私が初めて教育論文を書いたのは・・・ 5年前です。
そのときは,小さな学校に赴任した年で,めずらしい環境や初めて経験させてもらった仕事にたくさんの刺激を受け,やる気いっぱいでした。
別に強制でも何でもなかったのですが,
「論文でも書いてみようかな」
と思い立ちました。
さあ,じゃあ書いてみようとすると… 当然,書き方が全く分かりません。
何から書いたらいいのか
何のことを書いたらいいのか
どんな形式で書いたらいいのか
そもそも,自分なんかに書けるのか
一から勉強しました。
人の論文を読んだり,近くの先生に聞いたり,本を読んだり。
すると,手探り状態ですが,一通り書き方は身についてきました。
小さな学校だったからというのもあったと思いますが,非常にフットワーク軽く自分の仕事が進められる環境だったので,論文づくりにも十分エネルギーを注ぐことができました。
一つ書いてみると,「おぉ,できるもんだな」って感じで調子に乗って,その年だけで5本の論文を書いていました。
・・・・・今思えば「ツワモノ!」とも思うし,「何やってんだかぁ」ってちょとあきれる部分もあります。(笑)
5本書いたとは言え,素人の論文です。
しかも処女作。
だれの目にも留まることはことはありません。
何の賞をとるわけでもありません。
今読み返してみても,5本中3,4本はとぼけた内容です。
ただ,一つの実践の記録としては確かに残るものですし,私の中の小さなキャリアにもなっているはずです。
その年以降,毎年論文は書いています。
年ごとにペースが落ちてきているのですが,必ず2本以上は書いています。
それだけ書いていると,少しずつ人に読まれるようになったり,何らかの賞をとるようなものも出てきました。
今年も冬休みに2つまとめるつもりです。
さて,
個人的な論文を趣味のように書いているだけの私がえらそうには言えないのですが,論文づくりのハウツーとして一つ。
論文を書く材料は誰でも持っているということを言いたいです。
論文は理論先行型でなくても,実践先行型で書ける!
大きく2つの方法があります。
理論先行型というのは,論文を書くときの一般的なやり方で,まず理論的なことを勉強して,そのあとにそれを実践するやり方です。
本などで勉強→自分のクラスで構想を立てる→実際にやってみる
という順序です。
勉強家の先生は,スタートである「勉強」をするエネルギーがあるのでしょうが,忙しくなかなかそうできない先生も多いはずです。
こうなると,勉強家の先生しか論文が書けないことになります。
ここでもう一つの方法。
実践先行型というのは,先に実践があって,そのあとそれに何らかの理論を当てはめるやり方です。
クラスで授業等を工夫する→ちょっと手応えがある→理論でまとめてみる
こういう順序です。
このやり方だと,多くの先生にチャンスがあります。
だって先生ならば,スタートである「授業を工夫する」ということは日常的にしているからです。
もちろん授業でなく他の分野でもOK。
「論文を書くつもりでやったわけではないけど,授業を一工夫してみたら,子どもたちの反応がよかったし,おもしろくなった。
ちょっと,どんなことをしたのかまとめてみようかな。」
という形で論文になっていきます。
まとめる際は,何も堅苦しい理論に無理に当てはめなくてもいいと思います。
「こう思ったから,こうしてみたら,こうなった」
これだけのことですから。
私もこの形で書いた論文も多々あります。
どの先生も,毎日たくさんの子どもたちとたくさんの時間をすごし,多くの実践があるものです。
それは立派なキャリアで,論文にまとめるにも値します。
あとは,「書く」作業をがんばれるかどうかだけ…