

             

現実にはあり得ない話なので、舌を抜かれるのはこの地獄堂を造った奴じゃと言ってしまえばお仕舞いで、お寺からは“子供たちに「悪いことをしないこと」と「自分の命を大切にすること」を教えるために開いたもの・・・むやみに子供に恐怖心を与えて、言うことを聞かすための材料にしないよう”要請してあり、“閻魔様の姿は本来は慈悲深いお地蔵さんの心の現れであり、これを機会に子供たちと「いのちの大切さ」について話し合ってほしい”と結ばれていました。

命の大切さを説いた地獄堂、そういう面で言えば必ず地獄へ落されるのは、善人面を見せびらかせながら、心の中では平和を守る憲法を蹂躙し、特定秘密法案を成立させ、国民総動員の再来で軍事国家を目指し、大企業だけを優遇し、労働者の命など屁とも思っていない現内閣総理大臣なのかも知れません。

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