南の島の話 2004年 第12号
遠足 No.9 次はどこだっけ?
ILOGまで
メモも無く、記憶を頼りに書くのはほとんど限界であります。
かくなる上は写真の順番にもっともらしい講釈を垂れるしか手立ては無いのでありますが、その写真の前後関係さえも怪しいとなると書かれている事の信憑性も限りなく怪しいのであります。
しかしその辺は、まあ、馬鹿やろうが本当にもう・・・と言う感じで御勘弁下さい。
バコロドから郊外に抜けて走ると海沿いの景色がしばらく続きます。
その景色はネグロスオリエンタルとそれほど違うものでは無く、どこにでも有るビサヤ地方の景色です。
時折バランガイの集落で見かける市場で売っている物にも違いは無く、「タラバ」と呼ばれる岩牡蠣なども安く売られていました。
タラバは私の好物なのですがドゥマゲッティーまで持って帰るのは不可能なので買うのは諦めました。
バコロド近辺は闘鶏用の鶏の産地でも有ります。
闘鶏はフィリピン全土で盛んですがバコロドでは鶏を育てて売るのが主であります。
鶏の飼い方にもそれぞれの工夫が有って、有名な人が育てた鶏は高く取り引きされています。
多い人では200羽~300羽と飼います。
餌は配合飼料でビタミン剤などの栄養剤も与え無ければならないので結構な投資になります。
三角屋根は鶏の日除け雨除けです
ILOGからはまた山道に入ります。
しかしカンラオンに向かった時のように急速に高度を上げるのでは無く、少しづづ高原に登って行く感じで上がって行きます。
途中の景色はほとんどがサトウキビ畑でした。
山に向かってのサトウキビ畑では大型のトラクターに混じって水牛が活躍していました。
広大なサトウキビ畑の野焼き
山に向かってからしばらく高原を走りました。
その景色は岩手県の平庭高原に似ていて(分からない人がほとんどでしたか?)とても懐かしい感じがしました。
途中凄い雨に会い、一瞬で前が見えなくなり、数分で晴れるという典型的なスコールに出会いました。
ボロワイパーが役に立たない土砂降り
素朴な山村の風景は数十年前の東北地方と良く似ていて、水牛に引かれる荷馬車は昔の日本の風景そのままでした。
もっとも日本では水牛では有りませんでしたが。
水牛の事をこちらではカラバオと言います。
水牛の事をこちらではカラバオと言います。
主に使役用の牛で農作業から荷車引きまで、石油のいらない動力としてフィリピンの山間部では今も大切にされています。
一家で水汲みに行く 荷車は車輪も木製です
山間部は経済的には貧しいのでしようか。
今はこんな場所でも電気が通っていて、電気を使うには現金が必要になります。
現金収入を得る為に、自分達の食料ばかりを作ってはいられなくなり、換金作物を作る必要に迫られました。
しかし僅かに得られる現金は便利な生活の為の費用に消えて行くのです。
便利さは生活を豊かにする事は無く貧しさを生むと思うのは私の偏見でしょうか?
廃屋ではありません 洗濯物が干されていました
高原の牧草地帯を走っていると、突然日本語の文字が目に飛び込んで来てました。
大量に並べられたコンテナはひっそりとしたあたりの風景の中で異様でした。
日本の海運会社の物である事は文字から分かりましたが、誰が何の目的でこんなに大量に運び込んだのか不思議です。ここは海からは遠く離れていますからコンテナを運ぶだけでも大仕事です。
倉庫代わりと言うのであれば、ここら辺の材料でいくらでも安く作れそうですから。
100個以上ある 晴海汽船と書かれたコンテナ
マビナイに近づくとほんの少し街の匂いがしました。
街には大きな鉄塔が立ち携帯電話の中継や衛星放送の受信アンテナも設置されていました。
フイリピンは5月に控えた選挙のポスターが至る所に貼られていて、マビナイ近辺の辺鄙な場所でもそれは目立ちました。
フィリピンの選挙は上は大統領から下は町長まで同じ日に投票します。
フイリピンは5月に控えた選挙のポスターが至る所に貼られていて、マビナイ近辺の辺鄙な場所でもそれは目立ちました。
フィリピンの選挙は上は大統領から下は町長まで同じ日に投票します。
ポスターも大統領から町長までぐちやぐちやに入り乱れて貼られています。
バイスとバヤワンの分岐点 アロヨ大統領候補のポスター
マビナイは温泉が出る事で有名だそうです。
しかしこの時は温泉施設が閉まっているとの事で水浴び場しか行けませんでした。
そこに宿泊施設を新築中で完成すればスパリゾート?になるという建物を見て来ました。
そこに宿泊施設を新築中で完成すればスパリゾート?になるという建物を見て来ました。
それほど大きな物では無く、日本的に言えば民宿程度のものでありました。
一家総出の水浴びです
シャンプーする人 泳ぐ人 体を洗う人
この情景をずっと憧れに似た気持ちで見つめていました。
小さな子供たちは大はしゃぎの水浴びでお父さんや大きな兄弟はせっせとシャンプーや身体洗いに夢中。
お母さんとお姉さんはお喋りしながら洗濯をしている。
なんと楽しそうな風景なのだろう。
遠い昔自分にもあった、何も無いけど楽しい日々がそこに有るように思いました。
実際はここでの暮らしが決して楽では無い事は知っていますが、それでも羨ましく見えて仕方がありませんでした。
おしゃべりが主か 洗濯が主か
ここからはバイスまで一気に下ります。
道路の主役はまたサトウキビトラックになりポンコツが轟々唸りながら登っています。
18トン積んで走るポンコツトラックはバイス行き
ここから家までは1時間と少し・・・旅は終わりです
私が駆け足で回ったネグロス島の紹介はほとんどインチキかも知れません。
たまたまその時だけの事を捉えて書いていたりするかも知れません。
でも、見た事以外は写したり書いたりしてていないので、写真の風景は本当の事です。
たまたまその時だけの事を捉えて書いていたりするかも知れません。
でも、見た事以外は写したり書いたりしてていないので、写真の風景は本当の事です。
こんなホームページや写真でも、見た人がネグロスに行ってみたいと思ってくれたらしめたものです。
行ってみようかと思った時には是非御一報下さい。
情報提供などと言う大それた事は出来ませんが、少しはお役に立てると思います。
お役に立つ?・・・
いえいえ、誘ってくれたらまた軽トラやバイクで御一緒しますよ。
是非誘ってください・・・ビールを冷やして待ってます。
たった1泊2日を針小棒大に引っ張って、やっとお終いです。
(2004年 5月 書きました)