都市環境デザイン会議の見学会で川崎臨海工業地帯を訪れました。戦後の日本の重化学工業を支えてきた京浜工業地帯のど真ん中です。
テーマはライフイノベーションの特区、メガソーラー、そして震災公園を見ることでしたが、まずは素直に日本の重化学工業の中枢が今もきちんと機能している様子を目の当たりにしたことが収穫でした。
確かに多くの企業が生産の拠点を海外にシフトしていますが、ここには最先端の技術力を集約するタイプの工場と研究所などが集まっているそうです。
やはり東京に近い、(国際空港である)羽田に近いということが地方の工業地帯とは違う立地条件なのでしょう。しかしながらこれからどのくらい特権的な地位を保持できるのか・・・・それは地域の自治体、企業などの戦略などにもかかっているのでしょうが、正直なところ厳しいところも多いでしょう。
やはり、日本はヨーロッパの先進国のあとをずっと追いかけてきているわけで、重化学工業を国内においておくのは早晩きつくなると思います。第二次世界大戦中のドイツがロンドンの次に空爆の標的にしたいと考えた程の重化学工業の集積地帯、イギリス東北部の廃墟のような工場地帯をみた時には、日本もこうなるのだろうと漠然と納得させられました。もちろん違うシナリオもありえるでしょうが、相当の先見性を持った対応が必要となるでしょう。多摩川沿いでのライフイノベーション特区などはその先鞭を打つということでしょう。
ところで、今工場風景が人気だそうです。煙や炎を噴出す煙突と配管ジャングルジムの工場もよいですが、その前にある運河とあわせた景観もなかなか味があります。海(川)の色も青いような緑のような、そして少し赤いような深みがあります。
ターミネーターⅡに出てくる溶けた鉄のプールがありそうだとか、ブレードランナーの未来都市みたいだなど、皆さんの会話がこの現実の風景を映画のシーンのように捉えていたことが印象的です。それくらい非日常的である種アーティスティックな感動を与える力をこの風景は持っているということでしょうか。
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