2017年9月20日-1
学問修行2017年9月20日(火):Kelly, Charles R. 1962/9 オルゴン エネルギーとは何か?
Kelly, Charles R. 1962/9. What is orgone energy?. The Creative Process 2(2&3): ??-??. [reprinted 1999/7. Figure 2 substituted]
[https://www.bibliotecapleyades.net/ciencia/ciencia_reich06.htm、で2017年7月9日に入手した。]
2017年8月8日(火)-1
学問修行2017年8月8日(火):Charles R. Kelly 1962/9「オルゴン エネルギーとは何か」のProperties of Orgon -Energyの節の訳出
上記に、20170919、0920、試訳を加えた。
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オルゴン エネルギーとは何か? What is Orgone Energy?
Charles R. Kelly 著
Orgone Websiteから
「オルゴン エネルギーとは何か?」への序 Introduction to "What is Orgone Energy?"
〔すべての段落を略〕
オルゴン エネルギーとは何か? What Is Orgone Energy?
・フランツ アントン メスメル Franz Anton Mesmer は、それを動物磁気 animal magnetism と呼んだ
・カール フォン ライヘンバッハ Charles von Reichenbach は、それを オドの力 odyle [odic force] と呼んだ
アンリ ベルクソン Henri Bergson にとって、それは生命の跳躍elan vital や 生命力 vital force であった
他方、ハンス ドリーシュ Hans Driesch にとって、それはエンテレキー entelechy であった
ジークムント フロイト Sigmund Freud は、それが人の感情において機能することを観察し、それをリビドーと名づけた
一世代前の偉大なイギリス-アメリカの心理学者、ウィリアム マクドゥガル William MacDougallは、それをホルミック エネルギー hormic energy と名づけた
何百人とは言わないまでも、何十人かのあまり知られていない科学者たちは、その存在を認識し、その特別の諸性質を特徴づけるために、それに名称を与えた。
その概念の20世紀の支持者たちのなかに、たとえば、Charles Littlefueld 博士と彼の生命磁気 vital magnetism と、George Starr White博士と彼の宇宙電気エネルギー cosmo-electric energy がある。17世紀から19世紀における機械論的科学は、それの本質的特質の多くをエーテルという概念のなかに取り入れていた。他方、神秘的な人たちは、それの他の本質的特質を、神という概念のなかに取り入れていた。
オルゴン エネルギーは、すべての自然が創造される基層 substratum に対してウィルヘルム ライヒが付けた名称である。それに対してこの著者が提供できる最良の定義は、こうである。すなわち、オルゴン エネルギーとは、自然における〔唯一の〕創造的な力である。この論文は、ライヒによるオルゴン エネルギーの発見の歴史を簡潔に議論し、それの諸性質を記述するつもりである。
それから、その概念を支持する証拠と反対する証拠を要約し、最後に、その概念がなぜそんなにも大きな抵抗に会ったのかの理由を説明することに取り掛かろう。
ライヒによるオルゴン エネルギーの発見 Reich’s Discovery of Orgone Energy
〔7段落分を略〕
〔略〕ライヒは日々単純に観察し実験した。彼が見つけたものを書き留め、正直にそれを研究し、諸事実をなんらかの前もって考えられた枠組みに押し込むことなく、それらが現れるがままに組織化しながらである。彼が見つけたことは、性的抱擁の際に流れるのと同じエネルギーが、「生きている」そして「生きていない」すべての自然において存在しているということ、そしてそれは最も意義があり広く行き渡っている自然な機能を律しているということである。
ライヒは同一のオルゴン エネルギーが、現象についての次の部類の各々の基礎となっていることを見つけた。
1. 意識 Consciousness
・ 感覚 Sensation
・ 感情 Emotion
・ 知覚 Perception
・ 思考 Thought
2. 生命 Life
・ 動物の運動 Animal movement
・ 生物発生 Biogenesis
・ 繁殖 Reproduction
・ 進化 Evolution
・ 成長 Growth
3. 大気の過程と宇宙の過程 Atmospheric and cosmic processes
・ 雲 Clouds
・ 嵐 Storms
・ 大気の電気 Atmospheric electricity
・ あらゆる規模での物質(原子、惑星、星、銀河)の創造 Creation of matter at every scale (atom, planet, star, galaxy)
これら三つの領域は、ライヒの諸発見の順序に対応する。彼の精神医学での始まりから生物学から物理学へであり、各領域は前の領域を含んでいる。
しかしそれらは、それらについてのわれわれの知識に関しては逆の順序である。というのは、ライヒは、精神医学の領域を広く深く探究し、生物学のより広い領域をはるかに制限された方向で探究したのであり、そして大気の過程と宇宙の過程についての探究では良い出発をなしただけだからである。
オルゴン エネルギーの諸性質 Properties of Orgone -Energy
オルゴン エネルギーは、自然における創造的な力であるが、電磁気の一形態ではなく、物質の一形態でもない。しかし、それはどちらにとっても基礎となるものである。オルゴン エネルギーは、特異的な生命エネルギーであるが、生命はそれの一つの特定の顕れにすぎない。それについての知識は、主要な点で部分的で断片的であり、疑いもなく幾らかは間違っている。にもかかわらず、ライヒの仕事からは、オルゴン エネルギーは何なのか、それはどのように機能するのかについての、明瞭で一貫した描像が浮かび上がる。
オルゴン エネルギーの次の10個の性質が、ライヒによって導かれた。
1. それは、質量から自由である。オルゴン エネルギー自体は、慣性または重さを持たない。つまり、質量から自由である〔質量が無い〕。これが、常套的技術を用いた測定が難しい理由の一つである。質量はしかし、質量の無いオルゴン エネルギー場に密接に依存する。すべての物質は、オルゴンエネルギー場で囲まれているのである。重さまたは慣性の測定は、それ〔オルゴン エネルギー?〕に含まれる物体の特徴だけでなく、この場の特徴も反映する。
2. それは、あらゆるところにある。オルゴン エネルギーは、すべての空間を満たす。それは、様々な程度または濃度(または「電荷」)で存在するが、不在の〔欠けている〕ところは無い。それは、大気中であれ外宇宙であれ、真空にもある。この点で、20世紀の物理学のエーテルに似ている。
3. それは、電磁気現象と重力現象のための媒体である。エーテルと同様に、オルゴン エネルギーは、最も基本的な自然現象の基層である。それは、光が運動し電磁場と重力場が力を働かせる媒体である。オルゴン学の主な課題は、オルゴン エネルギーについての知識を、正統派物理学に既知の諸現象についての事実と統合することである。
4.それは、常に運動している。オルゴン エネルギーの絶え間ない運動は、適切な条件下で観察できる。少なくとも二つの特徴的な運動の型がある。脈動、または交互する膨張と収縮と、そして正常には曲がり道に沿った流れである。
5. それは、エントロピーの法則とは矛盾する。オルゴン エネルギーは、オルゴン エネルギーの集結へと引きつけられる。熱や電気は、より高きからより低きへと向かう方向をつねに示すが、それとは違ってオルゴン エネルギーは、より低きからより高きへと流れる。外部エネルギーが加えられもせず減らされたりもしない熱的系では、系内のあらゆるものが同じ温度になるまで、熱は熱い物体または資材から失なわれ、冷たいものによって吸収される。より均一に熱が分布するにつれて、「エントロピーは増加する」。熱は、結局、太陽から去って、宇宙へと出て行く。熱は、宇宙から集められて、太陽へと流入することはない。同様にして、発熱器は熱を部屋に中に放射するが、部屋から発熱器へと流れることはない。これらの過程は、エントロピーの法則と一致している。オルゴン的過程は、それとは反対の方向に働く。オルゴン エネルギーの高い集結は、より少なく集結した周囲からのオルゴン エネルギーを引きつける。オルゴン エネルギーがどんどん不均一に分布するほど、「エントロピーは減少する」。
オルゴン エネルギーが低い位置から高い位置へと流れることは、エントロピーの法則の逆に過ぎないとか、これらの過程を時間パラメータの符号を逆にすることで熱力学方程式によって表わすことを考えるのは、誤りであろう。エントロピー的ではないオルゴン的過程は、機械的に成り行きをたどるものではない。オルゴン的過程は、エントロピー的過程とは質的にまったく異なっている。実際、その過程は、生き物の成長、学習過程、そして単純な種から複雑な種への進化の原因である過程である。生きていない自然においては、オルゴン的過程は、大気中の雲と嵐の成長の原因である。そして、宇宙的規模では、銀河と銀河内での星々の成長の原因である。このことは、オルゴン エネルギーの次の性質へと導く。
6. それは、創造的活動の焦点である諸単位を形成する。オルゴン エネルギーの諸単位は、生きているか生きていないか、である。たとえば、
・バイオン 雲
・細胞 嵐
・植物 惑星
・動物 恒星
・銀河
〔訳註。上記は、「・バイオン 雲」と、生命体と非生命体の二つを組み合わせているのか?。最後の銀河は一つだけである。ひょっとして、9個が一つずつ列挙すべきところが、誤植なのか?。〕
これらのオルゴン エネルギーの諸単位のすべては、共通する特徴を持っている。すべては、上記で議論した意味で「負のエントロピー的」であり、そうしてそれらの環境からエネルギーを得るのである。すべてはそのうえ、誕生、成長、成熟、そして衰えまでを通過する「生活環」を持つ。
7. 物質はそれから創られた。適切な条件下では、物質は、質量の無いオルゴン エネルギーから生じる。これらの諸条件は、稀あるいは珍しくはない。ライヒは、新しい物質はこの惑星上で絶え間なく創られていると信じた。
8. それは、生命の原因である。オルゴン エネルギーは、唯一の生命エネルギーである。そしてそのようなものとして、生きていることを生きていないことから区別する特別の特徴の原因である。これは次のように表現できる。すなわち、或るオルゴン エネルギーの一団は、生命(それは、創造的過程の連鎖反応の一種である)と関連する特別の質を発達させる。生きていないオルゴン的単位に対照的に、生きているオルゴン的単位〔一団〕を類型化すると思われる質とは、すちわち、
a. 一個以上の親からの類似的単位の再生産
b. より高い発展方向への、単位の進化
c. 意識の存在、少なくともある程度に感じを経験し、そして環境を知覚する能力
d. 意欲の存在、個体のそれ自身の運動を統制する能力
最初の二つの性質は、すべての生き物に当てはまるように思われる。最後の性質は、知る限りでは、動物にだけ当てはまる。
オルゴン エネルギーと生命について、はるかに多くのことが言えるだろうし、この主題はたっぷりと研究されてきた。ここでの概要的見解の目的としては、しかし、上記で十分であろう。ライヒはオルゴン エネルギーの生命現象における役割を大いに詳しく述べたことを、注記しておこう。
9. オルゴン エネルギーの分離した流れは、互いに引きつけられ、そして重なるかもしれない。重なる機能は、創造的過程の基礎的形式である。自由空間では、重なっているオルゴン エネルギーの流れは、典型的には、螺旋状にまとまる〔収束する〕ふたつの流れのエネルギーの形態を示す。この形態は、渦巻銀河で最も明白に見られる。また、ハリケーンや他の大竜巻の形態でも明白に見られる。大きさの尺度の反対端では、エネルギーの二つの小さな流れが重なることによって、質量粒子が創造される。同じ過程が、生きている有機体で起きている。もちろん、そのときの形態はその関係個体の構造によって制約されている。交配は、生きている自然における重ね機能の第一の表現である。オルガスム〔性的絶頂〕の間、分離した二つのエネルギーの流れは、一緒になり重なる。交配における感じの力と深さは、そのとき生じたオルゴン エネルギーの流れの強度を反映する。
10. それは、オルゴン エネルギー装置によって、操作できるし統制できる。おそらく、最初のオルゴン エネルギー装置は、メスメルの「バケツ」であった。それは、ぞんざいなものだが明らかに効果のある形態の、オルゴン エネルギー蓄積器であった。ライヒは、オルゴン エネルギーを統制するための数個の装置を開発した。これらのうちで最も知られているのは、オルゴン エネルギー蓄積器である。この蓄積器は、金属製材料と非金属製材料を層に配列するで形づくられた封入物〔enclosure 囲い物〕である。その結果は、封入物内にエネルギーの集結となる。同じ意義を持つものが、ライヒの気象制御器械である。一種の指向性のあるアンテナ〔空中線〕で、ある領域の大気から大量のオルゴン エネルギーを取り出す[withdraw 引っ込める]ことを可能にする。正しく使えば、この器械は気象に大きな変化を引き起こす。
ライヒが記述した以上の10個の性質に、わたしは他の二つの性質を加えよう。
11. オルゴン エネルギー単位は、創造の過程において、様々な種類の貯蔵されたエネルギーを「使う」。オルゴン エネルギーの諸単位は、様々な方法で蓄えられたエネルギーを使って、自身を作りあげたり、自身の大きさまたは強さを維持したり増加したりする。このことは、食物の化学エネルギーを代謝と成長に使っている動物について、最も明瞭である。嵐は、またオルゴン エネルギーのシステムであり、それは水蒸気の凝結の潜熱〔訳註。気体、液体、固体といった或る状態を別の状態に変えるために吸収または発生する熱〕を、貯蔵されたエネルギーの源として使用する。星々〔恒星たち〕は、自身の高温を維持するのに、原子核融合反応の熱を用いているかもしれない。ただし、今日の天文学者たちが信じているように核融合反応が恒星の過程で鍵となる役割を演じているかどうかについては、わたしは保留する。15年前、天文学者たちは、恒星の熱源についてまったく異なる説明を与えた。今から15年後には、また別の説明が流行っているかもしれない。いずれにせよ、オルゴン エネルギーの諸過程が、創造的過程に仕えることに様々に使われる貯蔵エネルギーに、典型的に関与していることは明白である。
12. 「自然発生」や他のオルゴン的諸過程は、オルゴン エネルギーの流れとの接触が妨げられないことを必要とするかもしれない。生きている有機体の「自然発生」は、生物科学者たちが課した実験室条件下で稀に生じるが、このような条件はまったく異常であり自然とは相容れない。もっと自然な条件下では、生命は生きていない物質から、絶え間なく生じることができるし、生じている。この過程は、ライヒによって詳細に記述された。わたしが信じるところでは、これらの自然な条件の本質的特徴は、生命が宇宙的オルゴンの流れとともに発達するような物質、との直接の接触である。たとえば、原生生物は、封印された容器のなかに殺菌され、また囲い込まれた注入液において、稀に自然発生的に出現する。殺菌され、混入されずに保たれ、しかし封印されない、これらと同じ溶液のなかで、原生生物は定期的に出現したのである。
オルゴン エネルギーを支持する証拠と反対する証拠 Evidence for and against Orgone Energy
オルゴン エネルギーを支持する証拠、すなわち、ライヒが記述したような性質を備えた特別のエネルギーが自然界に存在するという証拠は、あまりにも広範囲にわたっていて、このような記事で十分に論評することはできない。
英語による出版物のこれら主なものを考えてもらいたい。
ライヒによる本:
・性格分析 CHARACTER ANALYSIS
・オルガスムの機能 THE FUNCTION OF THE ORGASM
・癌の生体療法 THE CANCER BIOPATHY
・エーテル、神と悪魔 ETHER,, GOD AND DEVIL
・宇宙的上重ね COSMIC SUPERIMPOSITION
・キリストの殺害 THE MURDER OF CHRIST
・宇宙との接触 CONTACT WITH SPACE
オルゴン学における科学誌:
・性経済学とオルゴン研究の国際誌(全4巻)
・オルゴン エネルギー会報と眼目(全7巻)
・オルゴン研究所年報(全1巻)
・オルゴン的医学(全1巻)
・オルゴン的機能主義(全7巻)
・創造的過程(全1巻)
技術報告:
・Kelley, C. R. 気象制御の新方法
これらの29を越える巻は、主にオルゴン エネルギー自体に関わる観察的および実験的な仕事に専念した出版物についての目録の一部である。
〔以下、略〕
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学問修行2017年9月20日(火):Kelly, Charles R. 1962/9 オルゴン エネルギーとは何か?
Kelly, Charles R. 1962/9. What is orgone energy?. The Creative Process 2(2&3): ??-??. [reprinted 1999/7. Figure 2 substituted]
[https://www.bibliotecapleyades.net/ciencia/ciencia_reich06.htm、で2017年7月9日に入手した。]
2017年8月8日(火)-1
学問修行2017年8月8日(火):Charles R. Kelly 1962/9「オルゴン エネルギーとは何か」のProperties of Orgon -Energyの節の訳出
上記に、20170919、0920、試訳を加えた。
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オルゴン エネルギーとは何か? What is Orgone Energy?
Charles R. Kelly 著
Orgone Websiteから
「オルゴン エネルギーとは何か?」への序 Introduction to "What is Orgone Energy?"
〔すべての段落を略〕
オルゴン エネルギーとは何か? What Is Orgone Energy?
・フランツ アントン メスメル Franz Anton Mesmer は、それを動物磁気 animal magnetism と呼んだ
・カール フォン ライヘンバッハ Charles von Reichenbach は、それを オドの力 odyle [odic force] と呼んだ
アンリ ベルクソン Henri Bergson にとって、それは生命の跳躍elan vital や 生命力 vital force であった
他方、ハンス ドリーシュ Hans Driesch にとって、それはエンテレキー entelechy であった
ジークムント フロイト Sigmund Freud は、それが人の感情において機能することを観察し、それをリビドーと名づけた
一世代前の偉大なイギリス-アメリカの心理学者、ウィリアム マクドゥガル William MacDougallは、それをホルミック エネルギー hormic energy と名づけた
何百人とは言わないまでも、何十人かのあまり知られていない科学者たちは、その存在を認識し、その特別の諸性質を特徴づけるために、それに名称を与えた。
その概念の20世紀の支持者たちのなかに、たとえば、Charles Littlefueld 博士と彼の生命磁気 vital magnetism と、George Starr White博士と彼の宇宙電気エネルギー cosmo-electric energy がある。17世紀から19世紀における機械論的科学は、それの本質的特質の多くをエーテルという概念のなかに取り入れていた。他方、神秘的な人たちは、それの他の本質的特質を、神という概念のなかに取り入れていた。
オルゴン エネルギーは、すべての自然が創造される基層 substratum に対してウィルヘルム ライヒが付けた名称である。それに対してこの著者が提供できる最良の定義は、こうである。すなわち、オルゴン エネルギーとは、自然における〔唯一の〕創造的な力である。この論文は、ライヒによるオルゴン エネルギーの発見の歴史を簡潔に議論し、それの諸性質を記述するつもりである。
それから、その概念を支持する証拠と反対する証拠を要約し、最後に、その概念がなぜそんなにも大きな抵抗に会ったのかの理由を説明することに取り掛かろう。
ライヒによるオルゴン エネルギーの発見 Reich’s Discovery of Orgone Energy
〔7段落分を略〕
〔略〕ライヒは日々単純に観察し実験した。彼が見つけたものを書き留め、正直にそれを研究し、諸事実をなんらかの前もって考えられた枠組みに押し込むことなく、それらが現れるがままに組織化しながらである。彼が見つけたことは、性的抱擁の際に流れるのと同じエネルギーが、「生きている」そして「生きていない」すべての自然において存在しているということ、そしてそれは最も意義があり広く行き渡っている自然な機能を律しているということである。
ライヒは同一のオルゴン エネルギーが、現象についての次の部類の各々の基礎となっていることを見つけた。
1. 意識 Consciousness
・ 感覚 Sensation
・ 感情 Emotion
・ 知覚 Perception
・ 思考 Thought
2. 生命 Life
・ 動物の運動 Animal movement
・ 生物発生 Biogenesis
・ 繁殖 Reproduction
・ 進化 Evolution
・ 成長 Growth
3. 大気の過程と宇宙の過程 Atmospheric and cosmic processes
・ 雲 Clouds
・ 嵐 Storms
・ 大気の電気 Atmospheric electricity
・ あらゆる規模での物質(原子、惑星、星、銀河)の創造 Creation of matter at every scale (atom, planet, star, galaxy)
これら三つの領域は、ライヒの諸発見の順序に対応する。彼の精神医学での始まりから生物学から物理学へであり、各領域は前の領域を含んでいる。
しかしそれらは、それらについてのわれわれの知識に関しては逆の順序である。というのは、ライヒは、精神医学の領域を広く深く探究し、生物学のより広い領域をはるかに制限された方向で探究したのであり、そして大気の過程と宇宙の過程についての探究では良い出発をなしただけだからである。
オルゴン エネルギーの諸性質 Properties of Orgone -Energy
オルゴン エネルギーは、自然における創造的な力であるが、電磁気の一形態ではなく、物質の一形態でもない。しかし、それはどちらにとっても基礎となるものである。オルゴン エネルギーは、特異的な生命エネルギーであるが、生命はそれの一つの特定の顕れにすぎない。それについての知識は、主要な点で部分的で断片的であり、疑いもなく幾らかは間違っている。にもかかわらず、ライヒの仕事からは、オルゴン エネルギーは何なのか、それはどのように機能するのかについての、明瞭で一貫した描像が浮かび上がる。
オルゴン エネルギーの次の10個の性質が、ライヒによって導かれた。
1. それは、質量から自由である。オルゴン エネルギー自体は、慣性または重さを持たない。つまり、質量から自由である〔質量が無い〕。これが、常套的技術を用いた測定が難しい理由の一つである。質量はしかし、質量の無いオルゴン エネルギー場に密接に依存する。すべての物質は、オルゴンエネルギー場で囲まれているのである。重さまたは慣性の測定は、それ〔オルゴン エネルギー?〕に含まれる物体の特徴だけでなく、この場の特徴も反映する。
2. それは、あらゆるところにある。オルゴン エネルギーは、すべての空間を満たす。それは、様々な程度または濃度(または「電荷」)で存在するが、不在の〔欠けている〕ところは無い。それは、大気中であれ外宇宙であれ、真空にもある。この点で、20世紀の物理学のエーテルに似ている。
3. それは、電磁気現象と重力現象のための媒体である。エーテルと同様に、オルゴン エネルギーは、最も基本的な自然現象の基層である。それは、光が運動し電磁場と重力場が力を働かせる媒体である。オルゴン学の主な課題は、オルゴン エネルギーについての知識を、正統派物理学に既知の諸現象についての事実と統合することである。
4.それは、常に運動している。オルゴン エネルギーの絶え間ない運動は、適切な条件下で観察できる。少なくとも二つの特徴的な運動の型がある。脈動、または交互する膨張と収縮と、そして正常には曲がり道に沿った流れである。
5. それは、エントロピーの法則とは矛盾する。オルゴン エネルギーは、オルゴン エネルギーの集結へと引きつけられる。熱や電気は、より高きからより低きへと向かう方向をつねに示すが、それとは違ってオルゴン エネルギーは、より低きからより高きへと流れる。外部エネルギーが加えられもせず減らされたりもしない熱的系では、系内のあらゆるものが同じ温度になるまで、熱は熱い物体または資材から失なわれ、冷たいものによって吸収される。より均一に熱が分布するにつれて、「エントロピーは増加する」。熱は、結局、太陽から去って、宇宙へと出て行く。熱は、宇宙から集められて、太陽へと流入することはない。同様にして、発熱器は熱を部屋に中に放射するが、部屋から発熱器へと流れることはない。これらの過程は、エントロピーの法則と一致している。オルゴン的過程は、それとは反対の方向に働く。オルゴン エネルギーの高い集結は、より少なく集結した周囲からのオルゴン エネルギーを引きつける。オルゴン エネルギーがどんどん不均一に分布するほど、「エントロピーは減少する」。
オルゴン エネルギーが低い位置から高い位置へと流れることは、エントロピーの法則の逆に過ぎないとか、これらの過程を時間パラメータの符号を逆にすることで熱力学方程式によって表わすことを考えるのは、誤りであろう。エントロピー的ではないオルゴン的過程は、機械的に成り行きをたどるものではない。オルゴン的過程は、エントロピー的過程とは質的にまったく異なっている。実際、その過程は、生き物の成長、学習過程、そして単純な種から複雑な種への進化の原因である過程である。生きていない自然においては、オルゴン的過程は、大気中の雲と嵐の成長の原因である。そして、宇宙的規模では、銀河と銀河内での星々の成長の原因である。このことは、オルゴン エネルギーの次の性質へと導く。
6. それは、創造的活動の焦点である諸単位を形成する。オルゴン エネルギーの諸単位は、生きているか生きていないか、である。たとえば、
・バイオン 雲
・細胞 嵐
・植物 惑星
・動物 恒星
・銀河
〔訳註。上記は、「・バイオン 雲」と、生命体と非生命体の二つを組み合わせているのか?。最後の銀河は一つだけである。ひょっとして、9個が一つずつ列挙すべきところが、誤植なのか?。〕
これらのオルゴン エネルギーの諸単位のすべては、共通する特徴を持っている。すべては、上記で議論した意味で「負のエントロピー的」であり、そうしてそれらの環境からエネルギーを得るのである。すべてはそのうえ、誕生、成長、成熟、そして衰えまでを通過する「生活環」を持つ。
7. 物質はそれから創られた。適切な条件下では、物質は、質量の無いオルゴン エネルギーから生じる。これらの諸条件は、稀あるいは珍しくはない。ライヒは、新しい物質はこの惑星上で絶え間なく創られていると信じた。
8. それは、生命の原因である。オルゴン エネルギーは、唯一の生命エネルギーである。そしてそのようなものとして、生きていることを生きていないことから区別する特別の特徴の原因である。これは次のように表現できる。すなわち、或るオルゴン エネルギーの一団は、生命(それは、創造的過程の連鎖反応の一種である)と関連する特別の質を発達させる。生きていないオルゴン的単位に対照的に、生きているオルゴン的単位〔一団〕を類型化すると思われる質とは、すちわち、
a. 一個以上の親からの類似的単位の再生産
b. より高い発展方向への、単位の進化
c. 意識の存在、少なくともある程度に感じを経験し、そして環境を知覚する能力
d. 意欲の存在、個体のそれ自身の運動を統制する能力
最初の二つの性質は、すべての生き物に当てはまるように思われる。最後の性質は、知る限りでは、動物にだけ当てはまる。
オルゴン エネルギーと生命について、はるかに多くのことが言えるだろうし、この主題はたっぷりと研究されてきた。ここでの概要的見解の目的としては、しかし、上記で十分であろう。ライヒはオルゴン エネルギーの生命現象における役割を大いに詳しく述べたことを、注記しておこう。
9. オルゴン エネルギーの分離した流れは、互いに引きつけられ、そして重なるかもしれない。重なる機能は、創造的過程の基礎的形式である。自由空間では、重なっているオルゴン エネルギーの流れは、典型的には、螺旋状にまとまる〔収束する〕ふたつの流れのエネルギーの形態を示す。この形態は、渦巻銀河で最も明白に見られる。また、ハリケーンや他の大竜巻の形態でも明白に見られる。大きさの尺度の反対端では、エネルギーの二つの小さな流れが重なることによって、質量粒子が創造される。同じ過程が、生きている有機体で起きている。もちろん、そのときの形態はその関係個体の構造によって制約されている。交配は、生きている自然における重ね機能の第一の表現である。オルガスム〔性的絶頂〕の間、分離した二つのエネルギーの流れは、一緒になり重なる。交配における感じの力と深さは、そのとき生じたオルゴン エネルギーの流れの強度を反映する。
10. それは、オルゴン エネルギー装置によって、操作できるし統制できる。おそらく、最初のオルゴン エネルギー装置は、メスメルの「バケツ」であった。それは、ぞんざいなものだが明らかに効果のある形態の、オルゴン エネルギー蓄積器であった。ライヒは、オルゴン エネルギーを統制するための数個の装置を開発した。これらのうちで最も知られているのは、オルゴン エネルギー蓄積器である。この蓄積器は、金属製材料と非金属製材料を層に配列するで形づくられた封入物〔enclosure 囲い物〕である。その結果は、封入物内にエネルギーの集結となる。同じ意義を持つものが、ライヒの気象制御器械である。一種の指向性のあるアンテナ〔空中線〕で、ある領域の大気から大量のオルゴン エネルギーを取り出す[withdraw 引っ込める]ことを可能にする。正しく使えば、この器械は気象に大きな変化を引き起こす。
ライヒが記述した以上の10個の性質に、わたしは他の二つの性質を加えよう。
11. オルゴン エネルギー単位は、創造の過程において、様々な種類の貯蔵されたエネルギーを「使う」。オルゴン エネルギーの諸単位は、様々な方法で蓄えられたエネルギーを使って、自身を作りあげたり、自身の大きさまたは強さを維持したり増加したりする。このことは、食物の化学エネルギーを代謝と成長に使っている動物について、最も明瞭である。嵐は、またオルゴン エネルギーのシステムであり、それは水蒸気の凝結の潜熱〔訳註。気体、液体、固体といった或る状態を別の状態に変えるために吸収または発生する熱〕を、貯蔵されたエネルギーの源として使用する。星々〔恒星たち〕は、自身の高温を維持するのに、原子核融合反応の熱を用いているかもしれない。ただし、今日の天文学者たちが信じているように核融合反応が恒星の過程で鍵となる役割を演じているかどうかについては、わたしは保留する。15年前、天文学者たちは、恒星の熱源についてまったく異なる説明を与えた。今から15年後には、また別の説明が流行っているかもしれない。いずれにせよ、オルゴン エネルギーの諸過程が、創造的過程に仕えることに様々に使われる貯蔵エネルギーに、典型的に関与していることは明白である。
12. 「自然発生」や他のオルゴン的諸過程は、オルゴン エネルギーの流れとの接触が妨げられないことを必要とするかもしれない。生きている有機体の「自然発生」は、生物科学者たちが課した実験室条件下で稀に生じるが、このような条件はまったく異常であり自然とは相容れない。もっと自然な条件下では、生命は生きていない物質から、絶え間なく生じることができるし、生じている。この過程は、ライヒによって詳細に記述された。わたしが信じるところでは、これらの自然な条件の本質的特徴は、生命が宇宙的オルゴンの流れとともに発達するような物質、との直接の接触である。たとえば、原生生物は、封印された容器のなかに殺菌され、また囲い込まれた注入液において、稀に自然発生的に出現する。殺菌され、混入されずに保たれ、しかし封印されない、これらと同じ溶液のなかで、原生生物は定期的に出現したのである。
オルゴン エネルギーを支持する証拠と反対する証拠 Evidence for and against Orgone Energy
オルゴン エネルギーを支持する証拠、すなわち、ライヒが記述したような性質を備えた特別のエネルギーが自然界に存在するという証拠は、あまりにも広範囲にわたっていて、このような記事で十分に論評することはできない。
英語による出版物のこれら主なものを考えてもらいたい。
ライヒによる本:
・性格分析 CHARACTER ANALYSIS
・オルガスムの機能 THE FUNCTION OF THE ORGASM
・癌の生体療法 THE CANCER BIOPATHY
・エーテル、神と悪魔 ETHER,, GOD AND DEVIL
・宇宙的上重ね COSMIC SUPERIMPOSITION
・キリストの殺害 THE MURDER OF CHRIST
・宇宙との接触 CONTACT WITH SPACE
オルゴン学における科学誌:
・性経済学とオルゴン研究の国際誌(全4巻)
・オルゴン エネルギー会報と眼目(全7巻)
・オルゴン研究所年報(全1巻)
・オルゴン的医学(全1巻)
・オルゴン的機能主義(全7巻)
・創造的過程(全1巻)
技術報告:
・Kelley, C. R. 気象制御の新方法
これらの29を越える巻は、主にオルゴン エネルギー自体に関わる観察的および実験的な仕事に専念した出版物についての目録の一部である。
〔以下、略〕
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