受け持っている6年生学級も,なんだかんだで一学期をもうすぐ終えます。
スタート時からなかなか雰囲気のいいクラスで,目立ったトラブルもなくここまできました。
もちろん未熟な部分もあるし,子どもそれぞれに課題や悩みももっていますが,一学期という時点のクラスの状態を考えれば,かなりいいんじゃないかと思っています。
実は,この子たちは,5年生のときからの持ち上がりなんです。
私自身,初体験の持ち上がりなのですが,確かに指導のしやすさというのを感じますね。
最初から呼吸が合うというか。
多くの言葉がなくても,お互いが通じ合う気がします。
おかげさまで,クラスの毎日も充実していて,うれしく思っています。
しかし
落とし穴があることも忘れてはいけません。
雰囲気のいいクラスこそ,問題は見えにくくなる!
そんなものです。
一般的に雰囲気の悪いクラスでは,問題も顕著に表れやすいものです。
一方,だれが見ても雰囲気がいい,というクラスにおいては,子どもたちもその雰囲気を壊すことを恐れたり,変に気遣ったりするものです。
すると,悪事も陰湿になりやすくなります。
・先生に見つからないように裏でうまくやろう
・他の子にも見つからないようにしよう
・だれがしたか分からないようにしよう
・「このこと先生に言ったら許さないぞ」
悪事をはたらかせる子としては,そんな考えが強くなります。
同時に,被害者の子がいるとすれば,
・先生や他の友だちに言って迷惑をかけたくない
・自分のことでクラスの雰囲気を乱したくない
・みんな楽しそうだし,きっとだれも分かってくれない
・同じような境遇の子が見当たらず,自分だけ取り残されそう
そんな思いを抱くようになります。
その結果,いい雰囲気の影に起きているトラブルはかなり見えにくくなってしまい,知らず知らずにうちに事は深刻になっていくこともあります。
「みんな楽しそうにしていたのに…」
「まさかうちのクラスでそんなことが起きていたなんて…」
後になって分かった時に,先生がこんな風に嘆くことになります。
だから,クラスがいい状態にある時こそ,先生は心がけるべきです。
いつも以上にアンテナを高く上げること。
他者の目を借りること。
必要ないなどと思わず,実態を調べるアンケート等を欠かさず実施すること。
「いいクラスだ,いいクラスだ」と,的外れなほめ言葉を連発していては,子どもたちに抜け道があることを気付かせるだけです。