生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

風間虹樹:いのち絵画の技法(有機的抽象絵画の技法)1 振出し法

2013年06月30日 13時17分32秒 | 美術/絵画
2013年6月30日-2
風間虹樹:いのち絵画の技法(有機的抽象絵画の技法)1 振出し法


 いのち絵画、または、有機的抽象絵画、の技法の重要な一つは、振出し法である。
 理念 Idea としては、絵具の物体化を行なうことかつ物体として見なすこと、または絵具の物体的扱いをして個体化または個別化を行なって、表面体に付着的に配置させて、そこに存在させることである(存在論と方法論の融合)。ここで、存在のさせ方として、地球重力を利用して落下させるという方針を取る。そうすれば、〈自然な〉存在の仕方となり、人工的な感じが薄くなるだろう(〈自然的〉感性の問題)。
 なお、物活論の立場または体系は、唯物論の立場または体系と矛盾しないと思う。

 下記掲載の図1~図5は、振出し法による製作例である。
 下記では触れていないが、運動は相対的であるから、絵具が付着する側の画布表面への当たり方、たとえば水平との角度を零から180度まで変異できる。180度とは天井に向かって振り出すことになる。
 また、ろくろ台に取りつけた画布を回しながら、画布に絵具を振り出すこともできる。すると螺旋状になるかもしれない。この製作例は、2013年7月11日(木)~7月23日(火)[7月17日(水)は休館]に開催される平原社美術展/帯広市民ギャラリーで展示される予定の三つ組のうちの左右両翼の作品である。なお、或るモダンアート協会会員(数年以上前の当時)の方は、ろくろ絵画と称したらしい作品を作った(現物未見)。 
 


 ↑ 図1。上村松園は、一万回超も筆で線を描く練習をしたと聞くが(出典失念)、振出し法においては数万回の実践的練習をすることを薦める。絵具が筆を離れた後は、速度を持った自由落下となるから、制御が行なわれるのは、振り出すときの一瞬的時間の間だけである。
   振出し法での制御は、道具を固定すれば、振出すときの力(方向と強さ[=液体に加える圧力]。もっと厳密に言えば、一振りの時間内での方向と速度の変化。これによって、曲線になったり捻れ線になったりする)に左右される。しかし、絵画表面の状態にも影響される。たとえば、水浸しの上にすれば、滲んだりぼやけたりする。
   なお、地と図(頭つきの白線)の層的構成である。地は数層から成る。地表面は放射状などにでこぼこしているので、一部の線の、とりわけしっぽ部分が揺れている。
 
 
  


 ↑ 図2。きわめて平坦な表面のほうが、際がはっきりとして流麗な線となる。もとより、黒と白の対比は明快な効果となる。
   地は、墨と雲母による。それらをうまく混ぜ合わせて流すと、このように曜変天目的な流れ模様ができる。
   右手下方に、下向きの輪っかが見えるが、下地が生乾きの状態のときに、木切れに網戸サッシに網を取り付けるゴムを付けたものでしばいた(=叩きつけた)跡である。(わかりにくいが、)その中央の蒼黝い色は、青貝箔を貼ったことによる。

 
 

 ↑ 図3。この部分だけを観ると線の重ね過ぎに見えるが、全体ではちょうど良い。部分と全体の図柄の調和性は異なるのである。


  

 ↑ 図4。これは部分であり、一つの切り取り練習である。たとえばF130の大きさの絵画を、S80の大きさにして張替えるということが試みられてよい。
   絵画は平面的なものから立体的または3次元空間的なものまである。(さらには、四次元空間存在物を表面体に落とし込むということが考えられてよい。)
   絵画とは、(凸凹しているかもしれない、あるいは穴が開いたりしているかもしれない、3次元体の)表面に絵具を付着させた物体である。
   ここで右上に見えるのは、画布をやや立体的に貼付けたものである。そこから、銀色のアクリル絵具を叩きつけた(叩きつけ法)ものが出ている。(地に対する)図は、物体的に明確な二層となっている。


 

 ↑ 図5。図4と同じ絵画物体である。地は、墨をして、金色のアクリル絵具をグロスポリマーメディウムに溶いて流したりローラーの頭で叩いたりして製作した。左側は銀色になっているが、地の下層は銀色だからである。



風間虹樹:本日2013年6月30日の絵画/いのち絵画(有機的抽象絵画)の技法

2013年06月30日 09時50分06秒 | 美術/絵画
2013年6月30日-1
風間虹樹:本日2013年6月30日の絵画/いのち絵画(有機的抽象絵画)の技法


 題名:〔未完成ゆえに未命名。個的物体には名称または名前をつけるべし。〕
 大きさ:727mm×910mm(F30横)×28mm(張り画布の厚み)。
 材料構成:杉支持体に張られた亜麻画布に、アクリル絵具とグロスポリマーメディウムと胡粉。
 いのち絵画の技法:振出し法、重力利用流し法、ひび貫入法(今回の新技法、下図参照)。


 ↑:天地を逆にして、色温度などを変更したもの。こちらの方が現物の色に近い。


 ↑:グロスポリマーメディウムを画布に零して重力を利用して上方や下方に流した。
   直ちに、胡粉を振出し法で付着した。
   乾燥すると線が歪んだり(想定内)、予期せず(想定外)面白いことに、左右に罅割れたらしく、そこに胡粉が貫入していた。胡粉を溶いた膠とアクリル溶剤との差によるものかもしれない。
   表面の罅割れはアートグルー(渋谷ウエマツで入手した)によっても作ることができる(下図)


が、色が貫入すること(ひび貫入法)は様々に応用できよう。白い胡粉は、たとえば水干絵具で着色できる。


 ↑:罅割れ貫入を示す拡大図。




  ↑:前もって画布に縦線的な孔を開けておいた部分(画像の上端辺り)に注目。ブラックホールみたいに白線が引き込まれる。
    穴を中心にして放射状に線を配置すると、面白いかもしれない。






 

日本国では、多くの分野でアメリカ合州国政府の支配層の意向が大きい効果を持ってきたらしい

2013年06月27日 14時50分40秒 | 御用学、御用科学者
2013年6月27日-2
日本国では、多くの分野でアメリカ合州国政府の支配層の意向が大きい効果を持ってきたらしい


 日本はアメリカ合州国の一つの(51番目の隠れ)州であるという人がいるが、大統領選挙な参加できないのだから、そうではない。
 国連に加盟していて、独立国の体裁を取っているが、とりわけ政治的分野では、アメリカ合州国政府の支配層の意向が効果を持つことは、幾多の事例から明らかである。

 
  「 4)「最高裁長官の対米従属意識」
 ここまで言及した「砂川事件」とは,1957〔昭和32〕年7月,東京のアメリカ軍旧立川基地の拡張計画に反対したデモ隊が基地に立ち入り,学生ら7人が起訴されたもので,1審の東京地方裁判所は,「アメリカ軍の駐留は戦力の保持を禁じた憲法9条に違反する」として7人全員に無罪を言い渡した。1審の9か月後,最高裁判所大法廷は,「日米安全保障条約はわが国の存立に関わる高度の政治性を有し,司法審査の対象外だ」として15人の裁判官の全員一致で1審判決をとり消した。

 今回みつかった文書は,最高裁判決の4か月前の1959〔昭和34〕年8月,アメリカ大使館から国務長官宛に送られた公電であり,元大学教授の布川玲子がアメリカの国立公文書館に請求して初めて開示されたものである。この文書には,当時の最高裁判所の田中耕太郎長官が最高裁での審理が始まる前に,レンハート駐日首席公使と非公式におこなった会談の内容が記されている。このなかで田中長官は,「裁判官の意見が全員一致になるようにまとめ,世論を不安定にする少数意見を回避する」などと語り,全員一致で1審判決をとり消すことを示唆していた。

 文書には,田中長官の発言に対するアメリカ大使館の見解として,「最高裁が1審の違憲判決を覆せば,安保条約への日本の世論の支持は決定的になるだろう」というコメントも書かれていた。会談当時は,日米両政府の間で,安保条約の改定に向けた交渉がおこなわれている最中であり,アメリカ軍の駐留を違憲とした1審判決に対する最高裁の判断が注目されていた。文書を分析した布川玲子は,「最高裁長官が司法権の独立を揺るがすような行動をとっていたことに非常に驚いている。安保改定の裏で,司法の政治的な動きがあったことを示す資料として注目される」と話している。

 以上にくわえ,『時事通信』(2013年4月8日報道記事)がこう報道した事実も追加して紹介しよう。まず,最高裁判所当局の反応である。「公文書について,最高裁事務総局は『事実関係を確認できないのでコメントできない』としている」。つぎに,砂川事件弁護団事務局長を務めた内藤 功は「最高裁長官が,米国の大使だけでなく公使にまで上告審の進め方や落としどころなど,裁判の機微に触れることを平気で話していたことが記録されている。裁判官が絶対に厳守すべき評議の秘密を自ら破っている。いかに最高裁自身が米国に従属していたか,その根が深いことを物語るものだ」と批判していた。」
http://pub.ne.jp/bbgmgt/?entry_id=4946548