発問の仕方の工夫すると,発表するために手を挙げる子たちが増えてきます。
「はい!」「はい!」と活発に手が挙がる授業は楽しいものです。
教師の思いとしては,できるなら手を挙げている子たちみんなに発表させてあげたい。やる気のある子は何回も発表させてあげたい。
授業に意欲的に取り組んでいるその姿勢をくみ取ってあげたいものです。
発表ができた授業というのは子どもにとってもうれしいものですよね。
しかし,実際はそうもいきません。
とっても簡単な発問で,クラスのほぼ全員,30名ほどが手を挙げたとします。
しかし,普通は当てて発表させられるのは1人。
その発問が10問続いたとしても10人。
授業後に正確にカウントしてみると,実はクラスの中で発表できた子は何分の1しかいなかった・・・ などとなると残念です。
一年生なんて,当ててもらえなかったらいじけちゃうのも日常茶飯事ですからね。(笑)
そんなときの,ちょっとした攻略法です。
一人ずつ当てるのではなく,工夫して複数人を当てる!
これはおもしろい!
「はい!」「みのるくん!」 「はい!」「さとこさん!」
普通は,一つの発問につき,このように一人ずつ当てていきますが,ちょっと工夫してみましょう。
「アメを配っていたのはだれですか?」「はい!」
「5班!せーの!」「たけしくんです!」
「たけしくんはアメをいくつ持っていましたか?」「はい!」
「女子!せーの!」「32個です!」
「何人にアメを分けましたか?」「はい!」
「5区の子!せーの!」「5人です!」
複数人を当てるのです。
これで,一つの発問にたくさんの子が発表することができます。
しかも,一人で発表するより元気もあるし,声がそろったときはうれしいものです。授業全体にもまとまりがでてきます。
複数人を当てるためのくくりは,探してみるとたくさんあるものです。
上のような班,男女,住所のほかにも,生まれた月,血液型,縦列,横列,係,クラブ,朝食がパンだった人…
固定的にならず,これらをランダムにするとおもしろいし,いろいろな子が当たることになります。
班や列で当てるときは,本当に手を挙げている子が多いところを当てるとよいでしょう。
もう一つ。この当て方をすると,当てられたグループに入っているのに,集中してなくて答えられなかった子を刺激することができます。
「え?なに??」とあせった顔をしているその子も,かわいいものです。
もちろん,これはとーっても簡単な発問のときだからこそできる当て方です。
発問が難しくなると,これはできなくなります。したとしても,答えがバラバラになるからです。
簡単な発問で多くの子が手を挙げている。発表欲を満たせてあげるために,こんな当て方もおもしろいですよ。