縄文人はアスファルトを使いこなしていた!にわかに信じ難いが、これは事実である。
アスファルトが道路の舗装に用いられるのはご存じの通り。石油の産地では天然のアスファルトが地表近くに染み出てくることがある。
縄文人はこの天然アスファルトに目を付けた。接着力に優れるという特性を生かして、破損した土器の補修剤として使ったり、石や貝に装飾を施すときにも接着剤として利用した。
もっとも頻繁(ひんぱん)に使われたのが漁具である。モリなどは水中で激しく使われるため、ヤジリを柄に取り付ける際、ひもで縛っただけでは心もとない。その点、アスファルトは接着性と防水性を兼ねる格好の接着剤だった。
こういったアスファルトを用いた遺物は主に東北地方で出土している。ときには、アスファルトが入ったままの土器が見つかることもあり、アスファルトを物々交換に利用していたことがうかがえる。
一方、漆工芸も縄文時代にはかなり発達していた。たとえば、紀元前三千年ごろと推定される、竹かごを芯にした漆器が山形県から出土している。
アスファルトと漆――縄文時代のハイテク素材は数千年を経た現代に脈々と受け継がれている。
---owari---
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