知者楽水 仁者楽山。
知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむことを単純に考えるとどちらも自然を愛して生きる人生のことですね。
論語 雍也23の全文は「知者楽水 仁者楽山。知者動 仁者静。 知者楽 仁者寿」です。
知者は 知恵がすぐれ、道理をわきまえた人で、物事を円滑に処理する様子を水の流れにたとえ自分に満足する人のことです。
また、仁者は 徳が高く 情け深い人で、欲に動かされず天命を案ずる様子を不動の山にたとえ長寿を得る人のことです。
あまりいい例えではないですが、
知者は 鳴かざれば 鳴かせてみせよう 不如帰。また、「木を揺すりぼたぼた落ちる椿かな」の理知的なこと。即ち、悪いことを改め良い方向に進むことで改革的で自力です。
仁者は 鳴かざれば 鳴くまで待とう 不如帰。また、「一つ落ち二つおちたる椿かな」の自然的なこと。即ち、昔からの習慣の良いところを進化させていくことで保守的で他力です。
先日、人の生き方についてテレビで放映していました。イギリスにホームステイをした後進国の先住民は日常の生活を見て、イギリス人は飼い猫や犬は可愛がるが地域で困っている人は見て見ぬふりしている。しかし、我々は困っていれば皆なで助け合うと言っていました。
私は自然大好き人間です。コンクリートの舗装道路より、土の道路が好きです。だから、山登りや、野山を駆け巡ることは三度の飯より好きです。その山ですが、日本では大阪に国内で一番低い山があり、標高が七米とかテレビで知りました。英国では五百米以上を山と呼び、それより低い山は丘と呼ぶようです。やはり、価値観の違いです。
以前、ラジオで「鎌田 実の命の対話」を思い出して、京都長岡京からの放送でしたか?今私もお世話になっている携帯電話はauです。そのau京セラの稲盛さんがパネラーとして出席されたときの言葉です。西郷隆盛を尊敬しているとか、自分は株を持たず、部下に持たせるとか。人を先にして自分は後にする川島英五の歌「時代おくれ」の人生のようです。また、その人生は「人の能力X 気力X 考え方」で決まるとも言っていました。感動です。
向こう三軒両隣の相互協調の生活から、戦後民主主義になり個人主義の生活へ変わりましたがうまくいかずに悪循環をしているといいます。その個人主義を自分の都合のよいように考えて生活する現代社会で、例えば、人目をはばからずする電車の中での化粧に代表されています。自分の利益になることは何でもやり、他人の迷惑など全然お構いなしの生活になっていることが多々あります。昔のように人と人との心のつながりが密接に結ばれて生活していたことが懐かしく思い出されます。食事の準備をしていて卵が切れていることに気づき、その卵を隣の家から借りたり、悪いことをしている他人の子を見つければ自分の子のように叱る生活は何処へ行ったのでしょう。
論語読みの論語知らず、歎異抄読みの親鸞知らずにはなりたくないです。再度掲載、2021.11.16