本宮映画劇場を見た後、すぐ近くにある蛇の鼻公園に連れて行ってもらいました。市の公園ではなく、何と、地元の豪農の別邸だったところだそうです。池もあり絶景です(下写真)。
さらに驚くのは、贅を凝らした別荘建築、蛇の鼻御殿。
明治37(1904)年に出来上がったそうです。10年前には日清戦争での勝利。日本で、いわゆる近代和風建築が多くつくられた時期です。このころまでは、景気も良かったのだと思います。
破風玄関には多くの装飾があります。
中も贅の限りを凝らしています。残念ながら部屋の中には入れませんが、解説によると材料などはすごく高価なものだらけのようです。
私は、残念ながら贅とは縁のない人間ですが、この建物では例えば床柱は琵琶、床板は欅一枚板、落とし掛けは黒柿、そして天井は屋久杉といった具合です。
廊下、階段廻りは黒柿のように見えます。
面白いディテールもありました。雨戸のレールの敷居は、フラットバーの竪使いです。いいですね。
忘れるところでした。この豪邸を建てたのは、歌手の伊藤久男さんのお父さん。伊藤久男さんは何と言っても「イヨマンテの夜」・・・まず若い人にはわからないでしょうが。
高谷時彦
建築・都市デザイン
Tokihiko TAKATANI
architecture/urban design
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