生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

絵画の本質、抽象絵画

2011年02月26日 23時59分58秒 | 美術/絵画
2011年2月26日-2
絵画の本質、抽象絵画

  「グリーンバーグは、十九世紀半ばから二〇世紀半ばにかけての絵画の歴史が、絵画という媒体にとって本質的ではない(とグリーンバーグが考えた)ものをそぎ取ってきたことに気づいたのである。彼は、……画家たちが、主題すなわち内容や、三次元性の感覚や遠近法、そして、記述された言葉と関連するようなあらゆる記号システムを捨て去ってゆくのを見守った。」(マイナー 2001(訳2003): 226)。

 確かに。削ぎ取ることで、絵画の本質が明らかになる。記号という言葉がどんな対象をさすのか、あるいはその意味がなんであれ、絵画が絵画であることの必要性は、記号的作用ではない。→抽象絵画。


[M]
*マイナー,ヴァーノン・ハイド.(北原恵・吉城寺尚子・田中久美子・保井亜弓訳 2003.2)美術史の歴史.381pp.ブリュッケ.[y3800+] [OCL702.01]


社会政治的イデオロギーの特徴づけ、順序八つ組

2011年02月26日 22時03分53秒 | 生命生物生活哲学
2011年2月26日-1
社会政治的イデオロギーの特徴づけ、順序八つ組

 Mario Bunge (2008)の『Political Philosophy』の148頁にある、社会政治的イデオロギーの特徴付けの箇所の訳を下記する。

  「任意の時点での社会政治的イデオロギーは、順序八つ組 ordered octuple として特徴づけられるかもしれない。

  社会政治的イデオロギー I =〈C,S,G,B,I,P,A,M〉。

 ここで、
  C =似た興味をもつ個人の集団。Iの遊撃隊〔パルチザン〕と同調者。
  S =Cを、寛容であろうとなかろうと、接待する社会。
  G =Cの成員としての立場において人々が持つ世界観、一般的見解、あるいは哲学。
  B =たとえば市場賛美とか平等主義といった、C〔たち〕によって保持される社会政治的本体。
  I =たとえば貧困とか戦争といった、Cによって取り組まれる争点〔問題 issues〕。
  A =たとえば、存立している政治制度を強化するとか、そうでなければ動揺させるといった、Cの目的 aims。
  P =たとえば少数者に政治的公民権を与えるといった、Cによって推進される諸政策。
   〔上記の順序八つ組では、PそしてAの順番なのに、ここではAそしてPの順番になっている〕
  M =Pを実行し〔implement 実装し〕、そうしてAを達成するための、たとえば有権者登録や消極的抵抗運動といった、Cによって使われる手段。」


[B]
Bunge, M. 2008. Political Philosophy: Fact, Fiction, and Vision. Transaction Publishers. [B20090119, y6,431]

梱包芸術(?)、二題。

2011年02月17日 19時48分14秒 | 美術/絵画
2011年2月17日-1
梱包芸術(?)、二題。



 

 
 2010年12月12日 12:12:12、立命館大学にて。

 
 梱包という行為が芸術的なのか。→演為芸術。記録!。
 梱包行為の結果が、芸術的なのか。(狭義の、つまり物体的)作品。
 誰かが、梱包されている物体の修理を或る業者に命じたとする(仮定です)。
 なんらかの理由で、業者が作業上の都合で、たとえば雨などがかからないように防ぐために、梱包することにしたとする。
 梱包作業者は、美的効果を狙ったのか、狙わなかったのか。
 いずれにしろ、観る者の或る角度の視野では、美的であったり、美的でなかったりに感じるとする。あるいは、いくつかの角度から見た像を脳内で組み立てて総合し、美的判断をするとする。
 
 『美』 的 aesthetic 価値→感性的 aesthetic 価値
 感覚と知覚。感覚的と感性的は同じか。




絵画における抽象化

2011年02月16日 11時27分49秒 | 美術/絵画
2011年2月16日-3
絵画における抽象化

  「「抽象する」とは、ラティン語の‘abs-trahere’の原義に即していへば、ある対象の構成要素のうちあるものを他のすべてのものからきりはなしてひきだし、あるいはひきさることである。」(竹内敏雄 1967.6: 157頁、原文の傍点を打つ代わりに太字にした)。

  「芸術における自然対象の表現もつねに抽象化である。たとへば彫刻は、通例、対象の色彩を捨象して立体性を抽出する。絵画は、仮象的には空間の奥行きや物体のあつみを表現するけれども、むしろその実在的平面性にしたがて現実の世界から純視覚的現象をひきあげ、うきたたせることを特色とする。」(竹内敏雄 1967.6: 158頁)。

 絵画という対象を一つのシステムと見なして、また、製作過程での諸システムを再分類して分析しつつ、絵画における抽象(という作業)の種類と程度(測定軸)を考えることにしよう。

 
[T]
竹内敏雄.1967.6.現代藝術の美學.ix+395pp+12図.東京大学出版会.


美術修行2011年2月11日(金祝)

2011年02月16日 10時05分55秒 | 美術/絵画
2011年2月16日-2
美術修行2011年2月11日(金祝)

 ウフィツィ美術館 自画像コレクション 巨匠たちの「秘めた素顔」1664-2010/国立国際美術館/1,400円(「コレクション3」展を含む)。

 コレクション3 日本美術1950-2010/国立国際美術館/(単独では420円)。

 美術館内レストランで朝昼食。フライの海老は、刺身用の天使の海老だとか。
 情報コーナーで、『ミニマル・アート』と『もの派-再考』の図録を読む(どちらも、大阪市立中央図書館は所蔵していない)。

 中之島4117に寄る。
http://4117.jp/

 教えてもらった、ストリート・アート・ナビ(関西・大阪のアートイベントの総合情報サイト):
http://artnavi.net/

 外国人のための網場所:
http://www.f-l-a-g.net/

 日本語でわかりやすい、地図で図解された、ネット上と印刷物の美術案内がほしいなぁ。

 歩いて、肥後橋駅を過ぎ、The Third Gallery AyaとCalo Bookshop & Cafe。
 そこで入手した案内葉書に近くでやっているのがあった。それは、

 『想像の森』 奥田文子・奥田耕司・山内裕美 三人展/コウイチ・ファインアーツ。
http://www.kouichifinearts.com/info/info_souzounomori.html

 奥田耕司氏のは、立体だが、磁石が内蔵されていて、平置きを壁掛けにもできる。不思議。また、棒の釣り合い。植物形態からの、繊細さと生命。

 さらに、(寒いなか)歩いて(暗くなってきた)、靭公園(バラ園があるらしい)の方へ。

 「川上 謙慈+座間 啓」展/2kw gallery。
http://www.2kwgallery.com/2kwGal_crrnt.html

 座間啓氏の作品集に、(画像で見て想像する限り)木々が描かれている具象的なのがよかった。その後、今回のように、抽象へと向かったとのこと。


===別日の思考。

 生きている、生きた、生きるであろう、印(しるし)。時空に刻印。
 エネルギーを溢れさせ、制御すること(あるいは制御しないこと)。

 製作における自由度。自由の種類と程度。の分類。
 製作過程での(意思的)選択の幅(の種類[分類]と精度または程度)。
 無色透明=場、→、色づく、色づける。色=?個性、個体性。感情~情緒と知、心。

 土偶。
 タダオ・ムラカミ氏。
http://plaza.harmonix.ne.jp/~artnavi/05-artscene/01-gal-exhibition/180610-g-arte-murakami/01arte-murakami.html

 踏みはずす美術史、20110215読了。話の筋(組立て、論理)がわからなかった。



美術修行2011年2月15日(火)

2011年02月16日 01時58分19秒 | 美術/絵画
2011年2月16日-1
美術修行2011年2月15日(火)
 
 大亦みゆき 陶の絵展/ワイアート ギャラリー(谷町線中崎町駅)。

 七色菓子(大阪教育大学美術コース3回生7名によるグループ展)/ギャラリー風雅。

 4 SpiritS 展 上前智祐・岡野ひろみ・田部井治子・藤川博正/楓ギャラリー。

 
 先日入手した、京都市立芸術大学美術学部総合芸術学科の案内ちらしに、

  「芸術はただ作っただけでは無人島に咲く「花」と同じ。人知れず咲いて、ただ枯れていくのみ。」

とある。で、必要なのは、

  1. 眼力を養うこと
  2. 人に説明する技量を磨くこと

だと言う。

 或る座標軸。
  ぎっしりと埋め尽くす <ー> 余白をたくさん取る


空間と存在物

2011年02月15日 14時34分44秒 | 美術/絵画
2011年2月15日-5
空間と存在物

 空間は、(気体を含む)物体の存在状態によって、見たり、触ったり、嗅いだり、聴いたりされる。

 気体や液体を触って、空間に触れる。あるいは、香り(香水といった化粧臭などの強い香りは禁止)を流して、空間的に音楽する。もともと、音楽は空間彫刻であり、芳香による空間彫刻にもなる(脳内で、音が香りに変化したり、共感覚的に知覚されれば)。

 本題はしかし、物体と空間との関係。
 存在者から発せられる『力』または作用と、力を発しているとみなすこと。そのようにみなされるように、『描く』こと。規約(約束事)と創発(測定的には新しい軸の設定)。
 絵画の諸分類。
 観者(鑑賞者)の感性と想像力の種類と程度の分類。



美術修行2011年2月10日(木)

2011年02月15日 13時52分22秒 | インポート
2011年2月15日-3
美術修行2011年2月10日(木)

 コラボ展 愛の宴アート/アート美空間Saga。
 光空間と闇空間。一段鍵盤の可愛らしいチェンバロが展示されていた。紙管を切って漆、なるほど。
 思考:空間アクセサリー。引き立てるための装身具。空間が身に纏う飾り。→空間装飾品としての絵画。生け花。飾ること。「飾る」とは?。
 KOBE ART MAP。

 芸術センター記念受賞作家展 大隅秀雄展 ~KEHAI(けはい)~ /神戸芸術センターミューズアーケード/入場無料。
http://koten-navi.com/node/5245
 風のmobile。床置き三点支持立体物。壁掛け。

 新神戸付近から南下して東へと歩いて、兵庫県立美術館へ。

 森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術/兵庫県立美術館/コレクション展との共通券で1500円。
 2010年度コレクション展III、小企画「その他」のチカラ。森村泰昌の小宇宙/兵庫県立美術館。
 気になった2点(Lisa Lyon in Nishiwaki, April 18, 1984 (No.9)、星の子)は、ともに横尾忠則によるものだった。

 兵庫県立美術館美術情報センターで案内葉書を見て、元町へ(引き返す)。
 三輪正美展/ギャラリー開。

美術修行2011年2月13日(日)

2011年02月15日 11時53分35秒 | 美術/絵画
2011年2月15日-2
美術修行2011年2月13日(日)


 京都市立芸術大学作品展/京都市美術館本館と別館/入場無料。撮影可。
 白髪一雄論の修士論文があった。

 ギャラリーはねうさぎ4、ギャラリー16、ニュートロン、ギャラリーH2O、同時代ギャラリー、ギャラリーヒルゲート、ギャラリー中井、立体ギャラリー射手座。

 ギャラリーなかむらで入手した、ギャラリー京都学生アートオークションの案内葉書に、
  「学生が「アーティスト」になるためのキャリア教育を目的として開催するものです。スタート価格は5,000円、落札金額は出品学生と京都学生アートオークション運営費に50:50の割合で配分されます。」
とあった。出品学生と会場で直接語り合う2時間のギャラリートークも開催されるとのこと。

美術修行2011年2月14日(月)

2011年02月15日 11時03分38秒 | 美術/絵画
2011年2月15日-1
美術修行2011年2月14日(月)

 雪降り。
 発掘された日本列島2010、なにわの考古学30年の軌跡/大阪歴史博物館(谷町四丁目)/招待券。
 たとえば、古墳時代の埴輪の表面に幾何的模様がある。(また、縄文土器の表面への押しつけ模様。)これは抽象絵画ではないのか。

 大阪府立現代美術センター。

 愛知芸術大学日本画家18名によるお年玉セール展/ギャラリー菊(南森町)。
 画廊主さんから、大阪の芸術活動状況を聴くことができた。感謝。



光のように、雪水る。



みぞれ樹。
 
 
 大阪芸術大学通信教育部の有志によるグループ展 第4回塊展 -serendipity of artistic session-/ギャラリー香(難波)。54ほどの作品を3階と4階に展示。目録あり。アンケート用意あり。

 2011 亜蛮人ポストカード展/アートスペース亜蛮人/日本橋。
 ポストカードを1枚100円で販売中。幅数十cm内で葉書大の物の展示が(37人の)個性豊かに工夫されている。
 山下千賀氏の網場所 website:
http://www.h2.dion.ne.jp/~imazie/chika/frame1.htm


楽しみ生きる、わざ 技とすべ 術:芸術

2011年02月14日 11時43分13秒 | 美術/絵画
2011年2月14日-1
楽しみ生きる、わざ 技とすべ 術:芸術


 サリュ・スピリチュアル vol.3(2011年1月10日、大蓮寺・應典院発行)15頁に、「無縁社会を結縁社会へ。アートは都市を再生するか。」という記事に、連続セミナー「現代アートと大阪のまちづくり」が開催されたとあった。

 「現代アートと大阪のまちづくり」の第5回記録(2010年11月17日(水))は、
http://citesalon.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=71

にあり、永田宏和氏が「まちを“アーツ”で編集する」と題しての講演。


  「アートではなく「アーツ」にしているのは、狭い意味でのアート(=芸術)ではなく、グラフィックデザイン、コミュニケーションデザイン、建築などを広く視野に置きたいためです。……
   アプローチそのものがアーティスティックであることが、+artsの基本的な概念です。」

と述べている。

 第6回の秋田光彦氏(大蓮寺住職・應典院代表)「いま大阪で、アートに求められているもの」では、

  「■アートの原意は「美しき技術」~人と人との関係を紡ぐ「技」

   アートはギリシャ語の「アルス(ars)」を語源にした言葉で、もともと「高度な技」転じて「創意」の意味で使われたと言われています。……そう考えるとアートとは額縁に飾った絵画、舞台で演じる演劇だけでなく、もっと広い意味で、作品そのものだけでなく、ふるまいや関係性も含めて考えるべきものです。」

と言う。artは、わざ [技または芸]、であり、すべ [術(手段)]である。
 創意工夫することは楽しい。問題解決のわざを、実践的に磨こう。そして、創造的に創造しよう。
 まずは、近くの画廊を覗いてみるのもいいのでは?

関西の1・2月分イベント・展覧会スケジュール
http://www.art-express.co.jp/guide-net/schedule.html


2011年2月9日(水)美術修行

2011年02月09日 21時55分21秒 | 美術/絵画
■ 2011年2月9日(水)美術修行

 伊丹空港から直行バスで阿倍野(天王寺)へ、620円。天王寺から阪堺線で宿院へ、200円(バスを降りた地下の金券ショップで190円)。

・山本じゅうりゅう展/ギャラリー いろはに。
http://www.tcn.zaq.ne.jp/art/irohani/index.htm

 発想が面白い。凹凸のある曲面に綿布などを張り、アクリルを塗ったり塗らなかったりして、ステンシルで塗る。作品画像綴じ込みによれば、様々なやり方が試みられている。
 技法:木を変形、布張り、ステンシル(版画)で塗る。
 素材:木板、布、アクリル。

 「いろはに」は企画画廊(商業画廊)。いろいろと話を訊くことができた。

 南海線の堺から難波へ、250円。
 高島屋6階美術画廊。


シュリ・チンモイの絵画と音楽

2011年02月08日 21時02分59秒 | 美術/絵画
2011年2月8日-1
シュリ・チンモイの絵画と音楽

 Sri Chinmoy シュリ・チンモイ(1931-2007)。
 数年前にCDを入手しようと思ったが、できなかった。
 ウィキペディアに記事はなかったが、今ではある。

シュリ・チンモイ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%82%A4

シュリ・チンモイの芸術
http://jp.srichinmoycentre.org/sri_chinmoy/art


絵画の定義

2011年02月01日 10時39分03秒 | 美術/絵画
2011年2月1日-2
絵画の定義


 絵画は、どのように定義できるか。次の最初の文は、定義として提案されたのかもしれない。

  「絵画は、点、線、面、色彩を操作して二次元の平面上にひとつの視覚世界を創り出そうとする芸術である。……
   ……絵画は平面における広がりと奥行という二つの基本的な関係によってできている。そしてそこに絵画空間は生まれてくる。ところで三次元の対象を二次元の平面上に絵として描くということはどういうことであろうか。」(堀内貞明 : 8-9頁)。

 もっと拡張した定義にすると、

  〔物体の〕表面 surfaceになんらかの作用によって、なんらかの模様 pattern を形成したものと、(一人以上の人が)<見立てた>物体。あるいは、その表面について観測されるものと(一人以上の人が)見なした構築体。

 ここでは、なんらかの作用を行なう存在者が存在することを仮定している。自然物においても、仮定できる(調査または試験[=経験に照らして試すこと test。なんらかの理論と仮説[現実においては試験系の環境諸条件についての仮定を含む]のもとに確証手続きが取られることが望ましい]の結果、存在しないと断定したくなるかもしれないが)。


 物体の表面としては、四角い平らな面だけでなく、でこぼこのある曲面や、球面であり得る。
 なお、『物体』を、映像として解釈することもできる。その場合は、光絵画あるいは光線絵画と呼んで良いだろう。

 
堀内貞明.2010.4.西洋における絵画空間1.堀内貞明・永井研治・重政啓治、『絵画空間を考える』: 7-49.

[H]
*堀内貞明・永井研治・重政啓治.2010.4.絵画空間を考える.192頁.武蔵野美術大学出版局.[y2000+] [大市図720.2]