ベテランの添乗員さんでした。
本校の修学旅行にも10年ほど前に同行したことがあるし,ここ数週間はいろんな学校の修学旅行について回って,休みがないほどだそうです。
人がいい感じのおじちゃん添乗員さんで,子どもたちも抵抗感なく始めから接することができていました。
事前に3回ほど打ち合わせをしました。
そのときから
「さすがベテランだな」
って思わされるところが何度かありました。
そして旅行の最中も。
なにしろ,仕事が早い。
ここでは「速い」ではなく「早い」の方です。
「先生,資料館に到着後の11時から講演を予約しておきましたから」
「弁当は子どもたちが好きそうなメニューにしておきました」
「先生たちが過ごしやすいようにホテルは個室にしておきましたから」
「夜の自由時間に使うことがあればと思って,ミーティングルームをとっておきました」
「お茶をどうぞ。このクーラーボックスにいつも冷やしておきますから」
「駐車場はあっちなんですけど,こっちに止めた方が売店に近いので了解を得ておきました」
とにかく,この
「○○しておきました」
が多いんです。
旅の行程に沿って,「~したほうがいい」をたくさん見つけては,それを実現するために事前に動いているんです。
この「~したほうがいい」をたくさん見つけられるのはベテランだからこそ。
そして,それを実現するために事前に動けるのは,私たち,子どもたちに快適な旅を与えようというサービス精神があるからこそ。
なんでしょうね。
いろんな「○○しておきましたから」
を言ってもらっては,私たちは
「ははぁ~ さすがですね~ 助かります~」
なんて気の抜けた言葉を返してばかり。
でも,言うまでもなく本当にそのおかげで旅全体が効率的で,中身も充実していました。
こんな風に仕事を早くするのは,実際にそうしなきゃいけないからということもあるんでしょうね。
同じ場に何十校という修学旅行の団体がいて,受け入れる側もスケジュールがみっちりで,その場その場で要求を出したとしても通るはずがありません。
だから,先を見通して,早め早めに動くわけです。
学校の現場で仕事をする我々も学びたいですね。
よりよいものを見つける目を養う経験と,それを実現するための早め早めの行動力!
前回のカメラマンさんと同様に,それが子どもの笑顔を引き出す結果に結びつきます。
もちろん,添乗員さんは客商売です。
修学旅行の業者も入札制度で,旅行会社はぜひ来年の契約をとりたいところでしょう。
それがこの仕事に対する必死な姿勢をもたらし,私たちに満足感を与えることにつながっているという言い方もできるでしょう。
この緊張感を,教員ももつべきですね。
子どもとの契約を切られることがないからといって,なあなあに仕事をしててはいけませんね!