授業の中で,発問は重要な要素です。
発問の工夫や当て方の工夫により,授業も質が高まり,活気づきます。
他の先生方の授業を見ても,つくずく感じます。
(うわ~ この先生,発問じょうず~)
(うわ~ この先生,発問へただな~)
たった一つの発問に,先生としてのセンスを感じます。
それと,私の変な職業病でしょうか。
すばらしいセンスで上手な発問を繰り返す先生に,
「かっこいい~」って,軽く鳥肌が立ちます。(笑)
さて
授業で先生が発問をして,子どもたちが発表する。
その活動が繰り返されて授業が進んでいる中に,先生がふと気付きます。
(あ!聞いてない子がいる!)
クラスの大半の子が意欲的に手を挙げている中で,明らかに集中していない,もしくは手遊びをしている,などという子が目につきます。
ありがちな光景ですね。
ここで,「ただしくん,聞いていますか?今,先生は何と言いましたか?」と,ストレートに注意するのも一つの方法ですが,せっかくよくなっていた授業のテンポを崩してしまいそうです。
ここでクドクドとその子に時間をとっていると,他の子たちの集中力までうばってしまうことになります。
なので,こんなシーンに対処するためにも,時折こんなことをするといいでしょう。
時には,手を挙げていない子を当てる!
という,ちょっといじわるな攻略法です。
発表したくて,クラスの大半の子が元気に手を挙げている。「はい!」「はい!」
もちろん,その子たちを当てていくのですが,たまーに,手を挙げていない,話を聞いていない子を見つけて,ズバリ当てちゃいましょう。
「とおるくん!どうぞ!」
手を挙げていた他の子たちは「えっ?」という顔をします。(とおるくん,手挙げてたっけ?)
そしてもちろん,とおるくんは焦ります。( …えぇ!なんでぼく?手挙げてないのに…聞いてなかった~)
とおるくんは答えられません。
すると,周りから(なんで,こんな簡単なことに答えられないの?とおるくん,聞いてなかったんだ)という視線が向けられます。
そして,先生はこれまで笑顔だったのに,一瞬だけ,とおるくんに厳しい目を向けます。
そして「はい,他に分かる人!」 「はい!」「はい!」
これで十分だと思います。
なんの説教もせず一瞬のできごとだから授業のテンポは崩れません。
しかも,とおるくんには,友だちから,先生から厳しい目が向けられ,反省せざるを得ません。
もし,もう少し厳しくしたい状況であれば,答えられなかった,とおるくんに,サクッと「立ってなさい」と言う方法もあります。(もちろん,その後すぐ座らせましょう)
このように,時折,手を挙げていない子に当てることで,「先生は,聞いていない子を見てるぞ」という緊張感が生まれます。
手を挙げている子だけが発表していく授業の中では,手を挙げていない子が取り残されるていく恐れがありますので,それを防ぐ意味もあります。