子どもを「叱る」「ほめる」ということについては,過去の記事でもたくさん紹介してきました。
それでも,子どもといる時間を重ねれば重ねるほど,まだまだ考えさせられることばかりです。
(考えさせられると,このブログのネタになります 笑)
それくらい,先生と子どもって,「叱る」や「ほめる」,「叱られる」や「ほめられる」という行為でつながっていて,多くの子を受け持つ先生にとっては,一日のうちに何度もこれらを繰り返していることに気付かされます。
どのように叱れば効果的か。
どのようにほめれば効果的か。
いつもそこに悩みながら声をあげるわけですが,一筋縄ではいきません。
ある子にはよかったやり方が,別の子では全く手応えがなかったり。
昔はうまくいったやり方が,今は逆に問題を起こすやり方になってしまったり。
子どもも一様ではありませんし,忘れてはいけないのは,先生である自分も変化しているということでしょうね。
さて,以前に勤務した学校の校長先生に学んだことがあります。
シャキシャキとした明朗活発な女性の校長先生でした。
夏休み前の終業式,体育館で全校児童を前にこんな話をされたことがありました。
そのときは,長期休業に入る前の生徒指導的な講和をする中で,
「人のものを盗るな」
「危険な遊びをするな」
ということを語ったのですが,私の印象に残った言葉がありました。
きっと,子どもたちにも印象的だったのではないかと思います。
それらのことについて,道徳染みた話で迫っていくのかなと思いきや,ズバリ一言。
ダメなものはダメ!
と子どもたちに一喝しました。
真剣で,力の入った言葉に,体育館中がシーンと息を飲んだ様子を覚えています。
また女性の先生だったためか,その力強い言葉が少し意外で,逆に心に響きました。
このときは,学校の子どもたちがそういった話題で「叱られる」という立場にあったわけではありませんが,夏休みの間に絶対トラブルを起こさせたくないという校長先生の強い気持ちから,そんな話し方をしたのだと思います。
「ダメなものはダメ」
この言葉,私は先生として使ったことはありませんでしたが,みなさんはいかがでしょうか。
私のイメージでは,厳しいお母さんがよく使うような言葉だと思うのですが。
先生って,どうしても語ろうとしてしまいます。
子どもを説得しようとしてしまいます。
子どもから引き出そうとしてしまいます。
もちろん,そんなアプローチのしかたは大切だし,基本的なそうあるべきだと思っています。
でも時に,この「ダメなものはダメ!」の一喝が,強烈に子どもに届くことがあるような気がします。
理屈ではなく(理屈を言おうとすれば,言えることはあるのでしょうが)「刷り込み」です。
まだ幼い子どもたちに,理解よりも先に概念の形成をさせる,とでも言えるでしょうか。
「人のものを盗るな」ということに関して,「なんで?」を考えさせる余地を与えず,
「人のものを盗る」=「それは絶対にしてはいけないこと」
の概念をつくらる。
そんな効果があるのかなと,推察します。
子どもたちを叱る際にこれを連発するようでは効果が薄れてきそうですが,ときに,「絶対に」ということに関して,使ってみるといいですね。