じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

藁ボッチを知っていますか?

2016-09-29 19:55:53 | 日記的雑談
まっ、簡単に説明しますと、藁で作ったボッチでありまして、雪国の日本庭園では割りと普通に見られ・・・ました、が、と言う過去形の物でありましょうか?
今時はこんな風量な飾り物を施す庭は少なくなっちまった・・・と、先生が申しておりました。


外は雨 教室内で藁をスグル作業中


藁切り包丁 カッターとは呼ばないで欲しい骨董品


いいすかぁ ボッチの編み方はねっ・・・


私が初めて編んだ 藁ボッチ

藁ボッチ・・・作り方は様々ですが、私らが作ったのは装飾用でして、松の雪吊りなどを施した近くに置く、侘びと寂びを醸し出す小道具と言う感じのモノであります。
他には骨組みを最初に作り小さな庭木に被せて雪囲いにする物もあります。
異な藁を束にして「すぐる」と言う作業をするんですけれども、突然先生に「これから藁をすぐっから」と言われましても、ナンの事やらさっぱりであります。
まっ、結果から申し述べると・・・藁束を「選りすぐる」事でありまして、要するにボッチを作るのに不適当な物を省き揃える事だった訳であります。
いや、これが大変な手作業ありまして・・・まっ、飽きます。

藁ボッチ製作のコツは・・・大して無いんですが、強いて言えば強く編み込む事、と、すぐる作業の手を抜かない事でありましょうか?
まっ、大概の人は2時間もやれば何とか形になるようであります。

で、次にやった藁の細工は・・・胴巻き、もしくは幹巻きと呼ばれるものでありまして、早い話しが、藁で木の幹を巻く作業であります。
この方法や形も沢山在るんですけれども、本日のは藁ボッチ編の応用編とも言える地巻き、と言う手法でありました。


イイすかぁ~鬼首ば緩くしたらダメだよわぁ


縄が切れるくらい絞めんのっしゃぁ~


適当にやってもソコソコ出来る「星」チーム


必死でやってもこの程度の「オッサン」チーム

本日の講師の先生は私が夏休み中に修行に出ていた造園屋の親方であります。
当たり前過ぎて口にするのもナニなんですけれども、親方の縄目の美しさはやっぱし職人技であります。
縄を木に回して藁束を縛るだけの事なんですけれども、その美しさは私ら生徒がやった物とは比べ物にならない雲泥の差であります・・・言ってみれば、親方のは金を払っても作って欲しい物ですけれども、私らの作品になると、金を払ってゴミに出すレベルじゃないかと言う程の違いであります。

まっ、今日が初めての自分らと50年もこれをやって来た親方の出来映えが一緒だったら造園屋の技なんて物も底が知れちまう訳であります・・・が、一目見れば誰でも分かる出来の違い・・・やっぱし親方ですわ。

で、毎年12月の初め頃に松島にある国宝瑞巌寺の雪吊りを親方がやる訳であります。
本日、私しゃ親方に懇願しちまいましたよ・・・日当は安くても良いんで是非読んで下さい、と。

と、言う事で、本日は実に造園科らしい実習の一日でありました。
藁ボッチを作れる職人なんて減っちまっていると言う話しを聞くと、我が造園科の古い体質の先生方・・・普段は前近代的な徒弟制度の風を吹かしまくるんで煙たがっていましたが、しかし、だからこそ教えてもらえる伝統の技・・・と、言う程大袈裟な物では無いのですけれども、純粋に工作として楽しかったので良い一日でありました、と。

と、言う事で、明日の為に今日は寝る で、あります。

皆様 おやすみなさい、と





コメント (2)
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