2学期が始まり,一気に運動会モードです。
本校は秋の運動会開催。
「来年あたり春の実施に移行しないか?」
なんて声が出始めていますが。
さて
我が6年生クラス。
「小学校最後の」運動会を迎えるわけで,私も担任として子どもたちの思いをできるだけ高めたいと思っています。
さっそく,応援団員の決定です。
なりたい子がいなくて,じゃんけんなんかで負けた子がするようなネガティブな形になってしまうと大変残念ですが,うれしいことに,積極的に手を挙げてくれる子たちがいっぱいでした。
そして,花形「応援団長」の決定をするときがきました。
これにも,何人の子が手を挙げるか,どの子が手を挙げるか,私もどきどきしながら待っていたところ…
4人の子が「応援団長になりたいです。」と声を上げてくれました。
これはうれしかったですね。
頼もしかったです。
真っ先にその子たちを「えらい!」とほめてあげました。
心情としては全員団長にしてあげたいところですが,そうもいきません。
なれるのは1人。
3人はなれません。
うれしい気持ちのあとに,すぐに
(おい,どうやって決めようか)
というところにやってきました。
できるだけ全員に平等で,全員が納得いく形で決定をしたい。
最初,私はこの子たちの主体性に任せてみようと思って
「どうやって決定するかも自分たちで決めなさい。運に任せてじゃんけんか,くじ引きか,4人の間で討論するか,それともクラスの前で所信表明演説という方法もあるぞ。」
この私の投げかけに,子どもたちは意見が割れました。
熱い気持ちを語って,周りの人に決めてほしいという子。
あっさりじゃんけんのほうが,負けてもくやしさが残らないという子。
うーん。
任せてみようと思いましたが,スムーズにはいかないものです。
さて,どうしたものか。
私が一声で方法を決めることもできるのですが,この5人のそれぞれの個性も知っている手前,全員にぴったりと思われる方法もすぐには浮かびません。
なかなか張り詰めた時間がしばらく経ちました。
子どもたちの表情も真剣そのものです。
そして,ある子がひらめきました。
「トータルで決めよう!」
「え?」
じゃんけん,くじ引き,所信表明演説,全部やってトータルポイントが一番高い人を団長にしよう!
「・・・・・お~!」
「それいい!」
私(…ほぉ)
4人が決めたのは
○じゃんけんで,1番の子に5ポイント,順に4・3・2ポイント与える。
○くじ引きも同様に,1番の子に5ポイント,順に4・3・2ポイント与える。
○演説は大事だから,1番の子に8ポイント,順に6・4・2ポイント与える。
○その3つのトータルポイントで一番高かった人が,文句なし,団長!
これだと,じゃんけんやくじ引きの「運」に任せる平等性もあり,演説で思いを伝える機会もつくることができ,納得がいくというわけです。
おもしろいことを考えたものだと思いました。
もし他の子たちがいたら,その子たちにとってもこれがベストな方法だと必ずしもいえるかというと,そうではないかもしれませんが,あーだ,こーだいろいろと考えたこの子たちにとっては,
「これしかない!」
と言えるくらいの方法になったようです。
1つの方法に頼らず,いろんな要素を集める。
決着を一瞬でつけるのではなく,時間をかけてする。
団長に名乗りを上げた子どもたちなりの精一杯の方法です。
うん,なかなかな思考力というか,発想力というか,柔軟性というか。
この決定にもうれしかったですね。
明日,団長が決まります。