生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

線図 diagram と機構 mechanism

2016年08月12日 22時13分20秒 | 生命論
2016年8月12日-1
線図 diagram と機構 mechanism

 The Oxford Paperback Dictionary(Hawkins, Joyce M. compiled 1979. )によれば、diagramとは、「a drawing that shows the parts of something or how it works」(p.170)とある。「何かの部分、または何かが働く仕方を示す線絵画」である。drawingは狭義の、つまりdrawingとは区別される絵画 pictureに、たとえば線を重ねれば絵画になねのだろうか?。
 同じ辞書によれば、drawingは「a picture etc drawn but not coloured」(p.189)とある。そして、drawの9番目の意味は「to produce a picture or diagram by making marks on a surface」(p.189)とある。で、markは「1. something that visibly breaks the uniformity of a surface, especially one that spoils its appearance. 〔略〕5. a written or printed symbol」(p.389)とある。
 paintとは、「n. colouring-matter for applying in liquid form to a surface. v. 1. to coat or decorate with paint. 2. to make a picture or portray by using paint(s). 」(p.455)とある。paintingは、「a painted picture」(p.455)である。
 symbolとは、「1. a thing regarded as suggesting something or embodying certain characteristics, _the cross is the symbol of christianity; the lion is the symbol of courage. 2. mark or sign with a special meaning, such as mathematical signs (e.g. + and − for addition and subtraction), puntuation marks, written or printed forms of notes in music.」(p.666)である。

 「technique n. the method of doing or performing something (especially in an art or science9, skill in this.」(p.675)。
 「technology n. 1. the scientific study of mechanical arts and applied sciences (e.g. engineering). 2. these subjects, their practical application in industry etc.」(p.675)。


 William Bechtel (2006) "Discovering Cell Mechanisms" のIndex によると、
  diagrams of mechanisms 34-38, 40, 62
とある。したがって、2.4節の〈機構の再現前〔表象〕と推論〔理由づけ〕〉を訳出することにしよう。
 なお、Bechtel(2006: vii)の目次では第2章は次の通り。
  2. Explaning Cellular Phenomena through Mecganisms p.19
   2.1. Histroical Conceptions of Mechanism p.20
   2.2. Twentieth-Century Conceptions of Mechanism p.24
   2.3. Current Conceptions of Mechanism p.26
      Mechanisms Explain Phenomena p.27
      Component Parts and Component Operations p.30
      Organization and Orchestration p.32
   2.4. Representing and Reasoning about Mechanisms p.33
   2.5. Levels of Organization and Reduction p.40
   2.6. Organization: From Cartesian to Biological Mechanisms p.44
   2.7. Discovering and Testing Models of Mechanisms p.54
      Identifying Working Parts p.55
      Identifying Component Operations p.57
      Localizing Operations in Parts p.60
      Testing Models of Mechanisms p.61
   2.8. Conclusion p.62

   





□ 文献 □
池田清彦.2013/12/15.生きているとはどういうことか.222pp.筑摩書房[選書].[本体価格1,400円+税][B20140115][Rh20140129]

Bechtel, W. 2006. Discovering Cell Mechanisms: the Creation of Modern Cell Biology. xii+323pp. Cambridge University Press. [B20081105]

Hawkins, Joyce M. compiled 1979. The Oxford Paperback Dictionary. viii+770pp. Oxford University Press. [B19790817]


機械論と生気論:資料20160730

2016年07月30日 23時30分01秒 | 生命論
2016年7月30日-2
機械論と生気論:資料20160730


 石井友幸(1947/11)『生物学と唯物弁証法』〔旧字体は新字体に変換した〕 の第一部、生物学と唯物弁証法は、

  一 生命論における唯物論と観念論  3頁
  二 生物学と哲学          8頁
  三 機械論             11頁
  四 生気論             19頁
  五 全体論             21頁
  六 唯物弁証法的生物学へ      26頁
  七 理論生物学の諸問題       28-47頁

となっている。

□ 文献 □
石井友幸.1947/11/10.生物学と唯物弁証法.237pp.彰考書院.[定價 金 七拾圓][P19860421

人工生命論批判20160730

2016年07月30日 23時15分43秒 | 生命論
2016年7月30日-1
人工生命論批判20160730


主張1:
・人工生命なるものは、コンピュータ内での計算をもって生命的振る舞いとしている限りは、生命体ではない。(計算機〔コンピュータ〕全体+人)は、一つのシステムとは一時的になることはできても、生命システムではない。計算機は、拡大された或る人の一部だとみなすと、それは人体という一つの生命体システムである。しかし、その境界は一定しない。
 人体内部に埋め込んでも、取り出すことは可能であるし、取り出せば、人体ではないし、人の脳が作業命令を神経系から計算機に命令すれば、人体の一部とみなせるが、そのとき、計算機が内部に生命を創発しようとも、計算機は寄生体または奴隷であろう。計算機が人体の外に設置されていようと人体内に埋め込まれていようと、それ自体が環境からエネルギーや物体といった資源を自ら得ることは無い。自ら得るようにプログラムや装置を設計して接続することはできるだろうが、そのようにした(力)は人の力であり、とりわけ設計力である。

主張2:
 計算機内で創発は起きない。
 まず、物質的世界で、下位システムたちからの物体や諸力の組み合わせで、〈制御〉階層 control hierarchy での上位システムが創発する例は、無い。在るとしているのは、或るパターン〔模様〕を創発的だとみなしているにすぎない。或る動的な恒常的なパターンをそうだと主張しているのである。上位からの制御または統御が作用しているわれではない。
 ましてや計算機内では、パターンにすぎない。システムとしているのも、パターンにすぎない。また(あるとして)新奇な性質なるものも、パターンにすぎない。力または作用も、計算上のことである。


 

Langton, C.G. (eds.) 1995. Artificial Life: An Overview. xi+340pp. The MIT Press. [B19950908, y6544]

星野力.1998.進化論は計算しないとわからない─人工生命白書─.vi+125pp.共立出版.[本体2,300円+税][B19980728]

David Hull 1974 生命力としての生命

2016年07月29日 00時27分21秒 | 生命論
2016年7月29日-1
David Hull 1974 生命力としての生命


  「
生命力としての生命

 生気論の何人かの擁護者は、生命は、生命的流体ではなく、生命力だと主張した。〔略〕
生命力を〔質料〔実体〕として解釈するのではなく、〕物体の性質として見られるならば、生気論は整合した立場となり、主要な異議を回避できる。鉄の棒が磁化されるとき、磁気は鉄の棒に加えられるなんらかの重さの無い〔軽量できない〕質料ではないのと同様に、生命は受胎のときに生きものに加えられる重さの無い流体ではない。磁気も生命も、物質から作られていて、その編制〔組織性〕からもたらされるのである。鉄のそれぞれの分子は、磁気的効果を示すが、通常の鉄の棒では分子たちはでたらめに配列されているので、これらの磁気的効果は互いに打ち消し合う。しかし、分子たちの極が同じ方向に整列されるように分子たちが配列されればされるほど、その棒は徐々にますます磁気的になる。その状況は、物理学者たちが、時を川のように流れたなにかと見ることを止め、また空間を物体の存在とは関わりなく、すべての方向に無限に延びた容れ物として見ることを止めたときの物理学における状況と類似している。空間と時間の両方とも、今では物体の組織的性質として見られている。すべての性質を虚構だと呼ぼうとしない限りは、空間と時間は虚構ではないのである。
 〔略〕生命が、一定の物質的システムの編制的〔組織上の〕性質と見られるならば、最初の生きものが生命の無い質料から生じたときにどこから生命がやって来たかとか、生きものが死ぬときせはどこに行くのかとかについて思いわずらわねばならないということはない。」
(Hull 1974: 128-129)
[20160728零試訳]。


人の同一性、今西錦司の〈変わるべくして変わる〉

2016年07月28日 17時28分15秒 | 生命論
2016年7月28日-2
人の同一性、今西錦司の〈変わるべくして変わる〉

 心の哲学まとめWiki 人格の同一性
  「或る精神が変化したならば、それは別の精神ではないか。また人は眠っているとき、ノンレム睡眠の状態では意識は途切れているとされる。ならば昨日の少年の意識と今日の少年の意識は別のものと考えられるのではないか?」
https://www21.atwiki.jp/p_mind/pages/128.html[受信:2016年7月28日。]


→ノンレム睡眠で、意識は無い?、という測定または主張の文献は?
・人を例として論じる。
・自己意識と睡眠と肉体


 自分は、成長したり、性格が変わったりしても、同じ自分である。
 人の自己意識の同一性を、わたしは、ずっと認識している。ところで、わたしは眠る。→眠りの二種類と覚醒意識


 〈人は、日々、眠るとき、死んでいる。〉
 →このときの死の意味は、意識の焦点または肉体との接続の途切れ。 →意識の糸 thread of consciousness と生命の糸 thread of life。

・植物人間状態の検討、脳死が人の意識としての死。
 →肉体全体自体は生命エネルギーを受け取って、機能している。
・過程の不可逆性。


・記憶の同一性
・認知症、わたしは誰?→自己認識の機構の破壊か、発話の機構の機能不全か。

・個々の構成要素と構成要素間の諸関係



星野力.1998/7/15.進化論は計算しないとわからない —人工生命白書—.125pp.共立出版社.[本体2,300円+税][B19980728]

4.3.1 創発的設計論と自然選択万能説の限界(96-98頁)
4.3.2 多段創発はできるのか(98-102頁)
を検討せよ。



今西錦司の〈変わるべくして変わる〉

  「今西〔錦司〕:〔略〕化石を並べてみると、一定の方向に進化している。だから、定向進化は進化の事実である。私はこの事実を表現するために、生物はすべて「変わるべくして変わった」という言葉を用いているんですけれど、みなさんは〔略〕変わるべくして変わるではようわからん、どおっしゃる。」
(今西他 78〔今西錦司・吉本隆明、ダーウィンを超えて、今西進化論講義、朝日出版社、1978〕、p.83)
(伊庭斉志 『進化的計算の方法』、108頁により引用。)



□ 文献 □
伊庭斉志.1999/2/25.進化的計算の方法.173pp.東京大学出版会.[本体価格2800円+税][B19991013]

星野力.1998/7/15.進化論は計算しないとわからない —人工生命白書—.125pp.共立出版社.[本体2,300円+税][B19980728]




David Hull デイヴィッド ハル 1974の生命論(生気論と機械論)[1]

2016年07月28日 17時17分18秒 | 生命論
2016年7月28日-1
David Hull デイヴィッド ハル 1974の生命論(生気論と機械論)[1]
2016年7月26日-1に、
 2016年7月28日加筆(修正と追加)


生きているというシステム的状態
 生命とは、〈生きている状態〉を〈もたらす何ものか〉という力または作用の機構的な定義を考えることにする。
 生きている状態をもたらすということに限定しているのは、生命の本質を考えるには、妥当なことだろう。多くの論者が、生殖または複製を生命活動の特徴だとみなすのは妥当であるが、それは最低限に生きていることの結果であり、さらに余剰的な活動が可能でかつ実際にしたからである。生殖または複製は、まったくのところ、生きている状態をもたらすものではない。
 DNAの複製は生命維持に必須だという主張はきっとあるだろうが、DNA自体は不活性の物体であって、細胞が生きていて蛋白体合成機構を作動させるのである。PCR装置は実物の細胞全体を使っているわけではないが、環境条件を整えて、複製を作動させているのは結局のところ人である。自動化のためのプログラムを設計し、機械の実装するのも、人である。→機械論的説明の根本的欠陥。


生命の定義または生命論
 Philosophy of Biology といった本では、生命の定義はなされないか、きちんと取り組もうというものが、Mahner & Bunge (1997) を除くと、近年は少ない。索引に「life」が無いほどである。進化理論に関係することは議論されているのだが、むしろそれゆえにか(下記参照)、昔の本のほうが、生命とは何かについての議論が掲載されている。たとえば、Hull (1974) である。日本語の訳本は、木原弘二氏によるもので、『生物科学の哲学』として、1985/6/30に出版されている。
 Hull (1974) の生気論と機械論の説明部分を(木原弘二氏の訳業を参照しつつ)訳出して、生命機構、または生きている状態をもたらす機構、を考えることにしよう。

 「機械論 mechanism は通常、すべての科学は、究極には、物理学の特別な一分野である機構学〔力学〕 mechanics へと還元されるだろうという見解として解釈された。しかし機構学〔力学〕は、物理学の基礎としてさえ、ましてやすべての科学の基礎としては、不適切だと分かったのである。」
(Hull 1974: 126)[20160726試訳]。



機構学 mechanicsと動力学 dynamics
 物理学の分野名として、力学は mechanics の場合と dynamics がある。Mario Bunge は、不統一だと指摘している。dynamicsは、力学以外では、動力学とか動態と訳される。(特に微分の形で)時間変数が入っている方程式は、dynamics を記述するものとみなされよう。
 時間変数が入っていない場合、法則性、または事物の振る舞いへの様々な制約または拘束条件を与えることになる。その場合、自由性(または自由度)が定義できるだろう。そしてなんらかの測度が設定できる。
 では機構は、どのように定式化できるのか?。なんらかの法則性または、ここでは広義の力学的制約またはエネルギー的制約のもとで、機構、つまりいくつかの種類と程度のエネルギーをどのように使っているかを、生命体の物質的構成と構造と環境との応答から、推論することになる。



  「LIFE AS A VITAL FLUID

The most straightfofard version of vitalism is that living creatures differ from inanimate objects because they are made of different substances. Living creatures are made up of one kind of substance, inanimate objects another, and neither substanceis reducible to or derivable from the other. Vital substance is not made of material substance, and material substance is not made of vital substance. A slightly more sophisticated version of this type of vitalism is that everything is made of the same basic kind of substance, except that living creature contain an additional vital substance. After Newton, vital substance was more frequently characterized as a fluid, in analogy to caloric, phlogiston, and other imponderable fluids popular in the day. Just as heat was considered to be a fluid that flowed from warm bodies into cold ones, life was considered a vital fluid that was passed on in reproduction and departed upon death.

生命的流体としての生命

  最もわかりやすい見解の生気論は、生きものが生きていない物体と異なるのは、それらが異なる質料 substance からできているからだというものである。生きものは或る類いの質料から作られており、生きていない物体は別の類いの質料から作られている。生命の質料は、物質的質料から作られておらず、物質的質料は生命的質料から作られてはいない。この型の生気論の少しばかりより洗練された見解は、あらゆるものは同一の類いの基本的質料からできているが、生きものは追加の生命的質料を含んでいるところが例外だというものである。ニュートンの後で、生命的質料は一つの流体として特徴づけられることが、より頻繁となった。それは、熱素 caloric や燃素 phlogiston など、当時流布した計ることのできないものからの類推である。ちょうど熱が、熱い物体から冷たい物体へと流れる流体だと考えられたと同様に、生命的流体は、生殖の際に伝えられ、そして死に際して離れるものだと考えられたのである。」
(Hull 1974: 127-128)[20160726零試訳]。


 「生命とは生命的流体なのだと受け入れるならば、二つの帰結が必然的となる。すなわち、生きものは生きていない質料からは進化できなかったであろうこと、そして生命は実験室で人によって創造することはできないということである。」
(Hull 1974: 128)[20160726零試訳]。


 「生化学者は、正しい物理的要素をすべて、正しい秩序で結びつけるかもしれない。しかし、なんらかの生命的流体を加えない限り、生命を試験管のなかで創造することは決してできないだろう。生化学者はいずれの生命的流体であれ、どのようにして手に入れたらよいのか、途方にくれるばかりであるから、生きものを産出することはできないだろう。類似の論証が、計算機〔コンピュータ〕思考という考えに対する反論として、主張されてきた。もし心が、人々が持っていて機械が持っていない、特別の類いの質料であるならば、科学者は人が遂行できる(たとえば、チェスをする、数学問題を解く、帰納的推論をする、詩を書く、だまされる、などなど)心的離れ業のなんでも遂行できる計算機〔コンピュータ〕を製造したとしても、必要な心的質料を欠いているから、それは決して意識的であることはないのだ。
 〔略〕1828年の二要素の合成と、DNAの複製する部分の生産の近年の成功 を含んだ、後の諸達成は、この見解の生気論の放棄に重要な役割を演じたに違いないと考える人がいるだろう。それは、本当ではない。1837年の星の〔動きの〕逆説が観察されるよりもずっと前に、天文学者たちがプトレオマイオスの体系を棄てたのとちょうど同じように、たいていの生物学者たちは、その存在が決定的に論駁されるよりもずっと前に、生気的流体という概念に幻滅したのであった。その概念を生物学者たちが棄てた理由は主に、研究の進行のうえでなんらの進歩にも導かなかったから、またそれとは両立しない他の理論が、具体的には進化理論が、生じたからである。もし生きものが、遠い過去に、純粋に生きていない質料から自然発生したのならば、生命は生命的流体ではあり得ないことになる。よって、少なくとも原理的に、試験管内で生命を創造することは可能なのである。」
(Hull 1974: 128)[20160726零試訳]。



□ 文献 □
ハル,D.L. 1974(木原弘二 訳 1985/6/30).生物科学の哲学.v+232pp.培風館.[2400円][B19850705、2,000円*?][Rh19890328][Philosophy of Biological Science. Prentice-Hall, Inc. ]

Hull, D.L. 1974. Philosophy of Biological Science. xi+148pp. Prentice-Hall. [B20000731, out of print $65.99+5.95amz]

Hull, D.L. & Ruse, M. (eds.) 1998. The Philosophy of Biology. ix+772pp. Oxford University Press. [B19981118, $85.00+5.95=90.95]

*Hull, D.L. & Ruse, M. (eds.) 2007. The Cambridge Companion to the Philosophy of Biology. Cambridge University Press.

Mayr, E. 1982. The Growth of Biological Thought: Diversity, Evolution, and Inheritance. ix+974pp. The Belknap Press of Harvard University Press. [B19950511, $18.95-1.89+51.81/4]

Mayr, E. 1988. Toward a new philosophy of biology: observation of an evolutionist. xi+564pp. Harvard University Press. [B19941226, $16.95+1/2*3.85]

Rosenberg, A. & McShea, D.W. 2008. Philosophy of Biology: A Contemporary Introduction. xii+241pp. Routledge. [B20080424, y4023]

Ruse, M. 1988. Philosophy of Biology Today. x+155pp. SUNY Press. [State University of New York Press ?***] [B19991007, $16.95+30.85/5]

Ruse, M. (ed.) 1989. What the Philosophy of Biology Is: Essays Dedicated to David Hull. xi+337 pp. Kluwer Academic Publishers. [Psep200309]

Sober, E. 1993. Philosophy of Biology. xix+231pp. Westview Press. [B19941212, y2000]

Sober, E. 2000. Philosophy of Biology. Second edition. xviii+236pp. Westview Press. [B20070331]

Sterelny, K. & Griffiths, P.E. 1999. Sex and Death: An Introduction to Philosophy of Biology. xvi+440pp. The University of Chicago Press. [B19991116, $22.00+54.60/8]



David Hull デイヴィッド ハル 1974の生命論(生気論と機械論)

2016年07月26日 18時07分59秒 | 生命論
2016年7月26日-1
David Hull デイヴィッド ハル 1974の生命論(生気論と機械論)

 Hull (1974) の生気論と機械論の説明部分を(木原弘二氏の訳業を参照しつつ)訳出して、生命機構、または生きている状態をもたらす機構、を考えることにしよう。
 生きている状態をもたらすということに限定しているのは、生命の本質を考えるには、妥当なことだろう。多くの論者が、生殖または複製を生命活動の特徴だとみなすのは妥当であるが、それは最低限に生きていることの結果であり、さらに余剰的な活動が可能でかつ実際にしたからである。生殖または複製は、まったくのところ、生きている状態をもたらすものではない。
 DNAの複製は生命維持に必須だという主張はきっとあるだろうが、DNA自体は不活性の物体であって、細胞が生きていて蛋白体合成機構を作動させるのである。PCR装置は実物の細胞全体を使っているわけではないが、環境条件を整えて、複製を作動させているのは結局のところ人である。自動化のためのプログラムを設計し、機械の実装するのも、人である。→機械論的説明の根本的欠陥。

 「機械論 mechanism は通常、すべての科学は、究極には、物理学の特別な一分野である機構学〔力学〕 mechanics へと還元されるだろうという見解として解釈された。しかし機構学〔力学〕は、物理学の基礎としてさえ、ましてやすべての科学の基礎としては、不適切だと分かったのである。」[20160726試訳]。
(Hull 1974: 126)。

 物理学の分野名として、力学は mechanics の場合と dynamics がある。Mario Bunge は、不統一だと指摘している。dynamicsは、力学以外では、動力学とか動態と訳される。(特に微分の形で)時間変数が入っている方程式は、dynamics を記述するものとみなされよう。
 時間変数が入っていない場合、法則性、または事物の振る舞いへの様々な制約または拘束条件を与えることになる。その場合、自由性(または自由度)が定義できるだろう。そしてなんらかの測度が設定できる。
 では機構は、どのように定式化できるのか?。なんらかの法則性または、ここでは広義の力学的制約またはエネルギー的制約のもとで、機構、つまりいくつかの種類と程度のエネルギーをどのように使っているかを、生命体の物質的構成と構造と環境との応答から、推論することになる。


  「The most straightfofard version of vitalism is that living creatures differ from inanimate objects because they are made of different substances. Living creatures are made up of one kind of substance, inanimate objects another, and neither substanceis reducible to or derivable from the other. Vital substance is not made of material substance, and material substance is not made of vital substance. A slightly more sophisticated version of this type of vitalism is that everything is made of the same basic kind of substance, except that living creature contain an additional vital substance. After Newton, vital substance was more frequently characterized as a fluid, in analogy to caloric, phlogiston, and other imponderable fluids popular in the day. Just as heat was considered to be a fluid that flowed from warm bodies into cold ones, life was considered a vital fluid that was passed on in reproduction and departed upon death.
  最もわかりやすい見解の生気論は、生きものが生きていない物体と異なるのは、それらが異なる質料 substance からできているからだというものである。生きものは或る類いの質料から作られており、生きていない物体は別の類いの質料から作られている。生命の質料は、物質的質料から作られておらず、物質的質料は生命的質料から作られてはいない。この型の生気論の少しばかりより洗練された見解は、あらゆるものは同一の類いの基本的質料からできているが、生きものは追加の生命的質料を含んでいるところが例外だというものである。ニュートンの後で、生命的質料は一つの流体として特徴づけられることが、より頻繁となった。それは、カロリックやフロジストンなど、当時流布した計ることのできないものからの類推である。ちょうど熱が、熱い物体から冷たい物体へと流れる流体だと考えられたと同様に、生命的流体は、生殖の際に伝えられ、そして死に際して離れるものだと考えられたのである。

[20160726零試訳]。
(Hull 1974: 127-128)。

 「生命とは生命的流体だと受け入れるならば、二つの帰結が必然的となる。すなわち、生きものは生きていない質料からは進化できなかったであろうこと、そして生命は実験室で人によって創造できないということである。」
[20160726零試訳]。
(Hull 1974: 128)。


□ 文献 □
ハル,D.L. 1974(木原弘二 訳 1985).生物科学の哲学.v+232pp.培風館.[2400円][B19850705、2,000円*?][Rh19890328][Philosophy of Biological Science. Prentice-Hall, Inc. ]

Hull, D.L. 1974. Philosophy of Biological Science. xi+148pp. Prentice-Hall. [B20000731, out of print $65.99+5.95amz]

Maynard Smith & Szathma'ry 1999、生命の二重の本性[訳出]

2016年07月21日 17時46分51秒 | 生命論
2016年7月21日-1
Maynard Smith & Szathma'ry 1999、生命の二重の本性[訳出]

 以下は、
2016年07月20日 17時46分06秒 | 生命論
の続きの、しかし3節あまりほど飛ばした、〈第1章 生命と情報〉

第1章 生命と情報
 〔0〕 〔まえがき〕 p.1
 〔1〕 生命とは何か? What is life? p.3
 〔2〕 自己触媒 Autocatalysis p.6
 〔3〕 制限された遺伝と無制限の遺伝 Limited and unlimited heredity p.7
 〔4〕 情報と生命 Information and life p.9 
 〔5〕 生命の二重の本性 The dual nature of life p.11-13

の〈第5節 生命の二重の本性〉の、ほとんど全部の訳文である。


  「
生命の二重の〔双対的〕本性 The dual nature of life [p.11]

 生命を定義するのに、二つのやり方があると前に述べた。つまり、一つは、生きている生物体〔有機体〕の複雑な構造と、かつ、とりわけ、生存と繁殖を確実にするように適応した器官を持つこと、によるものである。二つ目は、自然淘汰による進化に必要な諸性質、特に遺伝といった性質を持つこと、によるものである。これからわれわれは、これらの二つの接近の総合を試みなければならない。アリストテリスは、生命は二重の本性を持つと明言した。すなわち、材料 material は卵によって供給され、配列する力 formatting force (_entelecheia_)は精子によって供給されるのだと。〔But まで略〕生命の二つの側面、代謝的側面と情報的側面、を強調した点では、彼は正しかった。〔略〕
 ルネ デカルトは、生きものたち living beings は機械たち machines であり、そのように理解できると主張した。この概念は17世紀に特徴的であった。それは、生物学の偉大な勝利の一つによって例証されている。すなわち、心臓
によって駆動される血液循環の仕組み〔機構 mechanism〕というウイリアム ハーヴェイによる発見である。今日のすべての生化学者と分子生物学者は、「機械学的〔力学的〕唯物論者 mechanical materialist」である。しかし、彼らが研究する機械たちは、デカルトが想像した機械たちとは異なっている。哲学者で数学者のゴットフリート ライプニッツ Gottfried Leibniz が最初に指摘したように、自然の(または「聖なる divine 」)機械は無限に分割可能である。生きている有機体〔生物体〕を分析すると、微小な機械(代謝サイクル、酵素)から構成されていることがわかる。一方、蒸気エンジン〔機関、発動機〕は、部品を持つが、このような微小機械から構成されてはいない
   〔注記。→微小機械で構成することはできる。すると、問題となる区別は、それが金属とかプラスティックではなくて、蛋白質や核酸などから成るということか(マーナ & ブーンゲは、そう主張する。つまり、'wet' materials から構成されること、したがってそれら生体分子間で働く力の種類が異なっていること、あるいはそれらから創発〔わたしは、下位システムからの統御的上位システムの創発など、信じない。〕すること、が本質または本質的である、と。→この問題は、制御またはいわゆる下方「因果」 downward causation(→制約または束縛というよりは、統御)の問題になる。bottom-upではなく、逆に、生命または霊が、物質を創ったと想定するほうが、無矛盾的だろう。)?。細胞内で、蛋白体たちは、他の構造物の表面を、「歩いている」。むろん、その機構はあると想定するのが、探求である。〕

 ライプニッツが気づいた人工物と生きている機械との間のもう一つの違いは、生きている機械にはつねに或る_エンテレケイア entelecheia_があるということである。この駆動力の本性については、さらに特定されることは無かったが、それがシステムになんらかの制御 some control を行使していることは、彼には明瞭だった。それからはるか後で、物理学者のアーウィン シュレディンガー は、著名な本の『生命とは何か? What is life?』(1944)で、生命のこの側面を強調した。その本には、有名な所見 remark が 含まれている。遺伝子、つまり遺伝的材料〔遺伝物質〕の情報運搬の単位は、「非周期的結晶」でなければならない、という言葉である。遺伝的材料〔遺伝物質〕は、安定で比較的〔相対的に〕不活性 inert な結晶に似ているに違いないが、また「非周期的」でもなければならない。いくつかの異なる種類の単位から成っていて、塩の結晶のような一種類の単位だけから成るのではない、という意味である。その理由とは、同一の単位の糸〔紐 string〕、たとえば AAAAA、は情報を運べないが、相違する単位の糸は運べることなのである。しかしシュレディンガーはまた、生きている有機体は、_機能 function_ しなければならないことも知っていた。今日のわれわれは、生きているシステムは、物質とエネルギーの連続的な流入が無いことには、その活動的状態を維持できないと言うことで、生命のこの側面を表現しよう。
 当代の数理物理学者のフリーマン ダイソンは、『生命の起源 Origins fo life』(1985)と題した小冊子のなかで、シュレディンガーが提起した諸問題を再訪した。生命には二つのものが必要だと彼が認めたのは、自己を維持する代謝システムと遺伝物質である。遺伝物質に集中しても、生命の起源についてたいした洞察は得られないと、彼は考えた。代わりに、代謝システムに集中すべきだと忠告したのである。しかし、自己維持とは何を意味するのだろうか?。生きているシステムは、連続的な変化のなかにいる。そして、変化の或るものは低下へと導く(それが生化学者たちが合成物〔化合物〕 compounds を冷凍庫にしまっておく理由である)。したがって、システムがそれ自身を維持するのならば、それ自身の材料 material を過剰生産できなければならない。それが、代謝システムが自己触媒的でなければならない理由である。すなわち、自己触媒は自己維持に必要であり、ましてや成長と繁殖に必要なのである。
 これらの考えのいくつかは、Tibor Ga'ntiが前に表明していたことである。彼は、理論生物学者となった、ハンガリーの化学工学者である。早くも1966年までに、生命は二つの下位システム、恒常的代謝システムと「主要サイクル〔循環〕」の、から成ると主張した。後者で彼が意味したのは、情報的制御 informational control である。1971年に出版された『生命の原理 The principle of life』〔principlesではなかったっけ?。本が手元に無い→要確認。〕において、彼は「ケモトン chemoton」を記述した。それは、生命のすべての特徴を示す、最小の化学システムのための基本設計 basic design である。単純化し過ぎれば、ケモトンは、一つの自己触媒的化学サイクル〔循環〕と一つの情報的分子(一つの袋に含まれ、そうしてこのシステムの構成要素たちは溶液中に流れ去ることができない)から構成される。この見解によれば、ウイルスは、生きていない。
  〔→ウイルスが生きていないことになるのなら、ケモトンの定義または模型〔モデル〕は、役立たずということである。諸力の再定義が必要である。〕
計算機〔コンピュータ〕科学からの類推〔アナロジー〕を使うと、ウイルスたちは計算機に、彼らをできるだけ多くの複製物たちを、たとえその過程で計算機が破壊されることになっても、印刷出力するように指令するプログラム〔計画〕
   〔計画。→計算機では、動作手順記憶であって、指令という作動を行なうのはプログラムではない。最終的に動かしているのは、エネルギーと人とそのように人が設計した構造体である(機械をもとにする類推論、あるいはマシンを模型とする論は、機械が人工物であること、人が創造したという点の説明をしないという共通の欠点がある。この指摘については、白上謙一(1972/1)の本『生物学と方法 発生細胞学とはなにか』を見よ。)。→厳密な類推、つまり論理の同型性を適用すべきである。マーナ & ブーンゲ『生物哲学の基礎』による批判的指摘を参照せよ。〕
のようなものである。計算機に相当するのは、ウイルスではなく、細胞である。生きものは、計算機に似ているのであって、単なるプログラムではない。もっとも、計算機は下位システムとしてそれ自身のプログラムを持っている。
  〔マーナ & ブーンゲ『生物哲学の基礎』も、同様の理由で、つまり作動するシステム全体ではないとう理由で、ウイルスは生命体ではないというが、ならば、ふつうわれわれが生きていると認めている寄生生物体も、また共生生物体も片割れだけでは、生きていないことになる。実際、共生生物体の片割れは、生きているシステムではないとしていたはず(要引用頁)。〕
 Ga'ntiはまた、生命の基準は何かも議論している。彼の基準という意味は、生命にとって本質的な、経験的に決定される特徴のことである。地球上のすべての生きものに見られるであろう、けれども偶然的あろう或る特徴に、異議を唱える人もいるだろう。たとえば、地球上のすべての有機体が明るい青である場合はあり得たことである。どうやったら、青であることが生命に必要なのか、あるいは偶然なのかどうかを知ることができるのだろうか?。生命の定義への経験的接近は、したがって、或る偶然的な形質を本質的なことだと受け入れるだろう恐れがある。これは、あまり心配するべきことではない。すべての自然科学は、経験的基礎を持っている。したがって、新しいデータ〔資料〕が発見されるときは、修正を受けるのである。
 Ga'ntiは、そこで、生命の基準を定義するのを決定〔同定〕するにあたって経験的接近を採用した。彼は、二つの型の基準を区別した。すなわち、「絶対的」と「潜在的」である。絶対的基準で彼が意味したのは、すべての生きものたち living things に不可欠的に〔必然的に〕存在する necessarily present 基準である。潜在的基準は、すべての生きものたちには必ずしも存在しない not necessarily present が、有機体たちが繁殖して進化するためには必要な、基準である(「潜在的 potential」よりも「増強する potentiating」という用語のほうが、区別をより良く表現するだろう)。たとえば、騾馬たちは生きているが、繁殖できない。繁殖する〔生殖する reproduce〕という能力は、したがって、潜在的ではあるが、生命の絶対的基準ではない。Ga'ntiの論証の詳細に立ち入ることは無くても、大変早くに、彼が代謝と情報制御が必要であることを認識したことは、感銘を与える。われわれは、進化に興味があるので、そして個体群たちの生存だけに興味があるわけではないので、潜在的基準、とりわけ増殖と遺伝に集中することにしよう。
」[零試訳20160721]
(Maynard Smith & Szathma'ry 1999: 11-13)。



評言(零)a critical comment by the Zero
 なんのことはない。生命または生きている状態をきちんと定義することを放棄している。非生命体が代謝することがあると言っておきながら、結局、代謝を基準として採用している。(この本も、系統汚染〔堕落〕 phylogeny pollution に陥っているわけだ。)
 また、生きている状態をもたらす機構 mechanism を(理論的および経験的に)解明しようとするわけでもない。
 進化過程(進化機構ではない)が生じるのは、先に生命体たちが起源してからのことである。最初の(地球外であれ)生命体が生じたという認定は、或る物体システムが生きているという状態となったときである。
 生命の本質を論じるには、生きているという状態のシステムについて、そしてその機構についての考察が必要である。
 代謝がまったくなくても、たとえば凍結状態の卵子や精子とか、乾燥状態のクマムシとか、或る条件下で、復活すれば、その間も生き続けていると見なさざるを得ないのではないか?。
 否、それともやはり、それらの活動停止の状態とは、それらは死んでいる状態だったのか?。
 ナザレのイエスの肉体は、失血によって?活動停止しただろう、つまり死んだ。キリストがイエスの死んだ(腐敗まではしていなかったのか?)肉体を(イオン化のエネルギーによって)復活させたとすれば、その前は個体水準としては死んでいる状態にあったことになる。う〜む。もっとよく考えなくては。
 個体水準での統御エネルギーは、(エーテル水準の)生命エネルギーを統御するエネルギーまたは力ということになるのか?。
 いずれにしろ、形相を各生物体の物質体(個別の卵子や精子、また受精卵から成体まで)に実装する力は、各々の種システムだとしておこう。物体への実装 implimentation という概念も、分析と定式化が必要である。

 なお、渡辺慧は、なんらかのことまたはものが、情報となるには、たとえば遺伝暗号といった情報通信には、受信者と発信者がいて、さらに情報となるように相互の解読システムの取り決めが成立していなければならない、と指摘している。
 DNAという種類は不活性物質であり、したがってDNAという物体は不活性な物体であることは、マーナ & ブーンゲ(2008/7)が強調するところである。蛋白体合成システムおよびその制御システム(それは、蛋白体合成システムの制御階層として上位システムになる)として捉え、またその機構を考えなければならない。
 情報を制御しているという捉え方は、抽象的である。具体的な信号の種類と程度を、制御システムとして同定しなければならない。


□ 文献 □
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Maynard Smith, John & Szathma'ry, Eo"rs. 1999. The Origins of Life: From the Birth of Life to the Origin of Langauge. (vii)+180pp. Oxford University Press. [RfA20??]



Maynard Smith & Szathma'ry 1999、生命とは何か?[訳出]

2016年07月20日 17時46分06秒 | 生命論

2016年7月20日-1
Maynard Smith & Szathma'ry 1999、生命とは何か?[訳出]

『生命の起源 生命の誕生から言語の起源まで』

第1章 生命と情報

生命とは何か? [p.3]

 生命を定義するのに、二つの方法がある。一番目は、或るものが、地球上でわれわれが生き物と結びつける一定の性質を持つならば、それは生きていると言うことである。たとえば、成長するとか、刺激に反応するとかである。この接近での一つの問題は、どの諸性質が重要かを決めることである。火星に着陸する最初の宇宙飛行士たちが、6脚で彼らに向かって歩いて来る、前端に二つのレンズを備えた前端と、テレビの皿〔訳注。television
dish とは何のことかわからない〕に似た構造と、そして鋭い棘で囲われた一つの穴を持つ、或る物体を見たならば、それは生きていると想定するだろう。あるいはおそらく、生きている生きものによって作られた人工物だと想定するだろう。しかし、岩々が紫色のねばねばしたもので覆われているのを見つけた場合は、彼らの確信はより少ないだろう。或る生物学者は、そのねばねばしたものが代謝するならば、生きているとたぶん結論することだろう。すなわち、それを構成する原子たちが、その構造の永久的な部分ではなく、周囲の環境から取り込まれており、結合されて様々な化合物を形成し、後には環境へと分泌して戻されるならば、ということである。生きていると一般にみなされる地球上のすべてのものは、 この代謝という性質を持っている。脚、眼、耳、口を、必ずしももっているとは限らない。それゆえ、代謝でもって生命を定義するのは、道理にかなっているようである。しかし、思わぬ障害がある。生きていないものでも、さきほど述べた類いの代謝を持つし、また、生きていると思いたいもので代謝を持たないものがある。これらの点には、後ほど戻ることにしよう。
 生きていると定義する一つの代替案は、存在者たちの或る個体群〔集団〕が自然淘汰によって進化するのに必要な諸性質をその個体が持つことというものである。すなわち、存在者たちが生きているのは、増殖、変異、そして遺伝(または、このような存在者たちに由来すること。ラバは増殖しないが、その両親は増殖した)という諸性質を持つ場合である。〔略〕
 これらの三つの特定の性質を、生命を定義するものと見なすのは、なぜだろうか?。〔略〕言い換えれば、特定の構造の進化は、環境に、より一般的には物理学と化学の諸法則に、依存する。しかし、増殖と変異と遺伝は、進化を保証しないとしても、少なくとも進化に必要なのである。
」[零試訳20160720]
(Maynard Smith & Szathma'ry 1999: 3-4)。

 やれやれ、NASAが採用した、進化による生命の定義とは、残念。
 物体が生きているという状態をもたらす機構を考えるべきである。

→Gan'tiのchemotonに言及しているところ(pp.12-13、p.172→は白紙頁、p.171の誤植で、The Principles of Lifeという著書を挙げているだけ)を、検討すべし。

□ 文献 □
Maynard Smith, John & Szathma'ry, Eo"rs. 1999. The Origins of Life: From the Birth of Life to the Origin of Langauge. (vii)+180pp. Oxford University Press. [RfA20??] [p.3- What is life? There are two ways to definfe life. ]




=== 付録

生命論資料 2013-001/Sattler 1986
2013年08月21日 14時46分43秒 | 生命論
2013年8月21日-1
生命論資料 2013-001


Sattler, Rolf. 1986. Biophilosophy: Analytic and Holistic Perspectives. xvi+284pp. Springer-Verlag, Berlin. [P20010603]

 
第9章 生命とは何か? (pp.211-239)
 
   「生きている有機体〔生物体〕たちは、そのなかで有機体たちが機能しているシステムの一部として考えられるときにのみ、理解され得る。」(Dubos 1983, p.37)
   「生命についての適切な諸原理を展開させるという現在の試みは、科学の歴史におけるおそらく最大の概念的危機を表わしている。」(Davenport 1979, p.2)
 
 
9.1 はじめに (pp.211-212)
 
 生命の本性については、哲学者たちだけでなく科学者たちによっても大いに議論されてきた(たとえば、Schro"dinger 1944; Bertalanffy 1952, 1975; Portmann 1960, 1974; Waddington 1961, 1968-72; Grene 1965, 1974; Jonas 1966; Blandino 1969; Jacob 1970; Black 1972; Jeuken 1975; Canguilhem 1975; Elsasser 1975, 1981; Grene and Mendelsohn 1976; Heidcamp 1978; Atlan 1979; Bateson 1979; Buckley and Peat 1979; Varela 1979; Morin 1980; Crick 1981; Mercer 1981 を見よ)。きわめてしばしば、生命の特徴づけまたは定義は、生命によって提示されるが、生きていない自然には欠けているという一連の諸性質 a list of properties(または少なくとも単一の性質)から成っていなければならないと言われる。このような接近 approach は、生命と、生命のない自然 inanimate nature、という二元論を信じるところにもとづいている。最近の10年間に、システム思考 systems thinking は、生態系といった、生きている有機体とともにいわゆる生きていない物質を含む、もっと包括的なシステムに、注意を集中させてきた。生態系の特徴づけは、生命と生命のない自然という絶対的な二元論を含意しなくてもよい。この有利な立場からは、生命と実在性をより総体的な見方 global perspective で見ることができるだろう。
 明らかに、「生命とは何か」という問いの意味は、先立つ哲学的な諸仮定に依存する。本質主義を支持する者にとってそれは、生命の本質を捜すことである。本質主義には組しないが、それでも生きている自然と生きていない自然という二元論を前提とする者にっとっては、その問いは、生命を定義する必要かつ十分な一性質または諸性質を探し求めることに関わるだろう。他方、還元論者にとって、その問いは、生命に独特の一性質または諸性質の区別だということではなく、むしろ、生きていない物質の水準へとそれらを還元するという問題である。全体の生態系という統合的見解では、それらとは異なる哲学的諸仮定を含意することになるだろう(たとえば、Lewontin et al. 1984、また第10章を見よ)。一般論としては、「生命とは何か」という問いの意味は、『何か』という意味と、『生命』という概念の外延がもととなっている。後者はつまり、『生命』は生きている有機体だけを指すのか、それとも生物圏 biosphere 全体を指すのか、どっちなのか、である。〔20130821試訳〕



生物哲学本と生命論本[洋書]

2016年07月19日 20時08分40秒 | 生命論
2016年7月19日-1
生物哲学本と生命論本[洋書]

 生物哲学 bio-philosophy または生物学の哲学 philosophy of biology、あるいは秘教 esotericism では、生命についてどのような論じられているのだろうか?。


□ 文献 □

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生命論文献20160718

2016年07月18日 19時57分39秒 | 生命論
2016年7月18日-2
生命論文献20160718

生命の定義と機構(機構的または生成的定義)、生気またはプラーナの定義と機能と機構、

[併合すべし:2015年11月20日-1 生命論文献20151120]
[参照すべし:2015年12月17日-1 物質とは何か、物活論とは何か:引用]
[英語版Wikipediaには、Hylozoismの項目がある。
  「Hylozoism
Hylozoism is the philosophical point of view that matter is in some sense alive. The concept dates back at least as far as the Milesian school of pre-Socratic philosophers. The term was introduced to English by Ralph Cudworth in 1678.

Contents
1 Distinction from similar theories
2 Ancient hylozoism
3 Hylozoism in Renaissance and early Modernity
4 Contemporary hylozoism
5 Hylozoism in popular culture
6 See also
7 References
8 External links
〔略〕

https://en.wikipedia.org/wiki/Hylozoism]

=======

[あ]
有田隆也.2004.人工生命の三つの魅力.電子情報通信学会誌 87(10): 897-900.[受信:2013年12月5日]

有田隆也.2012/4/10.生物から生命へ 共進化で読みとく.206pp.筑摩書房[新書].[本体740円+税][B20120604]


[い]
岩渕輝.2014/1/20.生命の哲学 知の巨人フェヒナーの数奇なる生涯.v+369+37pp.春秋社.[4,200円+税][B20140214][生命(ゼーレ)の哲学][未読]


[う]
ウォード,ピーター D.2005(長野敬+野村尚子 訳 2008/6/13).生命と非生命のあいだ NASAの地球外生命研究.369+28pp.[B20080603][古生物学者で、地球外生命の存在に懐疑的?]


[か]
海部宣男・星元紀・丸山茂徳(編).2015/7/30.宇宙生命論 Life in the Universe.vii+1+188pp.東京大学出版会.[ISBN978-4-13-062724-5][本体価格3,200円+税、税込3,456円][R20150812]


[さ]
サンダーバード,アレクサンダー.2012(秋葉剛史 訳 2015/1/25).種は存在論的に基礎的か.タフコ,トゥオマス E.(編),2012『アリストテレス的現代形而上学』: 185-203頁.春秋社.


[す]
ステレルニー,キム & グリフィス,ポール E.1999(松本俊吉 監修と解題、太田紘史+大塚淳+田中泉吏+中尾央+西村正秀+藤川直也 訳 2009/7/25).セックス・アンド・デス 生物学の哲学への招待.ix+308+42pp.春秋社.[B20100124][第13章 生命とは何か(273-296頁)][「翻訳割愛箇所(※以下よりPDFファイルを閲覧及びダウンロードしてください。)序(PDF) 原書第8章5・6節(PDF) 原書第9章4節(PDF) 原書第11章5・6節(PDF) 原書第12章(PDF) 原書第14章(PDF) 跋(PDF)」]


[た]
タフコ,トゥオマス E.(編).2012(加地大介+鈴木生郎+秋葉剛史+谷川卓+植村玄輝+北村直彰 訳 2015/1/25)アリストテレス的現代形而上学.春秋社.[本体4,800円+税][B20150912、4,323+0=4,323円amz][第11章 生命の起源と生命の定義 マコール,ストール.2012(谷川卓 訳 2015/1/25).『アリストテレス的現代形而上学』: 327-346頁.][第6章 種は存在論的に基礎的か.サンダーバード,アレクサンダー.2012(秋葉剛史 訳 2015/1/25).『アリストテレス的現代形而上学』: 185-203頁.]


[ち]
茶谷直人.2014/11/25.アリストテレスにおける「部分」と「全体」 質料形相論(hylomorphism)としてのメレオロジー.松田毅(編著)『部分と全体の哲学』: 5-33頁.春秋社.


[な]
内藤健.2006/8/22.生命のエンジン:美しき生命と機械エンジン駆動力の源泉は何か.251pp.シュプリンガー・ジャパン.[3,000円+税][B20080328][未読][一部読んだが、ピンと来ない。ピリミジンとプリンの割合とかを論じている。人体内の水は70%で、水溶液のなかでの化学反応を論じるというのは、もっともなことである。]


[ふ]
フェヒナー,グスタフ.1834, 1904(in English)(服部千佳子 訳,2008/9).フェヒナー博士の死後の世界は実在します.160pp.成甲書房.[1,470円][B20140228、837+0=837円amz][Gustav Theodor Fechner. The Little Book of Life After Death.の訳か?]


[ま]
マコール,ストール.2012(谷川卓 訳 2015/1/25).生命の起源と生命の定義.『アリストテレス的現代形而上学』: 327-346頁.春秋社.

松井孝典.2013/8/20.生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門.286pp.[本体830円+税][B20130823][Rh20130923、Rb20130920]

松田毅.2014/11/25.ヴァン・インワーゲンの「生命」 ライプニッツとの対比から.松田毅(編著)『部分と全体の哲学』: 163-196頁.春秋社.

松田毅(編著)・茶谷直人・ 加藤雅人・H.ブレーガー・稲岡大志・中山康雄・加地大介・長坂一郎・齋藤暢人.2014/11/25.部分と全体の哲学 ——歴史と現在.xi+262+39+ix pp.春秋社.[本体4,000円+税][B20150912、4,000x1.08=4,320円][茶谷直人「アリストテレスにおける「部分」と「全体」 質料形相論(hylomorphism)としてのメレオロジー、松田毅「ヴァン・インワーゲンの「生命」---ライプニッツとの対比から」、長坂一郎「機能のオントロジー」]


[よ]
米本昌平.2010/9/11.時間と生命.474pp.書籍工房早山.[4,000円+税][B20140218、3,400+250=3,650円amz]



[H]
Hull, D.L. & Ruse, M. (eds.) 1998. The Philosophy of Biology. ix+772pp. Oxford University Press. [B19981118, $85.00+5.95=90.95][Lifeについての論文は無い]

[M]
Maynard Smith, John & Szathma'ry, Eo"rs. 1999. The Origins of Life: From the Birth of Life to the Origin of Langauge. (vii)+180pp. Oxford University Press. [RfA20??] [p.3- What is life? There are two ways to definfe life. ]


[S]
Sterelny, K. & Griffiths, P.E. 1999. Sex and Death: An Introduction to Philosophy of Biology. xvi+440pp. The University of Chicago Press. [B19991116, $22.00+$54.60/8]

[W]
Wiggins, D. 2001. Sameness and Substance Renewed. xvi+257pp. Cambridge University Press. [B20030404, 2,608x1.05=2,816yen][当時、p12までは読んだ模様。ところどころ、つまみ読みしたらしい。p.90の第二段落のところに、「in making a further distinction, _within_ the class of natural thingsm between
 (a) those things which, being alive, are not in chiemical and energy equiribrium with their surrondings but suck from their molecular self-renewal andreplacement, and
 (b) those natural things that maintain a typical mode of activity without

p.93に、テセウス号の話。


Wilson, Jack. 1999. Biological Individuality: The Identity and Persistence of Living Entities. xii+137pp. Cambridge University Press. [B19991109, $49.95+30.80/4] [p.31、"The first criterion is the continuation of _a life_, 〔略〕The continuing life is a matter of mechanical organization, not an Aristoterian substantial form inaddition to the material organization. →マイ。ここが分かれ目。 Locke thinks 〔略〕.p.33からWigginsの『Sameness and Substance』について。p.49、"This vagueness not mean that Lucy [=a particular, a material object] has nospatial boundaries, 〔略〕。→マイ。仮定出来ないから、存在しないという〔略〕立論もあり得る。山との比較、rainbow@y8.dion.ne.jp難属性の区分。当時、p.104まで読んだようだ。]



読書録20130923:松井孝典 2013/8 生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門

2016年07月18日 19時56分21秒 | 生命論
2016年7月18日-1
読書録20130923:松井孝典 2013/8 生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門

松井孝典.2013/8/20.生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門.286pp.[本体830円+税][B20130823][Rh20130923]

  「最初の細胞がいったんどこかで途切れて、また新たな誕生があったわけではないということです。連続性も、生物の重要な特徴です。」(松井孝典 2013/8: 118頁)。

 これは仮定である。進化理論の第一仮説である(万世一系説?)。
 オーストラリアの化石細胞が最初の細胞だとしても、それは絶滅して、他の場所でできた別形体の細胞から様々な種類ができたのかもしれない。最古の化石として知られる細胞からの子孫はいずれかの或る時点で滅んだのかもしれない。
 絶滅した種類の方が圧倒的に多い(化石データ)。ましてや初期はそうではないか?

・細胞的生命活動
・エネルギー獲得過程または機構
・ATP
・ピルビン酸の好気的的分解(松井孝典 2013/8: 137頁)
・細胞呼吸=供給は多細胞生物体では、皮膚呼吸?と肺呼吸
・光合成の機構と葉緑体の構造



ZeroBookJ[な][に][ぬ][ね][の]

2016年07月16日 14時38分06秒 | 生命論
2016年7月16日-1
ZeroBookJ[な][に][ぬ][ね][の]
20140527 created
20160716 added

[な]
内藤 健.2006/8.生命のエンジン:美しき生命と機械エンジン駆動力の源泉は何か.251pp.シュプリンガー・ジャパン.[3,000円+税][20080328購入][未読]

中西 香/松久 寛(監修).2014/3/25.衰退する現代社会の危機:縮小社会への現実的な方策を探る.xi+201pp.日刊工業新聞社.[2,000+税=2,160円][R20140528]

中西 準子.2014/3/14.原発事故と放射線のリスク学.iv+6+300pp.日本評論社.[1800+税][B20140408、=1944円]

仲野 徹.2014/5/20.エピジェネティクス——新しい生命像をえがく.233pp.岩波書店[新書].[780円+税][B20140524]

中屋敷 均.2014/6/18?.生命のからくり.208pp.講談社[現代新書].[本体???円+税=799円][未着B201607??、347+257=604円amz]

中屋敷 均.2016/3/20.ウイルスは生きている.198pp.講談社[現代新書].[本体740円+税][B20160528、799円][Rh20160715]



[に]
西部 忠.2014/5/10.貨幣という謎:金と日銀券とビットコイン.254pp.NHK出版[新書][780円+税][B20140524]

[ぬ]

[ね]
ネルソン,ケヴィン.2011(小松淳子 訳,2013/2).死と神秘と夢のボーダーランド:死ぬとき、脳はなにを感じるか.360pp.インターシフト.[2,415円][B20130829]


[の]

読書録20160708:本庶佑 2009『いのちとは何か』

2016年07月10日 08時25分55秒 | 生命論
2016年7月10日-1
読書録20160708:本庶佑 2009『いのちとは何か』

 2016年7月8日、本庶佑 2009/12『いのちとは何か 幸福・ゲノム・病』を読了した。
 得るところはほとんど無かった。いのちとは何かについて、本格的な議論は無かった。
 ゲノム中心主義で、システムを明示していない。後天的な遺伝子修飾などにも触れているにもかかわらず。

 なんであれ、複製も進化も、或る物体が生きているという状態とは、何のか関わりも無い。
 代謝も無いほどの凍結状態や乾燥状態にある物体(精子や卵子、クマムシ)は、後に活動するならば、その前も生きているのではないか?。あるいは、その間は死んでいて、生きている状態への移行するのか?。

 「蛋白質に翻訳されないRNAを生み出す配列が存在し、このRNAが遺伝子の発現制御やタンパク質の翻訳制御などに関わり、その以上によって生命の存亡に関わるような変化が起こることが明らかになった。〔略〕おそらくこれらのRNAも、メッセンジャーRNAト部分的に会合したり、一部はタンパク質と会合したりすることによって、生命にとって必要な情報制御に関わっているのであろう。このように複雑巧妙な制御系は、はじめからデザインされてつくられたとは考えにくい。」
(本庶佑 2009/12: 36-37頁)。

 結論のところ、「はじめからデザインされてつくられたとは考えにくい」は、「なんらかの設計がなされてつくられたとしか考えられない」の間違いではないかと思う。そうなければ、全くの没論理、根拠無しとしか思えない。ダーウィン的進化なるものを信じているからであろう。
 その場合、問題は「突然変異」である。
 →偶然の積み重ねで、複雑な制御を行なう(主体的)システムはできるだろうか?
 →宇宙発生からの時間でも、足らないのではないか?


「エキソンから遺伝子そのものが生じた仕組みは、ダイナミックかつ流動的であり、その集積の結果ゲノム情報が生じた。さらに、その成り立ちを活用して、〔略〕情報編集がかかわることにより、限られた情報を柔軟に活用し、大きな多様性を生み出している〔例として抗体産生〕。有限な情報を、無限に近く活用するための知恵として、情報を固定せず、つねにダイナミックかつ流動的に使う知恵を、生命体はもっている。」
(本庶佑 2009: 52頁)。

 そのような知恵をふるっているのは、何ものなのだろうか?。ゲノムはかなり固定的である。そこからいかにして、「流動的に使う知恵」が出てくるのか?。
 →知恵は情報か? 情報を使う情報という、メタ制御。
 →情報生成システムは、いかにしてできたか?、塩基配列と蛋白質の対応は、偶然か。
 →渡辺慧の言う発信者と受信者と符号の取り決め。

 では、配偶子に寿命はないのか?。少なくとも生態的寿命はある。生活上での、つまり環境下での。→何でも寿命はある。鉱物にも、鉄にも、錆びる。
 →或るシステムとその下位システムの生と死。


 マイ。生きている状態であるためには、複製も、適応も、自律?といった性質も必要ではない。システムの作動。
 →生気またはプラーナの流入またはエネルギーの伝導または入力と変換と体内分配(分布)。


 「個人の脳を入れ替えるということは、およそ考えられないことである。命は、滅ぶことによってその存在が活きると、私は考える。」
(本庶佑 2009: 82頁)。
 →意味不明。論理不明。


 システムの遺伝子構成、
 →遺伝子構成は時間と体内空間で可変である。
 遺伝子間関係→遺伝子発現の生物体内時間空間的制御と統御(フィードバック制御と、制御の制御→一方的または双方向制御、ループ制御と、制御階層)。



 マイ。遺伝子または塩基配列の変換を、光線で行なうことができるのではないか?
 →光科学技術で制御。遺伝子治療。

 144頁。寺本英の話。

 自己組織化は、上位制御システムの創発となるか?。ジャポチンスキー現象は、物の三次元分布の水準での話である。あたらしい秩序が出現した(=創発した)というが、上位システムではない。たんに一つの定常的分布模様を、「新秩序」だといっているだけであって、機会分布でも、その他の分布でも、すべて一つの秩序である。認識者の判断である。
 なんらかの指標を設定すれば、より秩序的と計算できるだろうが、問題はその指標の根拠である。

 米沢富美子氏は対談で、物の理(ことわり)、つまり法則性を主張している。


□ 文献 □
本庶佑.2009/12/17.いのちとは何か 幸福・ゲノム・病.[2,052円][B20160109、1,436+257=1,693円]


読書録20160510中込照明1998唯心論物理学の誕生

2016年05月10日 13時07分54秒 | 生命論
2016年5月10日-1
読書録20160510中込照明1998唯心論物理学の誕生

中込照明.1998/1/30.唯心論物理学の誕生.194pp.海鳴社.[1,800円+税][B20090302、700円][Rh20160509、後半はざっと読み。]


 唯心論モデルやモナド構造とは何かが、わからなかった。機構図(さらには推定される設計図)が欲しい。
 ウィルチェック(訳 2009)は、中込(1998)の10年後で最新の知見を踏まえているし、分かりやすい。
 
 52-53頁。h/2πは、「ディラック定数、または換算プランク定数。単にプランク定数と呼ばれることもある。」(ウィキペディア)。
 プランク方程式ではなく、ディラック方程式(ウィルチェック訳 2009)で考えるべき。


 「人の体も結局は原子分子からできており、量子力学系とみなされるから、結局、観測は完了しないことになる。
 しかし、現実には観測者は0か1かのどちらかの結果を見るのであり、重ね合わせのままの結果を見るのではない。この状況をどう解釈するか。これが観測問題の課題である。」
(中込照明 1998/1/30: 56-57頁)。

 「量子力学的物質概念は実はよくわからないものなのである。だから、本当のところ量子力学が唯物物モデルの上に乗るかどうかもまだ分かっていないのである。〔略〕
 さらに唯物論モデルで、意志、意識、「今」が説明できるか。精神作用の外面的効果、すなわち入力―出力関係あるいは刺激―反応関係で捕えられるものは確かにかなりの程度まで唯物論モデルで説明可能である。しかし、意志、意識、「今」に係わるわれわれの主観的経験が説明できない、というよりその存在が否定されてしまう。物質には内面も外面もないからである。もし物質が内面を持っているとするなら、それは初めから意識を持っていることと同じことになり、唯物論モデルではなくなる。」
(中込照明 1998: 97-98頁)。

 「量子力学が記述するものは物質現象ではなく、心的現象であると考えてみよう。実際、未決定のものが観測によって決定されるという状態ベクトルの振る舞いはわれわれの心の動きに良く似ている。唯心論モデルで量子力学を解釈するという試みは筆者には非常に魅力的なものに見える。」
(中込照明 1998/1/30: 99頁)。

 「唯物論と唯心論の中間のものに物心二元論がある。哲学的な言葉によって論じているうちは物心二元論も可能性としてはありうるように見えるのであるが、これを世界モデルとして記号的に組織化しようとするとはなはだ複雑なものになってしまい、世界の基底構造としては採用しがたいものとなる。」
(中込照明 1998/1/30: 99頁)。
→神智学の、世界についての階層モデル。

 諸法則はどこに存在するのか? この現象世界にいわば内在するのか、あるいは世界をなんらかのエネルギーで維持していて、さらに法則性が与えられているのか、あるいは物質そのものの自発的振る舞いの性質なのか?。

 諸法則は、心的構築体として存在するだけではなく、どこかに実在するものか?。→宇宙質料の振る舞いの設計。或る世界への実装は、いかにして?。実装方法。


文献
ウィルチェック,フランク.2008(吉田三知世 訳 2009/12/25).物資のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源.6+365pp.早川書房.[B20160108、904+0=904円amz][Rh20160508][Rb20160307]